最終更新日:2025/4/22

北斗工機(株)

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • プラント・エンジニアリング
  • 機械
  • 機械設計
  • 建設
  • 設備工事・設備設計

基本情報

本社
北海道

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

IoTやBIMなどの技術を利用して、プラントの自動化や業務の効率化が始まっています。

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北海道各地で農業プラントの設計・施工をしている会社です。

収穫した小麦や豆類を1次加工する乾燥施設や調製施設では、いま自動化や無人化をめざして技術革新が進んでいます。北斗工機のエンジニアのみなさんに、プロジェクトの最前線の様子や会社の強みを伺いました。

【写真右】
技術部 副部長 島田貴大さん(2009年入社)
大学では化学を専攻。前職はシステムエンジニア。

【写真左】
技術部 課長代理 二口涼介さん(2017年入社)
「巨大なものを作りたい」という気持ちから入社。

【写真中】
技術部 今西優希さん(2021年入社)
学生時代は工学部で材料系の研究をしていました。

わが社の自慢

エンジニアの技術力ですね。スキルアップしていくと営業、設計、施工、保守とすべての工程に関わるので、1人で何役もこなせる人材がそろっています。(島田さん)
社員を信頼してくれて、やりたいことを応援してくれる社風です。小さな会社なので上司や先輩とも近い関係で、みなさんが相談に乗ってくれます。(二口さん)
社員を大事にしてくれるところです。「出張も頑張っているから」と、1年目から先輩たちと同じ水準のボーナスをいただき、やる気が高まりました。(今西さん)

BIMを使って設計の効率化やライフサイクルコストの低減を実現。生産管理システムも導入しています。

当社ではプラントの計画や設計に、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のソフトを活用しています。図面や完成パースを3次元で描けて、さまざまな情報を盛り込めるのがBIMの利点です。例えば、計画段階のプレゼンでは完成形が3Dで見えるので、お客様との打ち合わせがスムーズに進みます。長年かけてBIMのノウハウを蓄積してきたこともあり、「北斗工機さんのプレゼンは理解しやすいね」と褒めていただくことも多いですね。

設計では、工場内の導線や建物の強度をBIMで確認しながら、機械のレイアウトを考えることができます。また将来の維持保全工事をシミュレーションして、スペースに余裕を持たせておくこともあります。そうすることで、建物の補修や機械の更新のときに大掛かりな工事が不要になります。プラントのライフサイクルコストが抑えられて、長い目で見るとお客様のためになるんです。

最初に3Dモデルをつくる手間はかかるのですが、BIMでは設計や仕様の変更が簡単にできるので、図面を書く作業が大幅に短縮されました。今後は積算や原価管理にも活用したいと考えています。社内でBIMの技術指導を担当しているので、BIMを使えるエンジニアをもっと増やしていきたいですね。

一方、プラントではIoTを活用した生産管理システムの導入も進んでいます。その一例が不良品の割合をモニターする機能です。従来は人の経験と勘で機械を調整していましたが、プラントのデータをリアルタイムでフィードバックすることで、製品の品質向上や機械のトラブルの早期発見が期待できます。そのほかにもサイロの中の小麦の量や温度を計測して、メールに自動送信する機能などがあります。乾燥工場や調製工場は、産地と流通をつなぐ「1.5次産業」と呼ばれていますが、センサーやソフトウェアを使った自動化や省力化が始まったばかり。機械系のみならず、電気、情報、建築など、いろいろな知識を生かして活躍できる業界だと思います。

(島田さん)

初めて現場責任者に挑戦!完成後も同じ担当者がフォローしていくのが当社の強みです。

入社5年目に、初めてプラント工事の責任者を任されました。現場は道東・本別町の小麦乾燥調製施設です。築30年以上のプラントの骨組みだけを残し、機械類をまるごと更新するという工事でした。

プロジェクトは、お客様との打ち合わせや設計から始まりました。コンベアや乾燥機などの機械類はリニューアル前と同じ構成でしたが、新型コロナウィルスの影響で世界的な部品不足が起き始めていたので、早め早めに機械の発注を進めて納期に遅れのないように気をつけました。機械配置設計では、作業の動線や将来のメンテナンスを考えて点検スペースを広く設けるなど、随所に工夫を盛り込みました。

工事が始まると、スケジュール管理、協力会社の手配、工事のチェックといった施工管理をしていきました。しっかり設計したつもりでも、実際の現場では想定外のことが起こります。今回も機械を据え付けるときに少しだけズレがあったので、現場で機械を加工して微調整をする場面がありました。施工管理では柔軟な対応力も大切です。工事が終わって自分が選定したファンから設計通りの風が出てきたときは、やはり嬉しかったですね。

プラントの試運転を経て、いよいよ小麦の受け入れが始まります。しかし、私たちの仕事は終わったわけではありません。最初の1年間はお客様と一緒に機械の調整などをしながら、プラントの運転をサポートします。来年以降も不具合や故障があれば、その都度対応していきます。プラントのことを一番よく知っている担当者が、完成後もフォローしていくのが当社の特徴で、お客様の安心感につながっています。

いままでも先輩のもとで設計や施工管理をしてきましたが、自分が設計したプラントが完成し、機械が動き始めたときの達成感は、ひときわ大きなものがありました。次は豆のプラント工事に参加する予定です。豆は小麦よりもデリケートで機械類の構成も変わってくるので、積極的に新しい知識を習得していきたいと思っています。社員一人ひとりの挑戦意欲を後押ししてくれる社風なので、これからも技術者としてアップグレードできる経験が積めると思うと、楽しみですね。

(二口さん)

入社1年目は小麦プラントの工事を経験。先生のような先輩から技術や知識を学んでいます。

北斗工機を知ったのは、企業関連イベントでした。プラントを建てるだけでなく、運転やメンテナンスにも関わる仕事と聞き、やりがいがありそうだと感じたんです。北海道の農業や食に貢献できるところも魅力で、札幌の会社で働きたいという自分の希望にも合っていたということもあり入社を決めました。

1年目に関わったプロジェクトが、オホーツク管内・清里町の小麦乾燥調製施設です。老朽化したプラントを解体して、新しいプラントを建てるという工事でした。配属直後は右も左も分からず、職人さんの邪魔にならないようにするのが精一杯でしたが、現場の雰囲気に慣れていくと、職人さんに作業の指示をしたり現場の安全管理をしていきました。

現場責任者の先輩はひと回り年上で、建物の構造のことから機械の調整方法まで何でも知っているので、先生のように仕事を教えてくれました。たくさんミスもあったのですが、先輩からは「ミスを怖がって何もチャレンジしないより、どんどん挑戦して成長してほしい」というアドバイスをもらって勇気づけられましたね。先輩がどこに注意を払っているのか、目線をよく見たりしてノウハウを吸収していきました。

工事の最盛期は現地へ出張となるとこともあるので、札幌の自宅に2週間帰れないこともありましたが、休みの日は現場周辺の観光地に足を運ぶなどオンとオフのメリハリをつけて楽しみながら、疲れを溜めないコツも身につけました。工事が終わり、札幌へ帰ったときには趣味のカラオケで英気を養っています。学生時代よりアクティブになったかもしれません(笑)。

最初の現場を経験して、おおまかな工事の流れが理解できたほか、職人さんたちとも楽しくコミュニケーションが取れるようになりました。入社4年目となり広い視点で物事を見ることができるようになったため、お客様に満足いただけるような、より良い機械を設計することが今の目標です。

(今西さん)

学生の方へメッセージ

畑から収穫された農作物は、汚れを落としたり、形を整えたり、水分を調整するため、選果場や調製工場に送られます。当社はこうした農業プラントの設計や施工をしている会社です。同業他社はいくつかありますが、当社の場合は農業プラントに特化して技術とノウハウを蓄積してきたのが特徴です。

仕事では、いろいろなメーカーの機械やソフトウェアを組み合わせて、オーダーメイドでプラントを作り上げていきます。条件に合った機械がメーカーにないときは、自社で開発することもあります。お客様のメリットを最優先に考え、1+1を3や4にするのがプラントエンジニアの腕の見せどころといえるでしょう。

工業製品のプラントに比べると、農業用のプラントはIT化や自動化が遅れていましたが、さまざまなセンサーやカメラを使った制御や、ITシステムを使った生産管理が、今まさに始まっています。これから社会に出るみなさんにとっては、ダイナミックなイノベーションを体感できるはずです。ニッチな業界ではありますが、食を支える農業は無くなることはないので、ぜひ注目してほしいですね。

そして、当社のような中小企業は、自分の成長と会社の成長がリンクしているところもやりがいになります。企業研究を進める際には、規模の大小にとらわれず自分のやりたいことを大切にして、ぜひいろいろな企業に目を向けてください。

(専務取締役・安永さん)

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この業界は「10年で一人前」と言われています。最初はイメージしにくいかもしれませんが、長く続けると面白さが分かり、一生の仕事になります。(安永さん/写真中央)

マイナビ編集部から

畑から収穫された農作物が商品として流通するまでには、洗浄、乾燥、選別、袋詰めといった1次加工が必要だ。そうした加工をしているのが農業プラントである。北斗工機では小麦の乾燥施設や豆類の調製施設などのプラントを得意としていて、同社が関わったプラントが道内各地で稼働している。

プラントの内部ではコンベア、乾燥機、集じん機、選別機など、さまざまな機械やソフトウェアが動いているが、それらを組み合わせて顧客のニーズに合ったプラントを作り上げるのがエンジニアの仕事だ。農作物を貯蔵する巨大なサイロや、製品を船に積み込むローダーを建設することもあり、スケールの大きさを感じられるところも魅力だ。

「技術力には自信がありますが、私たちのプラント技術はお客様からお預かりしたもの。20年後、30年後に付加価値をつけてお返しできるように、技術を発展させていきたい」と話していた安永専務。その言葉には、謙虚な企業の姿勢や、北海道の農業を守る使命感が感じられた。

最近ではIoTやクラウドを使った遠隔監視が始まっている。農業の現場と同じように、プラントの管理も技術者の高齢化や人手不足が問題になっているため、さらなる自動化や無人化をめざしている。技術を継承して大きな変化に対応するためにも、多様な人材が必要とされているので、さまざまな学部・学科の学生に興味を持ってほしい。

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30人余りの小規模な会社でありながら独自の製品開発もしている同社。「第5世代」と位置づけて、プラントの自動化や無人化をめざしている。(2023年4月新築の本社)

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