最終更新日:2025/3/28

東プレ(株)【東証プライム市場上場】

  • 正社員
  • 既卒可
  • 上場企業

業種

  • 自動車・自動車部品
  • 半導体・電子・電気機器
  • 金属製品
  • 機械
  • 輸送用機器(船舶・航空・宇宙関連など)

基本情報

本社
東京都

取材情報

事業について伝えたい

4つの事業で安定成長! 世界を視野に入れた「独立系の開発型企業」

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全事業の原点に“プレス加工技術”がある!

自動車用プレス部品の業界で揺るぎないポジションにある東プレ。だが同社の事業はそれだけではない。国内と海外の拠点でモノづくり先導してきた大先輩に、4事業の詳細を伺った。

矢澤 直さん
業務本部 人事部 部長
1995年入社

入社後は生産管理部に4年、営業部に17年、その後は北米とインドで工場の立ち上げに携わるなど、事業畑一筋にキャリアを構築してきた。東プレの全てを知り抜いた大ベテランは、2022年度から人事部のトップとして指揮を取っている。

東プレの強みと特徴

「完成車業界と同じく、自動車部品業界も大きく変わりつつあります。今後は高機能な製品をいかに安定供給できるかが課題になるでしょう」と矢澤部長。
経験を積めば海外勤務のチャンスもある東プレ。矢澤部長もアメリカとインドで貴重な経験を積んだ。海外志向というよりは人が好きで挑戦志向のある方が向いているという。
学びの機会が多い点も東プレの特徴。新入社員は座学や工場実習を通じてモノづくりに必要な知識とマインドセットを身に付ける。

独立系企業として、柔軟な発想力と高い技術力で事業を拡大

当社の特徴を簡潔に表現すると、「独立系の開発型企業」ということになります。事業内容は「自動車プレス関連製品」「定温物流関連製品」「空調機器関連製品」「電子機器関連製品」の4分野で、どの分野も塑性(プレス)加工技術を起点としています。4事業の中心にあるのが、フロントピラーやリアピラー、ドアビームといった主要骨格を開発・製造する「自動車プレス関連製品」。ここだけで全グローバル売上げの8割近くを占めています。

主要骨格を手掛けるメーカーは完成車系列の企業がほとんどですから、当社のような独立系の企業は業界でも珍しい存在です。独立系である強みは、自社の判断ですべての完成車メーカーに販売提案できること。逆の言い方をすれば親会社に頼ることができないため、独力で技術開発を行わなければなりません。当社が長年にわたってお客さまの信頼を獲得してきた背景には、柔軟な発想と高い技術力、そこから生まれる独創的な提案力があるのです。

例えば、車のボディ骨格に980MPa級のハイテン材(高張力鋼板)を初めて導入したのは東プレですし、さらにハイグレードな1180MPa級採用の一番手となったのも当社でした。部品の軽量化と高強度化を同時に実現する「ホットスタンプ」工法も、早くから手の内にしています。さらに言えば、海外を含む多拠点でこうした難しい部品を同時に製造できる点も、当社の大きな強み。東プレには金型を内製できる工機部門があるため、難易度の高いお客さまのニーズにも素早く対応できるのです。私自身の経験でも、他社ではできなかったので当社に話が来たというケースは多かったですね。困ったときに頼られる存在であることは、社員一人ひとりの自信につながっていると思います。

また、こうした高ハイテン材部品の海外市場への拡大に対応するため、当社は北米や中国などに海外拠点を構築しています。海外拠点でも自動車メーカーや鉄鋼メーカーと三位一体となって進める必要がありますから、待っているだけでは実現できません。すべて、自分たちから仕掛けて設立した拠点です。昔も今も、東プレの社員には独立系の強靱なDNAが刷り込まれているのです。

プレス以外の事業部門も、他社とは異なるアプローチで積極展開中

中心にあるのは「自動車プレス関連製品」ですが、当社はほかの3分野においても製品の付加価値を追求し、多種多様な製品を世に送り出しています。

「定温物流関連製品」は、冷凍車を中心に各種温熱装置を開発・製造する部門。国内では40%のトップシェアを維持しています(※自社調べ)。
昔の冷凍車は鉄をプレスしたモナカ状の冷凍板に冷凍液を入れ、それを夜間電力で冷やして内容物の鮮度を保っていました。今は機械式になっていますが、もともとは当社伝統のプレス技術を活用していたのです。この分野における強みは、トラックの車体部以外はすべて自社で一貫生産していること。お客さまの細かなニーズに対応できるだけでなく、メンテナンス性の高さと短納期も実現しています。

この冷凍車開発で獲得したのが温度調節技術。ここに従来から手掛けていた空調機器のプレス技術が加わり、現在の「空調機器関連製品」へと発展したわけです。高効率化や静音性を追求しながら高性能ファンをシステム化し、オフィスビルや工場、住宅などさまざまな場所へ導入。近年の製品はファンだけでなく、エアドライヤーなど産業分野の周辺機器にまで広がっています。最近はより快適な空調環境を想定し、温度に加えて湿度調整にも注目。一体型外気処理機「デシトップ」は、施設内の温度と湿度を個別に制御することができます。

最後に紹介するのは「電子機器関連製品」。パソコンに詳しい方なら、当社が発売している「REALFORCE」ブランドのキーボードを御存知かもしれません。これは当社唯一のBtoC製品。入力のしやすささや信頼性と耐久性の高さから、最近はゲームプレイヤーにも支持されています。その基本技術となっているのが静電容量無接点方式のスイッチ。当社はこの技術をコアに、コンビニや銀行のATMなどで使われるPINPAD(テンキー)や、タッチモニタ、パネルPCMなどを開発・製造しています。意外に思われるかもしれませんが、実はこの分野の原点にも当社のプレス加工技術があったのです。開発初期に、キーボードに使う円錐バネをプレス加工で作ろうとする取り組みがありました。当社はこれからも、事業の深化と領域拡大を進めていく構えです。

事業の「安定性」を武器に、新たな方向から「グローバル化」を目指す

プレス関連企業として見た場合、当社ほど幅広い分野の製品を開発・製造・販売している企業はそうそうないと思います。プレス加工技術をコアにした企業はその大半がBtoBですが、当社には企業向けの製品に加えてBtoCの製品もありますからね。現在手掛けているのはこの4事業ですが、過去にはその何倍、何十倍もの事業が構想され、世に出ることなく消えています。失敗を恐れないチャレンジ精神は、当社の大きな特徴といえるでしょう。

事業の将来性という意味では、「安定性」と「グローバル化」という2つのポイントにご注目ください。EV化を背景に、今は自動車業界全体が激変している最中。特に、エンジン関連の自動車部品メーカーには厳しい時代がやってくるでしょう。その点、当社が手掛けているボディの骨格部品は、車の動力源がすべてエンジンからモーターに置き換わったとしても、需要がゼロにはなりません。ここが「安定性」の肝になる部分です。

もうひとつの「グローバル化」も、今後の成長を左右する重要ポイント。当社が海外進出したのは業界でもかなり遅い方でしたが、アメリカ、中国、タイといった主な自動車産業の集積地は、ほぼ網羅しています。これから求められるのは、新しいコンセプトで挑む海外進出。今までのようにマスメリットを生かした進出ではなく、台数は少なくても、お客さまの細かな現地ニーズに対応できる形を目指しています。

当社は開発型企業なので、すぐに仕事の結果が出るわけではありません。先進技術の開発には10年以上かかりますし、自動車の骨格部品も生産までに4、5年はかかるため、担当者には長期的なビジョンが求められます。同時に求められるのが協調性。営業であれ開発であれ、どの職種も基本的にチーム仕事ですから、社内外の人々との連携が欠かせません。すべてのプロジェクトは、お客さまや仕入先メーカーさまと一緒に走り続ける長距離競争のようなもの。ゴールには大勢の仲間たちと一緒に製品を作り上げたという、大きな喜びが待っています。ぜひ、私たちとともにその喜びを味わってください。

学生の方へメッセージ

東プレの企業理念は「世界を、かたちづくる。」です。技術の力で世界をより良い形、新しい形に変えていく。これを実現するには、会社が総力を挙げて“世界で通用する人材”を育てなければなりません。当社では私たち人事部のメンバーが人材育成の最前線に立ち、さまざまな取り組みをスタートさせています。

今は自動車業界はもちろんのこと、産業界全体が大きく変わりつつある時代。当然、それに合わせて社員の育て方も、時代に合った内容に変えていかなければなりません。特に当社のような製造業では、連綿と受け継がれてきた技術の継承や、モノづくりに取り組む姿勢のあり方そのものが大きな課題となっています。解決のヒントはどこにあるのか? 有り難いことに東プレでは、先人達が自己啓発に役立つ教育資料を大量に残してくれました。私たち人事部では2022年度から、それらの資料を使った特別講座を開講。既に自動車機器部門の社員150人ほどが受講し、先人達のナレッジを意欲的に吸収しています。23年度はさらに受講対象を拡大する予定。より幅広い部署の社員に向け、成功体験につながる学びの機会を提供したいと考えています。

このほかにも、当社は入社3年目を対象にした若手社員研修や職種別研修、外国語教育など、スキルアップにつながるプログラムをふんだんに用意。入社後の皆さんの成長をしっかりサポートします。
(矢澤部長)

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新入社員は部署配属後、OJTを通じて仕事の基礎を学ぶ。若いうちからさまざまな仕事に挑戦させてもらえる環境なので、成長を実感しやすい点も東プレの魅力だ。

マイナビ編集部から

自動車に興味がある人でも、東プレの社名までは知らないかもしれない。だが自動車の製造に興味のある人なら、間違いなくその名を知っているはず。東プレは、自動車ボディのプレス部品を開発・製造する業界内のキープレーヤーだ。独立系なので系列の協力は得られない。その代わり国内の全完成車メーカーと取引しているので、受注量に極端な変化がなく、工場への投資も積極的に行える。自動車の販売台数が増えないなか、独立系であることが追い風になっているのだ。また、今後本格化する電動化もプラスに作用するだろう。同社はEVに使われるバッテリーのケースを手掛けているからだ。

相模原事業所を訪問して印象に残ったのは、若手社員の元気の良さ。年配の作業員と打ち合わせをしている工場の管理者、パソコンに向かっている設計エンジニア、これからお客さま先へ向かおうとしている営業担当者。誰もが明るい表情で、全身に活気が満ちていた。同社の若手社員は年齢の割に責任の大きな仕事を任されているが、それをプレッシャーと感じていないのかもしれない。失敗しても上司や先輩がフォローしてくれるし、言いたいことを遠慮せず口にできる環境があるからだ。

車に興味がなくても構わない。東プレでのモノづくりに必要な要素は「難しいからこそやってみよう」という挑戦心と長期的なキャリア形成につながる成長への意欲。この2つがあれば、どの部署に配属されても活躍できるだろう。

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相模原事業所の工場棟。新入社員は基本的に同所での工場実習を経て社会人としての責任感を身に付け、現場ベースでの製造プロセスを理解する。
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