最終更新日:2025/8/29

社会福祉法人王慈福祉会

業種

  • 医療機関
  • 教育
  • 幼稚園・保育園
  • 福祉サービス
  • 不動産(管理)

基本情報

本社
岡山県

取材情報

経営者の視点

介護に革命を。時代が求める新たなサービスを。新理事長が描く今後のビジョン

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誰もが最期まで安心して暮らせる街づくりを目指す

■理事長/胡谷 俊樹さん

岡山県倉敷市の児島地域にて、高齢者福祉・障がい者福祉・児童福祉・地域福祉の4分野で幅広い福祉サービスを展開している社会福祉法人王慈福祉会。2024年1月より新理事長に就任し、系列の医療法人「おうじクリニック」の医師でもある胡谷俊樹さんに、法人に対する思いや今後のビジョンについて語っていただきました。

法人のMISSIONは「人生がワクワクするしかけを」。治療する人、介護される人、利用する人、働く人、ボランティアする人、そんな役割がない世界をつくります。地域の皆さんが訪れることが毎日の楽しみやにぎわいの中心になるような場所へ。無茶でもやってみる精神であれもこれも形にして試行錯誤しながら、叶えていきます。

患者様を“最期まで支えきることができる”場所を求めて倉敷へ

王慈福祉会は私の両親が立ち上げた法人ですが、私が入職を決めたのは、ここで実現したい明確なビジョンと意志が生まれたためです。そこに至るまでの経緯をまずはお話しいたします。

高校時代までを地元・岡山で過ごし、猛勉強をして慶應大学医学部に進学しました。剣道で全国3位になったことも含め、「死ぬ気で努力して結果を出す」ということに対して自信を培えた時期です。

晴れて医師となり、初期研修を終えた後は呼吸器内科に進むことを決めました。同科は肺がんの患者様が8割近くを占める科で、手の施しようがない末期の状態の方もいらっしゃいます。それでも、自分が力を尽くせば、治せる方もいるのではないかと若気の至りで奮闘したのですが、世界中の論文を調べ上げても、持てる限りの力を尽くしても、治せない患者様はいる。その事実に直面し、一時的に医師になった意味や生きる意味がわからなくなってしまった時期があります。

院内のカウンセラーの方からは、「無力感を感じるということは、患者様から何かもらっているものがあるのでは?」とアドバイスをいただいたのですが、すぐにピンとは来ませんでした。しかし改めて病室を回診してみると、病でつらいはずの患者様が笑顔で温かい言葉をかけてくれ、こちら側が元気をいただいていることに気づいたのです。「自分はお返しができていたのだろうか?」と反省し、能力偏重主義を脱却。以降は、心のつながりを重視しながら患者様に向き合えるようになりました。

ある時、3年ほど診てきた75歳の患者様から「先生に会えるのは、これで最後ですか?」と尋ねられたことがありました。大学病院や総合病院では、病院の性質上、できる治療の選択肢がなくなると、緩和ケアの施設やご自宅に移っていただくのが一般的です。しかしこの言葉を聞いて胸が痛み、そして深く考えさせられ、「患者様を最後まで支えきることができる環境に身を置きたい」と思うように。

そこから「お看取りまで含めた地域包括医療に携わりたい、過疎化などの社会課題にも寄与したい」という思いが芽生えてきました。既に地域での基盤がある当法人でなら、迅速に、かつスケールの大きなチャレンジができる。そんな思いを持って、倉敷に帰ってきたのです。

王慈福祉会の特徴とは?

時代が求める医療や福祉の形を実現するため、型にとらわれない柔軟な発想を重んじる法人だ。新理事長のもとで新たな節目を迎え、現在は変革や挑戦の機運に満ちている。

職員の働きがいや幸せを追求することが、利用者様の満足につながる

医師と経営部門の兼任という形で入職し、まず着手したのは、訪問医療・介護サービスの拡充です。対応できる医師・看護師・介護士を増やしながら24時間体制を実現させ、エリアの拡大を図ってきました。私自身も医師として回っていますが、患者様やそのご家族が心から喜び、安心してくださる様子を見るたびに充実感を覚えています。

「患者様への幸せを追求するには、まずは医療・介護従事者たちが幸せを感じられる環境をつくることが必要なのではないか」という以前からの考えも確信に変わりました。医療・介護従事者には専門性に基づいた役割分担がありますが、心理的なヒエラルキーによる対立構造が生まれやすいのも事実です。せっかく素晴らしい仕事をしているのに、従事者間のいさかいが起き、そのストレスが時に患者様にまで悪影響を及ぼす場面を勤務医時代に何度も目にしてきました。

従事者たちが一つのチームとして気持ちよく協力し合える環境をつくれば、患者様や利用者様の幸せは後から付いてくるはず。その考えに基づき、3ヶ月に1回、懇親会費用の支給制度をスタートさせました。待遇面の改善も図っており、昨年はアニバーサリー休暇の導入を決定。さらなる生産性の向上を図り、今後も規定の休日数を段階的に増やしていく考えです。

一人ひとりがモチベーション高く取り組めるような人事評価制度のブラッシュアップも続けています。評価基準の一つとして取り入れているのが、「感動ケア」の表彰制度です。直近では、寝たきりの利用者様の「大好きな桜を見たい」という希望を叶え、喜ばれた事例が印象に残っていますが、このような事例を「感動ケア」として毎月表彰を行い、法人内での広がりに努めています。「ルールだから、リスクを取れないから」と線を引くのではなく、本人とご家族の了承を取った上で支援していこう、利用者様が本当に求める感動的なケアを実践しよう、というのが当法人の考えです。

こうした取り組みを通じて地域の方々の信頼を集め、数字にもしっかりとつなげている施設には、3回目のボーナスとして決算賞与も支給しています。選ばれる施設づくりに注力している管理者や職員を今後もしっかり評価していく考えです。良い事例は業界全体にも発信したいと考えており、講演会などにも積極的に登壇しています。

王慈福祉会の特徴とは?

医師と理事長職を兼任しながら、地域への理解を深めている胡谷さん。「患者様や利用者様の近くで目指す社会の姿に向けてチャレンジができている、今が一番楽しいです」

新しい仕組みづくりにもチャレンジし、他施設や全国へと波及させたい

私が理事長を任されてからは、本格的に新規事業の立ち上げにも着手しています。その一つが、高齢者施設の紹介事業です。高齢者施設が多様化し、利用者様のニーズに応じたマッチングを行う事業者が必要だと感じたことから、持株会社として立ち上げました。

他にも介護士や看護師の人材紹介事業や、障がい者向けの就労支援事業、葬祭業なども検討中です。過疎化が進む地域の高齢者の方々に向けた、移動支援、買い物支援、配食サービスなど、さまざまな事業の構想を広げています。地域活性化の一環として、昨年は約500名の方々が集う夏祭りイベントを開催し、今年はクリスマスマーケットなどの実施も話し合っています。今後も地域一体となって、求められる取り組みやビジネスを実現していくつもりです。

こうした新規事業やイベントの立ち上げに興味がある方に向けて、当法人では営業職というポジションを用意しています。「新規事業に携わってみたい」「若いうちから実力を認められてチャレンジがしたい」という方向きの職種です。

「介護の仕組みづくりに関わりたい」「介護現場を変えたい」という思いがある人に向けては、介護革命職というポジションを設けました。介護に対する思いさえあれば、出身学部や経験などは一切不問としています。既存の常識やルールにとらわれすぎず、「今ある壁や限界を更新していこう」というチャレンジのマインドを発揮していただきたいですね。

いずれの職種も、実力とやる気が伴えば、年次に関係なく大きな裁量を任せていくつもりです。仕事をしながら考えが変わってきた場合は、柔軟なキャリアチェンジも可能です。

私たちの地域で起きている高齢化や過疎化は、日本社会全体の課題でもあります。誰もが最期まで住み慣れた地域で暮らしていくための社会や福祉のあり方を模索し、”児島モデル”として確立したい。さらに、自治体や国にも働きかけて横展開を進めることで、幸せの最大化を目指したい。このビジョンに基づいて、さまざまなチャレンジを行っていくことが私の考えです。

王慈福祉会の特徴とは?

介護の枠を超える感動ケアの実現には、職種間のチームワークが不可欠。「最高(3150)食事会」と銘打ち、一人につき3150円の食事会費用を年4回支給している。

企業研究のポイント

企業研究では、企業や法人の規模を考慮に入れる人は少なくないと思いますが、「自分が求める環境がそこにあるのか」という点を重要視して進めてみましょう。

私自身、過去10年ほど大きな病院で働いていた経験がありますが、先端医療に関われるなどの魅力がある一方で、「組織の歯車の一つなのだな」と感じさせられる場面は少なからずありました。出世レースをやりがいにできる人は大規模な組織に身を置くのも楽しいと思いますが、自分は権力争いにも興味がないことを自覚しました。

当法人は350名ほどの組織ですが、このくらいの規模の場合、一人ひとりに与えられる裁量がかなり大きくなります。そこで自分の力を発揮して成果を出せば、年次に関係なくチャンスも回ってきやすいです。実際に25歳で施設の管理者を担っている職員もいますし、実力ある若手には新規事業などもどんどん任せていく考えです。

当法人は30年以上の歴史がありつつ、これから第二創業期に入ろうという状況にあるので、安定した基盤の下で、ベンチャー企業やスタートアップ企業のような醍醐味も味わえると思います。「安定」と「挑戦」は相反する要素のように見えますが、両方の側面を持った企業や法人もあることをまずは知っていただけたら嬉しいですね。
(胡谷さん)

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「あの地域は何か面白いことをやっているぞ、と他県から学びに来てもらえる法人を目指しています」と胡谷さん。 医療や福祉のあり方に興味がある人にも注目してほしい。

マイナビ編集部から

長年、岡山県倉敷市にある児島地域の福祉を守ってきた社会福祉法人王慈福祉会。地域のニーズに応えながら着実にサービスを広げ、現在は高齢者福祉を中心に、障がい者福祉や児童福祉、そして地域福祉という4つの分野で福祉サービスを提供している。

設立から30年の節目となる2024年には、新理事長が就任。今回の取材では、現在進行形で着手していることや、これからの法人のビジョンをご本人からたっぷりと語っていただいた。まさに今ここから新しい船出をしようという時期のため、スタートアップ企業のように“会社の舵を取る側”を担える可能性も高い。「介護や社会福祉の仕組みづくりにチャレンジしたい」「若いうちから成果を出し、要職を担いたい」といった意欲や志がある人には、見逃してほしくない法人であると感じた。

あらゆる世代に向けた社会福祉のサービスをシームレスに考えていくと、地域づくりや街づくりにもつながっていく。取材では「日本は高齢化や過疎化の先進国。日本がつくった取り組みや仕組みはロールモデルとなり、10年後、20年後には海外にも転用させていくことになるのでは」といったグローバルな展望も語っていただいた。現状の枠組みにとらわれない大きな世界を見ている新理事長のメッセージを念頭に置きながら、同法人の理解を深めていくと良いだろう。

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今後も福祉・医療事業にとどまることなく、職員一人ひとりの「やりたい」という思いと意見を尊重しながら、チーム一丸となって革新的な事業へ果敢に挑戦し続ける。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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