最終更新日:2025/3/11

マリンフード(株)

  • 正社員

業種

  • 食品
  • 商社(食品・農林・水産)

基本情報

本社
大阪府

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

身に付いたのは自分の仕事のスキルだけではなく、チーム全体で前進する視点

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製造・研究・営業。各分野の社員が語るキャリアの変遷

独自性の高い視点を持つメーカーとして、マーガリンやチーズなどを幅広く市場に提供しているマリンフード。それぞれ異なる部署のみなさんにいままでのキャリアから得た仕事観について語ってもらった。

■芝谷 晃さん (写真右)
2019年入社
生産本部 泉大津工場生産管理課
近畿大学 生物理工学部 食品安全工学科卒業

■森脇 茉莉さん (写真中央)
2018年入社
営業本部 大阪支店
甲南女子大学 人間科学部 生活環境学科卒業

■鞆田 大樹さん (写真左)
2022年入社
研究部Bチーム
奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科バイオサイエンス領域卒業

一言メッセージ

「正確な情報を届け、他部署の問い合わせに迅速に対応することを心掛けています 」と芝谷さん。学生時代は軽音部でベースを担当。いまの仕事に通じるものがあると言う。
「入社1年目の後輩には、できていることとそうでないことをリスト化し、スキルの可視化を進めています」。後輩の育成にも熱心に取り組んでいる森脇さん。
「食べることや料理が好きで食品業界を検討するようになりました。当社は代替食品分野に比較的早期に進出した食品メーカーであることにひかれました」と鞆田さん。

不具合の芽を見つけ、摘み取るのが生産管理の使命。安定稼働に向け、課題の根本に取り組む活動にも参加

マリンフードが保有する4つの工場の中で、私が勤務している泉大津工場はチーズの製造拠点。シュレッドチーズと呼ばれる、細かく裁断された形状のチーズやキャンディ状のチーズを製造しています。私は生産管理課に所属し、原料と資材の発注や在庫管理を担当。たとえば原料として使用されるチーズは約10キロから20キロのブロック状のもので、資材は包装用フィルムや段ボールです。生産管理は原料と資材の保管状況を把握し、最適な量を見極めることが求められる仕事です。在庫量が多すぎると保管場所にも困りますし、原料の場合は賞味期限も考慮しなければなりません。在庫を減らしながらも工場の生産ラインが止まらないようにバランスを取りながら安定供給をめざすのが私のミッションです。

新人研修の期間を含む約1年間は製造課に勤務し、比較的簡易な作業もあれば、難しい工程も任されていました。当時を思い起こせば、先輩と同じ仕事を私が行っても先輩の担当する生産ラインの方が格段に早かったですね。驚かされたと同時に製造職の奥深さを感じた出来事でした。現在、日々の生産管理の仕事に加え、本社をまじえた4工場の生産管理課の担当者が集まり、在庫圧縮プロジェクトを進めています。これは各工場で月末の在庫量を正確に把握し、不要在庫をなくしていく取り組みです。製造と生産管理の両方を経験したいま、日々の安定稼働をめざすだけではなく、同じ目標を持つ仲間と一緒に、根本となる課題の解決に取り組んでいることはやりがいにもつながっています。何も起こらないのがあたりまえ。日々淡々と工場が稼働している状態を維持するのが私たち生産管理の仕事です。縁の下の力持ちのような仕事に思われるかもしれませんが、不具合が発生する前にその芽を見つけ、摘んでいく仕事にはこの仕事でしか得られない達成感や充実感があります。

社内の部活動では釣り部の部長を任されています。泉大津市は海も近く、工場の近くにはBBQ場もあるんですよ。もともと釣りが好きな者が集まって海釣りに行っていたことがきっかけで、メンバーが増え、部活のようになりました。このような交流を通して、工場全体がひとつのチームのような気持ちでまとまっていくのもうれしいですね。〈芝谷さん〉

入社7年目。変わったのは売上への意識。個人の力を結集し、チームで成果を追求したい

マーガリンやバター、チーズなど業務用と家庭用、両方の商品を担当しています。既に取引のあるレストランなどには取扱高アップのためのメニュー提案を、食品スーパーマーケットなど家庭用商品を販売する店舗にはチラシに当社の商品を掲載してもらえるような提案を行います。食品メーカーや量販店がプライベートブランド(PB)商品を企画するときの立ち上げに参加したこともあります。完成品だけではなく、食品工場へ原料を提案することも。マリンフードの営業はさまざまなお客様と接することができるのが特徴です。幅広い知識が求められますが、挑戦をする機会が多いということが楽しいですね。

最近、ペットフードを取り扱う企業の依頼を受け、新商品の開発に取り組みました。当社の商品は冷蔵が基本。ペットフードは常温品ですので、いままで商品化に取り組んだ実績はありませんでしたが、開発部門の協力もあり約1年間を費やし発売に漕ぎ着けることができました。この商品は大きく売上を伸ばし、当社としても新規市場を開拓できました。また、成功事例として他の営業所と共有され、周囲に評価をされたこともうれしかったですね。営業職に就いた最初の頃はお客様と楽しく会話をすることを第一目標にしていましたので、当時は売上を伸ばす意識が低かったように思います。しかし入社7年目を迎え、同じエリアを担当するチームの中でも経験が増えたいま、売上を意識するようになりました。数字を取りたいと思いますし、大きい商談にもつなげていきたい。マリンフードの営業は個人としての努力も大切ですが、チームで「売上を伸ばそう!」という雰囲気があるので、同じ思いを共有しているのが心地良いですね。

今後はこれまでの経験を活かしてお客様のニーズをくみとり、提案内容に工夫をしていきたいと思います。たとえば、メニュー提案で必要なレシピは自分で考え、商品の特徴をアピールするチラシもデザインや盛り込む内容を検討し、オーダーメイドの提案ができるようになるのが目標です。その成果を他の拠点と共有できるようになれば、もっとうれしいですね。また、後輩のためにもライフイベントを経ても心地良く働けるような環境をつくっていきたいと思っています。〈森脇さん〉

固定観念を持たず、「これは無理だ」ではなく、「こうすればできるのでは」の発想で進めていく

研究部は品質管理と研究開発の両面を備えた部署です。研究開発は新商品をつくるための物性の評価や既存品の改良や食感や溶け感、風味などの改善に取り組んでいます。当社はプライベートブランド(PB)商品の製造も担っているため、お客様の要望に近づけるための研究も活発です。いま取り組んでいるのは、当社が開発し、食品業界において各賞を受賞しているチーズの代替品「スティリーノ」の生地の改良です。試作を重ねていく過程では難しさを感じる場面もありますが、お客様の求める生地をつくることができたときの達成感は大きいですね。私は「考える」ことが結構好きなので、大変なこともありますが楽しいという感覚ですね。制約がある中で進めていくことが多いため、壁にぶち当たることもありますが、回避の方法を考えるのもやりがいです。

入社1年目は研修として工場内の製造を経験し、その年の9月に研究部に配属になり、いまに至ります。その頃は規格書などの書類作成や品質管理のための工場内の巡回、計量、営業担当者がお客様に提案するサンプルの作成などを先輩に教えてもらいながら取り組んでいました。当時はわからないことだらけ。ですが、徐々にチーズの製造で使用するでんぷんの知識などが身に付き始め、後輩ができてからは責任感も芽生えてきました。私のモットーは固定観念を持たないこと。ひとつの製品やテーマに長く取り組んでも自由な発想を忘れないようにしています。「これは無理だ」ではなく、「こうすればできるのでは」という考え方を持つようにしています。

研究部には人あたりが良く、やさしいメンバーが多いですね。私が新人のとき、考え込んでいたら「何を探しているの」と声をかけてくれる先輩もいました。部内には食品系出身の人もいれば、植物系や化学の中でもアミノ酸の研究をしていた人もいます。私も大学時代は動物の発生性別を学んでいたので、食品に限らずいろいろな分野の人が集まっている部署という印象ですね。専門分野による考え方の違いは刺激にもなっています。これからは自分が配合を考えた商品を世の中に出すのが目標。当社はユニークな商品を生み出すのが得意な食品メーカーですので、おもしろい研究ができるのではと思っています。〈鞆田さん〉

学生の方へメッセージ

大学時代の研究分野に近いという理由で食品業界にしぼり、ユニークな商品を製造している当社に興味を持ちました。企業を知る上でお伝えしたいのは、企業にはいまの自分が知らない職種がとても多く存在するということ。私も学生の頃は生産管理という仕事があることを知りませんでした。比較的わかりやすい仕事もありますが、そうではない仕事もある。ぜひ、いろいろな仕事を調べてみて下さい。〈芝谷さん〉

「何をすれば、苦しいときにがんばることができるか」に注目して下さい。「これならがんばれる」と思えるものを探して欲しいですね。たとえば、私が食品業界に興味を持った理由は「食」が好きだったから。食に関わる仕事であればがんばれると思えたからです。いま、お客様との出会いを通して趣味が広がり、とても楽しく取り組んでいます。また、職種をしぼり過ぎないことも大切。新しい発見があるかもしれませんよ。〈森脇さん〉

企業を研究するときは、自分の専門分野にこだわり過ぎず、広い視点で「自分は何をやりたいのか」をじっくり考えてみて下さい。社会にはいろいろな業界や企業があります。まずは広く業界を調べてみては。思い込みで決めつけていたことがあるかもしれませんし、興味のなかったことが実はおもしろいものだったと気づけるかもしれません。そんな経験ができるのが企業研究だと思います。〈鞆田さん〉

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製造・開発・営業がそれぞれの強みを活かし、協力をしながら顧客ニーズに応えていく場面も多い。異なる立場でも意見を言いやすい、フランクな風土も同社の魅力だ。

マイナビ編集部から

マーガリン、バター、チーズ、ホットケーキなどの製造・販売を担う食品メーカー。いまでこそスーパーマーケットの店頭に並べられている代替食品の分野にもいち早く参入し、チーズ代替品「スティリーノ」を発売。食品業界の各賞を受賞(※)するなど高い評価を得た。その同社がめざすのはオリジナリティの高い商品の開発だ。また、豊中市の本社工場をはじめ、全4工場を稼働。食品メーカーのPB商品の製造を担うなど、製造体制の充実にも注目したい。

今回は各部署で活躍している若手・中堅の社員のみなさんを取材した。共通するのは新人の頃はひたすら一生懸命に取り組んでいたが、少しずつ次の目標が見え、それに向けて前進を続けているうちに、新しい視点とやりがいを得た点だ。個人のスキルアップだけではなく、チーム全体でより良い成果を出そうとしていることも同社ならではの成果の求め方なのだろう。

創業130年を越える老舗だが、あたたかい風土が脈々と受け継がれ、その社風は人間関係の良さにもつながっているようだ。若手社員が自主性を持って仕事に取り組み、そこに「自分らしさ」を込めようとしていることも伝わってきた。仕事は長く続けるからこそ見えてくる景色があり、その中で人とのつながりもより濃いものとなり広がっていく。部活動が盛んな同社では仕事を楽しみ、人生を楽しむ姿勢を持った社員が多いということも強く感じた。
※2024年10月マイナビ調べ

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はちみつとバターを使った「私のはちみつバターブレンド」やコレステロール98%のチーズ代替品「スティリーノ」など、消費者目線に立った商品を多く生み出している。
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