最終更新日:2024/10/22

(株)長倉製作所

業種

  • 自動車・自動車部品
  • 機械設計
  • 輸送用機器(船舶・航空・宇宙関連など)
  • 機械
  • 半導体・電子・電気機器

基本情報

本社
静岡県

取材情報

記事で読む社会科見学

当社が手がける高精度機能部品は、世界中の自動車に組み込まれています。

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冷間鍛造の企業として高いシェアを誇り、グローバルに展開!

富士山の麓に本拠を構え、アメリカ・ベトナム・メキシコに製造拠点を展開する「(株)長倉製作所」。トランスミッションやモーターに使われるギアやシャフトなど、主に車の心臓部となる製品をつくっています。

今回は、各部署で部長や課長を務めるベテラン社員3名にインタビュー。各部署の役割や仕事のやりがい、自社技術と社会の関わりを感じたエピソードなど、たっぷり語っていただきました。

(写真左から)
●山田 直哉さん(製造二課 部長/1996年入社)
●蓮井 一樹さん(営業課 部長/1996年入社)
●平田 正義さん(技術課 課長/2001年入社)

「(株)長倉製作所」の魅力

「新規部品の立ち上げには苦労も伴いますが、それ以上にやりがいが得られます。目の前の部品が自動車に組み込まれて走るのを想像すると、ワクワクします」(山田さん)
「社員300名弱の規模で、グローバルにビジネスを展開している当社。普段の業務で海外を間近に感じられるのが、醍醐味ですよ!」(蓮井さん)
「約700mmものインプットシャフトを製造する最新設備と、高精度な技術が自慢です。働きながら成長できる環境には、本当に感謝しています」(平田さん)

当社の部品をのせたクルマを見かけると、いまでもテンションが上がります!

私たち長倉製作所は、自動車向け高精度機能部品を手がけるメーカーであり、NC旋盤や穴明加工機、マシニングセンタなどのさまざまなマシンを駆使するほか、材料となる鋼材の購入からプレス加工、仕上げまでを自社一貫体制で取り組んでいることが強みです。
また、当社が手がける部品は、主にエンジンの力をタイヤに伝えるトランスミッションに使用されており、多いものだと1つのトランスミッションに当社の部品が8点ほど組み込まれているんですよ。どれもクルマの走行に欠かせない重要な部品であるため大きな責任を伴いますが、当社の部品をのせたクルマが街を走るのを見かけるといまでもテンションが上がります。同時に多くの人の移動を支え、社会貢献していると実感する瞬間でもあります。

私が部長を務める製造二課では、製造一課でプレス加工された鋼材の不要な部分を削りながら形状を仕上げる作業を担当しています。私自身は部長として、社員一人ひとりがのびのびと働ける環境づくりに注力。若手であっても信頼して仕事を任せることで、自ら考えて行動する力を養ってもらっています。その中で成長の芽をつぶすことなく、大切に育てるのが当社の風土。誰にでもチャンスが与えられるので、やりたいことが叶う環境でもあります。

現在は、ドイツのトランスミッションメーカーに納める新規部品の立ち上げに携わっています。現地のお客さまや商社とミーティングを繰り返し、製造に必要なマシンの手配、サンプルの製作などを進めている最中です。マシンが完成したら、メキシコ工場での裾付にも立ち会う予定です。
ほかにもメキシコ工場のサポート役として、現地とのリモート会議でカイゼン活動に取り組むことも重要な役割の1つ。マシンの調子が悪いなど、現地スタッフのさまざまな相談にものっています。

これまでにも何度か海外出張を経験していますが、仕事以外に現地の食事や文化などにふれることで視野が広がり、人生が豊かになるのを感じています。今後はさらにEVやハイブリット車向けの新規部品にも注力し、私自身も成長し続けたいと思います。
(山田 直哉さん)

日本の基幹産業を陰で支える誇りを胸に、日々の商談にのぞんでいます。

当社の主な取引先は、国内の主要自動車メーカーのほか、パワートレインを製造するメーカーなどです。海外との取引も盛んで、総売上の大半を海外が占めているんですよ。特に北米の大手自動車メーカーと信頼関係を構築していることも大きな特徴です。私たち営業の主な役割は、既存顧客への対応や見積もり作成など。新規部品はもちろん、量産部品として登録された200種近くの既存部品をお客さまの要望に沿って製造するのですが、スムーズな納品をサポートするのも重要な役割です。当社の営業に求められるのは「顧客満足度管理プロセス」「新規受注プロセス」「取引先管理プロセス」の3つ。その中で私は、営業メンバーが取引先に対して各プロセスに専念できるよう、部長としてサポートに徹しています。新規契約を獲得したときには大きな達成感が得られるのはもちろん、みんなで喜びを分かち合うのも当社ならではです。

当社が冷間鍛造でつくる高精度機能部品は、どれもクルマに欠かせないものばかり。ガソリン車のトランスミッションやEVのモーターに組み付けられるため、ドライバーの目に直接ふれることはありませんが、当社の部品が自動車産業を支えていることには間違いありません。さらに私たち営業は、「自動車産業=日本の基幹産業を支えている、貢献している」という誇りを持ち、商談にのぞんでいます。

100年に1度の変革期といわれる自動車産業では、電動化が加速する傾向にあります。ガソリン車のトランスミッション向けの部品を多く手がける当社でも、EVやPHEVのモーター向けの部品の割合が増えることでしょう。すでに今秋から来年度に向け、新しい電動化プロジェクトが始動しています。営業も一戦力として同プロジェクトを支え、今後の弾みにしたいと考えています。私自身は若手の営業をサポートすることで、プロジェクトを支えたいと思います。
(蓮井 一樹さん)

冷間鍛造は環境にやさしく、材料コストの低減も叶えてくれる加工技術です。

私が課長を務める技術課では、冷間鍛造に必要な金型の製作と工程設計を担っています。特に冷間鍛造で高精度な加工を実現するため、金型はとても重要です。材料となる鋼鉄を変形させるには、金型自体も強靭でなければいけません。そのため設計には困難がつきものですが、当社の企業理念である「創造へのあくなき挑戦」を胸に、日々新しい加工技術に挑み続けています。工程設計においても、安全な工程を作りすぎてはコストがかかり過ぎてしまうため、いかに少ない工程でコスト削減を図るかが大切です。こちらも奥が深い仕事のため、日々の勉強が欠かせません。

当社の冷間鍛造は、高精度な加工(ニアネットシェイプ)が強みです。ニアネットシェイプとは、簡単な仕上げ加工で最終形状にできる製品のことで、いかにお客さまが求める形状に近づけるかがポイントとなります。冷間鍛造は、常温で鋼材を圧縮して加工する製造方法のこと。削り出して成形する加工と異なり、無駄な鋼材が出ないため、廃棄物の削減を実現します。環境にやさしく、材料コストの低減も叶えてくれる加工技術です。今年展示会に出展した際、多くの企業がこの環境に配慮した加工技術に興味を持ってくれたことに、手ごたえを感じました。私自身も環境に配慮しながらコスト削減を叶えてくれる当社の技術を通じ、社会貢献を実感できるのがやりがいにつながっているんですよ。

電動化や自動化など新しい技術が次々に生まれる自動車産業において、当社が手がける高精度機能部品も近年大きく変化しています。カタチが変われば加工技も変わるため、今後も「創造へのあくなき挑戦」を続けなければいけません。1人の技術者として新しい技術に挑戦しながら、EV向けの部品製造に力を注ぎたいと思っています。
(平田 正義さん)

企業研究のポイント

企業研究では誰もが知っている大企業や有名企業に目が行きがちですが、世の中にはそれらを支える多くの企業が存在します。特に自動車産業の裾野は広く、完成車をつくるメーカーのほかに素材メーカーや部品メーカーなど多種多様。大企業を入り口に、できるだけ視野を広げて調べてほしいと思います。特にモノづくりに興味のある方は、新しい技術に挑戦できる環境が整っているかもチェックしてくださいね!
(山田 直哉さん)

完成車をつくるメーカーを支えているのは、部品メーカーです。部品メーカーの活躍なくしては、自動車産業は成り立たないと言っても過言ではありません。自動車産業に興味を持っている方は、業界の川上から川下まで深掘りをしてほしいと思います。特に部品メーカーの未来は、若手のエンジニアにかかっています。エンジニアとしてどのように成長したいか、どのような仕事に挑戦したいのかにも注目してください。
(蓮井 一樹さん)

給与や休日、福利厚生などの条件面も大切ですが、やりがいを持って働ける環境がもっとも重要だと考えています。仕事にやりがいを感じられるからこそ、長く働き続けられるはず。私自身、当社の企業理念である「創造へのあくなき挑戦」がやりがいに直結しています。技術者として新しいことに挑戦し続けられる環境はとても大切で、充実した日々を支えてくれますよ。
(平田 正義さん)

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面倒見の良いベテラン社員と、パワフルな若手社員のチームワークが自慢。繁忙期も笑顔を絶やさずみな協力して乗り切ることで、大きなやりがいと達成感が得られる。

マイナビ編集部から

自動車業界では“冷間鍛造”の会社として多くの人々に知られる「(株)長倉製作所」。創業当時は地場産業である螺子(ネジ)製造に取り組んでいたが、1950年代後半には日本に導入されたばかりの冷間鍛造の技術を導入。現在は金型の設計開発から製造まで自社一貫体制で行うことにより、高度な鍛造加工を実現している。同社が冷間鍛造でつくる高精度機能部品は、世界中を走る自動車の心臓部に使用されるなど、静岡県を拠点にグローバルに展開するのも特徴だ。

今回のインタビューを通して感じたことは、社員同士の距離の近さ。社長や上司とも距離が近く、お互いの意見を尊重し合う風土が根付いている。さらに結果だけでなく、努力やプロセスまでしっかり評価してくれるため、失敗をおそれず挑戦できる環境が整っているのも魅力だ。年に一度開催される改善アワードは、社員たちからさまざまな意見やアイデアが提出されるという。近年では若手社員の提案が採用されることも多く、新しい風が吹き込まれている。“冷間鍛造”という高い技術力を継承しながらも、柔軟に進化し続ける同社。

大きな変革期を迎えている自動車業界で、「より社会貢献がしたい!」「グローバルな事業に携わりたい!」という意欲のある方にぜひ注目してほしい企業だ。

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1950年の創業以来、静岡県沼津市を拠点に地域経済と共に発展し続ける同社。現在は主力製品である高精度機能部品を世界中の自動車メーカーに納めている。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2025に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2026年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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