最終更新日:2026/2/19

(株)プロテック

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 金属製品
  • 輸送用機器(船舶・航空・宇宙関連など)
  • 半導体・電子・電気機器

基本情報

本社
香川県

取材情報

経営者の視点

Innovation for the Future―― 若きリーダーの下で新たなステージへ

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冨岡新社長が思い描くAI時代における製造業の価値と可能性

半導体、航空・宇宙分野で高精度の部品を製造する同社。祖父であり、創業者である木村義春会長(写真右)からバトンを受け継ぎ、新社長に就任した冨岡宥太氏に、今後のビジョンや自社の可能性について聞きました。

代表取締役社長
冨岡宥太さん(写真左)

2000年生まれ。東京大学工学部マテリアル工学科でバイオエンジニアリングを専攻し、mRNAワクチンの研究などを行う。2023年にプロテックに入社。職場環境改善活動などに取り組んだ後、2025年7月に代表取締役社長に就任する。

「どうすればできるか考える」その積み重ねで半導体、ジェットエンジンへと事業を拡大

1988年に創業した当社は、創業して間もなく真空装置部品のプレス加工技術を確立させ、半導体業界へと進出しました。スマートフォンをはじめとする通信機器や家電製品、LED照明器具、自動車など、今や我々の生活に欠かせない半導体。機械による切削加工と職人による溶接加工の技術力を磨き上げ、半導体製造装置の心臓部となる「真空チャンバー」を製造できるようになりました。

その後、新たな事業の柱を作るべく航空機業界への参入を検討。安全かつ快適な運行を支えるジェットエンジンの部品を高精度で加工する市場に可能性を見出しました。高温、高圧に長時間耐えつつ、静音性や燃費とパワーを両立させることが求められるエンジン部品の製造において当社の高い切削加工技術をフル活用し、これまでに2000台以上の航空機のジェットエンジン部品を手掛けています。

地方の小さなプレス加工会社である当社が、日本が誇る最先端産業へと参入できた理由、それは、「決して、できないとは言わない」「納期や品質を絶対に守る」という、創業時から変わらない信念によるものです。

「できない理由ではなく、どうすればできるかを考える」
プロテックの創業者であり、現在は会長を務める木村義春の口癖です。当社を頼ってきたお客様からの相談事にはノーと言わず、試行錯誤を繰り返しながら期待に応え続けてきたことで技術力や応用力、創造力といったモノづくりに欠かせないスキルが磨かれていきました。そして、その技術はいつの間にか、最先端産業の部品製造に求められる高難度な課題を十分にクリアできる高みへと到達していたのです。さらに、年間売上の一定割合を目安に毎年設備投資を行うことで、最先端の金属加工機械や測定機を積極的に導入。人の力と設備の力の相乗効果によって、お客様の期待を上回る製品を作ってきたことが今日のプロテックを築き上げてきました。

現在、当社では世代交代を急ピッチで進めています。私が25歳で社長に就任したのも、その一環です。会長の木村が私にバトンを託した意味を考え、20代の私だからできること、やるべきことに果敢にチャレンジしながら、プロテックの新たな時代を切り拓いていきたいと考えています。

プロテックの企業紹介

歴史のある企業ですが、過去ではなく今の時代、そして未来を生きていく会社です。若手社員には会社に合わせようと委縮するのではなく、自分らしさを発揮してほしいです。

20代の新社長だからこそやれる変革と、創業者から受け継がれたスピリット

“Innovation for the Future”
今も、これからも、もっと先を目指して


当社が大切にしたい想いを込めたスローガンです。困難な壁にこそ挑戦して乗り越える、その信念は創業からこれまでも、そして、私が社長となったこれからも変わるものではありません。もっと先、さらなる高みを目指すにあたってのキーワードの一つが「新たな分野への進出」です。現在の事業の柱である半導体、航空機ともに盛況な業界ではありますが、それだけに満足していると成長はありません。また、お客様からの発注に100%依存した現在のビジネスモデルでは、取引先となる企業や業界の情勢によって売り上げが左右されてしまいます。精密な部品というカタチのあるモノづくりから枠を広げ、研究開発や製造システムの設計といった、自社で価値を創出できる企業への進化にチャレンジしていきます。

これからのプロテックを語る上で欠かせない、もう一つのキーワードが「AIやDXの活用」です。ChatGPTをはじめとする生成AIが発表された当時、私はまだ大学生でした。それからわずか数年の間に、世の中に広く浸透するまでに成長を遂げ、驚くべきスピードで進む社会の変容を目の当たりにしてきました。今後もあらゆる分野で進んでいくテクノロジーの進化、それに適合した製造業の在り方を模索して社内の変革を進めていくことも、新社長として私に課せられたミッションであると認識しています。

システムを主体とした業界では、数年前のセオリーが通用しないほどに産業の構造が一変しています。一方で、当社が属する製造業は、従来型の加工機械を用いて経験豊富な技術者が作業するというアナログな手法がまだ通用する余地があり、AIやDXの導入が社会のスタンダードからはワンテンポ遅れています。しかし、近い将来、それも急速にモノづくりの世界にもAIやDXが浸透し、それに適応できない企業は淘汰されていく時代が訪れることでしょう。だからこそ、残された短い猶予期間の間に、AIやDXを活用した新たな製造業のスタイルを確立していかねばなりません。私の社長就任をはじめ当社が急速な若返りを図っている背景には、このような製造業を取り巻く社会の変容に対する危機意識があるのです。

プロテックの企業紹介

各部門を支えてきた部長などのリーダー職と密にコミュニケーションを図り、相互理解を深めている最中。冨岡社長自らが、モノづくりの現場を理解することに努めている。

最新のAIと卓越した職人技を融合させて、モノづくりのイメージを変えていく

今後、当社が導入を検討しているのは、世の中を席巻している生成AIの一歩先を行く「フィジカルAI」と呼ばれる技術です。これは、コンピューターの中だけでAIが機能するのではなく、現実世界の物理的な法則をAIに学習させ、ロボットが周囲の環境の変化に対応しながら自動的に動けるようにすることを目指すというもの。当社の事業に置き換えて例えると、長年にわたって蓄積してきた技術やノウハウをAIが学習し、ベテランの職人でなければ行えなかった加工を、自動でやれるようになるのが「フィジカルAI」によって実現する未来です。

職人の経験や勘といった当社の財産とフィジカルAIを融合させることができれば、これまで数値化できなかったものが共通知として標準化されます。しかも、当社の場合、困難に挑み続けることで養われた技術者のスキルと設備力には絶対的な自信をもっているので、その共通知は極めて高い水準です。熟練した職人を有する当社だからこそ、最新のIT技術と融合できた際には品質、効率、安定性のハイレベルな両立が実現し、他社との大きな差別化が図れると考えています。その先で、製造業に対するイメージをポジティブでスマートなものへと変えていくことも、社長として取り組んでいきたいミッションです。

実現に向けてのハードルが高いことは覚悟しています。しかし、「できない理由ではなく、どうすればできるかを考える」、これが創業から脈々と受け継がれてきたプロテックの変わらぬスタイルです。私自身、これから始まる壮大なチャレンジにワクワクしています。

プロテックの企業紹介

職人技の世界から加工機械を操作するオペレーション業務へとモノづくりの現場はシフトしており、今後はさらに、AIやDXを駆使した自動化、標準化を目指していく。

企業研究のポイント

私から見て仕事ぶりが目に留まる社員の皆さんに共通しているのは、自分の仕事を楽しみながらやっているということです。「航空機の製造に関わりたい」「新しい加工機械を使ってみたい」など、それぞれの夢や目標をもって主体的に取り組んでいると、仕事のパフォーマンスも上がるものです。好きなことに没頭している人が一番強いと実感するので、企業研究においても「何が好きなのか」という原点を大切にしてください。

また、同じ業界であっても企業の規模によって、一人ひとりに課せられる役割は異なります。企業の規模が大きくなれば、それだけ関わる人の数が増え、個人の役割が細分化されていくのが一般的です。一方で当社の場合は小規模であるため、一つの部品を完成させるにあたって工程ごとに分業するのではなく、一人で最初から最後まで責任をもつケースが多いです。このような違いを踏まえて、モノづくりの中でもどんな仕事がしたいのかを意識しながら企業研究を深めてほしいと思います。

代表取締役社長
冨岡宥太

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半導体製造装置やジェットエンジンの精密な部品に求められる金属加工の精度はミクロン単位。不良品、納期遅れゼロという実績に、プロテックの技術の高さが表れている。

マイナビ編集部から

弱冠25歳の冨岡社長はモノづくりの現場経験に乏しいことなど、自身の弱点を冷静に分析しつつ、そんな自分が社長を任されたことの意味を自問し、AI時代における自社のビジョンや可能性を理論的に語ってくれた。

インタビュー中には、AIによって職人頼みだったモノづくりの工程を標準化、自動化させるというプロテックの未来の構想について多くの話を聞くことができたが、それは決して「人が必要なくなる」というわけではないと冨岡社長は強調する。

「加工装置を使って精密な金属部品というカタチのあるモノを作る以上、人の力が欠かせないことに変わりはありません。これから取り組んでいくのは、熟練した職人という1人だけだった“会社の宝”を、10人、20人と増やしていくための挑戦なのです」と冨岡社長。

「できない理由ではなく、どうすればできるかを考える」という信念を貫いてきたプロテックの圧倒的な武器である職人技と最先端のAIが融合した時に、どんなモノづくりが実現するのか。「Innovation for the Future」の企業理念の通り、果敢なチャレンジを続ける冨岡新社長率いる同社の未来が楽しみになった。

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こちらは加工研修で作製したバングル。技術力の向上が社員のモチベーションに直結している。 複合加工機や3D CAD/CAM、3次元測定機などの最新設備を有することが強みだ。

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