東京書籍(株)

私は現在、高校物理の教科書を作っています。
現在は令和8年から高校生が使用予定の新しい教科書の内容を作成中です。先生方の原稿を読み、学びやすい教科書になるよう原稿を整えたり、理解しづらい部分を分かりやすくするため先生方と相談したりしています。字の大きさから教科書全体のデザインまで、教科書にはさまざまな工夫がされています。私も、先生方や先輩方がこれまでに作ってこられた物理の教科書の思いを引き継ぎ、学びやすさや理解のしやすさを促す工夫を考え続けながら、仕事に当たっています。
また、教科書に使用する写真選びも教科書作りの仕事の一つです。教科書にとって表紙や分野の最初のページは、教科書を印象付ける部分です。教科書を手に取った生徒達に、より印象的に感じ、そしてこれからの学びを楽しみに思ってもらい、また学びが終わった後も手元に残しておきたいと思ってもらえるよう、物理に関わりのある写真を、様々なことを考えながら丁寧に選んでいます。

学生時代に力を入れたサークル活動での経験が、私の強みになっています。
私はマガジンを制作するサークルに所属し、中高生をはじめ広く科学の魅力を広める活動をしていました。卒業された先輩方のノウハウはありましたが、少数精鋭だったため、冊子を作るにあたって多くの役割を経験しました。企画、資料集め、取材、写真撮影、執筆、許可申請、デザインなど多くの役割がありましたが、一時期に一人に仕事が集中してしまう問題や、仕事を抱えている人が音信不通になる問題などもあり、制作進行の見直しやメンバーの予定の共有、それぞれの仕事のマニュアル化などを図っていきました。
冊子制作の経験は、そもそもの教科書制作の流れと似ており、マニュアルを作ったことや、制作進行を俯瞰して予定を立てたことが、基礎として役に立っています。
また、冊子制作に様々なアプリケーションを使っていた経験から、このアプリのこの機能を使えばもっとこのようにできないだろうかなど考えて抵抗なく作業を行うことができています。