最終更新日:2025/4/25

(株)フリーデン

  • 正社員

業種

  • 農林・水産
  • 食品
  • 商社(食品・農林・水産)
  • 外食・レストラン

基本情報

本社
神奈川県

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

生産・加工・販売を経験した新入社員研修。すべてを見たからこそ活かせることがある

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人事部で活躍中の若手社員が語るフリーデンとは

「日本で生まれた豚を日本で育て、日本で加工し、日本の食卓へ」という思いで事業を展開する(株)フリーデン。入社1年目の人事部・内田さんに、同社の研修の特徴や体験したことを伺った。

内田 瑞希さん
人事部 2022年入社

豚と関わって知識を習得し、愛着を感じた日々

学生時代は食機能について研究したが、対話力を活かしたいと考えて事務職を志望。今は人事部の顔として日々の学生対応に励んでいる。趣味は漫画、アニメ、お弁当づくり。
森吉牧場で肥育や育成について学ぶなか、生後約半年で100kgを超える豚の成長速度に驚いたと同時に、良い環境と人の力が「やまと豚」をつくっていることを実感したそうだ。
関連会社のハム工房で、お祭りで売る焼きそばの調理や加工品の販売を手伝った。地元住民と接し、地域貢献性の高い会社であることを実感したという。

フリーデンの“総合力”に惹かれて入社。人事を担当するために「やまと豚」の生産工程を学んだ

学生時代は食機能科学研究室に所属し、余った食材を活用して体に良い加工食品をつくるという研究をしていました。具体的には、白膠木(ぬるで)という植物の麹菌を使った味噌づくりなどの実験・検証を行いました。その過程で、食の商品開発を果敢に進めている企業で働きたいと思うようになったのです。

フリーデンを紹介してくれたのは、大学のキャリアセンターです。当社のブランド肉「やまと豚」は、地元のスーパーでも売られており、とても身近な存在であることがわかりました。また、養豚業だけの会社ではなく、育種や飼育、加工、流通、販売、飲食店経営などを一貫して行っていることも知りました。生産・加工・流通販売の一体化を意味する“農業の6次産業化”を掲げ、自分たちでつくったモノを消費者に届ける会社なのです。

当社を選んだのは、こうした事業内容に安定感と将来性を感じたからです。また、当社が経営する飲食店で行われた“入社前ミーテイング”では、人事担当者や店舗で働いているスタッフの方々の雰囲気がとても良く、「この会社なら楽しく働けそう!」と感じました。また、私は営業か事務の仕事をしたいと思っていたので、ちょうど当社でも事務職の募集があったこということにも縁を感じましたね。

入社後は人事部に配属され、主に新卒業務に取り組むことになりました。当社の特徴は、充実した研修で自社の業務全体の基礎を学べることです。生産技術職は自分たちが生産したやまと豚がお客様の手元に着くまでを考えるために工場や営業所を、製造職と営業職の新卒社員も、直営牧場で主に肥育の実務を研修します。その後、製造職は営業職の実務を、営業職は製造職の実務をそれぞれ2カ月経験し、配属されるという流れです。これには、豚肉の生産から加工、流通販売までの工程を実際に体験し、深く理解するという目的があります。

私はイレギュラーなケースで、4月から7月の間に各部門を一通り回ることになりました。人事担当者として学生や求職者と接するには、会社のことをよく知っていなければならないからです。各職場の社員の指導を受け、早いうちから会社全体のことを知る貴重な機会を得ることができたと思っています。

さまざまな仕事を経験し、生産・加工・販売は人の想いと技術で成り立っていることを実感

4月は秋田県の自然豊かな「森吉牧場」で、約20日にわたって生産技術職の仕事を体験しました。豚舎で種付け・分娩・育成・肥育という一連の流れを見学し、いくつかの作業も手伝いました。母豚への種付けでは、計画的に子豚を生ませるような仕組みをAIでつくり上げているのですが、そこではコンピュータによる管理と人による作業の両方が行われていることがわかりました。分娩では、出産の介助や子豚の取り上げを見学し、その後の育成は、離乳した子豚の飼養管理や豚舎の衛生管理などを行うスタッフの方々の仕事を見学しました。肥育では、体重115kgをめどに出荷まで餌やりをして育てます。小さかった子豚が約半年で大きく成長する様子は、とても感慨深かったですね。こうした一連のサイクルがICT管理による環境で構築されていることと、安全・安心な豚肉は各工程での社員たちの頑張りがあってこそ生産できるということを実感できました。

その後のゴールデンウィークの時期には、福島県にある関連会社「ハム工房都路」でお祭りの出店を手伝いました。当社のベーコンを入れた焼きそばづくりを手伝い、地域の方や先方の社員たちと交流できたのは良い思い出です。5月中旬からは、当社の3つの工場を回りました。静岡工場は1日、伊勢原工場は2週間、平塚工場は1週間です。加工品の加熱処理を行う伊勢原工場では、オートメーション化が進む一方で、ソーセージの腸詰めやボンレスハムの糸巻きは人の手で行われていました。熟練したスタッフ方々の技術や作業の速さに驚いたのを覚えています。

6月頃には屠畜場を訪れ、育てた豚を解体する現場も見学しました。さらに厚木の配送センターでは、生肉や加工品の出荷、通販商品の仕分けや箱詰めなどを、スタッフの方に教えてもらいながら経験することもできました。

7月から回ったのは、首都圏事業部と大阪営業所です。営業担当者と一緒にお客さまの店舗へ行って商談に同席し、売場での値付けも見学しました。そこでは、当社のブランド「やまと豚」が多くの小売店で売られていることと、プライベートブランド商品をOEM供給していることを知りました。8月10日を「やまと豚の日」として、チラシで紹介してもらうことなどを提案していた営業職の姿も印象的でしたね。

知識と説明力を身に付けて学生の窓口役となり、入社後も支援し続けたい。

4月から7月にわたり、生産現場や加工現場、配送現場、営業現場、販売現場を一通り見たことで、どのように豚を誕生させて育てるか、どんな商品に加工するか、どのように売るかの一連を学ぶことができました。これらの現場では、社員一人ひとりが創意工夫し、技術力を発揮して働いています。大学時代にも牛の牧場や養鶏場を見学したことはありましたが、養豚牧場は初めてだったので多くの発見がありました。この研修を通して、フリーデンの総合力と、おいしい「やまと豚」の秘密がわかった気がします。

生産現場を見て豚は可愛いと改めて愛着を感じましたが、それでいて「おいしい豚肉をつくりたい」という思いも変わっていません。本当に貴重な経験でした。また、当社は動物を育てているためか、人に対しても非常にあたたかく、面倒見の良い先輩が多いということも実感できました。当社の社風をいろいろな現場で感じられた点も収穫でしたね。

8月には人事部に本配属され、新卒業務をメインに担当しています。先輩と一緒に学生さんをインターンシップへご案内し、一人でも多くの学生さんに当社のことをわかってもらうきっかけづくりのお手伝いをしています。新卒業務に携わるなかで、研修での経験が特に活かされていると感じる場面は会社説明会です。例えば、各現場でのやりがいや大変なことについての質問にも自分なりに答えられるなど、実際に数々の現場作業を経験したからこそ説得力のある話ができていると実感することが多々あります。
また、たくさんの社員やスタッフの方々と交流したおかげで人脈も広げられたので、それを活かして新卒に関わるイベントやメディア戦略などについても、ゆくゆくは考えていきたいと思っています。

今後の目標は、より多くの学生さんと接し、農学系や畜産系の人はもちろん、それ以外の分野の人や外国人志望者にもわかりやすく説明できるようになることです。また、教育研修のさらなる充実に貢献し、当社の未来を支える社員一人ひとりをサポートしていきたいと思っています。

学生の方へメッセージ

企業研究を行う上で大切なのは、自分が優先する条件、つまり「これは譲れない」という軸を定めることだと思います。私が設定した条件は、第一に営業を含む事務系の職種であること、第二に農学の知識を活かせる食品系の業種であることでした。もちろん、人によって優先する条件は違うと思います。生産技術職や製造職、営業職などを目指している職種重視の人もいれば、勤務地を重視するといった人もいるでしょう。ほかにも理念や人間関係、福利厚生、教育研修などを重視する人もいると思います。いずれにしても、自分にとって最も大切なことは何かを考えてみてください。
自分の望みが全てかなうような企業はなかなか見つからないと思いますが、優先順位の高い条件を満たす企業はあるはずです。そういうところを中心に、いろいろな企業にエントリーしてみるといいでしょう。

また、コロナ禍でオンライン説明会などを行う企業が増えましたが、対面での説明会や面接を実施している企業もたくさんあります。画面越しでは判断が難しい実際の企業の雰囲気を肌で感じることができるので、積極的にオフィスや現場を直接訪ね、たくさんの人と会うこともお勧めします。

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内田さんが研修で訪問した秋田県の森吉牧場では、約2万3000頭の豚が大自然の中で肥育されている。食品の安全性や環境保全に関する基準を満たした「JGAP認証農場」である。

マイナビ編集部から

フリーデンという社名は知らなくても、「やまと豚」というブランド名は見たことがあるかもしれない。「やまと豚」は、関東を中心に全国のスーパーマーケットで購入できるほか、直営レストランや通販などでも販売している。多くのコンテストで受賞しており、2015年に出品してから2024年の現在に至るまで、連続してiTi(国際味覚審査機構)で三ツ星を獲得した。2017年にはクリスタル味覚賞も受賞するなど、「やまと豚」のおいしさは世界で認められている。

今回の取材で人事部の内田さんから教育研修について話を伺ったことで、社員全員が同じ想いを持って働いているということが伝わってきた。同社のブランド肉が丹精込めてつくられた品であることと、会社の理念「安全・安心・おいしさ」がすみずみまで浸透しているその背景には、自分たちの手で確かなものを届け続けていくための追求心があるのだろう。

同社はそうした新入社員研修を充実させているほか、コロナ終息後には、養豚先進国のアメリカで学ぶ機会もあるだろう。また、社長は全ての農場を毎年訪問し、スタッフと本音で語り合い、現場の声をくみ取ろうとしているという。現状に満足せず、既存の方法や理論に疑問を持ち、新たなことにチャレンジする姿勢、イノベーションを起こそうとする気概が、同社の未来をつくり出す原動力となっているのだ。

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食べる人のこと、豚のこと、働く人のことを考え、育種改良や衛生管理、品質管理などで最新技術を活用している。

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