最終更新日:2025/7/22

(株)なんつね【Nantsune Co., Ltd.】

業種

  • 食品
  • 機械
  • 機械設計
  • 商社(食品・農林・水産)
  • 専門コンサルティング

基本情報

本社
大阪府

取材情報

記事で読む社会科見学

製品の開発・提案を通して顧客の利益を向上させ、豊かな食の創造と自社の発展に貢献

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現場の最前線で活躍する先輩たちのインタビュー

ミートスライサーをはじめとする食品加工機械の製造・販売を手がける「なんつね」。今回は、同社で活躍する3人の先輩に話を伺い、それぞれの仕事の役割や意義、仕事に対するこだわりを通して同社の魅力に迫ります。

■片平翔大(写真右)
CS本部 関西エリア大阪 営業
2023年入社

■西森俊介(写真左)
CS本部 副本部長
2003年入社

■秋田和樹(写真中央)
技術本部 開発チームリーダー
2016年入社

食肉を扱う法人・個人のお客様に、それぞれの課題や要望に応える加工機械を提案

スーパーや加工業者、個人の精肉店など、食肉を扱う法人・個人のお客様に、加工機械の提案・販売をしています。私は大阪エリアを中心に100社以上を担当しており、そのうち約6割が先輩から引き継いだお客様、約4割が新規開拓によって取引を始めたお客様です。

数か月前、一般的なスライサーを使用されていたお客様から、新規出店にあたり、「人件費を抑えて処理量を増やしたい」とご相談があり、当社の高速高性能スライサー<ジュピター3>を提案しました。設置場所の都合でコンベヤ部分を短くするサイズ変更(別注)が必要でしたが、社内のアプリで調べたところ、同じような別注の提案をした事例があったので、担当者に情報を共有してもらい、的確でスムーズな提案につなげることができました。納入・設置後は3日間、現地で立ち会い機械の微調整を行い、その後もフォローを続けています。

営業を始めた当初は、成長をあせるあまり、自分一人で頑張ろうとして検討事項を溜め込んでしまったことがありました。自分で考える時間は必要ですが、それが長すぎると提案が滞り、お客様に迷惑をかけてしまいます。ビジネスはスピード感も大切ですから、今は案件に取りかかる最初のタイミングで上長と相談し、提案の方向性を決めてから自分で道筋を立て、商談を進めていくようにしています。

入社3年目を迎えた今、自社の製品に関しては知識も増え、自信を持って提案できるようになりましたが、大きな案件になると、他社の機械と組み合わせて提案をすることも多く、まだまだ知識が足りません。ですから、今後は他社の勉強会なども活用しながらもっと広く、深く、情報を収集し、自分の引き出しを増やしていくつもりです。そうして自分の予算を達成し、それが部署の予算達成につながればと思っています。(片平)


取材こぼれ話

体育会系学生の就活イベントで当社を知り、100年以上続く歴史ある企業であること、若いうちからさまざまなことに挑戦できる環境であることに惹かれ、選考に進みました。

自分が本当に納得できる製品でないと販売しない。それが営業としての信念です

お客様のニーズをヒアリングし、それに応える加工機械を提案するのが私たち営業の役割。お客様といっても、現場で働く人たちは作業効率を上げたい、経営層は歩留まり(良品を製造する割合)を改善して利益を上げたい、省人化・自動化を進めたいなど、要望が異なることも多く、いかに双方の要望を満たした機械を提案するかが難しくもあり、楽しくもあるところです。

機械は、お客様が求める性能や品質に達するまで、実証実験を行います。年単位の歳月がかかることもありますが、私は自分が心底納得できるものでないと販売はしません。ですから、メーカー側の人間というより、お客様側の人間という意識で技術部門とやり取りし、性能や品質を追求しています。

通常であれば1~2年はかかりそうな案件を1年以内でまとめてほしい…など、スピードを求めるお客様もいらっしゃいます。ただ、開発をタイトに進めると不具合が起こる可能性は高まります。もちろん、技術部門と話し合いながら何とかうまくできる方法を検討しますが、そうした際もお客様への報告は怠らず、商談の際は必ず議事録を作成するなど、余計なトラブルを避けるよう配慮しながら開発の進行を主導しています。

タイトな案件は技術部門にも多大な協力を求めることになりますが、良い機械を早く納入できればその分、お客様の利益も増えます。言い換えれば、開発が遅れればその分、お客様の利益を削ることになるわけですから、その認識を社内で共有し、お客様の利益を損なわないよう確固たる協力体制を構築するのも私たちの役割だと思っています。そうしたことを日頃から皆が意識していれば、お客様の利益向上に貢献でき、それが当社の事業の継続・発展にもつながると私は思います。(西森)

取材こぼれ話

私たちが求めているのは、お客様のために自分がどう成長できるか、挑戦できるかを考え、実行できる人。教育の方法も時代や状況に合わせてブラッシュアップしていきます。

現場の人たちの生の声を反映し、ストレスなく使える機械の開発に注力する

機械系の設計担当として、当社の主力製品であるスライサーの新機種やモデルチェンジ機の開発を行っています。今、取り組んでいるのは、生の鶏肉を重量を揃えて切るスライサー。他社からはすでに発売されているので、他社機の情報を集めて、自社の製品に必要な要素は何か、どう差別化を図っていくかを検討しています。仕様が決まれば、全体のスケジュールや費用を勘案し、それらがスムーズに進めば2~3年後には形になる予定です。

その前は、冷凍の骨付き肉を切るスライサーを担当しており、現在お客様先での実証実験のフェーズに入っています。お客様から直接評価をいただくことでモチベーションも高まりますし、現場で生の声を聞くことで視点が変わり、どうすればもっと使いやすくできるか、ストレスなく使ってもらえるかということをより考慮した設計を行うようになりました。当社では、形のないところから機械の完成まで、一人の技術者がすべての工程に携わることができるので、モノづくりのやりがいも十分に感じられると思います。

とはいえ、いろいろ考えているとなかなかうまく進まないもので、期日が近くなればなるほどどうしてもあせりが出てきます。以前は、「絶対に期日を守らなければ」と思うあまり、納得できないまま開発を進めてしまうこともありました。けれども、それではいつか必ずどこかで不具合が出てきます。ですから、期日は大切にしながらも、何かあったとき、遅れそうなときほど関係者とコミュニケーションを密に取り、こちらの情報を伝え、状況を共有するようにしています。

今後は、これまでとは違う新たな機械の開発に取り組みながら、開発の流れや運用を見直し、新しい製品は得てして不具合が多いもの…というモノづくりのネガティブな側面も変えていけたらと思っています。(秋田)

取材こぼれ話

後輩の目標設定のサポートなど、管理職としてチームのマネジメント業務にも携わっています。言いたいことを自由に言い合える風通しの良い環境も守っていくつもりです。

企業研究のポイント

自分は文系だからなんとなく営業かな…ではなく、ビジョンをしっかりと持って自分がどうなりたいのか、何をしたいのかを明確にすることが大切。私は、ホームページの動画で紹介されている先輩方の働く姿を見て、自分もこうなりたいと思ってこの会社を選びました。自己分析と他己分析を徹底的に行って自分を理解できていれば、自信を持って面接に臨めると思います。(片平)

今の皆さんが知っている会社はごく一部。ですから、まずは幅広く業界研究・企業研究をして、世の中にはいろいろな会社があることを知ってほしいと思います。この会社でこの仕事をやりたいという希望が実現しても、それが本当に自分に合っているかはやってみなければわかりません。もしも違うな…と思ったときに部署異動ができれば、転職せずに仕事を続けることができますから、ジョブローテーションやキャリアチェンジがしやすい会社を選ぶのも一つの方法だと思います。(西森)

一つの会社を調べて、もしそこが自分の希望にマッチングしたとしても、そこで企業研究をやめてしまわず、いろいろな会社を調べましょう。「いろいろな会社を見比べて選んだ」と思うことができれば、納得もできるだろうし、腹を括って仕事ができると思います。そして、旅行やボランティアなど、学生だからこそできるさまざまな経験を通して、知的好奇心を養うことに努めてください。(秋田)

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厳しい上下関係もなく、前向きな意見が飛び交う明るい職場。幅広い提案を行うため、他メーカーの勉強会に参加している社員も多く、各人の意欲の高さも同社の特徴だ。

マイナビ編集部から

1925年に創業し、2025年に100周年を迎えた「なんつね」。食肉加工を中心とする食品加工機械の製造・販売(テクノロジー事業)を軸に、食品工場の設計(エンジニアリング事業)、顧客が販売する商品の企画提案(コンサルティング事業)など、幅広いソリューションを提供している。

今回の取材で特に印象的だったのが、先輩社員の中に息づく徹底した顧客目線。営業として顧客と密に接する西森さん、片平さんはもちろんのこと、技術部門の秋田さんも、客先での実証実験など、顧客との関わりを通して顧客視点を磨き上げ、常に現場をイメージしながら「使う人がどう感じるか」を第一に考えた設計を行っていると話してくれた。

食品の加工機械と聞いても、自分たちには馴染みのない機械だと思われるかもしれないが、私たちがスーパーや精肉店で購入する肉は、スライサーなどの機械を使って加工されたもの。店によっては消費者の目につくところに機械が設置されていることもある。世の中の大半の人がその恩恵を受けており、「機械の開発・提案を通して多くの人の食を支えている」という事実も、社員たちの仕事への熱意と誇り、やりがいを高めているように感じた。

トップシェアをめざすのではなく、食を生み出すプロセスに貢献し、世界の食を豊かにする――そんなビジョンを掲げる同社に少しでも興味があれば、ぜひ挑戦してほしい。

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社内に展示された食肉スライサーの1号機。1925年の創業から100年。卓越した製品開発を通して世の中に加工肉を普及させるなど、食文化の未来を切り拓いてきた。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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