最終更新日:2026/2/4

日鋼設計(株)

業種

  • 機械設計
  • その他電子・電気関連
  • ソフトウエア
  • 機械
  • 半導体・電子・電気機器

基本情報

本社
広島県

取材情報

経営者の視点

一歩前へ踏み出して「ものづくりの未来」を創造する、設計クリエイター集団に

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産業革命の中枢に立つ、設計技術者の醍醐味と使命

『日鋼設計』代表取締役社長 大下 真雄さん

主に樹脂製品向けの機械・電子設計からソフトウェア、上下流装置のシステムなど、日本製鋼所(JSW)製産業機械の設計部隊として存在感を示し続けてきた『日鋼設計』。JSW在籍中から分業の在り方や業務プロセスの改善に尽力してきた大下社長に、ご自身のキャリアを振り返りながら『日鋼設計』のこれまでと現在、そして未来への想いを伺った。

指示に従う“製図者”と、顧客の要望を図面に落とし込む“設計者”の、決定的な違い

私が日本製鋼所(JSW)に入社したのは、1983年1月。当社『日鋼設計』がJSWの機能分社として設立された4年後のことです。当時は、鉄が日本産業の心臓部として経済の中心を支えた「鉄は国家なり」という言葉に憧れて、製鉄機械の計装制御の仕事をしておりました。そして、世界クラスの技術とシェアを誇るJSWで製鉄機械の制御設計を担いたいと、意気揚々とその門を叩きました。
しかし、その時すでに日本産業は大きな転換期を迎えていました。産業の源は鉄から石油化学へと移り変わり、それに伴ってJSWのものづくりも樹脂機械へとシフトチェンジ。鉄鋼業界に飛び込んだつもりが、まさか樹脂製品の製造装置を手がけることになるとは思いもしませんでしたが、それはそれで、産業転換の中枢に立つ醍醐味が存分に味わえてとても面白かった。新たなものづくりの世界にどんどん没頭していったのを覚えています。

ですが、本社に転勤するまでの設計畑での26年間は、“設計の本質”と対峙し続けた道のりでもありました。というのも、当時の機械設計はJSW側が構想設計を、当社が製図・作図を担う垂直分業体制。同じ設計技術者であるはずなのに、一方はクリエイターで、かたや、いわばオペレーターです。確かにそれでも“要望に沿った”製品をつくることはできますが、 ユーザーの想いの熱量を肌身で感じていないオペレーターに、“真の顧客ニーズ”を反映したものづくりはできません。常にプロダクトアウトのリスクと隣り合わせです。顧客と直に対話してそのニーズの熱量を設計に落とし込むプロセスの中でこそ、技術者は初めて本気で改善と技術向上に意欲を持ち、生きたものづくりに挑むことができるのです。
実際、当時から電装設計やソフトウェアの領域では既にJSWと『日鋼設計』双方の設計部隊がそれぞれにユーザーを抱える“水平分業”を実現していました。であれば、同じことが機械設計ではできないという道理はない。「機械設計においても、電装設計同様に“水平分業”化を」。それは、JSW本体の技術者として当社に作図・製図を依頼する立場であった私の宿願でした。

『日鋼設計』はこんな会社です!

「ユーザーの声に近づけば近づくほど仕事は面白くなり、成長スピードも上がる。技術者には全員クリエイターの自覚を持って、その醍醐味を味わってほしい」と話す大下社長。

親会社との水平分業化実現によって、ドロワーからクリエイターへと次々“昇格”

ただ、それは実は口で言うほど簡単なことではありません。当社はあくまでもJSWの設計専門部隊として設立された機能分社。技術者たちには、「顧客へのヒアリングはJSWに任せるべき」という考えが根底にあります。けれど、それは一見組織人の“分別”のようで、専門技術者としては“甘え”ともとれる考え方。青臭いことを言うようですが、「指示に従うことが、自分の仕事を全うすること」というスタンスでは、目の前の製品に愛情が芽生えることはなく、愛情のないものづくりに革新は起こり得ません。日進月歩の技術の世界で、それは致命的な弱点です。かといって、愛情や情熱というものは一方的に「持て」と言って持てるものではないのも、また事実。だからこそ、業務プロセスにおいて愛着が芽生える仕組みを取り入れる必要があったのです。

幸運だったのは、その課題を克服するうえで、当社が大変恵まれた環境にあったことです。『日鋼設計』のオフィスはJSW広島製作所構内に立地し、プロジェクトの発足時はその都度JSWとの合同キックオフミーティングに参加します。また、グループ連結の生産管理システムを通じて、顧客の要望や設計図、手配リストのすべてが逐一共有されるので、機能分社とはいえ常にプロジェクトの全貌を見渡すこともできます。さらに、技術者は自分が設計を手がけた製品の製造現場にいつでも立ち会える状況にあり、「JSWの下請けではなく、対等な立場でものづくりの一翼を担っている」自覚が当たり前に浸透していました。おかげでCADの導入とともに水平分業化の取り組みは自然と軌道に乗り、私が社長に就任した2021年以降、当社は電装設計以外の領域でも構想設計から詳細設計までほぼすべてをカバーできる技術と体制を確立。今や設計のスペシャリスト集団として、絶対的な存在感を示せるまでになったと自負しています。

『日鋼設計』はこんな会社です!

製図はメイン業務ではなく、要望とアイデア、熱量を図面に落とし込むひとつの“プロセス”。現地・現物・現実の三現主義を軸に真に価値あるものづくりに挑み続けています。

機械から電装、ソフト、IoTまで。次代のあらゆる産業を支える“設計のデパート”に

一方、時代は驚くべきスピードで変わり続けています。特に近年は、環境意識の高まりや人手不足などを背景に産業機械ユーザーのニーズは急速に多様化・高度化。かつて鉄から樹脂へとものづくりの矛先を大きく転換したJSWは、また新たな境地を開いていくことになるでしょう。当然、JSWの一員である当社も並走するわけですが、かといって決してそこに甘んじるつもりはありません。グループ連携を深めつつも、機械・電装からシステム、ソフトウェアまで幅広くカバーできる設計力を強みに、今後は半導体から自動車、環境関連企業への外販も積極的に拡大。そして将来的には『日鋼設計』ではなく『日鋼エンジニアリング』と名乗れるくらいまで技術力を強化し、脱炭素社会やリサイクル社会における「なくてはならない存在」でありたい。そのためにも技術者たちには、JSWやユーザーとも密にコミュニケーションを図り、その声にしっかりと耳を傾けながら、ニーズの変化に柔軟に挑戦し続ける真のデザイナー・クリエイターへと成長してほしいと期待しています。

とはいえ、初めからそれほど高度な能力を発揮できる技術者はいません。いかに学業優秀で技術的素養に長けていても、実務の領域においては初めは誰もが素人同然。将来能力をより大きく開花させるためには、経験の浅いうちから地道にじっくりと自分を磨き続けることが重要です。まずは会社組織・チームの中で信頼関係をはぐくむ。そして、何事にも前向きに取り組み、製品への興味を深める。その積み重ねがあって初めて、真に顧客のニーズを理解し、余すところなく設計に落とし込めるようになるのです。幸い当社はJSWという巨大組織の一員でありながら単体では200名ほどの中小企業ですから、円滑なチームワークを築くにもベテラン技術者から生きた知識・スキルを学ぶにも絶好の環境があります。さらにここ数年、外部機関を活用した社員のリスキリング支援も活発化。DXやRPAをはじめとする先進技術を導入しながら社内業務の自動化・高効率化を図り、クリエイターたちが力を注ぐべきところに存分に力を注げる環境づくりを加速させたいと考えています。

『日鋼設計』はこんな会社です!

最大の自慢は、なんといっても人間関係の良さ。年次はもちろん、立場や経験の違いも超えて手を差し伸べ合い、切磋琢磨し合う社風はもはや『日鋼設計』の文化です。

企業研究のポイント

学生生活は10数年。そして、これから始まる社会人生活はその2~3倍の40年以上。それほどの長い年月を生き生きと楽しく働き続けようと思えば、皆さんの企業研究にもおのずと力が入ることでしょう。

けれど、ただ表面的に字面を追うだけで、その風土や特徴を理解するのはなかなか難しいもの。「一見は百聞にしかず」と言うように、体験に勝る企業理解はありません。企業研究の際はインターンシップなど仕事体験の機会を、時間の余裕がなければ説明会中の質疑応答や座談会の場面を活用し、少しでも深く“その中に入り込んでみる”ことを心がけましょう。そして、給与のことや休暇のこと、仕事上の苦労や失敗談、入社前後のギャップなど、気になることは臆せず質問してみましょう。聞くという行為は、疑問点を解消するだけでなく、「先輩たちの人柄や考え方」「後輩への接し方」を垣間見る絶好の機会。その対応から、実際の社風や社員満足度などを感じ取ることもできるはずです。

業種・職種の選択においては学生時代の専門分野と紐づけて検討する人が多いと思いますが、知識・スキル以上に重要なのは、その分野・仕事に対する前向きな意欲。仕事は常に楽しいばかりではありませんから、苦労や挫折も乗り越えられるだけのモチベーションの有無が絶対不可欠です。業界・企業の特長、そして自分の適性をしっかり見つめ、有意義な企業研究に取り組みましょう。

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「学生時代に得たすべての経験は、今後を生き抜くかけがえのない糧になります。学業だけでなく、長期旅行や友人との交流など、限りある時間を有意義に過ごしてください」。

マイナビ編集部から

『日鋼設計』のエンジニアたちが日々向き合うのは、産業機械や電気、ソフトウェアなど、言葉を発しないモノやシステム。CAD設計となると、その業務の大半はPC上で進められるはずだ。にもかかわらず、同社オフィス内には驚くほど生き生きと血の通った人間関係が広がっている(同社HP内の会社紹介ムービーをぜひチェックしてほしい)。

その理由は、今回大下社長の話で合点がいった。彼らはもはや、単に営業の指示を黙々と“図面化”するだけの製図者ではない。営業と連携しつつもエンドユーザーの声に直に耳を傾け、製造現場にも立ち合って、ものづくりの手ごたえをさらなる改善に昇華するデザイナーたちだ。生きたコミュニケーションと、本人の前向きなバイタリティなくして、真のクリエーションは実現し得ない。

加えて、かつて「JSWが止まれば世界の原発が止まる」とも言われた巨大企業Gの恩恵とも無関係ではないだろう。3DプリンターやDX、RPAといった先進的な技術・ツールの導入が次々と進む同社では自ずと現場の学びの機運が高まる。一方、転勤はなく、多彩な福利厚生によって心豊かな人生の礎も支えられている。

どれほど“入社意欲”が高くても、その後十数年、数十年にもわたり当初のモチベーションを維持するのは難しい。キャリアを重ねるほどに働き甲斐が高まり続けるこの環境こそ、40余年にわたり同社に漂い続ける熱量の源泉となっているに違いない。

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「従業員に優しい・家族に優しい・女性に優しい」企業を標榜し、社内の環境・制度“設計”にも注力する『日鋼設計』。女性エンジニアが多数活躍し、産休後の復職率も高い。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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