最終更新日:2024/10/4

(株)武蔵野銀行

  • 上場企業

業種

  • 銀行(地銀)

基本情報

本社
埼玉県

取材情報

企業が取り組むSDGs

お客さまと共に、持続可能な地域社会の実現を目指しています

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地域に根差したSDGsの取り組みを紹介

高倉 啓さん(1998年入社)
総合企画部 副部長/サステナビリティ推進室 室長

2022年に創業70周年を迎えた武蔵野銀行。埼玉県に根差した銀行として、地域社会を取り巻くさまざまな課題を解決するための活動に長年取り組んでいる。取材では、SDGsの分野で同行が果たそうとしている役割や、SDGsの【15:陸の豊かさも守ろう】という目標に向けた取り組み、サステナビリティ経営のビジョンなどを語っていただいた。

当行の紹介

「県内の多くのお客さまと接して広い視野を養い、それを次なるチャレンジに生かせる銀行です。人間性も大いに磨かれると思います」と高倉さん。
敷地内で豊かな植生を実現している新本店ビル。環境にやさしい上に、生産性を高める「新しい働き方」も可能にする自由度の高い設計です。
隣接都県が多く、利便性の良さを生かしたさまざまな産業が盛んな埼玉県。地域に根差す銀行として、多くのお客さまと共にSDGsに関する取り組みを推進しています。

地域企業の“コンサルタント”として、SDGs経営をサポートしています

武蔵野銀行は、2021年9月に「サステナビリティ推進委員会」を、2022年3月には「サステナビリティ推進室」を設置し、サステナビリティ経営を本格的に行うことを打ち出しました。一企業としてすべきこと、一人の行員としてすべきこと、そして一人の人間としてすべきことを考え、世界共通の目標である「2030アジェンダ」の実現に腰を据えて取り組む所存です。

以前は「SDGsは大企業が取り組むもの」というイメージがあったようですが、近年は事業規模を問わず、サプライチェーンの各社にも積極的な取り組みが求められています。取引にも影響するため、今後SDGsを意識せずに経営を続けていくのは難しい時代になると考えています。

そのような中で、当行は中小企業の皆さまのSDGsの取り組みに対する旗振り役や相談役となれる立ち位置にいます。「今、どのような取り組みをすべきか」「何もしなければどうなってしまうのか」「危機を回避するにはどのような対策があるのか」「チャンスとして活かすにはどうしたらいいか」といった情報を積極的に提供し、新たなファイナンス手法を提案していけるのです。

近年の銀行員は、コンサルタントとしての側面が強くなってきています。融資や手数料を中心とするビジネスをしていた時代もありましたが、今はお客さまの相談に親身に乗り、お客さまを誰よりも理解し、課題の解決をサポートすることが期待されているのです。「お金のプロ」として資金面の相談に乗るだけでなく、後継者問題、IT化や人材に関する課題、サステナビリティ経営の実現など、お金に直接関係のない相談に対応することが非常に増えています。

その分、銀行員に求められる知識も増えていますが、当行は独自の育成プログラムや資格支援制度、MVPアカデミーなどを通じて、行員の継続的な自己研鑽を促しています。SDGsに関しても、まず私たち自身がしっかりと学んだ上で、信頼してくださる地域のお客さまにとってプラスになることを一緒に模索していきたいと考えています。

生物の多様性を保全する取り組みを、長年続けています

当行は長年、環境保全に関する取り組みも続けてきました。きっかけは1992年に開催された「国連環境開発会議(地球サミット)」です。そこでは「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」への署名が開始されました。特に生物の多様性を守る取り組みは、地域に根差した銀行である当行との親和性が高いといえます。

そこで始めたのが、自然環境の保全活動に寄付する「武蔵野銀行みどりの基金」で、これは現在まで30年にわたって継続しています。また、豊かな河川を有する埼玉県のエコロジカルなネットワークを守り、次世代につなげたいという思いから、新入行員研修では例年、外来種の駆除活動を行っています。

生物多様性の保全への貢献度を評価する「JHEP認証」も、金融機関として初めて取得しています。10年前の創業60周年に新設した「新事務センター」は、JHEP認証の「A」評価を取得しました。2021年12月に70周年のタイミングで新設した新本店ビルは、JHEP認証の「AA」評価を取得しています。

新本店ビルでは「武蔵野の森」をコンセプトに建物を取り囲むように多様な草木を植えました。クールスポットとなる緑の空間を地域に提供できることや、大宮周辺の生態系維持に貢献する豊かな植生を実現したことが、高い評価を受けています。

また新本店ビルでは、ペーパーレス化を進めるきっかけにもなりました。移転に伴って紙の書類の8~9割近くを削減し、新しいオフィスではプリンタの台数も思い切って減らしフロアの1カ所に集約することでペーパーレスを浸透させており、印刷量も移転前の4割以上削減できました。

固定電話も廃止し、全員にモバイルPCとスマートフォンを貸与してフリーアドレスオフィスを実現しています。各自がその日の仕事の効率を考え、働くフロアや席を自由に選べるようになりました。服装も自由化し、自律的でアクティブな働き方が広がっています。

次世代の埼玉のために、できることを追求しています

新本店ビルのオフィスのテーマは、「チームのシナジーを生み出し、その成果をお客さまに提供する」というものです。これに基づいて設計を行い、オフィスフロアの仕切りをなくしたり各階を内部の階段でつないだりして円滑にコミュニケーションを取りやすいようにしました。新設した研修専用ルームも活用し、支店にいる行員たちとのコミュニケーションを活性化させていきたいと考えています。

さまざまな改革によって、変化に前向きな風土が生まれたことも移転の大きなメリットだと感じています。移転前は「本当にできるだろうか」という不安もありましたが、皆「やればできる」と自信を得たようです。今後は本店で起こした変化をいかに各支店で展開させていくかを考え、全店舗を挙げて生産性やモチベーションの向上に取り組みます。

SDGsの観点から、ダイバーシティや健康経営に関する取り組みも進めています。特に長年力を入れてきたのが、行員のメンタルヘルスの改善です。管理職を中心に「メンタルヘルスマネジメント検定」の受検を推奨しており、多数の合格者が出ています。

また、当行は転居を伴う異動がないので、ワーク・ライフ・バランスを保てる働きやすい環境も喜ばれています。子育て支援企業として「プラチナくるみん」の認定も受けました。従業員の幸せと会社の利益がリンクするよう、今後も加速度的にさまざまな改革を行う方針です。

私たちは、今後も積極的に“未経験のこと”にチャレンジしていきます。私個人としても、各世代のダイバーシティを大切にし、「次世代のために、埼玉の地域で何ができるか」「当行の存在価値をどのように高められるか」ということを現場の声を取り入れながら考えていきたいと思います。

企業研究のポイント

企業研究では、具体的な仕事内容をしっかり理解するようにしてください。「会社の取り組みに共感できるか」も大切ですが、「仕事にやりがいを持てるか、お客さまに対する使命感を持てるか」ということもとても重要だからです。

例えば、銀行での仕事は融資や預貯金に関するものだけではありません。お客さまの課題を解決するために、商社や証券会社、保険会社、コンサルティングファーム、ITベンダーのような役割を果たすこともあります。さまざまな側面を持つ仕事なのです。

いろいろなことを勉強する必要がありますが、お客さまに伴走して発展を間近に見ることのできる仕事です。お客さまから感謝の言葉をいただくことも多いので、やりがいは非常に大きいといえます。埼玉県には新規で入ってくる企業さまも多く、将来性に満ちたお客さまと一から関係を築いていけるのも仕事の醍醐味です。行内には、ベンチャー企業や研究開発型企業のサポートを専任で行っている部署もあります。

自分の希望と実際の仕事が合致しなければ、入社後にギャップが生じる可能性があります。ぜひ、社員のリアルな声を聞く機会を大切にしてください。私たちも、できるだけ皆さんと直接対面する場を設けたいと考えています。
(人事担当者)

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「家族のつながりも大切にする当行では、転居を伴う異動がありません。プライベートと仕事を両立させやすい環境が整っています」

マイナビ編集部から

武蔵野銀行の大きな特徴は、地域との結び付きが強いという点だ。取材でも「地域と共に歩んでいる」という言葉が聞かれた。SDGsに関する取り組みも一過性のものではなく、地域共存や地域貢献の考えにしっかり根差している。長期的な視野で進める方針であることがよくわかった。

統廃合の多い銀行業界において、同行は「長年取引をしている地域のお客さまを不安にさせたくない」と、独自路線を貫くことを宣言している。その代わりに、千葉銀行との「千葉・武蔵野アライアンス」や、地域トップバンク10行による「TSUBASAアライアンス」といった連携を積極的に進める。共にダイバーシティ宣言を行ったり、システムの共同化を図ったりと、さまざまなノウハウを共有しながらスケールメリットを生かすチャレンジを行っているのだ。

地方銀行の中には全国展開を行っているところもあるが、同行の支店は埼玉県内に集中しており、行員にとって働きやすい環境といえる。ただ、各行員が多様な役割を担う必要があるため、常に知識のアップデートを続けることが求められる。同行について研究している方は、「学ぶ意欲を保ちながら働き、地域の人に貢献することにやりがいを感じられるか」という点を自問してみるといいだろう。

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生態系に配慮した豊かな植栽が取り巻く新本店ビルは、大宮駅に直結している。地域住民と交流するためのスペースやカフェも併設。地域の新しいランドマークの一つだ。

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