最終更新日:2025/3/1

AGC(株)

  • 正社員
  • 上場企業

業種

  • ガラス・セラミックス
  • 化学

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

素材の力で世の中を変える! 3人の先輩社員が取り組む新たなチャレンジ

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キャリアを構築した先輩たちにインタビュー

就職活動では、その会社で働いている自分の姿を想像することが大切だ。見逃しがちなのは、10年先、20年先にある自分の姿。キャリアを積んだ後も活躍している先輩たちの話は、きっと参考になるだろう。

■藤村 正貴さん
鹿島工場 ガラス部 コート課 マネージャー
2013年入社/薬学研究科薬科学専攻修了

■満居 暢子さん
オートモーティブカンパニー モビリティ事業開拓室
プロジェクト推進グループ 事業開拓プロジェクト マネージャー
2003年入社/基礎工学研究科化学系専攻修了

■鷲見 直子さん
化学品カンパニー 戦略本部 応用商品開発部
コーティング開発室 表面改質グループ マネージャー
1991年入社/理工学部化学科卒

先輩のオフタイム

「小さな子どもが3人いるので、土日はあっという間に1日が終わってしまいます。自宅にいながら仕事ができるのは、DXを導入した効果にほかなりません」(藤村さん)
「思春期の息子がバスケットボール部に入っているので、休日は差し入れを持って応援に行きます。子どもの笑顔が仕事のモチベーションにもなっていますね」(満居さん)
「2人の子どもは成長し、自分の世界で楽しんでいます。それが少々寂しいので、休みの日はお菓子を作って彼らの気を引いています」(鷲見さん)

製造エンジニアの立場から、工場の生産性を大幅に改善するDXを推進中!

製造エンジニアである私は、世界最大規模のガラス製造設備が稼動しているAGCの鹿島工場で建築用板ガラスの試作開発を行っています。例えば、市場創造の観点から開発・製品化した「Clearsight(R)クリアサイト」は映り込みを極限まで抑えた低反射ガラスで、美術館や宝飾店のショーケースなどにも使われています。また、製品開発のほかにも工場における新規設備の導入や生産プロセスの改善などを担当し、既存製品の製造コスト削減を目的にさまざまな取り組みを行っています。

近年とくに力を入れているのは、当社の成長戦略でもあるDX(デジタルトランスフォーメーション)です。私は2017年に立ち上がったプロジェクトチームの一員となり、生産ラインのデータ収集システムを構築しました。目的は、工場内でトラブルが発生したときにダウンタイムを最小限に抑えて原因を究明し、ガラスの歩留まり率を算定することです。
チームメンバーは生産技術やインフラ、システム系のエンジニアが中心となっており、私は工場側を代表して参加しました。システムは無事に完成し、当工場をはじめ複数の生産拠点で稼働しています。20年にはインドネシアの工場に導入され、私も立ち上げに加わりました。

このシステムにより、工場の生産性は大きく向上しました。それまでは不良品を発見するのに複雑な工程が必要だったのですが、今はガラス1枚1枚にIDを付与しているので、検査機を通った製品のどの部分にどのような欠点(無機物質)があるのかを正確にマッピングできます。そのデータをクラウドに保存し、現場の担当者が画像を見て対処法を検討するわけです。
鹿島工場では毎月数十万平米もの板ガラスを生産していますから、このシステムは歩留まりの面でも大きな効果をもたらしました。

ほかにも、作業員の安全を図るため工場内に可動式のカメラを設置したことで、データ収集システムとともに、担当者は工場外からもアクセスできるようになっています。私は本社へ行くことも多く、週に2日は在宅勤務をしています。妻の出産で里帰りしている際も、工場から遠く離れた実家から生産状況を確認していました。工場のDX導入によって、社員の働き方も大きく変わったのです。
当社におけるDXの取り組みは、化学品カンパニーなど他部署でも進行中で、今後は開発リードタイムの短縮など新たな方向でもDXを進めていきたいと考えています。
(藤村さん)

新規事業の開拓に挑戦し、ガラス製透明スクリーンの量産化を実現しました

AGCでは、既存事業を守りながら新規事業を開拓する「両利きの経営」を実践しています。各カンパニー内には研究開発の芽を事業に育てる「事業開拓部」が設置され、そこでさまざまなアイデアを選別・育成し、量産化のめどが立ったものが、既存事業のカンパニー内で事業化される形になっています。
その新規事業に該当するのが、モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスの3領域です。私はもともと電子カンパニーの技術者でしたが、2020年3月に現部署へ異動し、モビリティ領域の事業開拓に携わっています。

担当製品は、当社で量産化を目指していたガラス製透明スクリーンである「Glascene(R)グラシーン」です。特殊なスクリーンフィルムを2枚のガラスで挟み込んだ合わせガラスで、スクリーンにプロジェクターの映像を投影することができる画期的な製品です。映像を投影していないときは透明な窓ガラスになるので、これまでは商業施設やショールームなどの映像演出用途で実験的に採用されてきました。
21年の6月、当社はついにこの製品のモビリティ領域での事業化に成功しました。タクシーの空車時間を活用してサイドガラスに広告を映し出す「タクシー車窓モビリティサイネージサービス」に採用され、都内を走る100台のタクシーに採用されました。

このプロジェクトにおける私の役割は、研究開発や品質保証などさまざまな分野の担当者で構成されるプロジェクトリーダーとして、プロジェクトを推進させることでした。お客さまのニーズを正確に把握することはもちろんですが、何より大変だったのはスケジュール管理でした。実験的な市場導入は行っていましたが、納品数が3桁にもなる量産化は今回が初めて。納期まで1年ほどしかなかったので、後半はチームメンバー全員の集中力で乗り越えました。
このタクシーが都内を走り出した映像を後から見たのですが、感無量でしたね。電子カンパニー時代にも自分が新規開発に携わった製品が実用化された経験はありますが、今回は技術者としてではなく、お客さまと接する立場でプロジェクトに参加。より製品に近いところで0から1を生み出す喜びを実感しました。
でも、今回の量産化は第一歩にすぎません。お客さまからのレスポンスや市場の反応などを参考にし、今後も新たなビジネスの事業化を進めていきます。
(満居さん)

仕事と家庭を両立しながらキャリアを構築。性別にかかわらず活躍できる会社です

私は入社から現在に至るまで、一貫して化学品の開発に携わってきました。部門でいうと「フッ素化学品事業」ではフィルムや半導体、塗料に使われるものなど、数年ごとに多様な製品を開発してきました。その内容も、基礎開発、プロセス開発、お客さま対応などさまざま。振り返ると、取り組んでいた全ての仕事がチャレンジだったように思います。
例えば、若い頃に接着性フッ素樹脂の基礎開発を担当しましたが、自動車燃料ホースの新材料としてプロジェクトの規模が大きく、私たち開発担当も必ず答えを見つけなければいけない状況でした。予定より時間はかかりましたが、チームが一丸となって問題を解決。その製品は用途が広がり、今はさまざまな分野で使われています。

私が最初の子どもを出産し、復帰したのは今から20年ほど前の話ですが、世間では出産後に退職や転職するケースが多かったものの、当社ではさほど珍しい例ではありませんでした。
実際は育児のため就業時間に制約がありましたし、仕事のために家を空けることもありましたが、基本的には自分がやりたいと思う仕事をやらせてもらえました。開発担当者が出張で海外へ行くことは当たり前でしたので、私も当然のようにそうしていましたね。それができたのは、もともと当社に子育てをしている社員が働きやすい制度が整っていたことと、早くから職場の理解が進んでいたからだと思います。

開発以外のチャレンジという意味では、当社が推進しているダイバーシティの取り組みが当てはまるでしょう。AGCは女性だけでなく、海外人財も数多く受け入れています。私がリーダーを務めている表面改質グループにも、外国人の社員が2人在籍しています。
重視すべきは、彼らを受け入れるだけではなく、どのように活躍してもらうかです。人には国籍やジェンダーだけでなく、得意不得意でも多様性がありますからね。海外人財が活躍できるよう、情報交換の場をつくり、彼らが他部署の海外人財とコミュニケーションをとれるよう努めています。

ダイバーシティには「女性が活躍する場を拡大する」ことが含まれていますが、当社においてそれは当然のこと。私は自分が女性であることを意識してキャリアを築いてきたわけではありません。AGCは、性別にかかわらず若手が活躍できる会社。チャレンジする機会は誰にでもあるのです。 
(鷲見さん)

学生の方へメッセージ

今回の取材テーマでもありますが、私たちAGCは“チャレンジ”することを重要視しています。当社が掲げるブランドステートメント「Your Dreams, Our Challenge」にはダイレクトにその想いが表現されていますし、創業精神の一つである「易きになじまず難きにつく」という言葉には、難しくても世の中のためになる事業を推進することへの決意が込められています。創業から100年を超える歴史の中で、この理念は社員に脈々と受け継がれ、AGCは世の中を変える、新たな価値を提供し続け会社として成長してきました。

私たちがうれしく思うのは、この理念が当社を志望される学生の皆さんにも伝わっていること。「学生時代にこんな研究をしていたけれど、もっと新しいことに挑戦したい」「若いうちから成長できる環境に身を置いて、世界を変える仕事がしたい」と話す方々がとても多いのです。

AGCが皆さんに求める要素は、「情熱」「チャレンジ」「革新」「インテグリティ(誠実さ)」「巻き込む力」。必須という意味ではなく、私たち社員もこれらの要素を大切にして仕事をしているので、こういう姿勢を持っている方と一緒に仕事をしていきたいという意思表明です。素材が持つ力を皆さんの発想でカタチにし、私たちと一緒に世の中を変えていきましょう!
(AGC(株) 採用チーム)

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採用担当の皆さん。社員数を考えると驚くほど人数が少ないが、これも「若いうちから大きな裁量を与える」AGCの伝統だ。

マイナビ編集部から

世界最大規模のガラスメーカー、100年以上の歴史を持つ老舗メーカー、約30カ国で事業を展開しているグローバルメーカー……。AGCにはいくつもの顔がある。皆さんの中にも、ガラス製品を通じて同社に馴染みのある方は多いだろう。もしかしたら使用しているスマートフォンのガラスが同社製かもしれないし、自宅の窓ガラスが同社製かもしれない。だが、ガラス製品は同社が手掛ける主要分野の一つにすぎない。AGCの事業領域は「ガラス」「電子」「化学品」「セラミックス」の4種類。カンパニー制を敷き、各領域で多種多様な製品を幅広い産業の顧客に提供しつづけている。

事業基盤と経営の安定性は言うまでもないが、同社の強みはむしろ新事業への取り組みにある。分かりやすい例が、現在同社が注力している戦略事業だ。取材に応じてくれた満居さんのお話から、その内容や仕事の醍醐味が伝わってくると思う。また、藤村さんと鷲見さんのお話からは、AGCが持つ先進性と多様性を理解できた。同社が素材業界をリードし、グローバル市場をけん引している背景には、現場の最前線で力を発揮している先輩社員の活躍があるのだ。
入社後にどのような仕事ができるのか、どんな環境で働くことができるのかは、さまざまな情報から知ることができる。今回の記事を通じて、キャリアを積んだ先輩たちが最新の取り組みに挑戦していることを知ってほしい。

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ガラス製品の印象が強いかもしれないが、AGCは素材メーカーだ。電子、化学品、セラミックスの事業領域においても新たな価値創造に挑戦しつづけている。

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