最終更新日:2025/4/3

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

  • 正社員
  • 既卒可

現在、応募受付を停止しています。

業種

  • 公益・特殊・独立行政法人
  • ガス・エネルギー
  • プラント・エンジニアリング

基本情報

本社
茨城県

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

それぞれの仕事が未来への貢献につながる。高い専門性を誇る研究機関

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確固たる信念のもと入職を決めた先輩たち

原子力に関する総合的な研究を担う、日本原子力研究開発機構。学生時代の学びや経験は企業研究にどう生きたのか。そして仕事に懸ける現在の思いとは。3名の先輩に伺いました。

(写真左から)
■薄井茜さん/2018年入社
高速炉・新型炉研究開発部門 大洗研究所
高速炉サイクル研究開発センター 燃料材料開発部
燃料試験課

■関田江里さん/2018年入社
安全研究・防災支援部門 
安全研究センター 研究計画調整室

■深津勇太さん/2017年入社
核燃料・バックエンド研究開発部門 核燃料サイクル工学研究所
環境技術開発センター 基盤技術研究開発部
核種移行研究グループ

活躍する先輩社員から一言

「研究内容を申請して認められるとスムーズに国の助成がもらえる仕組みも、研究者のキャリアを築く上で魅力です。申請のバックアップ体制も整っています」と深津さん。
「学生時代は放射性物質を取り扱ったことがなく、その難しさが入職前後の唯一のイメージギャップでした。あとは先輩から聞いたとおりの働きやすい環境です」と薄井さん。
「働き方改革についても先進的で、フレックス勤務や時差出勤、特別休暇などの制度が整っています。テレワークも推進中。多彩な働き方ができる職場です」と関田さん。

化学工学と原子核工学。学生時代の学びが仕事に直結

大学の理工学部では化学工学を学んでいましたが、3年生の時に大学院進学を志し、いずれは原子核工学を専攻しようと決めました。その頃の原子力は注目度の高い研究領域で、いわゆる「盛り上がっている」分野だったこともきっかけの1つです。ところが、ほどなくして東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故という、状況を一変させる出来事が起こりました。しかし私としては大学院で何を学ぶべきか、熟慮に熟慮を重ねた上での選択でしたので、簡単に専攻を変更する気にはなれませんでした。むしろ事故からの復興を含めたこれからの原子力には、学部で学んできた化学工学の知識も役に立つのではないかと、意欲がますますかき立てられたことを憶えています。事実、化学工学は高レベル放射性廃棄物の処理・処分に活用されており、今の仕事にもつながっています。
大学院進学後は、放射性廃棄物の地層処分の安全性を評価する基礎的な研究を行いました。研究に没頭した4年間で、学会発表も海外を含めて何度も経験しましたが、その時に日本原子力研究開発機構(以下、JAEA)の名前を聞くことが多く、無意識に親しみを感じていたかもしれません。JAEAの入職を決めたのは、募集にあったテーマの1つが地層処分で、まさに私の研究内容と合致していたから。学びと仕事が直結するのはとても幸運だと思います。

私が所属する核種移行研究グループでは、核種、すなわち放射性物質が岩や粘土といった地層の中でどう動くかを研究しています。私が現在行っているのは、地下の岩石を採取し、その中を核種がどのくらいの速さで透過するかをみる実験。蓄積したデータは地層処分の事業が始まるとその安全評価に使われるので責任は重大ですが、一方で研究者の裁量が大きく、ある程度自由に研究を進められることに大きなやりがいを感じます。
もちろん働きやすい環境も整っています。プライベートでは最近父親になったのですが、妻が育児で大変な時なども気兼ねなく休みが取れます。モチベーション高く仕事に向き合えることも含め、研究者としてこの上ない職場です。(深津さん)

女性の技術者が多数活躍。安心して仕事に打ち込める環境に魅力を感じました

大学、大学院と一貫して材料工学を専攻し、研究テーマも「福島第一原子力発電所で発生する廃棄物の処理方法」という共通のものです。このテーマを選んだきっかけは、私の地元が放射性廃棄物の最終処分場の候補地になったこと。その縁から、材料研究に加えて廃棄物処理にも関心を持ちました。当初から福島原発事故の収束や廃炉に貢献したいという思いがあったのです。そのことから、学部・大学院と一貫して汚染水処理に用いられるゼオライトの安定化処理法を研究しました。新しい分野の研究ばかりで、常に新鮮な気持ちでワクワクして取り組むうち「今の研究を仕事にしたい」という思いがますます募り、大学院で学ぶ頃にはJAEAへの就職を意識するように。もともと私の研究はどこでもできるものではなく、JAEAが最も成果を生かせる場所です。ちょうど研究室の先輩にJAEA職員の方がおり、その先輩や、紹介されたOBの方にもいろいろと話を聞きました。そこで印象的だったのは実験を行う現場の大変さです。実験のために必要な設備管理に携われることにも興味をひかれました。

また企業研究の過程で、女性技術者が広く活躍していると感じられたこともJAEAを第一志望にする後押しになりました。JAEAでは産休・育休などの制度の充実はもとより、ワーク・ライフ・バランスの維持・向上に力を入れています。生涯、研究者・技術者として働きたいと望む私にとって、願ってもない職場でした。

現在所属する燃料試験課では、高速炉用の燃料の物性を測定するとともに、福島第一原子力発電所から発生する放射性廃棄物の処理方法の研究に取り組んでいます。また設備管理に関してはホットセルやグローブボックスといった特殊な設備の点検、保守管理を行っています。管理技術は先輩からその都度教わっていますが、皆さん親切で仲も良く、何事も気軽に相談できる職場です。今後の目標は、やはり今後の高速炉の発展や安全な廃棄物処理に役立つ成果物をたくさん残すこと。特に世界中の関係者に読まれるような論文を出したいと張り切っています。(薄井さん)

故郷の貢献にもつながる職場。事務職として「誰かの役に立てる」手応えがいっぱい

大学では学びの幅広さから社会科学科を選び、分野別基礎として1年次に3つのコースを学習するうち、法律に興味を持つようになりました。なかでも労働法に関心があり、卒業論文では定年後の給与について調査研究しました。そうした学修はもちろんのこと、大学生活では何事も積極的に取り組もうという気持ちから、サークル活動にもアルバイトにも全力投球。サークルは写真部に入りカメラの腕を磨きました。アルバイトは収入よりも視野を広げる観点で選び、年末年始のお寺でのアルバイトなど、なかなか経験できないような仕事にも挑戦しました。なかでも印象的だったのは、東海村にある原子力科学館でのアシスタントの仕事です。来館してくれた子どもたちと話をしたり遊んだり、実験教室の運営をお手伝いしたりと楽しい経験ができました。原子力科学館のスタッフにはJAEAの関係者の方も多く、就職活動の時期には「JAEAも考えてみては」と勧められたことも。そもそも私は東海村の出身で、幼い頃からJAEAの存在は身近です。震災以降、社会の風向きが変わりましたが、福島の廃炉に注力していることも知っており、事務的なサポートを通して私なりに力になれたら、と思う気持ちが次第に大きくなりました。なお、就職活動で私が軸にしていたことは「労働法の学びが生かせる」「地元に貢献できる」という2点。JAEAはこの点にもマッチしていました。

入職後の2年間は人事部職員課に所属し、全拠点の取りまとめとして労務管理を担当。この間、働き方改革関連法など新しい法律ができましたが、もともと国の機関であるJAEAは法律や新制度への対応が迅速です。施行に合わせて就業規則を改定するなど、労働法の知識を大いに生かせました。この4月からは安全研究センターに異動し、働く人をサポートする部署で、採用面接のお手伝いや担当する研究グループの予算の執行管理を行っています。業務内容は職員課からがらりと変わりましたが、規則の範囲内でどれだけ研究者の方々のニーズに応えられるかという点に、新たなやりがいを見出しています。事務職として、どの仕事も「誰かの役に立てる」手応えでいっぱいです。(関田さん)

学生の方へメッセージ

・研究職として働く場合、その研究内容は学生時代の学びと直結することもあれば、そうでない場合もあります。しかし学生時代の研究で本当に大切なのは、問題解決能力を養っておくこと。これは汎用性のある能力であり、どんな研究分野でも通用します。「直結していないけど大丈夫かな」と臆することなく、自分がやってみたい研究を選んでほしいですね。(深津さん)
・ホームページなどの情報だけでは職場の実際はわかりません。私も実験を行う仕事に興味を抱いたものの、この目で見た現場の印象は想像とはまったく違うものでした。「働く先輩に話を聞く」「職場見学をする」、この2つは会社選びに不可欠なものです。積極的に足を運んで、リアルな空気感を肌で感じてほしいと思います。(薄井さん)
・事務職を目指すならば、JAEAのような国の機関から民間企業、各種団体まで、選択肢は豊富です。国の機関とその他の違いは「公益性」の強さ。JAEAの事務職はたくさんの人々に貢献する基盤づくりをサポートする、縁の下の力持ち的存在だと考えています。働く目的の上位に「社会貢献」を据える方は、ぜひこの点を意識してみてください。(関田さん)

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研究職・技術職・事務職と立場は違っても、はるか先まで見据えて人々の安全を守るという使命感は共通。それぞれの役割を果たすことが、公共の利益につながる。

マイナビ編集部から

日本原子力研究開発機構は、国内で唯一の原子力に関する総合的な研究開発機関。民間では難しい、原子力の基礎的研究や大規模プロジェクトに取り組むことができるのが大きな特色だ。学生時代の専攻が直結する人はもちろん、畑違いの領域であっても、科学的教養や問題解決能力があれば、充実した教育研修制度によって不安なく業務や研究に打ち込める。また事務職についても業務の幅が広く、新しい法律に則した制度をいち早く導入したり、働きやすい現場づくりを多面的にサポートしたりと手応えは大きい。取材した職員の皆さんは豊かな「自分の言葉」で、仕事の魅力をいきいきと語ってくれた。国の機関で働く者として厳格なルールやコンプライアンスを順守しつつも、研究や技術開発における裁量の大きさなどをみれば自由な雰囲気に満ちており、“堅い職場”という先入観が大きくくつがえったのも事実だ。それぞれの知識や能力が生かせる多様な現場で、社会貢献を意識しながら成長していくことができるだろう。

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茨城・東海村にあるJAEA本部。2015年4月に新築移転し、広々とした敷地は緑の多い落ち着いた環境だ。社屋にはカラフルな椅子やテーブルが並ぶリフレッシュコーナーも。

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