最終更新日:2024/10/17

三栄源エフ・エフ・アイ(株)

業種

  • 食品
  • 商社(食品・農林・水産)
  • 専門店(食品・日用品)

基本情報

本社
大阪府

取材情報

企業が取り組むSDGs

持続可能な社会をめざして──三栄源ならではの活動事例を各部門の先輩社員がご紹介!

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社員一人ひとりが高い意識を持って取組むSDGs!

創業100年を超える食品添加物の総合メーカーとして、大手食品メーカーと多数の取引実績を持つ同社。今や企業活動でも重要なテーマとなっているSDGsを、3名の先輩社員に各部門での取組内容について詳しく伺った。

■齋藤 大輝さん(写真:右)
2019年入社/プリザベーションユニット
◎目標12:つくる責任 つかう責任
⇒特許技術を活用した保存技術で食品ロス削減に貢献

■松井 ちひろさん(写真:中央)
2019年入社/カラー&ヘルスユニット
◎目標14:海の豊かさを守ろう
⇒乳化技術の応用で容器・包材の使用量を削減

■辻井 剛士さん(写真:左)
2004年入社/広報・CSR推進部 CSR推進チーム 課長
◎目標4:質の高い教育をみんなに
⇒SDGs・CSRの組織内浸透に注力

ズバリ!ココが当社の魅力

「総合力が一番の魅力。食品の保存性は大切ですが、風味もとても重要。さまざまな研究室の技術や知見を組み合わせて、多方面の課題を解決することができます」と齋藤さん。
「創業100年以上の長い歴史のなかで蓄積された技術やノウハウをベースに、新しいことへのチャレンジができます。何でも気軽に相談でき、働きやすい職場です」と松井さん。
「食品添加物全般を扱っている会社なので、食品全体の課題を解決できるおもしろさがあります。経営層との距離も近く、風通しの良い社風も自慢です」と辻井さん。

「おいしさ」と「保存性」を両立した保存料・日持向上剤の開発を通して、食品ロス削減に貢献!/齋藤さん

日本の食品ロスは令和2年度の推計値で年間522万トン。日本の国民全員が毎日茶碗1杯分の食べ物を捨てている計算になります。これは、世界中が飢えに苦しむ国や地域に援助している食べ物の約1.5倍の量です。賞味期限切れなど、まだ食べられるのに捨てられる大量の「食品ロス」を減らし、それを食料が不足している国や地域にまわすしくみが出来れば飢餓問題の解決につながると考えられます。

近年、惣菜や弁当を購入して食べる中食が一般的になり、コンビニやスーパーでさまざまな惣菜類や弁当類が陳列・販売されています。賞味期限が短く設定されている商品も多く、食品をおいしく長持ちさせる技術の重要性は高まるばかりです。その技術の一つとして、保存料や日持向上剤が活用されていますが、食品に添加することで、おいしさが損なわれるという場合が多々あります。当社では、特許技術を用いて効力を高めることで、少ない量で効果を発揮する保存料や日持向上剤を開発し、それぞれの食品に最も適した製品を提案しています。その取組みにより、食品のおいしさと安全性を両立し、社会課題でもある食品ロスの削減に貢献しています。

私が所属するプリザベーションユニットは食品の保存性に関わる研究・開発を行っており、そこで私は食品を腐敗させる菌の増殖を抑える保存料や日持向上剤の基礎・応用研究、開発に従事しています。「賞味期限の延長」という課題に取組む中で難しいのは、「この食品にはこの保存料や日持向上剤を入れれば効果がある」とは一概に言えないこと。食品を腐敗させる菌は食品や製造環境(工場)によってさまざま。まずはそこで増殖している菌の特性を調査・分析し、それぞれに合わせた保存料や日持向上剤を提案するようにしています。さらに、当社の技術を活用すれば「おいしさ」と「日持」の両立も可能。本研究室では食品の設計から工場の衛生環境まで総合的なアドバイスを行っています。

うれしかったのは、ある食品メーカーのお客さまから、「今まで販売が難しかった食品に、三栄源さんの保存料や日持向上剤を使うことによって、販売まで繋げることができました」というお話を聞いたとき。食品の多様性や賞味期限の延長にも貢献でき、大きなやりがいを感じることができました。本研究室の仕事は、すべてが食品ロス削減につながっていますし、常に社会貢献できていることを実感できる魅力的な仕事だと思います。

乳化技術の応用で中身をコンパクト化し、容器・包材の使用量を削減。環境保全に取組む!/松井さん

近年、容器・包材に用いられるプラスチックの破棄による環境問題が深刻化しています。プラスチックごみが海に流出し、海の生態系への影響が懸念されているほか、プラスチックは石油を原料としているため、焼却すれば二酸化炭素が発生し、地球温暖化を加速させてしまいます。このような状況下、日本でも脱プラスチックをめざす取組みが推進されており、環境に優しい容器・包材を代用することや、廃棄物量を減らすため、容器・包材の使用量を削減するなど、さまざまなアプローチが行われています。

当社では乳化技術の応用で容器・包材の使用量の削減に取組んでいます。乳化とは油と水のように本来混ざり合わないものを均一に混ざり合わせる技術で、私が所属するカラー&ヘルスユニットは食用色素や乳化技術の研究・開発を担っています。その中で私が携わっているのは、乳化技術を活用して中身をコンパクト化することによって、容器・包材の使用量を削減する取組み。高機能多糖類の活用により、乳化の安定性を担保したうえで製品を高濃度化し、物量を下げることを実現。結果として、容器・包材の使用量を抑えることに成功しました。

課題となったのは、製造ラインへの落とし込みでした。当社の製品は食品や飲料などを製造するメーカーへ納品されるため、ユーザーが扱いやすい製品づくりと食品製造過程での安定性を実現することが非常に重要です。しかし、製品を高濃度化したことで粘度が上がると、流動性が損なわれて扱いにくくなってしまいます。また、製造過程で乳化の安定性が損なわれないような製品設計が求められるため、それらを実現するのは難しかったです。

最近では「脱プラスチック社会の実現」に向けて、人々の環境問題への意識も高まってきています。例えば、紙や木でできたカトラリーや薄く軽量化されたボトル容器、マイバックなどは世の中に浸透してきていると思います。プラスチック削減は生活者だけでなく、各企業もさまざまな事業のなかで重要視している課題の一つ。私が携わっている研究の取組みが、会社の取組みになり、ひいては大きな課題の解決になっていく──。責任はありますが、大きなメリットもあり、何と言っても社会に貢献していることを感じられ、大きなやりがいを得ることができる仕事です。

SDGs・CSRの組織内浸透に向けて、他部門と連携しさまざまな取組みを推進中!/辻井さん

CSRは直訳すると「企業の社会的責任」を意味しますが、当社のCSRは企業理念の実践と捉えています。当社では企業理念の一つに「食品添加物を通じて、すべての人に食の歓びを届ける」ことを掲げ、取組んでいます。私たちCSR推進チームの役割は、当社の企業理念を社員に対して理解・浸透させ、CSRの取組みを推進させること。具体的には他部門と協業してCSRの取組みを企画立案したり、毎月、社内報「CSR NEWS」を発行することで、全社員に自社のCSRの取組みを発信しています。

「CSR NEWS」には、当社が掲げた「CSR五方針」の取組みを掲載しています。「CSR五方針」は、品質・環境・人材・調達・コンプライアンスが会社の持続的成長の基盤になると位置付けた方針です。毎月、これらの領域を管轄する部門と取組みの進捗確認や掲載内容を擦り合わせて具体的な掲載内容を決めて発行。さらに毎月テーマ(男性の育休取得・CO2削減など)を決めて勉強会も開催しています。また近年、SDGsとの紐づけも行い、社員の皆さんが理解しやすいように取組みの背景や動機も含め掲載することで、自分事として捉えられるように工夫しています。

その他には、環境の領域で管轄部門と温室効果ガスの一つであるCO2削減の2030年までの全社目標を立案。その目標達成に向け、岡山工場・神戸物流センターに再生可能エネルギーを導入。今後も各拠点に順次導入予定です。また、全社で省エネ活動を推進し、CO2削減に努めていく考えです。

調達・研究部門とは、人権や環境に配慮された持続可能なパーム油の調達に取組んでいます。食品添加物の中には、パーム油を由来とする原料を使用します。昨今ではこのパーム油の生産において、環境破壊や強制労働、児童労働といった国際的な社会問題が生じており、世界的に問題視されています。当社では、持続可能性のあるパーム油の生産と使用を推進することを目的とした、国際的な非営利組織「RSPO」に加盟。会社として加盟するにあたり、関連部署にその必要性を説明し、当社としてやるべきこと、できることを考えました。

環境問題への対応や人権尊重への取組み強化など、社会の変化に伴って企業が負うべき責任の範囲は年々広がっています。今後は当部門はもちろん、社員一人ひとりがCSRの取組みを自分事として捉え、少しでも興味を持って進んで取組んでもらえるように、内容にも拘って情報発信していきたいと思います。

企業研究のポイント

就職サイトで検索をかけると多くの企業がヒットしてくると思います。その中から自分に合った企業を探すのは至難の業です。まずはあまり業界を絞り込まずに、視野を広げて研究してみてください。最初はイメージしやすい知名度がある企業に目が行きがちですが、日本には一般的な知名度はなくても業界では名の通った優良企業がたくさんあります。「こんなビジネスを展開している企業があるんだ」と知ることができるのも学生の特権。そんな機会は社会人になったらないので、大いに活用してほしいと思います。

そして気になる企業があったら出来る限りインターンシップに参加して、実際に話を聞いたり、業務を体験してみたりすることをオススメします。インターンシップは、就職サイトやHPなどに掲載されていない詳しい話がたくさん聞けるチャンス。しっかりと情報収集を行ったうえで、同業他社と比較してみると良いでしょう。例えば、最初に当社に興味を持ってくれたなら、似たような素材メーカーもたくさん調べてみる。そうすることによって、さまざまな企業の強みを知ることができ、自分が本当にやりたい、おもしろいと思える仕事ができる会社に巡り合うことができるはず。早い段階から積極的にインターンシップに参加して業界・企業理解を深め、納得のいく決断をしてほしいと思います。

【人事部人事課 一同】

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「インターンシップに参加すると、仕事や企業、業界、社会への理解が深まります。いろいろな業界や企業を知ることは社会人になってからもきっと役に立ちますよ」

マイナビ編集部から

創業は1911年。食品添加物の総合メーカーとして1世紀以上の長い歴史を持ち、高い研究開発能力で業界をリードする三栄源エフ・エフ・アイ。取引先である国内外の大手食品メーカーからの信頼も厚く、安定成長を続けている。

同社の強みは、なんといっても総合力だ。食品のおいしさや価値を決める「味、色、香り、食感、機能・健康」に関わる多種多様な食品添加物を1社ですべて取扱っており、その数は2万点を超える。さらに研究部門が連携し合うことで、素材の提供だけでなく、パンやアイスクリーム、グミなどの最終製品までつくり上げてしまうことができるのだ。取引先である食品メーカーも商品のイメージがしやすいことから、そのまま採用になるケースもあるという。商品は同社の名前で販売されることはないが、研究員に限らず、自分が考えたアイデアをカタチにすることができるので、やりがいは想像以上に大きい。

食品添加物は普段の生活の中ではあまり目にする機会はないが、国内にはこうしたBtoBの素材メーカーが多数ある。同社の製品もコンビニやスーパーで販売されているわけではないが、皆さんが手に取る食品の中に必ず含まれている、とても身近なものだ。

世界に誇る「食」の開発者として、食の新たな価値を創造し続ける同社。それは100年以上の長きにわたって築いてきた基盤があるからこそ。同社なら食の未来を切り拓く新しいチャレンジができる環境があると確信した。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2025に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2026年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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