最終更新日:2025/4/30

(株)マイナビEdge

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東京都

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核融合からクリーンなエネルギーを生み出す国際プロジェクト「ITER」に参画

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高度な技術力でSDGsの推進に貢献する

設計開発企業として様々な製品の設計・開発を行うマイナビEdge。同社が現在、力を注ぐ事業のひとつに、国際核融合実験炉プロジェクト「ITER(イーター)」があります。その意義や位置づけについてお話を伺いました。

代表取締役社長
加藤靖之さん

SDGs目標:「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」
核融合から新たなエネルギーを得てクリーンな発電を目指す国際プロジェクト「ITER」。マイナビEdgeはこのプロジェクトの現場にエンジニアを派遣。高度な技術力でSDGsの推進に大きく貢献している。

新エネルギー開発の国際プロジェクト「ITER」が目指すもの

2006年から仏サン・ポール・レ・デュランスで建設が進むITERの建設サイト。自然環境に負荷のかからない、次世代の発電システムの開発を目指している。
ITERの目標の一つは、トカマク型磁気閉じ込め方式の核融合で入力の10倍以上の出力を得ること。この技術でカーボンニュートラルな発電を実現しようとしている。
核融合炉の研究開発は、原子力、電気、機械、制御ソフトなど広範な技術が駆使されるもの。革命的なイノベーションにつながる技術が数多く生み出されている。

設計開発エンジニアのプロ集団として高度な技術力を持つアウトソーシング企業

私たちマイナビEdgeは設計開発分野での実績は50年を超えており、自動車、機械、家電から航空・宇宙分野まで、数多くの大手メーカーやSIerからの高い信頼を獲得しています。そんな私たちがSDGsと密接に関係する事業に参入したのは、今から30年前に国立研究開発法人である量子科学技術研究開発機構(量研機構)という組織から、エンジニアの技術提供を求められたことがきっかけでした。

量研機構は核融合実験炉の実現を目指す国際プロジェクト「ITER(イーター)」のドメスティック・エージェンシーとして、文部科学省の所轄により設立された組織。日本、EU、米国、ロシア、韓国、中国、インドが参加する壮大なプロジェクトの中で、重要な役割を担っています。核融合実験炉というのは、原子力発電の一種なのですが、現在の原発が核分裂をエネルギー源にしているのに対し、核融合を用いるものです。

核融合炉は核分裂と異なり、エネルギーが暴走して事故が起こる危険が極めて低いうえ、問題となる高レベルの核廃棄物も排出されません。極めて大きなエネルギーを得ることができると考えられているため、商用化が実現できれば、全世界の発電需要を満たすことも可能になる夢の技術なのです。もちろん、火力発電と異なり、二酸化炭素は一切排出しないため、SDGsの推進にも極めて大きな意味を持っています。

核融合そのものの実験は世界各国で早くから進められており、成功例も数多くあるのですが、大規模な施設をエネルギー源として安定的に稼働させるというのは人類にとって未知の領域。あまり広くは知られていませんが、ITERは1985年に計画がスタートし、2006年からはフランスの実験サイトを中心に、世界7極での研究開発が進められています。

このプロジェクトに関わり始めた当初、私たちは量研機構へエンジニアの派遣を、通常のビジネスと同じように位置づけていました。しかし、計画が進められていく中、このプロジェクトは民間レベルでは触れることが極めて難しい、技術の結晶であることが分かってきたのです。

未来のクリーンエネルギーを生み出す国際プロジェクトで実力を発揮

ITERでは原子力、機械、電気、プラント、制御ソフトなど、あらゆる分野の技術を駆使して、核融合実験炉を開発しようとしています。モノづくりというよりは研究開発が中心となる段階のため、そこで扱われている技術は、まだ世界の誰も触れたことがない、未知の領域。プロジェクトそのものに大きな意義があるだけでなく、ITERでの活動を通じて当社の社員が学んだ知識を民間に転用することにより、広範な分野で革命的なイノベーションを実現できる可能性があるのです。

このことに注目した私たちは、2007年からプロジェクトへの本格的な参画を決定。通常のビジネスの一環という位置づけから、最先端技術の習得や、自社エンジニア養成の場としての活用にも力を注いできました。現在、量研機構にはCAD室と呼ばれる当社のサイトが設けられており、基礎研究の成果を装置化するためのR&Dの分野や設計図面の作成、製造を担当する大手電機メーカーとの調整業務など、重要な役割を担っています。

ITERに参加するエンジニアには、CADやシステムの操作方法などを定めた国際的なライセンスを取得する必要があるのですが、当社ではすでに28名がこの資格を保有。またライセンスの取得を支援するITER公認のインストラクターも在籍しています。私たちのような立場でITERや量研機構と関わっている企業も当社のみであることから、プロジェクトにいかに深くかかわっているかをご理解いただけるでしょう。30年にわたる積み重ねがあったからこそ実現できていることであり、急に参画することは難しい分野であると言えます。

基礎研究と装置開発が並行して進んでいる状況のため、プロジェクトに参加している社員の人数は時期によって増減しますが、およそ30名程度が量研機構で活躍しています。またエンジニアの担当する分野も開発の内容に応じて機械や電気、プラントなどの変更があります。クライアントからのこうした要望に柔軟に対応できるのも、当社がアウトソーシングという形態でビジネスを展開しているからこそ。ITERへの参画は、当社にとっても、クライアントにとっても、大きなメリットがあると考えています。

未来の発電システムの開発・運用に携われる可能性がある

私たちは、大手メーカーなどのクライアントの開発・製造の現場で、様々な分野のモノづくりの技術的な支援を行ってきました。しかし、ITERという国際プロジェクトの中で技術を蓄積することにより、今後は核融合分野において技術的なコンサルティングを行ったり、場合によっては私たちが開発の主体となって核融合発電のシステムを開発するといったことも実現可能になってくるのではないかと考えています。

メーカーは市場に投入できる製品を作り、販売することが目的ですから、研究開発であっても見通している未来は5年から10年程度。しかし、ITERはプロジェクト期間が30年以上の長期的な計画です。この先は核融合炉開発の第一ステップとなるファーストプラズマの点火が2025年ごろ、発電所としての商用化は2065年ごろになるのではないかと考えられています。

この間、当社が現在のような技術的なパートナーとして関わり続けられるのであれば、そこから得られる技術のアドバンテージは非常に大きなものになります。将来的にはマイナビEdgeがアウトソーシングという現在の業態から、新たな役割を持つ存在に進化していくことになるかもしれません。

核融合炉というチャレンジに参加し、クリーンエネルギーを実現することでSDGsに大きく貢献できるITERでの仕事。これを読んだ方の多くが、興味を持ってくださるかもしれません。当社ではこのプロジェクトへのアサインを狭き門と位置づけてはいません。むしろ、最先端技術の習得や自社エンジニアの養成という観点から、できるだけ多くの社員に経験してもらいたいと考えています。

当社ではITERプロジェクトの一員として、活躍できる可能性は十分にあります。核融合を活用した新たな発電システムの開発者として、SDGsの推進に大きな貢献を果たすことだって、できるかもしれません。

学生の方へメッセージ

学生のみなさんの中には「自動車メーカーでエンジンの開発に携わりたい」などと明確な目標をお持ちの方も少なくないと思います。目標があるのはもちろん、素晴らしいことなのですが、これから10年後、20年後に、エンジンで動く自動車が作り続けられているかどうかは誰にも分かりません。

考えてみれば、半導体や液晶テレビなど、かつては隆盛を極めていたのに、今ではほとんど国内で作られなくなってしまった製品も数多くあります。しかし、なくなってしまったのは製品であって、内燃機関や半導体、液晶などの技術そのものは、現在でも高いニーズがあります。

アウトソーシングはメーカーとは異なり、製品というものに縛られません。市場のニーズや開発環境が変化するなら、それに応じて自分たちの技術力を提供する先を変えていくことができるのです。製造業が大きな変革期にある現在。エンジニアとして長くキャリアを積み重ねていこうと考えるなら、アウトソーシングは大きなメリットがあると思います。

また年齢を重ねても開発の第一線に立ち続けたいと考えている人にも、アウトソーシングという働き方はぴったりだといえます。エンジニアを目指す皆さんには、どんな活躍の場が存在するのか、どのように社会貢献できるのかといった観点からも就職活動を進めていただければと思います。

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営業とキャリアサポートの担当者が定期的に配属先を訪問し、サポートしてくれるため、安心して働くことができる。「次はこんな仕事がしたい」と希望を伝えることもできる。

マイナビ編集部から

アウトソーシングの分野で約50年の歴史を誇るマイナビEdge。マイナビグループのなかでも最大級の企業規模を誇るエンジニア企業だ。国際機関や大手メーカーからも高い信頼を得ている技術力と安定性をもとに、現在の1300名体制からさらなる人員の拡充を目指している。

お話を伺った若手エンジニアの皆さんに共通していたのは「アウトソーシングという働き方をうまく活用し、エンジニアとして大きく成長していきたい」という思いを持っていることだ。マイナビEdgeでは、さまざまな大手メーカーで設計開発の技術を身に付けることができる。また、何十年にもわたって同じ職場で技術を磨き上げていくエンジニアもいるという。キャリアアップの仕方をかなりの程度まで自分の意思でコントロールすることができるのが、アウトソーシングという働き方の魅力と言えるだろう。

世界から注目が集まっている国際プロジェクト(ITER)に参画するなど、国際機関からも安定性と高い技術力を評価されているのがマイナビEdgeの大きな強み。安定性という観点からも、大きな魅力を持った企業だと感じた。

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設計業務に特化したアウトソーシングを手掛けるマイナビEdge。大手メーカーやSIerの重要な技術パートナーとして、さまざまな製品の開発に参加している。

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