私が学生と接するときによく話すのは、企業を調べるときには“数字”を追いかけるべきだということ。売り上げや利益といった数字の経年変化について着目すると、多くの物事が見えてくるはずです。その際、利益が上がるのは経営者の努力であり、売り上げが上がるのは社員の努力と捉えていくと、より企業の実態が想像しやすくなるかもしれません。
数字でもう一つ言えば、社員数だけでなく採用数にも着目しましょう。新卒の採用数を継続して保っていられる企業は、新しい人材を受け入れる余裕があるということであり、会社の基盤も安定していることが見て取れるはずです。共同コンピュータも、この数年は20数名の採用を継続しています。企業選びというとどうしても雰囲気などを優先してしまう傾向はありますが、数字面も含めたさまざまな要素を調べてみてください。
私自身が就職を考えていた30年前を振り返ると、当時は会社の規模や知名度がステータスでした。しかしながら、今は必ずしも「大企業に入れば幸せになれる」という価値観ではなくなったように思います。自分がやりたいことができる場所、好きなことを極められる場所で働くのがベストと考えれば、企業研究する以前に自分自身を知るという視点も大切なのだと思います。
〈人事部課長・奥村さん〉