最終更新日:2025/7/24

日揮触媒化成(株)

業種

  • 化学
  • 環境・リサイクル
  • 化粧品
  • 半導体・電子・電気機器
  • 石油

基本情報

本社
神奈川県

取材情報

記事で読む社会科見学

独自のナノテクノロジーを駆使し、生活に身近なモノづくりを支える!

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ベテラン社員が語る“日揮触媒化成の強みと将来性”

多種多様な業界の主要メーカーに機能材料を提供している日揮触媒化成。一般にはほとんど知られていないが、その高度な技術力や開発力は、業界関係者なら誰もが知るところ。2人のベテラン社員に話を伺った。

山畑 雄一さん(左)
石油精製触媒営業部
2003年入社/理学部物質化学科自然科学研究科修士課程修了

三好 康敬さん(右)
ファイン営業部 第三営業グループマネージャー
2004年入社/理学研究科化学専攻修士課程修了

ともに、大学院で専門知識を身に付けた無機物・有機物のスペシャリスト。経験豊かな先輩たちの話から、同社で働く自分の姿を想像してほしい。

世界的な課題である“脱硫”を研究。恵まれた環境が若手社員の成長を後押しする!【山畑さん】

私は「世の中に存在しないモノを作りたい」という思いから、大学では化学を学び、就職先もモノづくりができる当社を選びました。最初の配属先は、現代の生活に欠かすことができないガソリン、灯油、軽油、重油などの燃料に含まれている環境負荷物質や、後段装置の触媒毒となる物質を除去する触媒の研究開発を行う部門でした。当社の石油精製触媒部門は、言い換えれば、燃料業界を下支えする仕事です。

私が配属された部門で研究していたのは「脱硫触媒」といい、環境負荷物質の一つである硫黄を除去する触媒です。この脱硫触媒は、2020年1月から導入された「一般海域における船舶燃料油の硫黄分規制の強化」に対しても貢献が期待されています。特に世界では石油精製分野の触媒開発に対するニーズが高く、環境にも地球にも貢献できる事業なのです。

私たちの主なお客様は、精製まで自社で行う国内外の石油元売り会社です。特に国内のお客様は求められるスペックや技術サービスの要望が高く、開発する製品の基準もハイレベルなものになります。また、お客様が入手される原油は常に同じ質(成分)とは限らないので、当社も柔軟に対応しなければなりません。
私たちは、こうしたニーズに寄り添った緻密な設計と技術サービスで長年にわたり信頼を勝ち取ってきました。

こうした事業環境に対応するため、当社は若手の育成にも力を注いでいます。新入社員でも1年目から複数のテーマが与えられて研究ができますし、工業化に進んだ製品については製造テストまで任せてくれます。私自身も、入社2年目には自分で開発した触媒の製造テストを行っていました。
このように、自分の研究に主体的に取り組める環境が整っており、若手(新入社員)・ベテラン関係なく製品開発のチャンスがあることが当社の魅力です。また、開発した製品が採用されれば実際の触媒パフォーマンスを通してお客様の喜ぶ顔が見られるというのも大きな魅力の一つです。

当社の触媒開発の醍醐味は自分が主役になれることです。研究方法も自分で工夫する余地があり、分からないことがあれば先輩がフォローしてくれます。当社が持つ「自分の色を出せる社風」が、若手社員を伸び伸びと育てているのです。

ここが日揮触媒化成の魅力です!

「年次有給休暇を取りやすいことですね。半日単位で取ることも可能です。社員が皆、ワークライフバランスを重視した働き方を大切にしています。」(山畑さん)

シリカを使った化粧品材料で市場を開拓。モノづくりの醍醐味に満ちた仕事です!【三好さん】

学生時代は有機金属錯体の合成を研究していました。有機金属化合物は化学反応用の触媒として用いられることが多く、研究内容そのものが当社の事業に直結していたため、入社を決めました。入社後は、当社が誇る「ナノ粒子調製技術」を駆使して、さまざまな無機機能材料を開発しているファイン研究所に配属となり、これまでずっとファイン事業に携わっています。

「ファイン事業」と聞いても最終製品を想像しにくいかもしれませんが、当社は、誰もが一度は手にしたことがあるスマートフォンのディスプレイ材料や眼鏡のプラスチックレンズ用塗布液など、生活に身近な製品に使われる機能材料を数多く手掛けています。
その中で私が担当しているのは、日焼け止めやリキッドファンデーション、スキンケアクリームといった化粧品に使用される材料です。これらの化粧品は肌に塗ったときに滑らかに伸び、なじみが良くなければなりません。そうした機能の実現のために、主にシリカ(二酸化ケイ素)という化学物質を用いています。

私は入社後11年間にわたって研究を続け、お客様である国内外の化粧品メーカーにさまざまな材料を開発・提供してきました。研究職の役割はお客様の多様なニーズに対してスピーディーかつ的確に応え、期待以上の製品を提供することです。さらに、潜在的な市場ニーズをいち早く見極め、新機軸の製品を開発することもあります。だからこそ、「常に先読みし、業界に先駆けて開発を進めていく」ということが当社の研究職に課せられた重要な使命です。

化粧品材料の開発でうれしいのは、仕事の成果を自分の目で確認できることです。部署内で最終製品を分析するだけでなく、私は製品が店頭に並ぶたび、製品パッケージをチェックしています。当社の社名こそ書かれていませんが、当社の製品がなければその化粧品は世に出ていなかったはず、と考えると、「自分の開発した製品が美を追求する人々に貢献しているんだ」と実感します。このような経験を含め、当社の研究開発はモノづくりの醍醐味に満ちた仕事だと感じています。充実感や達成感は皆さんが想像する以上に大きいですよ。

ここが日揮触媒化成の魅力です!

「学生時代に身に付けた知識を生かせることと、会社の雰囲気です。ベテランと若手が活発に議論できる自由な雰囲気があるからこそ、成長が早いのです。」(三好さん)

今後の成長を担うのは海外市場!グローバルな視点での製品開発が求められている

(山畑さん)
私は三好と同様、10年以上の研究経験を経た後、現在は営業職に就いています。と言っても当社の営業職は完全に技術営業なので、一般的な「営業」のように頻繁にお客様の元へ出向いて販売活動をしているわけではありません。月に数回程度お客様の研究・技術部門へ足を運び、最新のニーズをヒアリングし研究へフィードバックしたり、触媒ハンドリング(運転支援含む)に際して各種サービスを提供するという形です。
冒頭で述べたとおり、石油精製分野では当社は海外のマーケットにも目を向けており、触媒性能・技術サービスの高さを武器に、特に東南アジア各社の石油精製装置への採用を狙っています。私が担当する韓国には巨大な製油所が4カ所あり、競争は激しいですが、当社の強みで勝負できることに大きな手応えを感じています。東南アジア圏への展開はすでに進んでいますが、将来的にはアジア圏全域へビジネスを拡大することになるでしょう。すでにインドに営業拠点を構えていますし、もっと先を見れば海外に触媒の製造拠点を持つ可能性もあります。日揮触媒化成は研究開発が好きな方はもちろん、海外に関心のある方にとっても十分に活躍できる環境が整っています。

(三好さん)
現在、私は化粧品材料を扱う営業職に就いていますが、研究職時代最後の1年間は、当社にとって最大のマーケットであるアメリカへ海外赴任していました。海外赴任の狙いは、現地のニーズに合った「売れるモノづくりを行うこと」でした。
現地では、当社の主力材料であるシリカの効果を理解してもらうためシリカを使用したサンプルと未使用のサンプルを作って比較しやすくするなど、説得力のあるプレゼンテーションを行っていました。ここから得たお客様の声を日本にいる研究者にもフィードバックし、材料の改良を繰り返し行った結果、スクラブタイプの洗顔料に使用されるシリカ粒子を製品化することができたのです。
研究職でありながら、時には自分の足でマーケティングを行い、新製品開発のヒントを得て製品化につなげるチャンスもあります。これもまた、当社でしか経験できない仕事の面白さではないでしょうか。

ここが日揮触媒化成の魅力です!

研究開発職で入社した社員は、原則的に北九州事業所にある研究所で経験を積むことになるため、三好さんと山畑さんも以前から交流があったという。

企業研究のポイント

大学で化学を勉強している皆さんにとっては知識を生かせることが企業研究のポイントだと思いますが、併せて企業の規模や入社後の教育体制についても調べてみることをおすすめします。当社のような500人程度の規模感であれば、社員の顔と名前が一致し、関係他部門との連携が取りやすかったり、先輩にアドバイスが聞きやすかったりと様々なメリットがあると私自身感じています。また、多くの企業では研究以外にも部門が細かく分かれているので、自分の専門分野以外の部門との連携も必要になり、新たな知識を一から学べる環境が整っていることが重要です。当社は社内講座の「モノづくり大学」を設置しており、内外の講師による充実したカリキュラムで、当社技術を体系的に学べるようになっています。ぜひこれらのポイントをチェックしてみてください。

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入社後、グループ会社合同研修、当社新入社員研修や現場研修を通して仕事の基礎を身に付け、モノづくり大学で専門的な知識を習得できるため、段階的な成長が期待できます。

マイナビ編集部から

日揮触媒化成の強みは、触媒の開発で培ったノウハウを生かした4つの「ナノ基盤技術」。ナノレベルで導入される独自の粒子コントロール技術は、いくつもの主力製品を生み出してきた。主にナノ粒子調製技術を用いて開発された「THRULYA」は、中が空洞になったシリカ粒子を採用することで光の屈折率を下げることに成功。スマートフォンやタブレットに欠かせない反射防止フィルムとして、多くの企業に採用されている。触媒製品では、重油をガソリンやプロピレンに分解するFCC触媒が代表例だ。同社のFCC触媒は国内はもちろん、海外でも有数のシェアを獲得し、世界中の製油所で使用されている。

注目してほしいのは、研究者を取り巻く自由な仕事環境と、若いうちから与えられる大きな研究開発権限だ。今回の取材を通して、社員の創造性をサポートする働きやすい環境があるからこそ、同社ならではの製品を世に送り出せるのだと感じ取ることができた。また、触媒の開発は社会貢献度が高く、将来性豊かな仕事である点にも注目していただきたい。環境意識の高い学生にとっても、同社は見逃せない一社といえるだろう。

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ガラス容器に入れられた触媒製品。製品はコロイド状や粒状、タブレット状など、顧客のニーズに即した形で提供される。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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