中央電化工事(株)

私たち中央電化工事(株)は1946年に創業し、以来電気工事の施工管理業を一貫して行ってきました。公共事業や戸建て住宅、病院、教育機関などの現場も数多く経験していますが、ここ15年ほどは大手ゼネコン・デベロッパーとの取引が中心で、大型マンションなどの大規模な現場の電気工事の施工管理を行っています。

多くの同業他社がひしめき合う中で、創業80年近い歴史を築いてこられた要因は何かと聞かれると、その1つが多角的な事業展開に逸れることなく、堅実に電気工事の施工管理、監督業という専門性を追求してきた点でしょう。当社は決して大きな規模の会社ではありません。そのため専門外に手を出すことよりも専門性を極め、取引先との強い信頼・絆を築くことを大事にしてきました。

当社の強みは専門性を極める事業方針以外にも、社員の育成に力を入れている点が挙げられます。新入社員は入社後1カ月間専門学校に通い、CADの技術を学んでもらいます。当社は施工管理業だけでなく設計業務も受けており、CADのスキルがある人材はこの業界でより活躍できると思います。

業務における最初のステップとしては、先輩社員に付いてOJTで施工管理の仕事を学んでいきます。当社は社員の成長を急かすような育成方針ではありません。まずは先輩と一緒に1つの現場を、最初の打ち合わせからお客様への引き渡しまで一通り経験してもらいます。

たとえ業務のスピード重視の時代であっても、電気工事の施工管理業は安全を預かる重要な監督業。成長を急かすよりも、じっくり時間をかけて確実に仕事を学んでもらい、その後一人でも現場を回せるように徐々に成長してほしいと思っています。このような育成方針もあり、当社の若手社員は焦らずにコツコツと知識・経験・能力を伸ばしていっていますよ。

電気工事の施工管理という仕事は、実際に手を動かして作業する協力会社や職人さんに指示を出し、安全・品質・工程・原価などを管理監督をしながら、物件の設計段階から竣工まで関わっていく仕事です。

電気工事に限らず、現在の建設業界は人手不足・原材料の高騰など様々な課題を抱えており、工期が予定より遅れることは珍しくありません。施工途中で設計を変更する場合や、基礎工事や躯体工事と呼ばれる建築工程がズレてしまった時に、そのズレを挽回させる役割が私たち電気工事の業者に託されるケースもあります。どれだけうまく確実に挽回できるかが腕の見せ所でもあります。私もこれまで様々な現場を経験しましたが、予定よりも時間が大きく削られた中で進行しなければならない状況が何度もあり、補助の監督や職人さんの数を増やす人海戦術や工程を組み替える手法など解決策を練って、難を切り抜けたことも多々あります。

このような板挟みのような状況がある一方で、その大変さをしのぐやりがいやおもしろさがあります。何もないゼロの場所に新しいものがどんどん形作られていく過程を目の当たりにすると、大きな喜びと達成感が湧いてきますね。この達成感は建物が竣工し電気がともった瞬間だけではありません。仕事やプライベートでかつての現場の前を通るとき、そこには大きなマンションがあり、各住戸の部屋にはそれぞれ明りがともっている……。「住人の方の生活が今ここで成り立っているんだ」。そういう喜びや安堵感をおぼえます。苦労した現場ほど、その安堵感もひとしおですね。

技術職として、やればやるほど奥深さを実感できるのもこの仕事ならではです。「前の現場ではできなかったことが、今回の現場ではできるようになった」そういう自分の努力や頑張りを確かめられる仕事でもあります。技術力・段取り・コミュニケーション力・人間力が問われる大変な仕事である分、自分の成長を素直に喜べる仕事です。

当社が取引先の信頼を得ながら長い歴史を築いてきた要因として、自社の得意分野を極めていく方針があったと先述しました。しかし今後は時代を先読みした事業展開は必要だと考えており、この得意分野をさらに広げていくことも検討しています。

従来は協力会社や職人さんに仕事を外注する方法が一般的でしたが、業界全体において今後さらなる人材不足が予測されることから、自社内に電気の職人を採用・育成したり、これまでもタブレットを使用した情報の共有化など現場の効率化を意欲的に進めておりますが、現場監督が孤立しない様に現場でわからないことがあればその場でタイムリーに解決できる環境を更に確立していきたいと思っています。当社は一人ひとりの社員の成長や力を見たキャリアステップを用意していますが、今後は時間短縮に貢献できるようなツールやソリューションの導入など、電気工事現場のDX化を促進させる情報システムに強い人材を登用することも検討中です。

「環境の変化に適応したものが生き残る」とよく言われています。当社の長い歴史も、振り返れば先輩社員たちが時代に即した様々な変化を受け入れ、実績を築いてきたおかげです。働き方やキャリアパスについても、当社は、今そしてこれからの時代を担う技術職・施工管理職の若手が満足できるものを用意しようと動いています。社風についても堅苦しさはなく、中途入社の私が現在取締役を務めていることからも、風通しの良い柔軟な組織であることを感じていただけるかと思います。

当社は施工管理のプロフェッショナルを目指す人、あるいはゼネラリストとして工事・設計全般を知りたい人。どちらにおいても経験を積むのにちょうどよい規模の会社だと考えています。少数精鋭なので自分の存在価値も確かめることができるはず。ぜひ当社のこのような魅力をたくさんの学生さんに知っていただき、企業研究の1社に加えていただけると嬉しいです。