最終更新日:2025/7/5

(株)小金井精機製作所

  • 正社員

業種

  • 自動車・自動車部品
  • 輸送用機器(船舶・航空・宇宙関連など)

基本情報

本社
埼玉県

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

「世界一」を目指すための、技術と、仲間と、環境と

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最高峰の部品はここで作られている

超精密機械加工技術を駆使し、レーシングマシンや量産車開発段階のプロトタイプ、航空機、ヘリのエンジン部品を製造している小金井精機製作所。技術で世界一を目指す同社の仕事や職場環境について聞いた。

笛木 諒さん(右)
技術部 技術科/2020年入社

松本 光明さん(左)
営業部 チーフ/2018年入社

鴨下 祐介さん(中)
代表取締役社長/1999年入社

仕事や職場の良いところ

開発段階で関わる新車はだいたい2~3年後に世に出ます。発売されると、開発当時のことが思い出され、それがかたちになり、世に出たことに喜びを感じます。(笛木さん)
最初は図面の見方や用語など、わからないことだらけ。先輩に聞いたり会社の資料で調べたりして学び、今ではお客さまの技術者と対等に話せるまでになりました。(松本さん)
当社には勤続50年という社員がわりと多く、82歳で退任した社員もいます。「長く働きたい」「ここで働いて良かった」と思われる会社でありたいですね。(鴨下さん)

エンジン部品の加工工程を設計する技術部の仕事 <笛木さん>

昔からバイクや車が好きで自分でいじったりもしていたことから、就職活動でも関連する業種を検討し、そのなかで当社のことを知りました。ただ、車やバイク、航空機関係の部品を製造していることは当初なんとなく理解していましたが、具体的にどんな製品を作っているのかまではわかっていませんでしたね。その後、工場見学でレース関連の部品を作っているところを見て、もともとレース観戦が好きだったこともあり、「面白そうだ」と入社を決めました。

入社後はマシニングセンタという機械によるカム・クランクシャフトの加工を経験し、その後、2024年に技術部へ異動しました。技術部の役割は、各種機械(旋盤、マシニングセンタ、研磨機)による加工工程の設計です。扱っている製品は、レーシングカーや量産車のプロトタイプで使用されるクランクシャフト、カムシャフトなど。お客さまから提供された図面をもとに、まず加工方法を検討し、次に「どういった手順で加工していくのか」を工程表に落とし込むというのが仕事の流れです。

工程設計は責任の大きな仕事です。例えば、後工程で治具に固定する部分を先に削ってしまうと、もう後工程ができなくなり、最初からやり直さなければいけません。加工に3カ月かかる製品もあり、工程設計のミスで3カ月の仕事が無駄になる恐れがあります。そうならないよう、後工程から順に考えたり工程表を先輩に確認してもらったりしていますね。苦労もありますが、携わったエンジンを搭載したレーシングカーが活躍するのを見るとやりがいを感じます。

大学で機械工学を勉強していたものの、入社当初はわからないことばかり。機械加工の具体的な知識が身につき、大きく複雑な図面を苦労せずに読めるようになったのは、仕事を通じて成長した部分です。今ではお客さまからお預かりした図面の不備に気づき、修正を提案できるようにもなりました。今後の目標は、先輩に聞かずに、最初から最後まで一人で工程を設計できるようになること。また、ヨーロッパのメーカーの工場を視察する海外出張にも参加したいですね。

加工の専門知識で顧客の開発をサポートする営業の仕事 <松本さん>

就職活動で当社を検討したのは、もともと車好きだったことと剣道部の先輩が働いていたことがきっかけです。ただ車好きだったとはいえ、当社で製造しているようなエンジン部品に触れたことはなく、文系学部出身で工学を学んでいたわけでもなかったので、具体的な仕事のイメージはついていませんでした。それでも、説明会や工場見学で聞いた「技術力を武器に世界の最高峰で戦う」という言葉にワクワクするものを感じ、ここで働きたいと思いました。

入社後は研磨課で、研磨機を使ったカム・クランクシャフトの加工に3年間従事しました。その後、営業への異動が決まり、エンジンブロックの加工に関する知識をつけるため、前橋工場で半年間の研修を受け、2021年の夏から営業として働いています。既存のお客さまを訪問し、今後の開発予定やそれに伴う困りごとなどをヒアリング、そこで吸い上げたニーズに対し、図面を確認して見積もりを提出するというのが営業の流れです。受注後加工指示書を作成し、技術部を経由して加工が開始します。

営業の面白さは、加工の専門知識によって、お客さまである自動車メーカーの技術者から信頼してもらえるところにあります。エンジンを設計しているお客さまも加工の知識はありません。加工の観点からすると、物理的に不可能な設計もあったりします。そういったときに、設計の意図を確認し、お客さまの思い描くエンジンをスムーズに実現できるように導くのも営業の役割です。このような仕事を通じ、お客さまに満足してもらい、信頼してもらえるのがやりがいになっています。

入社当初は自分の仕事で精一杯で、前後の工程まで気にする余裕がありませんでした。しかし、経験を積むにつれ、ほかの加工区分の作業も意識した仕事ができるようになりましたね。営業になってからは、さらに視野を広げ、お客さまの潜在的なニーズも汲んで全体の調整ができるようになってきた気がします。今はまだ、お客さまからの質問に即答できず、持ち帰ることもある。今後はどんなことも即答できるよう、さらに幅広い知識を身につけていきたいと思います。

高度な知識・技術を身につけ、ともに世界一を目指しましょう <鴨下さん>

当社にはさまざまなメーカーからさまざまな図面が来て、さまざまな加工方法に挑戦できる環境があります。エンジン部品は薄さ、剛性、耐久性が求められるなか、当社はそのぎりぎりを攻めることで、追随を許さない高精度を実現しています。そのレベルまでいくと、いくらコンピュータ制御の加工機械であっても微妙に歪んでしまい、経験を積んだエンジニアの技術力が必要になります。当社で働くことで、知らず知らずのうちに高度な技術が身につきます。

数多くある工場のなかでも、当社が手がけるのはF1などに使われる世界最高峰のエンジン部品です。エンジンは車や航空機にとっての心臓。当社の技術があるからこそ実現できるエンジンがあり、マシンがあります。その製造に携わり、最高峰の技術や知識を身につけていけるのは、ここで働く魅力の一つといえるでしょう。加工技術を追求するにしても、加工工程の設計や営業に携わるにしても、仕事を通じて身につく技術・知識は大きな武器になります。

一方、チームワークの良さが当社の売りでもあります。社員同士のつながりを感じられる温かい社風は、楽しみながら仕事に取り組める理由でもあります。自分一人だけではものづくりはできません。大事なのは連携プレー。コミュニケーションの取りやすさは、仕事のやりやすさにつながっています。陸上競技の部活動や家族で参加できるBBQなどのイベントもあり、仕事以外でも部署を越えて親交を深められるため、家族ぐるみで仲良くしている社員が多いです。

良い意味で昔の町工場のような、家族的な雰囲気があり、社員の体調が悪いとなれば信頼できるお医者さんを紹介するなど、私生活の部分でも相談に乗ったり世話をしたりという感じ。ですから、親元を離れて一人暮らしするとしても安心してもらいたいですね。また、仕事に必要な知識は入社後に身につけてもらえれば良いので、学生のうちは学生にしかできないことに一生懸命取り組んでください。そのうえで、夢を持って当社に入ってきてほしいと思います。

学生の方へメッセージ

自動車メーカーの研究開発用部品をはじめ、F1マシンや航空機の最先端部品を製作しているため、毎年必ず「自分で大丈夫ですか?」と心配される学生の方がいます。その答えは「大丈夫」。技術系の会社ではありますが文理問わず採用しており、実際、社員の7割は文系出身者です。

重視しているのはものづくりへの想い。現段階で知識がなくとも、「子どもの頃におもちゃの中身が知りたくて分解していた」など、ものづくりに関心があれば適性は十分です。「最高の部品に携わりたい」「レーシングマシンに携わりたい」という情熱を持った方にきてほしいと考えています。

当社は埼玉と群馬に拠点がありますが、基本的に拠点間の異動はありません(本人希望を除く)。転勤がないほか、子育てと仕事を両立できる体制もあるため、腰を据えて長く働いていただけます。また、月1万円の本人負担で社員寮が利用でき、新社会人としての生活も始めやすいでしょう。

働きやすさについては、土・日曜が休みとなっており、残業も月5~10時間程度です。受注生産のため波はありますが、メリハリのある働き方ができます。いろいろ説明しましたが、百聞は一見にしかず。まずは気軽に「どんなことをしているのか」を見にきていただきたいと思います。

<総務部 採用担当>

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職場の雰囲気はアットホーム。歳の近い先輩たちが親身に仕事を教えてくれるため、ゼロからのスタートでも安心だ。しっかりとフォローし、成長を支援してくれる環境がある。

マイナビ編集部から

F1マシンをはじめ、研究開発段階のプロトタイプカーや航空機など向けのエンジン部品を製造している同社。海外でも「F1のKOGANEI」として知られ、世界の名だたる自動車メーカー、航空機メーカーから頼られる存在だ。これまでの実績を知れば、「世界一のものづくり企業を目指す」という理念がおおげさではないことがわかる。不可能を可能にしてきた超精密機械加工技術は、たとえ大手であろうともそうそう実現できるものではない。

そんな「世界一」に挑戦できるのは、必ずしも学生時代に専門教育を受けてきた人に限らない。文系出身者が7割であり、インタビューに答えてくれた松本さんも文系学部出身、入社当時に機械工学の知識は皆無だったという。それでも現在は大手自動車メーカーなどの技術者を相手に、より良いアイデアを提案したり、アドバイスしたりしているというのだから、いかに貴重な知識を身につけていけるのかがわかるだろう。

技術の最前線で存在感を発揮する一方、アットホームな温かさを感じられる社風は、良い意味でのギャップだ。社員の家族も交えて敷地内でBBQを楽しむなど、肩肘張らない人間関係があるのだという。年齢や国籍などを問わず、誰もがのびのびと力を発揮できる環境がごく自然にあり、それが経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」への選出にも結びついている。ともに世界一を目指す仲間が、ここにはいる。

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仕事では日頃から海外メーカーとのやり取りがあり、欧州の自動車メーカーの工場視察や見本市への参加などで海外に出張することも多い。グローバルに活躍できる環境だ。

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