最終更新日:2024/7/12

東京商工会議所

業種

  • 財団・社団・その他団体
  • シンクタンク・マーケティング・調査
  • コンサルティングファーム
  • イベント・興行
  • 政府系・系統金融機関

基本情報

本社
東京都

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

首都の中小企業を支える経済団体。東京、ひいては日本経済の発展に貢献。

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人材教育、経営相談など、若手のうちから多彩な業務に挑戦

東京商工会議所は、東京23区を活動拠点とする地域密着型の民間経済団体である。明治初期の誕生以来、首都・東京の企業を支えてきた東京商工会議所の多彩な機能について、異なる部署の中堅・若手職員にお話を伺った。

三島 治仁さん
中小企業部
経済学部経済経営学科卒業
2022年入所(新卒)

高橋 瑠菜さん
千代田支部
法学部法律学科卒業
2017年入所(新卒)
※高は「はしごだか」

寺田 展也さん
人材・能力開発部
教養学部教養学科卒業
2017年入所(中途)

先輩の横顔

様々な経営者の生の声に触れて、大きな刺激をもらっているという三島さん。若手職員も意見を出しやすい柔軟な組織であるとも実感している。
入職前は堅い組織だと思い込んでいた高橋さんだが、困っている人がいたら声をかけて支える気さくな職員がそろっているのがわかり、「良い意味で裏切られました」と話す。
人材育成の分野で企業支援に携わる寺田さん。以前は国際物流会社に勤めていたが、物流よりも多くの企業の支援ができる組織に魅かれて入所を決めた。

【三島さん】同じ目線、同じ熱意で企業と共に歩んでいきたい

東京商工会議所には会員企業によって構成される、多様なテーマの委員会・部会があります。そこで企業に関わる様々な課題を議論し、内容によっては国や東京都へ要望していくのが中小企業部の役割。部員たちは委員会の開催に関する各種支援を担当し、部署メンバーは各事業者のもとを訪れて直接、意見をヒアリング等しながら、各社から集めた経営に関する課題をまとめていきます。入所1年目の私は現在、委員会の運営を手伝いつつ、先輩と一緒に経営者を訪問して話を伺う日々を送っています。社会人経験の浅い私の質問に対して、経営者の皆さんが真摯に返答してくださることがありがたく、会話の端々から強い“覚悟”を持っていらっしゃることが伝わってきます。経営者の想いを汲み取り、補助金等の支援制度拡充や規制改革などの要望を行う、私たちの責任は極めて大きいと感じています。

最近は、「産学公連携相談窓口」という事業に携わるようになりました。この事業の使命は、東京商工会議所が連携する51の大学・研究機関の知見を活用して、企業の課題解決や新事業の創出を支援すること。2013年にスタートして以来、企業から既に200件以上の相談を受けており、企業と大学との間で61件の共同研究が進められています。

例えば、先輩が手掛けた案件。持ち運びできるスーツケースを作っている企業から、丈夫で軽い素材を探したいとの相談が寄せられました。6年に渡る研究でも思うような成果が出なかったそうですが、当窓口を利用して照会をかけたところ、ある大学の先生から「既に出ている論文で解決できる」とのアドバイスが。そのわずか数カ月後には求める素材の量産化に成功しました。企業が単独でそうした論文にたどり着くのは難しいですが、51もの大学・研究機関とのつながりがあれば、一瞬で問題を解決できる可能性が高まるということを実感しました。

経営者の皆さんは1年後、1カ月後、そして明日を生きるべく、必死で会社のことを考え続けていらっしゃいます。そうした生の声に触れ、同じ目線に立って先の先を考えていける点に大きなやりがいを感じています。現状は企業側からの相談が基本となっていますが、より強力に経営者の皆さんを支えるためにも、私たちの側から何か新しいきっかけを提供できるような取り組みを進めていきたいですね。

【高橋さん】経営者の“人生に寄り添う”頼れる存在を目指して

就職活動では「人の人生に寄り添う仕事」を軸にして、不動産やインフラ系の企業を志望していました。東京商工会議所を受けたのは正直、イレギュラーだったのですが、経営改善のためのサービスを提供することで、経営者の人生に深く寄り添っている点に興味を覚えたことが入職する契機となりました。

2022年4月からは、まさに経営者を支えていく「経営指導員」として、千代田区内の経営者の相談に対応する毎日を送っています。販路開拓、人材採用、資金繰りなど、相談内容は多岐に渡りますが、千代田支部の特徴は、創業者からのご相談が多いこと。いざ事業を立ち上げた後、軌道に乗せていくための顧客開拓や補助金に関する相談を受けることがよくあります。

そもそも、私は法学部出身。経営に関する知識を持っていたわけではありませんし、前部署は広報部で記者対応が中心でしたから、事業者の業務を理解し、悩みを聞き出すということに慣れていない面がありました。そんななか、経営に関する本部の手厚い研修や、周囲の先輩の対応方法を観察することで、一つひとつを着実に身に付けていきました。

次第に資金繰りに関する知識なども蓄積され、融資のあっせんや補助金の情報などに関して、その企業に合った内容の紹介ができるようになりました。私の情報提供をきっかけに補助金を申請した企業の経営者の方が、後日「おかげで良い形で前進できた」と語ってくださった時は嬉しかったですね。

東京商工会議所の経営相談サービスは、相談段階では全て無料で提供しています。相談内容はそれこそ“なんでも”受け付けており、ECサイトの開設に必要なものを聞かれたかと思えば、福利厚生のパッケージサービスに関しての情報を伝えるなど、360度全方向からの質問に向き合っています。会議所を経由して、弁護士や公認会計士などへの質問も受けられるので、より専門的な経営の悩みにも対応可能です。

お悩み事の解決窓口となる私たちは、常に新しい知識を蓄え、アップデートしていくことが必要。大変ではありますが、人の人生に寄り添うという意味では、思い描いた仕事に携われているとの満足感があります。困ったときの“駆け込み寺”として、「真っ先に高橋に相談してみよう」と思ってもらえる存在を目指して、これからも自己研鑽を続けていきます。

【寺田さん】人材育成という観点から、企業の成長をサポート

私が現在所属している人材・能力開発部に異動してきたのはコロナ禍に突入した直後。急遽、オンライン研修講座を立ち上げるなど、慌ただしいなかで新しいステージに入りました。しかも、私が直前まで所属していたのは政策提言をする部署で、今とは全く異なる業務内容でした。入所前、先輩方に「異動をすると転職してきたような気持ちになる」と言われましたが、本当にその通りでした。

人材・能力開発部では、中小企業の大きな悩みの一つである“人材の確保・育成”に関して多面的な支援を展開しています。合同説明会や各種情報提供を行う採用・就職支援などはその代表格。私は主に人材育成分野を担当しており、「研修センター」の運営を通じて中小企業に対し、社員の成長につながる各種研修講座を提供するのが仕事です。年次ごとの階層別研修、総務、財務、法務といった分野別研修などのほか、営業やITなどのビジネススキルを伸ばす研修など約140に及ぶテーマについて、年間300回近い講座を実施しています。そうした研修講座を、内容・講師の選定などから一つひとつ作り上げることや、研修当日の対応にあたるのが私の主な業務となります。

研修センターでは、会員企業に直接提供するサービスとして、いかに上質なものを生み出すか、試行錯誤を繰り返しています。そうした背景のなかで、2022年夏からは新たに「3つの人材育成プログラム」を開始しました。中小企業と深い接点を持つ各部署から上がってきた声をもとに、今の時代に求められる「生産性向上」「多様な働き方」「DX」の3点に集約した研修プログラムを組み立てたのです。

これらのプログラムの立ち上げにおいては、新しい分野が多いため、どういった内容が受講者にとって役に立つのかが見えにくく、一から手探りで作り上げていく必要がありました。当会議所は企業との距離が近いため、会員にヒアリングを重ねながら、また研修センターのメンバーそれぞれの得意分野を活かし、意見交換をしながら内容を練り上げ、より良いものを形にできたと自負しています。

人材の成長は企業そのものが成長を遂げていくために重要な要素。その点を支えられるというのが、仕事のやりがいにつながっています。より人材育成に役立つ効果的なプログラムを提供できるように、企業の声に耳を傾けながら情報収集を重ねていきたいですね。

企業研究のポイント

■どれだけ企業研究をしたとしても、実際に働いてみないとわからないことが多々あるのも事実です。自分にとって譲れない目的を明確にした上で、それを軸にした企業選びをすれば、長く楽しく働き続けられるのではないでしょうか。東京商工会議所では様々な部署がありますが、どの部署でも“企業のために”という想いは共通しているので、その目的に共感できれば、やりがいも自ずと見つかるのではないかと思います。
<三島さん>

■私は「人生に寄り添う仕事」を軸にして企業研究していたのですが、その軸にたどり着くまでには、様々な業界の説明を受けながら、自分に合うものを探し続けていました。また、私自身がどんなことに楽しさを感じ、何が嬉しかったのかを振り返る時間もたっぷりと取ったつもりです。自分をしっかりと顧みた上で、直接、企業を訪れて、働く方たちの様子を見ていくと、自分にとって最適な働き方が見えてくるかもしれません。
<高橋さん>

■自分の興味のある分野がどこなのか、わからずに悩んでいる人は少なくないはず。企業研究では世の中にいる様々な考えの社会人と触れ合えるのですから、この機会に多くの人との対話を繰り返して、そのなかで自分に合いそうな業界や職種を見出していきましょう。誰かの働き方のなかから、自分にとっての軸となるものが見つかるはず。様々な形で情報収集してください。
<寺田さん>

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人事担当の逸見さんは「多彩な事業フィールドがあるので、『新しいことへの挑戦』を前向きに楽しめる職員が多いです」と語る。

マイナビ編集部から

1878(明治11)年、渋沢栄一を初代会頭に設立された東京商工会議所は現在、東京23区を地盤とする地域経済団体として、企業・団体約8万社を多角的に支えつづけている。経営に関する相談窓口として、融資・助成金のアドバイス、取引先拡大の支援などを行うのはもちろん、企業の意見をまとめて国や東京都に提言すること、地域の活性化を目的とした地域振興活動など、その事業分野は実に広範囲にわたっている。

同会議所では、一見すると無関係に思える事業でも、その根底に共通する「会員企業の繁栄」「首都・東京の発展」「わが国経済社会の発展」というミッションに行き着くという。今回は3名の職員にお話を伺ったが、それぞれがまったく違う業務に携わりながらも、目の前の企業を支えていくことで、東京、ひいては日本経済の発展に貢献するという決意が垣間見られた。

組織的にはさほど大きいわけではないため、若手が大きな仕事を任されることも多いという。その名前と歴史の重さから、どうしてもお堅い印象を持たれがちだが、柔軟で明るい職員がそろっており、コミュニケーションも非常に活発。職員一人ひとりがアクティブに行動することで、日々変化していく環境下で企業の多様な課題をとらえ、企業とともに進化していこうとしている様子がよく伝わってきた。

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千代田区丸の内に本部を構える。百数十年にわたり、皇居にも面した丸の内のこの地で企業を支援する事業を継続してきた。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2025に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2026年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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