最終更新日:2025/6/1

(株)高橋マシニング

業種

  • 金属製品
  • 非鉄金属
  • 機械

基本情報

本社
千葉県

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

奥が深い機械加工の世界。目指すは“腕に自信のある”工作機械オペレーター

  • 機械系 専攻の先輩

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多品種・単品加工だから技術者の成長が早い!

幅広い産業分野で欠かせない存在となっている機械加工会社。高橋マシニングは、たゆまぬ努力で成長を続けている。専務、工場長、新入社員の3人に、それぞれの立場から会社の魅力と仕事の奥深さを語っていただいた。

高橋 聖孝さん(写真右)
専務取締役

袴田 要さん(写真左)
2022年入社/理工学部機械工学科卒

齋藤 貴裕さん(写真中央)
工場長
2006年入社/普通科高等学校卒(キャリア入社)

社員が成長できる環境を整備するため、責任者として数々の改善策を導入

社長は私の実兄であり、当社を創業した現在の会長は私たちの父親です。私は兄の2年後の2002年に入社し、はや20年が経過。入社して1、2年は仕事が嫌でしょうがなかったですね。父親は叩き上げの加工職人で、とにかく私たちに厳しかったからです。
変化が起きたのは入社して3年後。工場にある加工機をひと通り操作できるようになり、徐々に仕事が面白くなってきたのです。途中で辞めず、続けて良かったと思っています。

知識が増えて経験値が上がると、今度は仕事のやり方が気になってきます。刃物の種類を変えるだけで品質や作業効率が向上するのに、そんなことさえ変わらない。兄と私は改善策を父親に提案しましたが、その度に昔気質の父親と衝突しました。
そんな状況が変わったのは6年前。頑固だった父親が私たち兄弟に経営を任せてくれたのです。社員数が5、6人と少なかったので、専務になった私は独断で求人活動を開始。工業高校や専門学校を訪問し、積極的に当社をアピールしました。

同時に、社員の働き方にも目を向けました。正直なところ、それまでは仕事があれば夜遅くまで働いていたのですが、それでは有望な人材は集まりません。週休2日制を原則化し、就業時間と休憩時間も明確化しました。通勤手当や単身住宅手当など、金銭面での補助制度も導入。今後も若い人が自分の生活スタイルを守りながら働けるよう、積極的な支援策を取り入れていくつもりです。

現場をまとめている私が大切にしているのは、お客さまや社員との人間関係。時には理不尽な依頼もあり、社員のミスで大きな損失が出ることもあります。私が若い頃はミスをすると父親に叱責されましたが、それはもう過去の話。自身の経験から、私は人を育てるためには“理にかなった教え方”が必要だと考えています。

当社で活躍しているのは、根本的にモノづくりが好きで、仕事を楽しめる人。そういう人は探究心もあり、失敗しても自分で原因を見つけて次の仕事に生かそうとします。当社の機械加工は同じ作業の繰り返しではなく一品一様が基本ですから、常に創意工夫が求められます。逆の言い方をすれば、自分から状況を変えたいという熱意がある人なら活躍できるということです。

メーカーではなく高い技術力を持つ加工専業だからこそ、私たちはここまでやってこられました。これからも、専門性を極める方向で成長していきたいと思っています。
(高橋専務)

ここが高橋マシニングの魅力です!

「お客さまから信頼されていることですね。最近は『とにかく予定を空けておいてほしい』と言われるほど、仕事の依頼が増えています」(高橋専務)

巨大な加工機を自分のプログラムで操作。モノづくりの醍醐味がここにある!

子どもの頃から自分の手でモノをつくるのが大好きでした。大学では機械工学の知識を習得。就職活動でも金属加工業界を中心に会社選びを進めました。私がもう一つこだわっていたのは、地元の千葉県で働くこと。当社はこれらの条件にぴったり合っていたのです。
会社訪問して驚いたのは、工場内で目にした巨大な加工機。学生時代に小型のマシニングセンタ(多種類の加工を連続で行える数値制御型加工機)を触った経験はありますが、五面加工機やNCフライス盤を見たのは初めて。想像を超えた大きさに圧倒されました。

入社後は、すぐに加工機を操作するわけではありません。最初に教わるのは、段取り(材料のセット)、面取り(カドを落とす)、仕上げ(精度合わせ)といった金属加工の基本工程。先輩が加工した製品の面取りを手伝いながら、基本的な加工機である手動フライス盤の使い方を学びました。
フライス盤は平面、曲面、溝などさまざまな面を加工できる切削機械。大学の研究室で数回使ったことはありますが、仕事で使うとなると心構えはまったく違います。緊張しつつも、夏前にはほぼ使いこなせるようになっていました。

8月からは、機能がシンプルな旧式の立形マシニングセンタを操作。最初に加工したのは、トンネル工事用セグメント(壁面を支える構造物)の継手部分です。長さ約2メートルで、重さは約300キロ。これを1日約8枚、3カ月で400枚近く加工しました。その内容は、溶接用の溝彫り、先端部加工、穴開けなど。ドリルの刃が欠けるなどのトラブルはありましたが、大きな失敗はなかったですね。
自分でも意外だったのは、作業を自動化する工程の面白さです。メーカーが開催するプログラム研修に参加して以降、マシニングセンタを思いどおりに動かすことが楽しくなったのです。今は少々ステップアップし、やや難易度の高い加工に取り組んでいます。

当社の大卒1期生ということもあり、私は自分が大切に育てられていると実感しています。上司や先輩は仕事を教えてくださるだけではなく、休日、一緒に釣りに行くような間柄。距離の近さが心地良く、すんなり会社に馴染めました。
まだ最初の加工機で学んでいる最中ですが、工場には操作してみたい加工機が数多くあります。いつか五面加工機を使い、スケールの大きな加工に挑戦してみたいですね。
(袴田さん)

ここが高橋マシニングの魅力です!

「会社が新人の成長を手厚くサポートしてくれることです。分からないことは丁寧に教えてもらえますし、相談もしやすい。余計な気遣いも必要ありません」(袴田さん)

1個10トンもの鉄鋼材料を加工する“五面加工機の熟練オペレーター”

私は23歳の時、当社へ転職してきました。それまでは2カ所の機械加工会社に勤務し、主にNC旋盤(数値制御式の旋盤)をオペレート。どちらも量産品の加工が中心だったので、「もっと加工スキルを高めたい」という思いが強くなっていたのです。
当社を訪問した時、私はすぐに入社の意思を固めました。機械加工の技術者なら誰もが憧れる加工機が揃っていますし、手掛ける製品も高い精度が求められる一点ものばかり。「ここなら加工技術者として成長できる」と確信したからです。

入社後は社長や先輩に教わり、マシニングセンタやNCフライス盤の操作を一つひとつマスターしていきました。今は主に、大型の材料を加工する門形五面加工機を操作しています。これは底面以外を自由自在に加工でき、当社の工場内では最も大型で操作が難しい加工機。操作できるのは社長と私だけです。
加工する材料は半導体製造装置の部品が多いですね。部品といってもそのサイズは巨大で、重さは1個2トンぐらい。それをクレーンで持ち上げ、加工機のテーブルに載せるのです。この材料はまだ軽い方。私は鉄鋼所で使う圧延機のスタンドを加工したことがあり、それは1個10トンもありました。五面加工機はそれほど大きな材料も加工できるのです。

この仕事で求められるのは、加工精度の高さと納期を守ること。そのためには加工の準備である段取りを慎重に行わなければなりません。五面加工機ともなると、セットする高さがほんのわずかに違うだけで加工できなくなります。そうなると段取りを組み直すので、数時間のロスが発生してしまうのです。私は後輩に、口が酸っぱくなるほど段取りの重要性を説いています。

職人技のように聞こえるかもしれませんが、基本的には時間をかけて技術を身に付ければできる仕事です。扱う材料にもよりますが、簡単なものなら半年ほど、難易度の高いものなら3、4年で満足いく仕上がりとなる操作ができるようになるでしょう。
もう一つ必要な要素は、数学的な思考力。図面を読み解くときに三角関数を使うからです。計算が苦ではない方に向いていると思いますね。

この仕事の特徴は、経験を積めば積むほど面白くなってくること。難易度が高いほど達成感は大きく、一点ものが中心なので、毎回、新たな学びがあるのです。私は若手の育成を通じて、この点を伝えていきたいと思っています。
(齋藤さん)

ここが高橋マシニングの魅力です!

「メリハリのある働き方ができること。平日は緊張感をもって仕事に向かい、休日は好きな釣りに没頭しています。釣りクラブには袴田君も参加していますよ」(齋藤さん)

企業研究のポイント

仕事内容については研究していても、入社後の“生活スタイルの変化”をイメージできていない人が多いように思います。当社は都会にある会社ではないので、生活の利便性はさほど高くありません。その代わり、近くには豊かな自然があり、キャンプや釣りを楽しむことができます。入社後の生活が、公私ともにどのように変わるのか、しっかり研究しておきましょう。
(高橋専務)

研究ポイントではありませんが、私がアドバイスしたいのはエントリーした企業へのメール対応です。研究室の教授から「メールの返事は迅速に」と言われていたのですが、実験に気を取られてついつい遅れがちになってしまって…。面接結果のメールを見逃し、その後の選考に進めなかったこともあります。皆さんも気を付けてくださいね。
(袴田さん)

一つひとつの企業を研究する前に、「本当に好きなことは何か?」「自分が得意なことは何か?」を明確にしておくべきだと思います。私自身はモノづくりが好きな一方、人と話すことが少々苦手でした。だから営業は向いていないと思いましたし、基本的に一人でできる仕事がしたかった。その視点で出会ったのが当社だったわけです。結果は大正解でした。
(齋藤さん)

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若手の成長を助けているのは経験豊かな先輩たち。新人の袴田さんも、社長や専務、工場長の齋藤さんから日々多くのことを学んでいる。

マイナビ編集部から

高橋マシニングを取材して最も驚いたのは、工場に設置されている巨大な加工機の美しさだった。門外漢の記者には難しい内容だったが、社員の方が語る性能の高さや機能の凄さは充分に伝わってきた。工場長の齋藤さんは、15年以上をかけて20台以上もある全ての加工機を操作できるようになったとのこと。長い期間のように思われるかもしれないが、加工機は大型になればなるほど操作が難しくなる。齋藤さんは、ほかの人と比べて短い期間で多種類の加工機をマスターした、レベルの高いスペシャリストなのだ。もちろん、導入した加工機をいち早くマスターし、現在の同社をつくり上げた社長と専務は、さらにハイレベルなスペシャリストと言えるだろう。

新入社員の袴田さんは、こうした人々に支えられながら加工技術者としての経験を積んでいる。学びの場としては申し分のない環境だ。企業としての規模をみると大きくはないが、この規模だからこそ、高橋マシニングは長い時間をかけ、少数の“高いスキルを備えた人材”を育てることができるのかもしれない。

モノづくりに興味がある人なら、ぜひ機械加工の世界に目を向けてほしい。その内容を知る手だてとして、高橋マシニングは絶好の存在だと思う。

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千葉県の九十九里浜近くに位置する高橋マシニングの工場。近隣には新工場の土地も購入済みだ。入社後は緑豊かな自然に囲まれて、高度な加工技術を身に付けることができる。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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