最終更新日:2024/10/30

(株)どんたく

業種

  • スーパーマーケット
  • フィットネスクラブ
  • 専門店(食品・日用品)

基本情報

本社
石川県

取材情報

経営者の視点

スーパーマーケットを軸に、さまざまな“仕掛け”で地域支援をめざします。

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「地域貢献」と「地域文化の発展」。それが私たちの使命です。

「食」を通じてお客様の暮らしをよりよくすべく、能登・金沢エリアを基盤に成長路線を歩み、2023年3月には新店舗をオープンさせた「どんたく」。その強さの秘密や戦略について、山口社長に語っていただきました。

山口宗大さん/代表取締役社長/2012年入社

旧築地市場の仲卸や福岡県でのスーパーマーケット勤務を経て、2012年に入社。入社後は水産部門のチーフや店長を務め、7年前に社長に就任した。趣味は海釣り。

この点も当社のスタイルです

「経営理念などを先頭に立って実践するのが社長の務めだと思っています。言い換えれば、会社がめざす姿に最も近い存在でいなければいけません」と山口社長。
小売は、エンドユーザーのお客様と直接やりとりできる点が魅力。ライブ販売や、食材同士を組み合わせてのメニュー提案なども、売場では日常的に行われている。
石川の風土で育まれた食材を使用した、オリジナルブランド「ふーでい(FOODAY)」。お酒や米、果物、食パンなど多彩な商品の作り手とお客様とをつないでいる。

地域支援を大前提に、小売やその他の活動にも取り組んでいます。

現在、当社は能登と金沢エリアに13店舗のスーパーマーケットを展開しています。コロナ禍ではスーパーマーケットの必要性が見直され、私たちもまさに地域のインフラを担う事業だと再認識しました。

一方で今後、外食や旅行に出かける機会も増える中、私たちは小売業という枠を超え、「地域支援業」という考えで事業を行わなければいけません。特に当社としては、地域の生産者やメーカーと、消費者をつなげる存在であるべきだと考えており、モノよりも食を始めとする文化の発展に貢献していくつもりです。

当社が買い物難民のための移動スーパー「とくし丸」の運営や野球教室、ドッジボール大会、グラウンドゴルフ大会といった地域イベントの開催、地域行事やお祭りなどの支援をしているのもそのためです。スポーツイベントに関しては、すでに20年ほど継続しており、コロナで中断した時には「ないと寂しい」という声もたくさんいただき、継続することの大切さを実感しました。

スーパーマーケットに関しては、“激安でも高級でもない、高質を目指す”をポリシーに、「専門性」「話題性」「地域性」の3つの要素を高いレベルで実現させる取り組みを行っています。「専門性」で言えば、当社はもともと魚の卸業からスタートしており、現在も鮮魚の卸の関連会社を持っています。その利点を活かし、七尾産の朝獲れの魚を毎日取り揃えている他、魚の種類や食べ方なども部門のスタッフたちが紹介。他の商品に関しても、県内では当社しか扱っていないものもありますし、メニュー提案なども含め、専門性を活かした販売を実施しています。「話題性」に関しては、トレンドや季節をいち早く取り入れるようにしています。昨年、「煌(きらめき)」という石川県のブリのブランドが誕生し、12月に初セリが行われました。その第1号を競り落としたのが当社であり、初競り価格400万円で落札させていただきました。そして「地域性」に関しては、「ふーでい(FOODAY)」という自社ブランド商品で、地域の食材やメーカーとの連携を進めるとともに、お祭りなどの地域行事と合わせた商品展開もしています。

新店舗オープンを機に、会社も社員もさらなる成長をめざします。

2023年3月1日に、当社としては10年ぶりの新店舗となる「野々市中央公園店」がオープンしました。若者やお子様連れのファミリー層が多く、1人あたりの小売面積などでも全国有数の激戦区とされているエリアですが、私が社長になってから初めての新店舗であり、こうした厳しいエリアで戦うことで会社としての地力を付けていこうと思っています。この店舗は“パークマルシェ”と銘打ち、青空のもと、公園でのお買い物がテーマです。店内も木目調のナチュラルな雰囲気を漂わせ、商品に関しても健康面に留意した品揃えとなっています。「自然の味」というブランドの商品を多く置き、その点でも他社との差別化を図っています。お客様からも「買い物が楽しい」という声を多くいただいていますし、スタッフの対応も好評で、私としてもうれしい限りです。

今や食品はコンビニエンスストアでもドラッグストアでも、ネットでも購入できます。そうした状況にあり、「どんたく」のような立地型の店舗は、お買い物をする楽しさを提供する場であり、商品や売り場、接客といったサービス面に加え、お客様にご満足していただくための “仕掛け”が必要になってきます。実際、当社の社員の多くが食に興味がある上、地域のために何かの形でお役に立ちたいと入社しています。会社としても、地域とのつながりはダイレクトに感じられる環境だと思っています。行動指針にも掲げていますが、社員たちには好奇心と向上心を持ち、つねに成長し続ける気持ちで働いてほしいと願っています。

品揃えに関してはある程度会社の方針はあるものの、売場づくりで「こうしてほしい」という画一的なものはほとんどなく、担当者の力量やセンスが存分に発揮できる点も魅力でしょう。そうした個性は商品開発などでも活かすことができます。加えて“高質を目指す”中で、商品知識や技術などもどんどん備わっていきます。教育に関しても現在、各部門ごとの階層別研修を実施しようと準備をしている段階です。キャリアについても、チーフからバイヤー、店長、マーケティング戦略、SV(スーパーバイザー)等、さまざまな道があり、一般社員の評価は店長、バイヤー、部門のチーフの3名で正当に行っています。

100年企業に向け、あらゆる面で磨きをかけ、新事業にもチャレンジしていきます。

先ほども触れましたが、今やお客様にとり、食品に関してはスーパーマーケットだから、コンビニエンスストアだからといった区別ではなく、むしろ「どんたくだから」というように、企業名や店舗名で選ばれる時代です。その中で中堅のローカルスーパーマーケットはどんどん姿を消していて、各都道府県に1~3件程度あるかないかの状況です。生き残っているのは当社が地域支援に力を入れているように、自分たちにしかできないことを見つけ、それを使命として最善を尽くしている会社です。

もちろん当社にも、まだまだ課題はあります。たとえば鮮度の向上。これは期限切れなどの後ろ向きなことではなく、お客様にほしいと思っていただける商品や売場づくりのことです。 “鮮度感”と言ってもいいでしょう。その点をどう打ち出していくか。簡単ではない分、取り組みがいがあり、やらなければいけないことだと思っています。加えて接客面のさらなる向上も欠かせません。これまでも接客スキルには力を入れてきたものの、能登という土地で長年親しまれてきたこともあり、お客様に対して多少の甘えがある点も否定できません。今回の野々市出店のように、競合がたくさんある中で他社に引けを取らない接客面のスキルアップを図っていくつもりです。

当社も2023年に創業60周年を迎え、次にめざすのは100年企業です。私の中に地域支援企業として、スーパーマーケットを中心にしつつも、農業や宿泊業などチャレンジしたい分野がたくさんあります。これからも現状に満足することなく、積極的な活動で、地域の人々の心を豊かにする企業として発展を続けるとともに、会社の魅力も発信していければと考えています。みんなが笑顔で生き生きと仕事をし、「どんたくで活躍したい」と多くの人が憧れる職場こそ理想です。幸い私も含め、若い人材が多い会社のため、発言はしやすく、やると決めた時の実行力にも優れていると自負しています。みんなでチャレンジし、失敗も次への糧にしていく。そんな会社づくりが今後のビジョンです。

企業研究のポイント

接客・販売の仕事の中でも、スーパーマーケットはお客様と接する機会が多く、笑顔や喜ばれている様子、さらには感謝の言葉がダイレクトに返ってくる点が魅力です。もちろんスーパーマーケットといっても、会社によって事業展開や品揃えなどにポリシーがあったり、社風なども異なります。企業研究の段階では、気になる会社の店舗をお客様として訪ねてみるのも1つの手です。そして売場やレジのスタッフの接客の様子、すれ違う際の表情や言葉、商品を並べている時の姿などをチェックしてみて下さい。あなたから見て“しっかりしているな”と思えれば、きっと顧客満足度も高く、働く上でも魅力的な会社でしょう。

機会があれば、インターンシップに参加することもお勧めです。当社では、小売業の面白さが分かる5日間のインターンシップを対面で実施予定です。バイヤーの買い付け同行、移動スーパーとくし丸の見学、商品販売などの体験メニューを考えています。他にもこの時期だからこそ趣味や旅行、勉強など、学生時代にしかできないことをやっておきましょう。

「まだ何がしたいかが不明確」と悩んでいる方もいるかもしれませんが、自分の明確な進路が決まっている人はごく少数かと思います。社会に出てから自分のキャリアビジョンを見つけても遅くありません。そうした重圧感にとらわれすぎず、広い視野で企業研究を進めてみてください。
(人事担当 石渡利和)

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地域にこだわった商品、無添加など健康を考えた商品を多く取り扱う。食品を通じ、健康という視点から豊かな暮らしに貢献できる点も、スタッフにとっては誇りだ。

マイナビ編集部から

「どんたく」のような地域密着型のスーパーマーケットの魅力と言えば、仕事を通じて地域に貢献できる点だろう。同社の場合で言えば地産地消に力を入れており、買い物難民の手助けとなる移動スーパーを運営するなど、会社としての姿勢が明確であり、そうした点に惹かれて入社を決めたという社員も少なくない。

さらに同社では「人材は人財である」の考えを大切にし、それに基づいた教育・研修制度も整えている。資格取得の補助なども「英検」や「ペン習字」など、これといった決まりはなく、どんなものであれ社員の成長意欲をサポートしていこうとしている。働き方に関しても半期に一度、休日に有給を加える「4or5連休」を推奨。誕生月に「どんたくの商品券をプレゼント」といったユニークな制度もあるそうだ。

この他にもAIが搭載された店内カメラ、デジタルサイネージ、季節ごとの売れ筋分析のできるシステムの導入、自社アプリによる顧客サポート、SNSでの発信など、最新のIT技術も積極的に活用している。もちろん仕事でも、「高質化」に向けた取り組みの中で、商品知識や技術を習得し、自らの成長を実感できる毎日だ。

今回の取材を通して、社内の人間関係の良さや、社員を大切にする文化を感じ取ることができた。風通しも良く、長く勤めるには絶好の環境である点にも着目してほしい。

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野々市中央公園店の店内。畑から直送したフルーツや地元野菜、オーガニック野菜、七尾湾直送の鮮魚、健康に配慮した惣菜など、見ているだけでも楽しい気分にさせられる。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2025に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2026年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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