最終更新日:2025/6/17

鹿児島くみあいチキンフーズ(株)【全農チキンフーズグループ】

業種

  • 食品
  • 農林・水産

基本情報

本社
鹿児島県

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

「安全・安心・美味しい」国産鶏肉の生産を担うプロフェッショナルの仕事に迫る

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鶏肉生産の最前線で活躍する若手が語る、仕事のこだわりや面白さ

JAグループの一員として、鹿児島県内で食鳥の生産から処理・加工までを担う鹿児島くみあいチキンフーズ(株)。生産事業部で鶏肉の生産に関わる社員2名に自身の仕事を語ってもらいました。

■久保 宙也さん/生産事業部生産管理課
2022年入社(九州看護福祉大学鍼灸スポーツ学科卒業)

■五田 悠峻さん/生産事業部加治木ふ化場
2019年入社(鹿児島国際大学経済学部卒業)

【久保さん】生き物を扱うため新たな発見、成長の連続です

卵からふ化したヒナは鹿児島県内にある約200の契約農場に送られ、45日かけて若鶏へと成長します。その契約農場のサポートをするのが私の仕事です。必要となる資材やエサを発注して届ける手配をしたり、病気にかかって死んでしまった鶏を集荷するための手配をしたりなど、契約農場でのヒナの育成がスムーズに行われるように段取りを組むことが役割といえます。毎日どこかしらの農場にはヒナが入り、また別の農場では出荷が行われ、さらに、季節などの条件によっても鶏の状態は違ってきます。その日の状況に応じて作業内容が変わってくるため、決してルーティンワークになることがありません。毎日が刺激だらけで、日々新たな発見があることに仕事の面白さを感じています。

農場数が約200あり、さらにエサの手配だけでも1つの農場につきトン単位での発注となります。作業が重なって目まぐるしい1日を送ることもありますが、常に頭に置いているのは上司から指導を受けた「農場が最優先」というポリシーです。農場では生き物である鶏を扱っているという意識をもって、自分の都合を優先するのではなく、農場の方が作業しやすいように考えて行動するようにしています。資材の業者様と良好な人間関係も重要なポイントです。生き物なので予期せぬことが起こり、業者様に急なお願いをすることもあります。日頃からコミュニケーションを図り、信頼関係を構築しておくことが、いざという時にものを言います。

先輩や上司はヒナを各農場に、いつ頃出荷して、何匹入れるのかを検討したり、親会社である全農チキンフーズの担当者とやりとりをして生産計画を練ったりなど、規模の大きな仕事に従事しています。今の業務で経験を積んだ後に、自分も先輩方のような仕事にチャレンジしてみたいと思いつつ、その前段階として農場の仕事を経験したいと考えています。卵から鶏肉になるまでの各工程を担う多様な部署、仕事があるという当社の特徴を活用し、養鶏の現場を経験することで知識や技術の幅を広げるというキャリアステップもイメージしています。

先輩社員の仕事風景

「約200の農場を管理するので、確認や連絡を怠らないことは仕事の基本。経験を重ねるにつれ、農場や業者様との関係性が深まっていくこともやりがいです」(久保さん)

【五田さん】データと感覚を頼りに、生まれてくるヒナの数を調整する仕事に挑戦中です

入社後の研修で約3週間かけて各事業所を回ったのですが、想像以上に幅広い仕事があり、農場や工場の数が多いことにも驚きました。最初は久保さんと同じ本社の生産管理課に配属となり、契約農家が購入した資材の伝票チェックなど、主にデスクワークを中心に担当。その後、1年目の途中からふ化場へと異動になりました。

ふ化場では、種鶏場で生まれた卵が集められ、ふ卵器にかけて21日間で卵からヒナが生まれ、養鶏場へと出荷されていきます。1日に出荷されるヒナの数は、7~8万匹という膨大な数です。出荷するヒナの数は、その日ごとに事前の計画で決まっているので、その数に合わせて21日前に卵をふ卵器にセットするのですが、セットした卵すべてがヒナになるわけではありません。一定数、ヒナにならない卵が存在するので、それを見越してふ卵器にかける卵の種類や数を調整するのが私の仕事です。親鶏の年齢、季節や気候などで、卵の質は変化します。蓄積されたデータや気候予測などからの推測によって、生まれてくるヒナの数の誤差を最小限にとどめるのが腕の見せ所。生き物を扱っているので、粗末にすることは避けねばなりません。1%以内の誤差に収まるように試行錯誤していますが、例え上手くいかなくても必要以上に落ち込むことなく、失敗を反省材料にして次につなげています。やればやるほど奥が深い世界で、まだまだ傾向を掴み切れていないのですが、難しいからこそ面白く、誤差を最小限に収められた時には達成感を噛みしめています。

ふ卵器などのメンテナンスをしたり、故障したモーターを分解して修理したりするのも私たちの仕事です。最初は工具の使い方すら分かりませんでしたが、入社してから学ぶことができました。あらゆる仕事において、できることは今すぐにやるというのが私のモットーです。もし調子が悪いふ卵器の調整を後回しにして、夜中に機械が止まってしまえば、多くの命を無駄にすることにもなりかねません。生き物を扱う仕事をしているという責任を胸に、気づいたらすぐにやり、仕事をためないということを意識しています。

先輩社員の仕事風景

「ふ卵器にかける卵の調整以外に、出荷するヒナの選別やワクチン接種の準備など、ふ化場には多様な仕事があり、すべての仕事がつながっているので面白いです」(五田さん)

2人が語る鹿児島くみあいチキンフーズの魅力とは

【久保さん】
私は生き物が好きだったことが入社のきっかけでしたが、決して詳しかったわけではありません。入社後は飛び交う専門用語が理解できず、今何が分かっていないのかすら自分で分からないといった壁にぶつかり悩んだこともありました。当社には契約農場とは別に自社直営の農場があり、そこに週に1~2回行って作業を体験できたことは、仕事の理解度を高めるためにとても役立ちました。今でも直営農場には人手が足りない時に応援に行って、ヒナの受け入れや出荷作業などを定期的に行っています。

現場を知れる場があるということに加えて、不安だった新人の頃に何よりの支えとなったのが、出社すると笑顔で毎日「おはよう」と声をかけてくれる先輩の存在です。休憩場でコーヒーを片手に雑談をしたり、マンツーマンで分からないことを丁寧に教えてもらったり、今でもプライベートを含めて仲良くさせてもらっています。その先輩に限らず部署内には明るい人が多く、会話が絶えない賑やかな職場なので働きやすいです。入社1年目の途中から今の仕事を主体的に任されるようになりましたが、何かあれば相談できる心強い存在に囲まれているからこそ、安心してチャレンジできています。

【五田さん】
入社前、どの部署で働きたいかの希望を聞かれた際に、私は「座りっぱなしの仕事よりも、動く仕事がやってみたい」と伝えていました。デスクワークが中心の生産管理課から、今のふ化場へと早期に異動できたのは、私の希望を察してくれたのかなと有難く感じています。他にも気持ちを察してくれる温かな社風を感じる瞬間は、働きながら数多くあります。

自分が新人だった頃、困ったことを誰にでも相談しやすい雰囲気に加えて、こちらから言わずとも、先輩や上司が私の様子を察して声をかけてくれることがよくありました。その優しさに何度も助けられたことを覚えています。先輩方のフォローのおかげで、ふ化場での仕事は着実にスキルアップしていることを実感しています。将来的には卵をふ化させる今の職場の前後の工程、卵を産ませる農場や、ヒナを育てる農場など、異なる農場で経験を積みたいと考えています。いろんな角度から鶏肉の生産に関われるという点は事業を6次産業化している当グループならではの魅力。部門を移りながら培ったノウハウを、次の現場でも活かしていきたいです。

先輩社員の仕事風景

鹿児島県内の工場で鶏を解体、加工し、業務用の鶏肉として出荷。食卓に欠かせない食材である鶏肉を通して、人々の暮らしに貢献している。

企業研究のポイント

【久保さん】
入社前に企業ごとの仕事内容や自分が働く姿をイメージすること、そのための企業研究を深めることはもちろん大切ですが、実際に働いてみないと分からない面があるのも事実です。また、私自身がそうだったように、将来やりたい仕事が漠然としている方も多いと思います。そのため、入社後の配属先やキャリアプランが特定の職種や部門に限定されるのか、さまざまな仕事を経験するチャンスがあるのかに着目することをおすすめします。当社の場合、食品工場、ふ化場、養鶏場、本社での管理業務など、さまざまな仕事を経験できることが魅力です。

【五田さん】
社会に出てやりたいこと、逆にやりたくないこと、そして、自分にできること、これらを項目別に整理して並べてみることで、軸が定まってくると思います。「やりたいこと」と「できること」が合致して、「やりたくないこと」がない企業で働くことが理想ですが、すべての希望を100%満たす企業に出合うことは困難です。譲れない条件や優先ポイントなどを見定めて、「やりたい」「やりたくない」「できる」の3要素のバランスが、自分の納得するかたちで噛み合う企業を見つけることが大切です。そのために、企業研究で理解を深めたり、自分だけでは分からないポイントを会社見学やインターンシップ時に質問するなど、積極的に動くことが重要になると思いますね。

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卵のふ化から、ヒナの飼育、鶏肉への処理、加工まで一貫したシステムで生産していることから多様な部門があり、ジョブローテーションによって幅広いスキルが得られる。

マイナビ編集部から

今回取材した生産事業部の2人に将来の目標について尋ねたところ、2人とも異なる部署で経験を積むことを希望していた。幅広い部門で経験を重ね、鶏肉の生産に関する多様な知識を得ている先輩社員が多いことから、自身も自然とそのようなキャリアステップをイメージするようになったのだという。

本社を拠点に鹿児島県内に約200の契約生産農場と自社直営農場を展開し、さらに3ヵ所の食品工場を有する鹿児島くみあいチキンフーズでは、食鳥の生産から販売まで一貫して手掛け、6次産業化を果たしている「全農チキンフーズグループ」の生産・処理部門を担ってる。事業の多様性はビジネスにおける強みであると同時に、さまざまな仕事を経験できるチャンスにもなっているのだ。

取材中、2人から共通して聞かれたもう1つのテーマが、安定した経営や企業の将来性について。近年の健康志向の高まりや物価高の影響で、安価でヘルシーな鶏肉へのニーズは年々高まっており、国内消費量は上昇を続けている。また、食料の多くを輸入に頼らざるを得ない日本において、加熱調理品を除く鶏肉は自給率7割をキープしており、日本の食卓を支えるという観点からも鶏肉は重要な食材である。国内有数の鶏肉生産量を誇る鹿児島県で年間約3,250万羽のブロイラーを生産する同社は、社会的意義、将来性の双方から注目すべき企業であるといえるのではないだろうか。

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JAグループとして生産者と提携し、「国産若どり」の安定生産を図るとともに、「銘柄鶏」や希少な地鶏 「さつま若しゃも」も生産し、多様な消費者ニーズに対応している。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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