(株)アベックス

アベックスで仕事を始めて20年弱ですが、数々の失敗をしてきたので、どれか一つを上げるのは難しいと考えていましたが、過去19年の歴史の中で燦然と輝く失敗がありました。それは海外出張に向かう最中にパスポートを紛失したことです。これにより多大なる迷惑をかけてしまいました。このとんでもない失敗の中でも関係者各位から責められることなく心配していただき、その際の仕事が完遂するまでのフォローまでしてもらいました。仕事は一人では絶対にできません。どんなに凄い仕事をしても、そこには多くの人が関わっています。私はこの失敗から多くの事を学ばせて頂きました。その後無事に帰国できることになり、空港内で立ち寄った本屋さんに『謝』と書かれたポストカード売られていて、申し訳ない気持ちでいっぱいの今の自分にはぴったりだ。この気持ちを忘れないようにする為に購入しました。ちなみに後に気づきましたが、ポストカードの裏を見ると「謝」「Thank you」と書かれていてました。この時に謝る事と感謝は表裏一体なのかもしれないなと感じ、今でも自分の人生において『感謝』は大きなテーマになっています。

今から約10年前に私はスペインのとある企業にスーパーバイザー（指導員）として行きました。ある日の昼休憩に、この企業は「アベックスは最高だ」と評価しているとの話を聞きました。アベックスが創り出した製品が、異国の地で評価されているのは嬉しく、また不思議な気持ちでした。その後も作業においては色々ありましたが、人間褒められると調子も出てくるもので、いつになく的確な対処を取ることができ無事に終える事が出来ました。そして最後のミーティングを終えて帰る際に担当者から、「あなたはスーパーバイザーとして最高の仕事をしてくれた。ありがとう。アベックスは最高だ」といった言葉を頂きました。間接的に聞いた時とは違い、直接感謝の言葉を頂けるとさすがに泣きそうになりました。この時のことは今でも忘れられない出来事です。このような経験が今後も私にあるかは分かりませんが、あの時「アベックスは最高だ」と言って頂けた方に恥じない仕事を続けて行くことで、いつか後輩たちにも私と同じか、それ以上の素晴らしい経験をしてもらいたいと思っています。

自分の強みかは正直わかっていませんが、この部分が活かせていると思うところは満足することがない性格です。比較的最近までは自分の弱みだと思っていましたが、今では仕事をしていく上ではこの性格も悪くないのかな？と、ふと思うことがあります。仕事が無事に終わった時でも、もっと上手く出来たのでは無いか？自分じゃなければもっと上手く出来たのでは無いか？いつもそんなことを考えています。こうやって満足することなく長年仕事をしていく内に、最近では満足したらそこまで。もっとできると思わないと良い仕事は出来ない！！と考えるようになってきました。極々平凡で何かに優れているわけではない私が会社で活かせている強みは、満足することのない性格。過大評価で言えば「向上心」と思います。真面目に一生懸命取り組めば、自分では弱みだと思っていたことも強みになることもあります。