最終更新日:2025/6/6

(株)タウ

業種

  • 商社(自動車関連・輸送用機器)
  • 自動車・自動車部品
  • 環境・リサイクル
  • 専門店(自動車販売・自動車関連)
  • 損害保険

基本情報

本社
埼玉県

取材情報

企業が取り組むSDGs

世界をよりよくするために、自動車のリユース・リサイクルに力を尽くす

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多角的に社会に貢献し、SDGsの達成を本気でめざす

創業以来、ダメージカーに関するビジネスを展開してきたタウでは、事業活動を通じたSDGs達成を実現している。土井さんには会社の全体像とCSR関連の取り組み、平田さんには新事業について語ってもらった。

土井 友輔
自動車営業部 広島支店 支店長 
2021年入社

平田 莉子
リサイクルタウン準備室
2023年入社

ダメージカーを再活用すれば、さまざまな角度から世界に貢献できる

風水害や事故などに遭遇して損傷した自動車(ダメージカー)は修理すれば市場に再び送り届けることもできますが、日本では一度、損傷した自動車に対してマイナスイメージを抱く人が多く、廃棄されてしまうケースが後を絶ちません。しかしながら、世界ではダメージカーでも問題ないと考える国がほとんど。質の高い日本車はそもそも人気が高く、損傷しているとはいえ、車検・点検等で安全が担保されているだけに、積極的に購入しようとするバイヤーが非常に多く存在します。

タウはそんなダメージカービジネスのパイオニアとして、既に世界125カ国と取引を展開しています。限りある資源の有効活用を推進し、地球規模で『モノが大切にされ続ける循環型社会の実現』をめざすことが私たちの使命。創業した90年代から一貫して続けてきたこの事業自体が、SDGsを体現していると自負しています。通常ダメージカーは現状のまま販売され輸出先で修復、再利用されます。これがその国での雇用創出にもつながり、とある国の政府から感謝状を頂いたこともあります。このように、環境保全の枠を超えたSDGsのさまざまな目標の達成にも貢献することができています。

こうしたダメージカーをリユース・リサイクルする上で、タウでは「修復利用」「部品利用」「素材利用」という3つの区分にわけた「カー・トリアージ」という概念を取り入れています。自走できるまで修復することが大前提ですが、残念ながらそのレベルに到達できない場合は、部品や素材を利用する仕組みを作り上げ、SDGs目標の一つ『12:つくる責任つかう責任』を達成しようとしています。従来は協力会社との連携のもとで「カー・トリアージ」を進めてきましたが、新設されたスーパーカーテンダー九州では、修復、部品、素材のすべてを自社内でまかなえる設備を構えるに至りました。

また、産業廃棄物の削減、カーボンニュートラルの達成にもつながっていく事業ですから、『13.気候変動に具体的な対策を』『15.陸の豊かさも守ろう』に関しても寄与できているといえるでしょう。今後は日本で培ってきたこのビジネスモデルを海外に広げていきたいとも考えています。既にフィリピンではマニラ支店を構えており、2024年4月にはマレーシアに現地法人を設立したばかり。まずは自動車の需要がますます高まっている東南アジアで存在感を高めていく所存です。
(土井さん)

先輩の横顔

土井さんは営業時代、1年目で新人賞を受賞し、2年で主任に昇格した。若手にも大きな裁量権を与えてくれるだけに、主体性を持って仕事に打ち込めると実感してきた。

自治体と直接、連携することで、スピーディな災害復興に貢献していく

台風や大雨、地震などの災害が発生したとき、非常に多くのダメージカーが街の至る所に残されるケースが少なくありません。市町村などの自治体としては、迅速にダメージカーを処理することで一日でも早く街を復興したいと考えているものの、一時保管場所をどこにするのか、動かない車をどうやって運ぶのか、所有者をどうやって探すのか、といった問題に直面して、スピーディに行動できずにいます。

そこで、ダメージカーに関してノウハウがあるタウが、自治体と災害協定を締結することで、一刻も早い災害復興を実現するお手伝いをしていくべく、2023年10月にリサイクルタウン準備室は設立されました。以来、自治体から発生する自動車をはじめとする不用品を適切に循環させることで、温室効果ガスの排出量の削減はもとより、地域産業の発展、地域課題の解決の実現をめざしています。基本的にはダメージカーを扱っていますが、協力会社との連携のもとで家具などに関してもリユース・リサイクルしていく道を探していることが大きな特色となっています。

現在は自治体との協定締結に力を注いでいますが、立ち上げから間もないながらも、水害等に不安のある21自治体(2024年6月末現在)と協定を締結することに成功しています。さらなる拡大を視野に入れて、現在は展示会への出展、広告、ブランディング活動などを通して、リサイクルタウンの認知度向上に努めているところです。

リサイクルタウン準備室のメンバーたちが強く意識しているのは、社会課題を根底から解決していくという思いです。日本ではまだ価値のある車両でも捨てられてしまうものが存在するのが現状です。それでは業界全体がSDGs目標の『12:つくる責任つかう責任』に反することになってしまいます。廃車にすると多くのCO2が発生してしまい、『13.気候変動に具体的な対策を』『15.陸の豊かさも守ろう』の達成も難しくなりますから、リサイクルタウンを通してそうした課題解決に寄与したいと思っています。

現在は協定の締結をしつつ、災害発生時の迅速な対応に関しても仕組みを整えているところです。21の自治体と話をしていると、地域によって求められていることが異なります。各自治体の思いの一つひとつに寄り添いながら、ニーズに合致した対応ができる体制づくりに力を入れてこうと気持ちを新たにしているところです。
(平田さん)

先輩の横顔

横浜支店での営業勤務を経て、リサイクルタウン準備室にやってきた平田さん。どの社員もチャレンジ精神が旺盛で、誠実に人と向き合う企業文化が根付いていると感じている。

社会に恩返しするために、CSR活動に力を入れていく

タウでは経営理念として「社会貢献」「優秀な人材の確保」「社員の幸福」「積極経営」の4点を掲げています。この中で真っ先に社会貢献を入れているのは、廃棄される車両を再利用するというビジネスモデルを掲げているからこそ。前段では本業を通した社会貢献、ひいてはSDGsの達成についてお話ししましたが、実はその枠を超えたCSR活動においてもさまざまな取り組みを進めています。

代表例がボランティア活動の『願いのくるま』。ターミナルケアを受けている方を対象にその方が望む場所へと無料でお連れするという活動です。SDGsで言えば『3:すべての人に健康と福祉を』などに合致する活動だと言えます。

また、障がいを抱える方々の社会参加を後押しする活動として「タウ・パラリンアートコンテスト」を定期的に開催。受賞したアート作品はタウネット美術館に掲載し、広くその活動を伝えていこうとしています。さらには文化・芸術やスポーツなどで実力を発揮する若い力に向けた給付型奨学金制度「タウ・スカラシップ」にも注力するほか、フィリピンやミャンマーなどでの学用品の提供・医療環境の整備、国内のシングルマザー支援プログラムなど、より良い社会の実現に向けてさまざまな活動を行っています。

超大手企業ならばともかく、従業員数500名規模の会社でこれだけの取り組みを進めているケースはそうそうないでしょう。ここまで力を入れている背景には、ダメージカーという存在自体がハッピーな出来事で生まれたものではないということが一つの理由として挙げられます。だからこそ、事業以外でも積極果敢に形ある貢献をしていくことで、社会に恩返しをしたいと私たちは考えているのです。

理念にもある「社員の幸福」の実現にもかかわってくる取り組みだとも言えます。こうした活動を続けていれば、社員自身のモチベーションもおのずと高まっていくもので、仕事に対しての幸福感も得られるはずです。しかも、嬉しいことにタウの取り組みはテレビなどでも取り上げられることが多く、社員のその家族にとっても会社を誇りに思えるということが大きなプラス効果を生んでいると思っています。
(土井さん)

先輩の横顔

ダメージカーを世界に再流通させる事業を営む同社では、環境の保全、雇用の拡大など、本業を通してさまざまな角度から社会に寄与することができている。

企業研究のポイント

■人間関係に足を引っ張られて働き続けるのはもったいないこと。だからこそ、企業研究の段階では、社風や会社の価値観が自分に合っているか否かをしっかりと見極めておきましょう。判断基準の一つとしておすすめなのが、その会社の企業理念を見ること。「いいな」と共感できる内容であれば、その企業の情報を深掘りして調べていくと、自分に合う部分が数多く見つかるはずです。
企業研究と並行して自己分析も丁寧に行ってみましょう。自分の人生を年表にしてみて、どういう瞬間にヤル気が沸いたのかを振り返ってみたり、自分の歩みを改めて人に話していったりすると、あなた自身がどこに注力して生きてきたのかを再発見することができるかもしれません。
<土井さん>

■最初から業界を絞りすぎてしまうのではなく、幅広く企業を見て行くと可能性は大きく広がります。私も当初、自動車業界は全く考えていなかったのですが、働く人やビジネスモデル、社風に興味を持ってタウへの道を選択しました。社員に直接会ってコミュニケーションを取ったからこそ、見えてきたことも多かったのだと思います。
また、学生時代はさまざまな年代の人、立場の人と話をする習慣をつけておきましょう。私自身、学生時代にはアルバイト先で管理者や経営者とよく話をしていましたが、おかげで自分の幅を広げることができました。同年代以外にも目を向けて対話することを心がけてください。
<平田さん>

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SDGsへの取り組みについて語ってくれた土井さんと平田さん。社会に貢献する自社に対する思いと誇りがひしひしと伝わってきた。

マイナビ編集部から

1997年の創業以来、タウでは事故や災害で損傷したダメージカーの再販売を専門としてきた。今でこそ注目を浴びる分野となったが、創業当時の日本では着目されてこなかったという。だからこそ、おのずと未知なる分野にチャレンジすることに積極的な企業文化が、自然発生的に醸成されたのだろう。また、今回、SDGsの達成に向けて走り続ける2人の先輩に話を聞いたが、社会の一員としての責務を果たすべく、非常に広い視点から物事を捉えている会社であるということが伝わってきた。

企業理念の一つに「社員の幸福」を掲げていることからも想像できるように、社員にとって働きやすい環境づくりにも力を尽くしている。年間休日129日とプライベートの時間をたっぷりと取れるように支援するほか、生活面での支援制度の充実ぶりも光るものがある。例えば、家賃補助に関しては、関東圏で言えば上限10万円までの住まいに、個人負担1万5000円で居住できるという。しかも引っ越し前に支度金8万円を支給してくれるから、家電や家具などの準備面での不安も解消してくれる。マイカーに関しても社内価格で格安での購入が可能。プライベート面で余計な不安を感じることなく、仕事に打ち込めるのは、同社で働く大きなメリットだ。

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新卒は毎年、40名前後が入社しており、学生と年齢の近い若手も数多く活躍している。未来社会に貢献する同社のポジティブな事業内容に共感して扉を叩く社員が多いという。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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