最終更新日:2025/6/6

マック(株)

業種

  • 情報処理
  • ソフトウエア
  • その他電子・電気関連
  • その他メーカー

基本情報

本社
千葉県

取材情報

DXが変える、私たちの仕事

建設DXを実現させることで、トンネル工事に変革をもたらす

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100%自社開発。高度な技術を蓄積しつづける

ITの技術で既存の建設業の変革を目指す「建設DX」。トンネル工事に変革をもたらしつづけている同社で、建設DXの最前線に立つ3人の社員に話を聞いてみた。

高橋 星奈さん(写真中央)
開発部/高等専門学校情報工学科卒/2013年入社

花村 正太郎さん(写真右)
エンジニアリング部/経営学部経営学科卒/2020年キャリア入社

高橋 彪我さん(写真左)
エンジニアリング部/理工学部精密機械工学科卒/2021年入社

DXの力をもとに、工事の安全と効率化を実現

建設工事の現場といえば、熟練の職人たちの経験に基づいて仕事を進めていく世界。そんなふうに考えている学生の方も少なくないでしょう。当社では経験だけに頼る工事から脱却するべく、過去に蓄積されたデータを入念に分析した上で、ソフトウエア的な視点から解決策を形にしており、既にトンネル工事の現場などにレーザー計測装置や重機をコントロールするシステムを送り出しています。

設計をデータとして取り込んだ上で重機に移していけば、経験が浅い人でも熟練の技を生かした施工を進めることが可能。さらに言えば、通信ネットワークを敷設してガスの濃度検知や警報システムなどを手掛けるなど、命を直接的に守る部分でも貢献しています。

私は入社以来、ソフトウエア系のエンジニアとしてさまざまな案件を手掛けてきました。大手ゼネコンとの共同開発を主に担当していますが、直近で言えば、重機の稼働管理を遠隔で行う案件に携わりました。トンネル工事という性格上、重機が動いて穴を掘っている様子は外から把握することができません。そこで、稼働の様子を定期的に検知してメールで報告する仕組みをつくり上げるとともに、これをもとに重機の故障を事前察知するシステムに進化させました。

近年、「建設DX」という言葉を耳にする機会が増えましたが、当社はそんな言葉が聞かれる以前からITを活用。早期に取り組んできた当社に対して、建設業界各社からの期待は大きくなっており、私たちエンジニアもより技術的に高度なDX化に対応できるように、さらなる学びを重ねなくてはならないと痛感しています。

当社の場合、企画から設計、開発、テスト、導入、保守、メンテナンスまで一貫して100%自社開発するスタイルをとっています。どの工程でも外注は一切行わないだけに“全て”を把握しており、だからこそ顧客の要望にも柔軟に対応できますし、自分自身で作ったというプライドもおのずと高まるのだと思っています。先日はある仕事で地方に出かけたとき、数年前に関わったトンネルをたまたま通行しましたが、きれいに仕上がっている様子を見て改めて感慨深い気持ちに包まれました。今後もこうした現場で用いられる多様なシステムを任せてもらえるエンジニアになれるよう技術を高めていきたいですね。
(高橋 星奈さん)

マックの仕事最前線

コンパクトな組織だけに社員同士の連携もバッチリ。部署を超えたコミュニケーションを通して、ソフトとハードの両面から安全で効率的なシステム開発を目指している。

文系出身からのチャレンジ。やり切る気持ちで前進しつづける

前職では建設商社の営業として3年ほど勤務していました。同じ建設業界での転職を考えたとき、トンネルというコアな世界に特化して事業を営む当社の存在を知り、未知の特殊な世界にワクワクした気持ちになったことが入社する決め手になりました。

以来、レーザー測量システムなどの自社製品の導入に携わっています。最初の1年間は営業としてお客さまの工事現場に赴いた上で、各種機器の試運転や製品の設置を担当。全国各地を飛び回っており、新設する鉄道の大型トンネルの工事現場に収めたりしました。いずれの現場もスケールが非常に大きく、機器の一つひとつの大きさに圧倒されっぱなしでした。

そうしたなかで実感したのは、トンネル工事は建設DXの最前線に立っているという事実です。工事の性格上、命に関わる危険性が高いジャンルですから、安全を確保するためにも人が現場に足を踏み入れずに工事や検査を進めるのが推奨されています。実際、当社のレーザー測量システムなどは、トンネルを掘り進めている機器の近くに行かずとも正しい方向に進んでいるのかを確認することができます。安全を守り通しながら品質を高めるために、当社の提供するDXの力がまさに重要となっているのです。

私は現在の部署に異動してからは、各種機器の検査、機器を所有している外部工場の管理などに取り組んでいます。万が一、測量装置の数値に異常があると、トンネル工事の品質はもとより、作業員の安全にも関わりますから責任は重大。県外の工場に出張して長期にわたり校正作業に携わるなどして、安定した性能が発揮できるように努めています。

振り返れば、建設業界での営業経験はあるとはいえ、当社での業務は文系出身の私にとってはほぼ100%、初めての経験の連続でした。そのなかでも何とかやり切ることで自分が成長している点にやりがいを見出してきました。チャレンジしたいという気持ちがあれば、あらゆる背景を持つ人材にチャンスが広がる世界なのだと改めて感じています。

建設DXの流れが加速する今、新しい技術に触れる機会も増えました。実際、私たちも測量にとどまることなく、吹き付けに関わる機械を重機に載せた上で、リモートで安全に施工を進める技術にも関わっています。私自身、知識を増やしつづけることで、こうした最新分野にもしっかりと対応していきたいと思っています。
(花村 正太郎さん)

マックの仕事最前線

工事現場に送り出すハードウエアの検査や設定などにも取り組んでいる。間違った数字をはじき出すと安全が損なわれるからこそ、慎重に慎重を重ねてチェックしている。

機械の専門家として、着実に成長できるフィールドが広がる

大学時代は機械工学を専攻していた私ですが、就職を考えたときには「何がしたいのか」がわからず、迷いに迷う時期が続きました。最終的に立ち返ったのは、大学に進学したときの思い。「誰かの役に立つ仕事」に携わりたいから機械工学を選んだという原点に戻り、地元の千葉の企業を中心に探したところ、当社の存在を知りました。トンネルをはじめとする社会インフラの工事を陰ながら支えることで、文字どおり人の役に立っている点に共感してここで頑張っていくことに決めました。

入社後はレーザー測量システムや通信まわりの機材、トンネルを掘る設備などの管理を行っています。現場から返ってきた機材に不具合がないかチェックするとともに、新しい現場の仕様に合わせて機材をカスタマイズして送り出すというのが大まかな役割。正直、全く知らない世界でしたので不安がなかったわけではありません。それでも先輩が丁寧に指導してくれましたし、慣れてきたらヒントとなる助言をくれて、自分で考えて結論を出せるように促してくれたので、一歩ずつ成長を遂げることができたのだと思います。

時には地方にある重機メーカー様の工場に出向いて、現場に機材を送るための準備を行うこともあります。自分で校正をして配線を組み、不具合の有無をチェックした機材が工事現場で用いられていると思うと、達成感は非常に大きいです。ただし、万が一、間違った数字を放置すると、最悪の場合はトンネルの進路を曲げてしまうような事態を招きかねません。建設DXの最前線にいる私たちは、正しくトンネルを掘り、作業員の安全を守るという部分に深く関わっています。やりがいと同時に、大きな責任を担っていることをひしひしと感じています。

入社前に比べれば専門性も格段に身に付きましたが、まだまだ足りないことが多いとも痛感させられています。まずは今の仕事を完璧に覚えるのが当面の目標です。その上で将来は自分の考えをもとに改善すべきところを発見し、主体性を持ってより良いDXを世に送り届けられるようになりたいですね。
(高橋 彪我さん)

マックの仕事最前線

情報、機械や電機などの学科出身者ならば、1年目から大きなチャンスをつかめる会社でもある。それ以外の学科出身でも入社後のレクチャーにより大きく羽ばたける。

企業研究のポイント

技術系の企業や職種を検討している学生の皆さんには、ぜひその会社が出願している「特許」、発表している「論文」を検索することをお勧めします。パンフレットやウェブサイトからも情報が得られるとはいえ、当社も含めたほとんどの企業では、そうした媒体には基礎的な情報を掲載しているケースがほとんど。特許や論文を参照してみると、パンフレットからはわからない企業の深い特徴や強み、将来の方向性などが見えてくるはずです。

もちろん特許や論文に書かれている内容を全て理解するのは困難でしょう。しかし、文字を追いかけていれば、何となく注力している分野は伝わってくるものです。特許でいえば共同出願先、論文ならば共著者を見れば、どのような関係で取引をしているのかも浮き彫りになるでしょう。ぜひ、特許や論文に注目した企業研究を進めてみてください。

プライベートで使っているパソコンやスマートフォンが壊れたとき、誰かに修理を依頼するのではなく、まずは自分で直してみよう──そんなふうに行動できるのであれば、学部学科を問わずにエンジニアとして飛躍できる可能性はあると思います。技術系の分野に興味を持たれた方には、修理に失敗をしてひどい目に合っていたとしても、自分で行動を起こすのが重要だということを伝えたいですね。
<代表取締役社長・宮原 宏史>

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トンネル内を補強する「支保工」の作業において、同社が開発した建設DXシステムにより遠隔施工が実現。作業員を危険にさらさずとも工事ができるようになった。

マイナビ編集部から

マック(株)はトンネル用掘削システムやレーザー測量システムなどを通して、土木工事のDX化の実現に多大な貢献を果たしてきた。日本では数少ないこの道の専門家である同社には業界からの期待も高く、さまざまな技術を形にしてきた。

実際に、レーザー測量により熟練技術者しか判断できなかった危険の有無を事前察知するシステムなどは広く現場で活用され、AIによるデータ解析を行った上でのICT施工、現場での施工情報の共有システムなど、多角的に建設DXを形にしている。国際的な特許も既に5カ国で取得。まさに建設DXの最先端を走りつづけている。

顧客や現場によって、工事の方法や状況はガラリと異なるだけに、同社では企画から設計、開発、保守までの全ての工程を自社で一貫して手掛けている。だからこそ、顧客の要望に高いレベルで応えられており、100%自社開発という点も同社の信頼性を高める要因となっている。

もっとも技術系の背景を持つ人材ばかりが集っているわけではない。「学生時代とは異なり、社会人はカンニングが自由。困ったときには調べてみたり、先輩に聞くなりして課題解決できる人ならば、学部学科を問わず成長できるはずです」と宮原代表も語る。面倒見のいい先輩がそろう風通しのいい職場環境であるのも安心材料。ゼロからの挑戦でも本人次第で大きく羽ばたいていけるはずだ。

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トンネルを掘り進めていくと「このまま工事を続けても安全か」を判断する場面が訪れる。従来は熟練技術者の経験に頼っていたが、同社のシステムが判断の自動化を実現した。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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