最終更新日:2025/4/7

日本乳化剤(株)

  • 正社員

業種

  • 化学
  • 薬品
  • 化粧品
  • 半導体・電子・電気機器
  • 自動車・自動車部品

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

製品の最終工程にも関わる研究開発職。モノづくりの手応えを実感できる仕事です!

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各分野の開発を通じて成長した先輩社員にインタビュー

3つの事業分野で活躍している日本乳化剤の研究員。彼らはどのような気持ちで製品開発に取り組んでいるのだろう。 また、辿ってきたキャリアステップも気になるところ。3人の先輩社員が疑問に答えてくれた。

A.Y.さん(写真左)
技術研究本部 技術研究所 新規開発部
部長補佐
2006年入社/理学研究科化学専攻修了

J.F.さん(写真中央)
技術研究本部 技術研究所 技術開発部
研究員
2013年入社/生命環境科学研究科環境科学専攻修了

T.O.さん(写真右)
技術研究本部 技術研究所 機能開発部
研究員
2020年入社/理工学研究科物質応用化学専攻修了

こんな仕事をしています!

「今はさまざまな分野の資料やデータを読み込み、新たな事業の可能性を模索している段階。1年で道筋を決め、2年目から本格稼働する予定です」(A.Y.さん)
「半導体用溶剤の開発ではガスクロマトグラフ質量分析や、誘導結合プラズマ質量分析装置を使って不純物の特定や微量元素の測定を行っています」(J.F.さん)
「実験で使うのは、ガスクロマトグラフや液体クロマトグラフなどの分析装置。分子構造を解析するNMRのように、ハイレベルな装置を駆使しています」(T.O.さん)

チャレンジする姿勢を貫き、新規プロジェクトのチームリーダーに就任!

私は入社から13年間、第一研究室で界面活性剤の開発に携わってきました。加えて工場の工程改良やトラブル対応など、製品を販売するまでのさまざまな業務を経験。当社の開発職がモノを売ることに直結した仕事であることを実感しました。
2018年に第三研究室へ異動し、アミノアルコールやアルキルモルホリンの開発を担当。同時に、帯電防止効果や防曇効果を持つ自社開発のイオン液体製品「アミノイオン」の用途開発を進めてきました。

そして、2021年の4月から新たな業務がスタート。研究室内に新チームが立ち上がり、私がそのリーダーに抜擢されたのです。これは将来の柱となる事業創出を目的としたプロジェクトで、当社としても初の試み。私を含めた3人のメンバーが、自社技術を用いた新製品の開発に取り組んでいます。
砂の中から砂金を探すような難しさはありますが、新たな知識を吸収できることが楽しいですね。国のエネルギー政策や環境技術など有機合成とは関係のない技術資料を読み込み、開発のヒントを探しています。

振り返って見ると、私がここまでこられたのは、常に「やってみよう!」という気持ちを持っていたからだと思います。私が入社した当時、出産後も仕事を続けている女性研究員は一人もいませんでした。産育休後に職場復帰したのは私が初めてです。子供の病気で早退することもありましたが、理解ある上司や同僚のおかげで乗り越えることができました。
今は産育休後に職場復帰することが当たり前になりましたし、子供を送り迎えするため時差出勤している研究員もいます。時短勤務や時間休などの社内制度も整っていますから、誰もがライフイベントに応じた働き方を選べるようになりました。

当社の女性研究員は5人ほどなので、決して多いわけではありません。でも私は、実験や研究にあたっては私たちの視点が欠かせないと思っています。手詰まりになった男性研究員から相談されたとき、私が今までにないアプローチを提案して上手くいったことが何度もあるからです。
誰でも活躍できることに加え、当社の特徴は社員の挑戦を後押しする風土があること。私のチームにも、希望して他の研究室から異動してきたメンバーがいます。新しく入ってこられる方々もアグレッシブであってほしいですね。私も今のプロジェクトで実績を上げ、ゆくゆくは当社初の女性管理職になることを目指しています。
(A.Y.さん)

工場や新規開発部門などを経て重点プロジェクトへ!半導体用溶剤の開発で活躍中

大学は獣医大学で遺伝子系の研究に携わり、大学院では植物生理学を専攻していました。就職活動では生命科学の研究職募集が少なく、化学業界にも目を向けてみたところ、日本乳化剤に出会ったのです。当社の研究員は化学系出身者がほとんどなので、私はかなり珍しいケースと言えるでしょう。
1年目は川崎工場の製造部に研修のため所属。グリコールエーテルやアミン誘導体の製品を生産。そしてここでの経験が後々役に立つことになります。

2年目から現在の第三研究室にて、5年にわたってアミン誘導体の製品開発とイオン液体などの新規開発を担当。しかし当初は苦労の連続でした。有機合成の仕組み自体に馴染みがないし、加減圧や温度管理などの生産ファクターも未知数。周りの装置も使ったことがないものばかりです。
しかし、分野違いではありましたが、データを収集し、ゴールに向かうアプローチは生命科学も化学も変わりません。学生時代の研究はあくまでも基礎的なものですから、入社時点で大差が付いているわけではないと思い、前向きに取り組んでいきました。

今は第二研究室に所属し、グリコールエーテルを用いた半導体用溶剤の開発・分析業務に就いています。カギとなるのは金属管理。溶剤に金属が含まれていると半導体に残留し、最悪の場合はショートすることも。それを防ぐため、金属を残さずに洗浄できる溶剤を開発する必要があるのです。
分析で使用するのは、1兆分の1レベルの濃度で微量元素の測定を行う質量分析装置。私は自分が緻密な作業に向いていると分かっていたので、今の仕事はまさに適職だと思っています。

複数部署での経験から言える当社の開発職の面白さは、ラボで行うサンプルレベルの基礎研究だけでなく、工場で生産品質が安定する実機生産まで、一連のプロセスに携われること。モノづくりに興味がある人なら大きなやりがいを実感できるでしょう。
私の場合は入社1年目に知り合った工場のメンバーが現場の管理者となっているので、今も彼らとコミュニケーションを取りながら日々の業務を行っています。金属管理は重点プロジェクトの一つなので、今後も生産現場と一緒になって製品の拡充に力を入れていきたいですね。
(J.F.さん)

チームの一員として学んだ界面活性剤の奥深さ。学びの先に確かな成長がある

私が大学院で専攻していたのは有機合成化学。分子同士の緩い結び付きである超分子化学を研究していました。就職活動ではこの技術を生かせる業界で、素材の研究を行っているBtoB企業を志望。他社からも内定をいただきましたが、R&Dセンターを見学した結果、当社に決めました。そこにある最新の設備を目にし、「ここには自分が望んでいる研究環境がある」と確信したからです。

新入社員研修は10日間の基本的な研修を経て、各研究室で実際の業務を2週間ずつ体験していきました。それぞれの研究室で求められるスキルは異なりますが、有機合成という点は共通しています。どの研究室でも超分子化学の技術を生かせるのではないかと期待が高まりました。
配属先は、界面活性剤に特化した研究を行っている第一研究室です。界面活性剤は洗剤、塗料、印刷用インキ、農薬などに幅広く使われている当社の主力製品です。

仕事の手順を分かりやすく説明すると、例えば洗剤メーカーのお客さまから、「こういう汚れを落としたい」という依頼を受けたとします。私たち研究員は受け取った“汚れのもと”に対し、既存の界面活性剤を使って膨大な数のテストを実施。お客さまのニーズに応える最適な製品をアレンジして提供します。
もし適合する製品がなければ、さまざまな合成技術を駆使して製品を新規開発。こちらは数年がかりの大仕事になります。どちらの場合も試作品を作り、GOサインが出たら生産品質を確認するところまでが業務範囲。製造現場との連携が欠かせません。

入社前に抱いていた開発のイメージを覆されましたね。学生時代の知識だけでは不充分。実験を通じて積み重ねてきたノウハウが不可欠ですし、一人でできることはほとんどありません。私は開発がチームワークであることを痛感しました。最初は分からないことが恥ずかしくて質問を遠慮していたのですが、今は疑問点があればすぐ先輩に聞き、問題を抱えないようにしています。

まだまだ覚えることばかりですが、徐々に分かってきたのは界面活性剤の奥深さ。最終製品が無数にあるので、開発する私たちも常に製品開発の道を探索していかなければなりません。簡単ではありませんが、これこそが開発の面白さ。今の研究室で経験を積み、将来はゼロから新製品を開発したいと思っています。
(T.O.さん)

学生の方へメッセージ

私が一緒に働きたいと思うのは、どんなことにも興味を持ち、一緒に楽しく仕事ができる人。会社には、入ってみなければ分からないことが沢山あります。想像と違っていることも多々あるでしょう。必要なのは、どのような環境に置かれても、その環境自体を楽しめるポジティブで柔軟な姿勢。「これは想定外だけど、やるしかない!」というくらい前向きであってほしいですね。
(A.Y.さん)

私が当社の開発職に向いていると思うのは、言われたことをすぐ行動に移せる人です。そして、分からないことがあればすぐ周囲の先輩方に質問できる人。化学系の専門知識を身に付けて入社する人がほとんどだと思いますが、私の実感では、入社後に身につける専門的な知識が重要。大切なのは、間違えたときに素早く修正できる対応力。気後れすることなく周りに頼る“素直さ”があるといいですね。
(J.F.さん)

当社の研究員に必要な要素は好奇心だと思います。自分の研究対象だけでなく、その過程で興味が湧いたことがあれば、どんどん追求していくことが大切。直接仕事に結び付かなくても、調べていくうちに研究のヒントが見つかり、想像もしていなかったユニークな発想が生まれるかもしれません。そのためにも、常日頃から広い視野でモノを見るようにしましょう。
(T.O.さん)

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年齢もキャリアも異なる3人の先輩社員。共通しているのは研究開発にかける情熱と好奇心、そして優れた製品を生み出したいというモノづくりマインドだ。

マイナビ編集部から

今回取材した日本乳化剤は、2008年に(株)日本触媒のグループ企業となっている。これにより、多彩で競争力のある製品ラインアップを土台にした経営が、さらに盤石のものとなった。経営面の安定性は、同社を志望する学生にとって大きな安心材料になるだろう。

取材を通じて実感したのは、同社の研究員がモノづくりに対する強い意識を持っていること。多種多様な分析装置や実験設備を目にすると「中間材料を研究するだけでも大変だろうな」と思うが、彼らは常に最終製品を意識して仕事に取り組んでいる。製造現場の担当者と頻繁に連絡を取り、工場を流れる製品の品質を念入りにチェックしているのだ。
この形が取られている理由は、会社が適度な規模であり、工場に隣接した場所で研究が行われているからにほかならない。研究員が工場レベルで製品に関わるので、顧客ニーズを最後まで製品に反映できるというメリットもある。何より、3人の研究員の話から「自分たちはモノづくりを行っている」という矜持と誇りが伝わってきたことが印象的だった。

有機合成は化学品メーカーの基礎となる技術だ。この分野を専門とする学生なら、ぜひ同社を検討してほしい。研究と製造の一体感は、技術研究者として成長する大きな礎となるに違いない。

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研究推進部、機能開発部、技術開発部、新規開発部の4部門で構成されるR&Dセンター。同社の要となる開発拠点であり、各研究員の職場でもある。

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