最終更新日:2025/3/1

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 【鉄道・運輸機構】 (JRTT)

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 公益・特殊・独立行政法人
  • 鉄道
  • 建築設計
  • 設備工事・設備設計

基本情報

本社
神奈川県

取材情報

福利厚生・施設を紹介したい

遠慮なく助けを求められる職場だから、制度を活用して育児と仕事を両立できる。

PHOTO

国家的プロジェクトを担う公的機関のワーク・ライフ・バランス

東京工事事務所 総務部 用地課
堀切 遥南
観光学部交流文化学科卒 2019年入社

堀切さんは、整備新幹線に代表される日本の鉄道建設を担うただひとつの公的機関、鉄道・運輸機構(JRTT)の事務系職員。入社以来、工事・役務の契約業務、用地取得、財産整理などの業務で鉄道建設を支え、現在は初めての子育てと仕事を両立する彼女に、仕事内容と職場環境、ワーク・ライフ・バランスについて聞きました。

現在の仕事と職場の様子

2年間の産・育休から以前と同じ部署に復職。「子どもの急病で早退したり休んだりすることもあるので、担当している仕事の進捗状況を誰が見ても分かるようにしています」
鉄道事業者や自治体への連絡・交渉など対外的な業務も多い。「用地業務は幅広く、担当時期によって内容がまったく違います。学ぶことはまだまだたくさんありますね」
JRTTでは育児と仕事の両立は特別なことではない。「育児経験のある先輩職員も多く、休憩時間などに子育ての悩みを相談することもあります」

地域の活性化やまちづくりへの貢献をめざして働く自分の姿を想像できた。

地域の活性化やまちづくりを支える仕事に携わりたく、鉄道建設の全工程を担う唯一の公的機関であるJRTTを志望しました。入社の決め手は、説明会で先輩たちから伺った話です。用地取得業務をはじめとする事務系職種の面白さと難しさから寮などプライベートのことまで詳しく話してくれたので、社会人となった私自身の姿を明確にイメージできました。

入社して最初の仕事は、北陸新幹線(金沢・敦賀間)、西九州新幹線(武雄温泉・長崎間)、相鉄・東急直通線の工事・役務に関する契約業務です。工事担当部署が作成する入札公告に必要となる資料の確認、入札公告の公開、入札後の開札事務、契約書の作成・締結が主な仕事でした。鉄道建設は限られた予算と時間のなかで進める国家的プロジェクト。入札が成立しないと工期に影響が出ます。書類不備や手続きミスによる入札不成立とならないよう、確認には細心の注意を払いました。

だからこそ工事の担当者から「無事に契約できました。ありがとう。」と言ってもらえると、本当にうれしかったです。配属直後は各部署の問合せ対応で、先輩に頻繁に質問してしまいましたが、「過去から学ぶこともできるよ。」というアドバイスのおかげで、教わる前に調べるようになり、仕事の流れを自分で作れるようになりました。ありがたかったのは、入社2年目に西九州新幹線の長崎駅や車両基地、変電所の電気設備工事を視察できたこと。事務系の仕事は多岐にわたり、建設現場に頻繁に足を運ぶ用地業務もありますが、契約業務ではデスクワークが中心です。そんな中、自身が発注手続きに関わった現場を視察したことで、自分の仕事の重要性や貢献度を実感し、やりがいが増しました。

入社3年目には北陸新幹線建設局(大阪)へ異動し、北陸新幹線(金沢・敦賀間)の用地取得業務を担当しました。用地取得は、新幹線の建設予定地にお住まいの方や土地をお持ちの方に工事計画をご説明し、土地の売買や補償等についての協議・契約を行う業務。私が着任したのは用地取得の全体計画の中でも後半の時期で、新幹線車両が走る本線の用地取得はほとんど完了していました。私は、工事の進行に伴う新たな土地の取得や、さまざまな事情で取得が難航している案件を担当。基本は上司と2人一組で交渉にあたりますので、同行して議事録を作成することや、用地業務の契約手順や専門用語を理解するところからスタートしました。

出産までの期間中、周囲の温かいサポートに助けられた。

妊娠が分かったのは、その年の年末でした。年明けから本格的に自らが主体となって案件を担当する予定でしたが、気持ちを切り替えて上司に相談しました。育児休業をはじめとする仕事と出産・育児の両立支援制度が充実していることを企業研究の段階で知っていたとはいえ、当事者になるのは初めてのこと。当初は不安もありましたが、上司に業務内容を調整していただき、周囲の方にも出張を代わっていただくなど、多くの方からのサポートを受けました。

その後、東京工事事務所では、相鉄・JR直通線の財産整理を担当。財産整理とは、鉄道建設工事の完了後、必要な財産を整理・確定する業務のことで、鉄道建設のために取得した土地の記録とチェックが主な仕事でした。産前休暇に入るまでの2カ月間、職場では毎日のように「無理しないで」「体調は悪くないですか」と声を掛けていただきました。体調は安定していましたが、自宅から職場までは電車で1時間ほどの距離。通勤は想像以上に大変でしたが、在宅勤務をしたり、時差出勤の制度を利用して満員電車を避けるなどの工夫をして乗り越えました。また、周囲の皆さんの優しさ、温かさがうれしく、復職したら恩返ししようと思いながら仕事をしていました。

私にとって初めての産前産後休暇・育児休業の期間は約2年間でした。期間設定にあたっても、周囲のサポートに恵まれました。今後のキャリアを考えて1年程度で早めに復職したいという気持ちと、子どもの成長をゆっくり見守りたいという気持ちがあり、休業申請期間について悩んでいた際に、先輩から「預け先が見つからないことを想定して、長めに設定しておくと安心だよ」とアドバイスをいただき、約2年で申請することに決めました。結果的に1歳の時点では預け先が見つからず、産前休暇から約2年後、保育園が決定した時点での復職となりました。JRTTでは子どもが最長3歳になるまで育児休業を取得できます。2年待っても保育園が見つからない可能性もあったのでとても心強かったです。

復職後の仕事と働き方については、休業中に電話で話し合いをして上司の承諾を得ました。私の場合、復職するのは休業前と同じ職場でしたし、育児短時間勤務制度を利用した就業時間の調整も、保育園が決まってから相談して承諾をいただいたので、復職に向けて不安はありませんでした。育児に専念できるように配慮していただいていることも十分に伝わってきました。

「休むことを申し訳ないと思わなくていい」。子育て経験のある先輩たちの言葉に救われた。

現在は、相鉄・東急直通線の財産整理を担当しています。私は鉄道事業者に貸付する土地、自治体に引き渡す土地の振り分けと、不用な土地の売却などをおこなっています。財産整理業務は出産前も担当していましたが、当時はサポートが中心。北陸新幹線建設局で担当していた用地取得とも業務内容が大きく異なるため、気持ちを新たにスタートしました。

仕事と出産・育児の両立支援制度のなかでは、「育児短時間勤務」と「時間外勤務・休日勤務の制限」「子の看護休暇」を活用しています。「育児短時間勤務」は保育園の送迎時間などに合わせて勤務時間を短縮できる制度です。JRTTでは9時から17時40分までの勤務が基本となりますが、私はこの制度を活用して10時から16時40分まで勤務しています。「時間外勤務・休日勤務の制限」は残業や休日出勤が免除される制度で、スケジュールが立てやすく、子育てに役立っています。そして「子の看護休暇」は子どもの病気やケガ、予防接種や健康診断の際に利用できる制度で、子どもが一人なら年間5日まで取得できます。

これだけ制度が整っていても、復職当初は育児と仕事の両立は難しいと感じることもありました。仕事に必要な体力とメンタリティをなかなか取り戻せない中、短時間勤務で働き、子どもの病気で休むことに罪悪感を覚えていましたが、育児経験のある先輩たちの「休むことを申し訳ないと思わなくていい」という言葉に支えられました。心が軽くなり、困った時は助けを求めようと思えるようになりました。それを機に上司や先輩たちとの関係も深まり、子育てや生活のことを相談するうちにどんどん近しい存在になっていきました。

復職してから日が浅く、覚えることがたくさんあるため当面は通勤を続けますが、今後は在宅勤務を増やすことも考えています。通勤に充てていた時間や昼休みを利用して、効率よく家事や育児ができるという声もあり、私も上手に活用していきたいです。また、事務系職員としてのキャリアアップもめざしています。これまで契約業務と用地業務に携わってきましたが、経理や人事の仕事にも興味があります。また、JRTTは鉄道建設事業以外にも様々な業務があるので、幅広く経験を積みたいです。職種や勤務地の要望は年に2回の面談で伝えています。家族が増えたので全国的な異動は簡単ではなくなりましたが、責務を果たして成長することで可能性を拡げていければと思っています。

学生の方へメッセージ

ご自身の「価値基準」を明確にして企業研究と就職活動に取り組んでみてください。私は、仕事内容だけでなくワーク・ライフ・バランスについても考慮して企業研究をしていました。結婚や育児・介護などのライフイベントと仕事とを両立して理想のキャリアを形成できるかどうか。そこに重点を置いていました。

ワーク・ライフ・バランスの実現を見定めるポイントは人だと思います。なぜなら、育児・介護休暇や年次有給休暇、在宅勤務などは、職員の理解や協力があってこそ成り立つ制度だからです。初めての子育てと仕事の両立に向けて復職した私は、困ったときに「助けてください」と言える人が近くにいてくれることのありがたさを知り、そう思うようになりました。

説明会やインターンシップは、志望する会社で働く先輩たちの人柄を知る絶好の機会です。JRTTの先輩たちも皆さんの知りたいことをわかりやすく話してくれると思いますので、自身の「価値基準」に合致しているかという点を、先輩たちを通じて見定めてください。

PHOTO
子育てと仕事を両立する堀切さん。「困ったときに助けてくれる先輩が近くにいてくれるのは心強いです。今後はこの経験を生かして後輩をサポートできるようになりたいです」

マイナビ編集部から

鉄道・運輸機構(JRTT)は、新幹線や都市鉄道の建設・整備や船舶共有建造等の事業等を通じて、安全で安心な環境にやさしい交通ネットワークの確立を目指している公的機関だ。

鉄道建設事業については、2022年の西九州新幹線(武雄温泉・長崎間)、2023年の神奈川東部方面線(相鉄・東急直通線)に続いて、2024年3月16日には北陸新幹線(金沢・敦賀間)が開業。現在は、北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の建設が本格化している。
また、長年にわたる鉄道建設事業で培った技術力を活かして自然災害等で被災した鉄道の復旧支援にも力を入れており、2023年には「鉄道災害調査隊」を発足させた。災害対策基本法に基づく指定公共機関として、既に日本各地で復旧支援にあたっている。

近年は、こうした鉄道建設事業等による地域の活性化を、学生時代に地元住民のひとりとして実感していた若い職員が増えており、自らの仕事によって他の地域の発展に貢献したいという意識も強い。大きな夢と目標を持つ若手職員の意欲を尊重してバックアップする先輩職員も多く、どの職場も懐の深さを感じさせる。

教育研修や福利厚生も手厚く、長期的なライフプランを立て、実現できるという点でも魅力的な組織と言える。

PHOTO
日本全国が注目する整備新幹線事業。2016年に新青森・新函館北斗間が開業した北海道新幹線は現在、新函館北斗・札幌間において工事が進められている。

トップへ

  1. トップ
  2. 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 【鉄道・運輸機構】 (JRTT)の取材情報