最終更新日:2025/6/6

旭工芸(株)

業種

  • 半導体・電子・電気機器
  • 医療用機器・医療関連
  • 機械
  • 精密機器
  • 機械設計

基本情報

本社
埼玉県

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

日本の製造業を技術で支える、先輩社員の挑戦と成長

  • 機械系 専攻の先輩

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ものづくりを楽しみながら、挑戦し続けられる環境がある

電子基板の製造に欠かせない「キャリアテープ」の分野で、グローバルなシェアを誇る旭工芸。自由な気風にあふれた職場で新たな技術を生み出し続ける先輩社員に、業務への思いやキャリアビジョンについて話を聞いた。

H・Hさん(写真左)
設備開発部/2019年入社

M・Hさん(写真右)
設備開発部/2020年入社

「やってみなよ」と背中を押してくれる環境があるから、挑戦し続けられる。(H・Hさん)

大学は機械工学科で、工作機械の設計や構造を学びました。ものづくりに携わるのなら、設計と加工のどちらにも関わりたいと思いましたが、両方ができる会社って意外と少なく、企業研究を進める中で見つけたのが旭工芸です。会社見学に行ったら、大学で見たことのある工作機械がずらりと並んでいて、「ここなら、ものづくりの楽しさを感じられそうだ」と感じて、入社を決めました。

入社後は研修として、金型課、試作製造部、設備課でそれぞれ1ヶ月ずつ働いたことが心に残っています。金型課ではいろいろな種類の金型について詳しくなれましたし、試作製造部では実際に製品を作る現場の感覚をつかめました。その時に身につけた知識や感覚は、現在、設備の設計や製造を進める上でかなり役立っていますね。また、この研修のおかげで各部署に知り合いが増え、業務上の連携も取りやすくなったと思います。

当社は、紙キャリアテープなどの製品で国内外に大きなシェアを誇りますが、それを支えているのが金型から製造設備まで全てを内製化で対応している独自の技術です。私が所属する設備開発部では、生産ライン用の設備開発に取り組んでいます。入社当初は古い設備の解体やオーバーホール、組み立てを通じて、設備の構成や各部品の仕組みを一つずつ学びました。私は「早く一人前の技術者になりたい」という思いから、常に「これにも挑戦したい」というトライ精神を大切にして取り組んできました。その結果、入社2、3年目には先輩から業務を引き継ぎ、設備の担当を任されるようになりました。こうした姿勢に対し、先輩方が「やってみなよ」と温かく背中を押してくれた雰囲気には、とても感謝しています。

この仕事には、トライアンドエラーが欠かせません。試作の段階では上手くいっていたとしても、生産ラインに設置すると「紙の動きが思い通りにならない」といった不具合が生じることも。そうした試行錯誤を通じ、「これならどうだ」とアイデアを次々に試して、課題を一つずつ克服し、最終的に無事に量産機となったときの喜びは、言葉では表しきれません。この一連の挑戦を通じて、技術者として成長できることも大きなやりがいです。

先輩社員の紹介

「プライベートの時間も大切にしたい」と語るH・Hさん。サバイバルゲームやカラオケなど多彩な趣味を持ち、休日には会社の先輩や後輩と一緒に過ごすことも。

設計から加工・保守まで、一貫して関われるから面白い!(M・Hさん)

子どもの頃からものづくりが大好きで、将来はその道に進みたいと思い、工業大学に進学しました。自分の手を動かしてものをつくる仕事がしたいという思いから旭工芸を知り設計だけでなく、加工や組み立て、設置、保守、改善といった、ものづくりのすべての工程に関われる点に大きな魅力を感じました。さらに、社内が和気あいあいとした雰囲気で、人間関係の良さが伝わってきたことも、ここで働きたいと思った大きな決め手の一つです。

キャリアテープについては入社前に説明を受けていたものの、その本当の価値を実感できたのは、実際に仕事に携わってからでしたね。電子製品の基板製造に欠かせない重要な製品であり、金型には1,000分の1ミリ単位という非常に高い精度が求められるなど、想像以上の技術力が必要とされることを知りました。また、各メーカーの要望に応じてオーダーメイドで生産されていることも知り、ものづくりの奥深さを改めて感じました。

私が担当しているのは、「巻き取り機」と呼ばれる設備です。キャリアテープは最終的にロール状に巻かれた状態で納品されますが、その巻き取り作業を担うのがこの設備の役割です。設備を継続して使用していると、「この部分の耐久性を高めたい」「メンテナンスや交換の頻度を減らしたい」など、改善すべきポイントが自然と見えてきます。たとえば、海に近い工場から「塩害で部品が錆びやすい」という報告を受けた際には、部品をステンレス製に変更するといった対応を行いました。また、巻き取り速度を上げるなど、性能を見直すことで生産性の向上やコスト削減にもつながります。新たな技術を開発するなどして、こうした技術開発に取り組むことこそが、私たち技術者に求められる大切な役割です。

設備の改善策を考える際には、すぐにアイデアが浮かばず、悩むことも少なくありません。そんなときは、手探りで一度形にしてみたり、先輩に相談したり、過去の図面を見直してヒントを探したりと、試行錯誤を重ねていきます。こうしてなんとか形にできたとき、実際にその設備を使って製品をつくる現場の社員から「使いやすくなった」と感謝の言葉をいただけると、大きなやりがいを感じますね。

先輩社員の紹介

ものづくりが好きなM・Hさんは、趣味でもプラモデルづくりを楽しんでいる。学生時代は軽音楽部に所属し、現在も休日にはベースの演奏でリフレッシュしている。

技術者としてどう成長していくか──。先輩社員2人のキャリアビジョン。

現在私は、社内で10年以上にわたって解決できなかった技術的な課題に取り組んでいます。設計にはアイデア勝負の側面があり、前任者が試してこなかった方法の中にこそ、突破口があるかもしれないという思いで向き合っています。今はそのアイデアをもとに試作機を製作・稼働させている段階ですが、今のところ大きな問題は発生していません。もしかすると近いうちに、自分の手でイノベーションを引き起こせるかもしれない。そんなワクワクした気持ちで日々取り組んでいます。

現在は、自分の担当設備に加え、チームリーダーとしてのポジションも任されています。入社当初はものづくりの楽しさを追求することに夢中でしたが、仕事の幅が広がるにつれて、メンバーをまとめたり動かしたり、部署をまたいで調整したりする機会も増えてきました。そうした業務を通じて多くの人と関わる中で、相手の考え方や感じ方を意識したコミュニケーションの大切さに気づき、マネジメント業務への関心も高まっています。これからは技術者としての成長を追い求めるのはもちろん、リーダーとしての資質もしっかりと磨いていきたいですね。
(H・Hさん)

当社での仕事を通じて、技術者にとって最も大切なのは「自由な発想」だと実感しています。固定観念にとらわれていると、どうしても既存設備の延長でしか物事を考えられなくなりますが、まったく新しい発想から設備を生み出せれば、社会への大きな貢献にもつながると感じています。実際、これまで使われていなかった部品を設備に組み込んだことで、メンテナンスの簡便化やコスト削減といった成果を生み出せたこともありました。失敗を恐れずチャレンジさせてくれる環境があるのは、本当にありがたいですね。

ものづくりのすべての工程に責任を持って関われることが、この仕事のやりがいの根幹にあります。担当できる工程が多いぶん、技術者としてのスキルの幅が広がるのも、大きな魅力のひとつです。私自身、さらに技術を磨きたいという思いから、これまでは専門外だった電気回路の勉強にも取り組み始めました。これからも業務経験と学びを積み重ね、将来的には一つの設備を一人で完遂できるような技術者を目指していきたいと思っています。
(M・Hさん)

先輩社員の紹介

基本的に残業は少なく、有給休暇も取りやすいなど、プライベートの時間を充実させやすい環境。ワークライフバランスを大切にする社員が多いのも同社の魅力の一つ。

企業研究のポイント

私自身は、できるだけ多くの会社を見学し、比較対象を増やすことを意識していました。たとえば「休日は少ないけど、こういう魅力がある」「残業はないけど、こんな課題がある」といったように、さまざまな会社の特徴を比べて、企業研究を進めてほしいと思います。職種も最初から明確に絞りすぎず、「これをやってみたい」くらいの気持ちで十分です。その中で、実際に自分が働いている姿を想像してイメージをふくらませてみてください。人間関係も含め、自分がその環境でうまくやっていけそうかどうかが、大切な判断材料になると思います。
(H・Hさん)

自分の興味のない企業にも出会える場に足を運ぶと、可能性が広がりやすくなると思います。もともと気にならなかった企業でも一度見てみると、新たな発見があることも多いからです。私自身、最初は大手志向でしたが、いろいろ話を聞くうちに、「小回りがきく中小企業のほうが自分に合っているな」と感じるようになりました。また、実際に企業の雰囲気や人間関係を知るには、インターンシップも有効です。私は参加しなかったことを少し後悔しています。特に長期のインターンシップに参加すると、その会社の空気感を肌で感じることができると思います。こうした機会も活用して企業理解を深めることをお勧めします。
(M・Hさん)

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2人の先輩が口を揃えて「仕事で重要なのはコミュニケーション力」と話す。同社の社員は明るく活気に満ちており、コミュニケーションを大切にできる人が多く活躍している。

マイナビ編集部から

旭工芸では、スマートフォンやパソコン、自動車などの電子基板の製造に用いられる「キャリアテープ」という製品を開発・製造している。この製品名を耳にしたことのある人は少ないかもしれないが、実は電子基板の製造に不可欠な存在であり、その需要は年々高まり続けている。長年にわたり日本の製造業を技術で支える中小企業の一つといえるだろう。40年連続黒字という業績にも、この分野での強さが表れている。

同社の安定した経営を支えているのは、生産に不可欠な金型や製造設備をすべて内製できる高い技術力にほかならない。そして企業規模は決して大きくないものの、新たな技術を生み出し続けられる背景には、技術者をはじめとする社員一人ひとりが自由に発想し、果敢にチャレンジできる社風があると感じられた。実際、2人の先輩技術者の話からは、「挑戦を後押ししてくれる」「固定概念にとらわれずチャレンジできる」といった前向きなマインドで業務に取り組んでいる様子が伝わってきた。そうした社員一人ひとりの挑戦が、旭工芸の確かな技術力と持続的な成長を支えていることが感じられた。

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小回りがきく組織だからこそ、一人ひとりのアイデアが反映されやすく、やりたい仕事に積極的にチャレンジできる。社員同士の関係性もフラットで相談しやすい環境がある。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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