最終更新日:2025/4/24

日本板硝子(株)【NSG】

  • 正社員
  • 既卒可
  • 上場企業

業種

  • ガラス・セラミックス
  • 建材・エクステリア
  • 繊維
  • 化学
  • 自動車・自動車部品

基本情報

本社
東京都、大阪府

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

ガラス製造設備と向き合う使命とやりがい

PHOTO

国内外で活躍するプロジェクトマネージャーの歩みを大解剖

日本はもちろん、海外の生産拠点のフロートガラス製造設備の新設・定期修繕・改造プロジェクトに携わる小川さん。仕事内容からやりがい、これまでのキャリアまで、とことんお伺いしました。

■小川伸也さん
グループファンクション部門 AGエンジニアリング部(日本)

工学部機械システム工学科卒
2006年入社

大学での学びを活かせることと、世の中にカタチが残る仕事がしたかったことから、同社に入社。舞鶴事業所(京都府)での設備保全を経て、千葉に拠点を置くエンジニアリング部門へ。国内外のフロートガラス製造設備の新設・定期修繕・改造に携わる。2023年には初めてプロジェクトマネージャーを経験した。

小川さんのお仕事拝見

フロートガラス製造設備の新設・定期修繕・改造プロジェクトマネージャーとして、プランニングから設計、各種手配、工事まで一貫して動かしていきます。
国内外のプロジェクトに携わるからこそ、さまざまなバックボーンの技術者や取引先とコミュニケーションを図る面白さがあります。
工事全体の予算やスケジュールを管理するのはプロジェクトマネージャーの重要な役目。海外とはオンラインで打ち合わせすることが増えました。

前例のない工事に、プロジェクトマネージャーとして挑む!

学生のみなさんがよく目にするビルや自動車のガラスのほとんどは、フロートガラスを加工したものです。フロートガラスとは、溶かした錫(すず)の上に浮かべて製造する板ガラスのこと。私が今、担当しているのは、国内外のフロートガラス製造設備の新設や定期修繕、改造のプロジェクト。計画立案から設備設計、施工管理、試運転による立ち上げまで、一連の業務に携わっています。

このフロートガラスの製造ラインは24時間、炉の火を止めることなく動かし続けます。私はこのことを初めて知ったとき、とても驚きました。10~15年に一度ラインを数カ月停止して修繕や設備の更新、アップグレードを行いますが、それ以外にも火を止めずに修繕するケースもあります。
2023年、国内の工場で炉の火を止めずに改修するプロジェクトがありました。高温の中で炉の補修を行うのですが、設備の構造上、狭い空間で作業しなければならない難工事。当社は世界中にフロートガラスの製造拠点がありますが、この工事は炉の温度を維持しながら1カ月以上を要する大規模な補修で技術的にも難易度の高い前例のないもの。そんな困難な工事で私は初めてプロジェクトマネージャーを任されました。プロジェクトマネージャーとはプランニング、安全、品質、予算、リソース、スケジュールなどを管理し、プロジェクト全体を率いる存在です。

炉の近くは高温であるため、安全に作業を行うための機械や治具(じぐ)を駆使した工法を編み出すなど、1年くらい準備に費やしました。関係者と何度も打ち合わせすることで、工法を確立させ無事故でスケジュール通り工事を実施することができました。
工事にはイギリスのチームにも参加してもらいましたが、今回の工法について「すごくいい工事だったから、このやり方を世界で水平展開していきたい」という言葉を掛けてもらえたときは嬉しかったですね。

イチ担当者時代は製造側とのやり取りや、設計、工事管理が中心でしたが、プロジェクトマネージャーになって様々な部門と接点を持つようになり、視野が一気に広がりました。当社に入って17年経ちますが、毎年新しいことにチャレンジできることが自分自身の成長につながっていると実感しています。

海外の同僚やサプライヤーとともに海外プロジェクトを担当できる刺激的な世界

私が今のエンジニアリングの仕事を担当するようになったのは2011年のこと。以来、フロートガラスの国内の大型生産拠点である千葉と舞鶴の両事業所のプロジェクトを3年ほど経験しました。4年目頃にマレーシアでのプロジェクトを担当し、そこからはベトナムやマレーシアなどの海外工場でのプロジェクトが続きました。

建築用ガラスのエンジニアリングチームは日本とイギリスに拠点があってて、日本はアジアを、イギリスは欧州や北南米をそれぞれカバーしています。しかし、両者がコミュニケーションを取っていないかといえば、そんなことはありません。すべての工事で密に連携を図っています。

2021年にアメリカの生産拠点でのプロジェクトに参加しました、ここでは日本、イギリス、アメリカの混成チームでプロジェクトを進める必要がありました。それまでの日本スタイルでの工事管理とは違った工事管理について良い点、悪い点がよく見えプロジェクトマネージャーを自分がするにあたり参考になり良い経験になりました。

ここでプロジェクトの大まかな仕事の流れをご紹介しましょう。
【1.プロジェクトの規格・予算化】
 販売計画に基づく生産ラインの設備化プラン、予算を作成します。
【2.基本設計・詳細設計】
 設備のレイアウトや概略仕様を決めたのち詳細設計を行います。
【3.設備調達・工事契約】
 設備や工事資材の調達、工事契約を行います。
【4.建設・据付工事】
 安全に且つ、スムーズに進むように工事を管理します。
【5.試運転・操業サポート】
 設備の試運転調整、性能確認をし、製造部門へ引き渡した後もサポートをします。

大きなプロジェクトになると2~3年の単位で進めていきます。私たちは計画から設計、工事、試運転と最終的に設備を稼働させ製造部門に引き渡すところまで携わります。
私たちの仕事はガラスの品質、生産性に影響を与えることから責任も大きく、プロジェクト後無事にガラス生産を開始し軌道にのったときの達成感は非常に大きいものです。

海外の同僚やサプライヤーと仕事したり、海外プロジェクトを担当したりする機会が豊富なのもこの仕事ならではの魅力。いろんな国の人や言語、文化に触れることができるのは楽しいですね。海外プロジェクトでは、考えられないようなことも起こります。人として視野が広がり、成長できると思います。

子どものころに父が話してくれたことと同じことを今、自分の息子に話しています。

「これ、お父さんがつくったんだよ」
子どものころ、建築関係の仕事をしていた父がそう話すのを誇らしく思ったものです。実は、就活で当社を選んだ原点は、この子どものころの体験でした。何か世の中にカタチとして残るようなモノをつくることに憧れがあったのです。

大学の機械システム工学科に進んだ私は、セラミックスやガラスといった材料を学びました。カタチに残せることと、大学で学んだことが活かせること。この2つが当社に強く惹かれた理由でした。選考プロセスで、若手の育成に力を入れていることを知ったことも入社の決め手になりました。

入社後、研修を経て配属されたのは、京都の舞鶴事業所でフロートガラス製造設備の保全を担当する部署でした。工場の製造スタッフはベテラン揃いで、高度成長を支えてきたエネルギッシュな人たちがたくさんいました。とても気さくな方々ばかりだったので、現場の方々から様々なことを教えてもらいました。今、振り返ると、あのころの経験が私の貴重な糧になっています。

舞鶴工場の6年目、ラインを停止して溶解炉や設備を更新するプロジェクトを経験しました。製造設備の保全の立場では「ライン(炉の火)を止めるな」と言われ続けてきたものを工事のために止める瞬間は感慨深いものがありました。工事が滞りなく完了し、再び炉に火を入れてガラスが出てきたときには「これからも止まるなよ」と思ったものです。

実は、自動車や電車のガラスを見れば、当社製かどうかマークでわかります。「都内のあの高層ビルにうちのガラスが使われている」という情報も入ってきます。しかも、日本国内にとどまらず、海外でもカタチに残っています。30年以上前の父と同じように、「このガラス、お父さんの工場でつくったんだよ」と息子に自慢している自分がいます。小さなときから憧れていた仕事を、今、実現できています。

学生の方へメッセージ

私は大学時代に機械を専攻しましたが、機械や電気を学んだ学生のみなさんはガラスといってもピンと来ないかもしれません。もしかすると、縁遠い分野というイメージすらあるでしょう。ガラスを製造する設備を新設したり、改修したりするには、機械や電気を専門とするエンジニアの力が欠かせません。プロジェクト初期段階の設計から工事立ち上げまで一貫してできるところが魅力だと感じます。しかも、当社は世界最大級のガラスメーカー。大学や大学院で学んだことを活かして、日本国内にとどまらず、グローバルに活躍するチャンスに恵まれています。

社内の雰囲気は、海外も含めてフレンドリーでとても温かいです。私が新卒入社以来、当社で20年近く働き続けているのは、まわりの人たちに恵まれたからだともいえるでしょう。現在の就活は、私のころと違ってインターネットを使って簡単に情報収集できるようになりました。できるだけ多くの会社とコミュニケーションを取って、自分に合う会社を見つけてほしいですね。

PHOTO
グローバル企業だけに、多様性を尊重する風通しの良い社風が持ち味。困ったことがあっても相談しやすい気さくな先輩社員が多い。

マイナビ編集部から

あなたが今日、目にした自宅の窓や自動車のガラス。『日本板硝子』が作ったガラスである可能性が高い。というのも、同社は1918(明治9)年創業という歴史を持つ建築・自動車ガラス・ガラス加工製品であると同時に、2006年にイギリスピルキントン社を買収し、一躍世界最大級のメーカーに躍り出たからだ。グループ従業員は約2万5000人、多様な人材が活躍する風土が根づく。

同社が社員に求めるのは「組織を変革し新しい価値を創造する人」であること。従来の枠組みにとらわれず、柔軟な発想や行動を通じて、組織の構造や文化、プロセスを見直し、革新をもたらすことができる人材だ。
同社は人材を育てるための人材育成プログラムも手厚く、1~3年目向けの「NSG大学」など、多様な経験と学びを通じて、自己成長を実現できる環境が整っている。また、小川さんが「これまで続けられたのは人に支えられたからです」と話すように、厳しくも気さくで人情味のある社員が多いそうだ。

省エネや脱炭素など、世界の前には大きな課題が立ちふさがる。同社はメーカーとしてこうした社会課題に真摯に向き合い、DX化にも意慾的だ。小川さんのように、社会への貢献を目に見えるカタチで実感したい方には、またとないフィールドが広がる。

PHOTO
同社は「快適な生活空間の創造で、よりよい世界を築くこと」を使命としており、自ら手がけた製品が社会を支えていることを実感できる。

トップへ

  1. トップ
  2. 日本板硝子(株)【NSG】の取材情報