最終更新日:2025/7/22

(株)フクシマ化学

業種

  • インテリア・住宅関連
  • 商社(インテリア・住宅関連)
  • 自動車・自動車部品
  • 日用品・生活関連機器
  • スポーツ・レジャー用品(メーカー)

基本情報

本社
岐阜県

取材情報

経営者の視点

プラスチック製品のOEMで培った技術力を活かし、よりよく生きる“文化”を創造。

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新たな“コト=文化”をつくるアイディアを!

幅広い分野で使われるプラスチック製品を企画・製造・販売する「(株)フクシマ化学」。2026年に迎える創業60周年を見据え、既存事業の枠を超えた製品開発・事業展開に挑戦しています。

今回は、長年培ったモノづくりの技術とノウハウを活かし、新しい挑戦を続ける代表取締役社長にインタビュー。現在の事業内容と強み、自社ブランド「if」への想い、そして今後の展望まで、たっぷりお話いただきました。

●代表取締役社長 福島 康貴 さん

経営の大先輩との出会いから、大きな一歩を踏み出せた。

1966年創業の当社は、さまざまなプラスチック製品の企画から製造、販売までを一貫して手がけています。当社の製品はキッチンやトイレ、お風呂など水回りに使用する建築資材から自動車部品、スポーツ用品、インテリア部品、美容機器部品、医療機器まで、幅広い分野に使用されているのが特徴です。

私が社長に就任する前は、他社ブランドの製品を製造するOEMが事業の主軸だったため、QCD(品質、コスト、納期)をいかに高めるかということに重きを置いていました。しかし、ただお客さまの要望に応えるだけでなく、共に新しい製品を考え、生み出していけるパートナーになりたい。そのような想いが強くなっていきましたが、何から着手すればよいか分からずにいました。そんな時、当時、まだ経営者として半人前の私の元に、中国進出の話が舞い込みました。非常にいい話ではあったものの、突然の状況に困惑した私は、大企業の経営者が抱く経営への想いから、判断のヒントをもらおうと思い立ち、名だたる企業数十社にアポを取り、経営の大先輩との面会を重ねました。お会いしてくださったどの企業も、当社と取引があったわけではなく、ツテがあったわけでもありません。いま振り返ると、ずいぶん無茶なことをしたと思いますが、中には自宅にまで招待してくださった方もおり、本当にたくさんのことを学ばせていただきました。その一つが「ビジネスは人との出会いからはじまる」ということ。経営者訪問の旅で得た出会いを胸に、私は中国進出に挑戦することを決心しました。

この中国進出は、結果として大きな利益を生むことはありませんでした。しかし、その副産物として多くの企業とのつながりを築くことができ、ビジネスが大きく前進するきっかけとなった、貴重な経験になりました。このころから私は「自社商品で世界一を目指したい」と思うようになりました。これが現在の自社ブランド「if」のはじまりです。

「(株)フクシマ化学」とは

「一つのピースではなくすべてのピースを知ることで、ビジネスはもっとおもしろくなる。新しいことがはじまる瞬間のワクワク感を味わってほしいと思います」(福島社長)

社員全員がビジネスのおもしろさを体感し、ワクワク感を味わえる環境に。

最初に手がけた自社製品は、時計の日付や時刻を調節するリューズを回す工具でした。当時、一般的だった工具はリューズが回しにくいという声を聞き、興味本位でつくってみることに。はじめて自分で図面を作成し、社員と知恵を出し合いながら完成させた工具を持参し、さまざまな時計ブランドに営業したところ、多くが門前払いだった中、世界的なブランドに話を聞いてもらうことができ、取り扱いが決定したのです。この体験により、自らの手でモノをつくり販売することのおもしろさを再確認した私は、この勢いに乗り、2010年、自社ブランド「if」を設立しました。

自社製品として最初に目をつけたのは、OEMでも実績を積み重ねてきたシャワーヘッド。当時、注目を集め始めていたマイクロナノバブルを発生させるシャワーヘッドを開発・発売しました。さらに、当社ならではの技術で小型化した水力発電装置を内蔵し、水の力で電気と抗菌作用のある銀イオンを発生させるシャワーヘッドの開発にも着手し、すでに銀イオンの抗菌作用を利用して、洗濯機メーカーとコラボする話も進んでいます。このほか、例えばシャワーヘッドにモーションセンサーを取り付けることで、人の転倒などの危険を察知して知らせてくれる機能が実現できるのではと考えてみるなど、常に新たなアイディアの実現にチャレンジしています。

また、to C(一般消費者向け)商品はトレンドの波に左右されるという宿命があるため、to B(企業向け)商品として、美容サロン向けの商品開発にも注力。その努力が実り、最近では業界でも高いシェアをほこるメーカーとの取引をスタートさせることができました。さらに社員たちにも新たな挑戦の中でビジネスの醍醐味を味わってもらうため、企画から製造、販売の各ステージを体験できる環境を整えています。私は、自社ブランドはシャワーヘッドに限ることなく、異なる分野の商品にも拡大させていきたいという想いがあります。新しい挑戦の中で今までにない景色を見ることで、社員一人ひとりにもワクワクしながら仕事をしてほしいと考えています。

「(株)フクシマ化学」とは

クリエイティブなアイディアやビジネスが創造できるよう、社内にはカフェスペースなど、コミュニケーションが生まれる環境が設けられている。

ミツバチのウェルビーイングを実現する技術を人のウェルビーイングにも応用。

当社は、創業60周年に向けた新たな企業ビジョンとして「LIFE-TECH」を掲げています。「TECH(テック)」とは、Technology(技術)、Entertainment(楽しさ)、Creativity(創造性)、Healthy(健全さ)の頭文字。LIFEを変えるTECHを駆使し、よりよく生きる文化を創造することを目指しています。そのために、必要なのはそれを創り上げるアイディアです。ですから、社員たちが常に好奇心旺盛でいてもらえるよう、好奇心の見つけ方を学べる職場、その好奇心を持ち続けられる職場でありたいと思っています。

「LIFE-TECH」の取り組みの一つとして、最近はニホンミツバチの増加を目指したプロジェクトをはじめました。きっかけは、健全な社会づくりに貢献するビジネスがしたいと思い、農業について関心を持ったことにはじまります。実際に農業を体験しながら農家の方に話を聞いた中で、農産物主要87品目のうち3分の1が、ミツバチによる花粉交配に支えられていることを知りました。そこで、国内で減少傾向にあるニホンミツバチを増やして、農業に貢献しよう!と考え、現在はAIやセンシング技術などのテクノロジーを駆使して、ニホンミツバチにとって快適な環境を維持する巣箱の研究開発を進めています。年内には、この事業に特化した子会社「BEBEES(ビービーズ)」を立ち上げる予定。ゆくゆくは巣箱の研究開発から得たテクノロジーを、ヒトの快適な暮らしにも応用するのが最終的な目的となっています。

当社では「イノベーションを起こすには、質のよい問いが不可欠」と考えています。自ら問いを立て、アイディア・センス・チャレンジスピリットを発揮して、社員とともに次のステージを目指していきたいです。人生という限りある時間の中でもっと大胆に、もっと思いきって、たくさんのワクワクを創造してまいります。

「(株)フクシマ化学」とは

結婚や子育てなどライフステージが変わっても、長く働き続けられる環境が整っているのも魅力の一つ。

企業研究のポイント

企業研究ではさまざまな企業の情報を調べ、インターンシップで多くの先輩社員とふれあう機会があるはずです。その際、大切にしてほしいのは「そこでどのような活躍ができるのか」を想像すること。働くことで得られる給料も重要ですが、それ以上にどのように自己成長できるのか。自己成長できる環境が整っているのかということにも注目してほしいと思います。みなさん一度は「なんのために働くのか」と、考えたことがあるのではないでしょうか。どの企業もそこでしかなし得ない事業を通して、社会貢献をしています。働く理由は人ぞれぞれですが、企業研究がその答えのヒントとなるかもしれません。

当社は、創業から60年近く、建築資材や美容、医療などさまざまな分野を支えることで、幅広いノウハウを蓄積。そのノウハウを活かして自社製品に取り組み、「新しいことに挑戦したい」「ワクワクしたい」「自己成長したい」などの願いを叶えられる環境が自慢です。ぜひたくさんの企業を調べ、実際に自分の目で確かめながらそれぞれの企業のよいところを見つけていってください。
(人事担当/今峰 良太)

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年次問わず発言しやすいチームワークを形成している。普段から部署を横断してプロジェクトに取り組んでいるため、横のつながりも強固。

マイナビ編集部から

1966年の創業以来、プラスチック製品を主軸としたモノづくりで社会に貢献する「(株)フクシマ化学」。水回りの建築資材から自動車部品、スポーツ用品、インテリア部品、美容機器部品、医療機器まで、幅広い分野に同社の製品が使用されているのが強み。またプラスチック製品は樹脂成形や一次加工、二次加工など工程数が多いとされるが、すべてを一貫体制で実現。そのすべての品質を管理するノウハウも有しているため、幅広い知識やスキルを身につけられる環境であることが伝わった。

「もっとダイナミックにチャレンジしたい」そう話す福島社長。時計のリューズを回す工具にしかり、ミツバチの育成にしかり、すべて新しい事業のきっかけとなっていることを知った。福島社長に原動力はなにかと尋ねたら「ただの好奇心です」とチャーミングに笑って教えてくれた。

同社には野球やマラソン、バレーボール、バドミントンなど、自由に参加できるスポーツチームも豊富。社員旅行や食事会、BBQなど、全員参加のイベントでは、さまざまな部署との交流も生まれている。同社にはたくさんのワクワクが詰まっていると感じた。

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2019年に完成した本社には、食堂やスポーツジムを併設。オシャレなカフェスペースではコーヒーや紅茶を片手に談笑したり、打ち合わせをしたりする姿が見られる。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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