最終更新日:2025/6/1

中外製薬(株)

  • 上場企業

業種

  • 薬品

基本情報

本社
東京都

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

命への想いを、仕事の力に。MRの世界で、理想の働き方を実現した先輩の声

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患者さんを想う気持ちが、仕事を動かす原動力に!

真に全身全霊で打ち込める仕事とは何か? さまざまな実体験から医療の道に導かれ、MRの世界に飛び込んでいった木村さん。その仕事談義から伝わるのは想像以上に奥深く、やりがいに満ちたワークステージだった。

■木村祐世さん(2021年入社/法学部卒)
 茨城・栃木支店
新卒で入社し、MR(※)としての知識をイチから吸収。現在、大学附属病院を担当している。高度な医療知識が求められるうえ大きな責任感がつきまわる仕事だが、それだけ「やりがいも大きい」と語る。
※Medical Representatives(医薬情報担当者)の略称。

”命について真剣に考える”特別な時間を経験。充実した働き方を求めて中外製薬の門戸を叩く

私が医療業界に目を向けたのは、学生時代に遭遇した2つの出来事がきっかけです。1つは小学生の頃、父親が白血病を患った経験です。生命が危ぶまれる状況にまでなりましたが、幸いなことに現在も元気で過ごすことができています。これを機に、医療に関心を持つようになりました。もう1つは大学時代、医療業界に進むことを決定づけた出来事です。法学部に進んで医療と法律について学んでいたのですが、懇意にしていたゼミの教授が突然亡くなってしまったのです。その時、人の命に関わる仕事をしようと決意しました。

進路選定にあたって製薬業界に絞り込み、最終的に中外製薬への入社を決意。群馬栃木支店の配属となり、基幹病院・開業医を担当しながらMRの基礎を身につけていきました。毎日、先輩に同行して医療機関を訪れるのですが、最初は会話の内容について全く理解することができませんでした。なんとか話についていくには、とにかく知識を増やすしかありません。自己学習用の動画を何度も視聴し、勉強を進めました。分からないことがあれば気軽に尋ねられる雰囲気で、先輩も毎週時間を作ってくれたため、疑問点を解消しながら前に進むことができました。

とはいえ、ベテランMRから担当を引き継ぐ際、ドクターから「新人さんで大丈夫?」という言葉が投げかけられるのを目の当たりにしました。当然、自分のような若手が担当となることに不安があったのだと思います。いわば、マイナスからのスタートです。信頼を勝ち得るためには地道な積み重ねしかないと考え、頂いたメールはその日のうちに返すことを徹底するなど、素早いレスポンスを心がけました。
さらに、ドクターの考え方を尊重しつつも自分の意見をしっかり伝えるよう意識しました。抱えられている医療課題、その患者さんにとって何がベストなのかについて充分話し合った上で、自社製品を提案する根拠を臆せずお伝えするよう努めました。
こうした積み重ねでやがて多くのドクターから快く面談アポイントをいただけるようになり、良い関係を築くことができました。信頼獲得のためには、日々誠意をこめて向き合うことが大切だと身をもって学ばせていただきました。

木村さんの仕事風景

中外製薬のMRが手がけるのは、自社製品に関する情報の提供・収集ばかりではない。担当地域の医療課題解決に向けた地域医療コンサルタントとしての役割も担っている。

柔軟な対応力、知識のアップデートが求められる世界。「症状が改善された」の声が大きな励みに

MRの役割は、自社の医薬品を必要とする患者さんに確実に届けることです。医療用医薬品のスペシャリストとして、自社製品の有効性や安全性に関する情報の提供・収集を行います。さらに、中外製薬では担当地域における医療課題の解決に向けた、地域医療コンサルタントとしての活動も展開しています。
さらに、私は眼科領域の製品を統括するプロモーターも兼任しているため、各施設における面談や説明会・講演会の実施、チームマネジメントも手がけています。面談・説明会は、MRが医療関係者に製品や疾患、医療課題の解決に向けた情報を提供したり、意見交換を行ったりする場です。一方、講演会は医療関係者から他の医療関係者にむけた専門的な知見、最新情報の発信の場となります。講演会の規模は、全国規模のものから県単位のものまでさまざまです。県単位の講演会は、私自身が企画を担当することも多く、営業活動のみならず地域医療コンサルタントとして、担当エリアに重要な情報を届ける役割を担っているのです。

このように業務が多岐に渡るMRには、臨機応変に対応する力が求められます。例えば、私の場合は午前中にメールのやりとりや面談の準備。そして、昼から夕方にかけて面談アポイントを入れ、夜に講演会を実施するというのが基本的な1日の流れです。しかし、早朝に面談が入ることもあれば、19時以降のアポイントもあり、柔軟な対応が求められてきます。

しかし、あくまでMRが目指す最終ゴールは、医療関係者と同じ目線で患者さんのことを考え疾患の改善に貢献することにあります。そのためには、ドクターと対等に会話できなくてはなりません。医療の世界は日進月歩で進化しており、日々の勉強を欠かさず疾患に関する知識をアップデートしておくことが不可欠です。こうした努力を重ね、ドクターから「患者さんの状態が改善された」というお話を伺うと、なんとも言えない充足感に満たされますね。

木村さんの仕事風景

営業車を駆りアクティブに動き回る木村さん。時には車内でドクターと連絡を取り病院にかけつけることも。効率的な流れを組み立て、アクションを起こしていく仕事だ。

大学病院を一手に任され、新製品プロモーターにも抜擢。若くして高いスペシャリティを身につける

現在、私は県内にある大学附属病院のスペシャリティ領域を一手に任されています。担当施設の規模が大きくなったことで、仕事への向き合い方も変わってきました。まず、関わる人の数が飛躍的に増えましたね。例えば、医薬品を患者さんに投与するためにはあらかじめ会議での決議がいる場合もあり、それに先立ち発言権を持つキーパーソンとの調整が必要となります。その一方、基幹病院では難しかったことも、リソースが豊富な大学病院では実現できることもあります。医薬品をお届けする患者さんの数が増えると、提案の幅も一気に拡大します。このような可能性の広がりが仕事へのモチベーションにつながっていますね。

眼科領域の新製品プロモーターに抜擢されたことも、仕事の幅を広げるターニングポイントとなりました。プロモーターは医薬品・治療法の普及を推進するうえで大きな役割を担っています。眼科は中外製薬が本格参入に乗り出したばかりの新しい領域。医薬品の承認が下りる数ヵ月前からプロジェクトに参加し関連疾患の啓発活動、時には飛び込みで多くの人にお会いしながら、ネットワークを広げることから着手しました。モチベーション源となったのは、作用機序が異なる製品を1日も早く患者さんのもとに届けたいという強い気持ちでした。地道な取り組みと上司や周囲の方々からのサポートもあり、結果として2年連続で全国トップの達成率を挙げることができました。一方、2023年には地域連携など、MRの取り組みを発表する場である「中外学会」に応募。願いが叶い自らの活動について発表する機会をいただきました。

中外製薬のMRに求められる素養。それは、言われたことを素直に受け入れ、とにかくやってみる姿勢だと思います。加えて、医療への熱い想いも重要となってきます。
しかし、大学での専攻分野、理系/文系は関係ありません。MRとして活動するには、入社1年後にMR認定試験を受け合格する必要があります。入社前の1週間の研修や入社後数カ月にわたるMR導入研修を通して、実践的な知識がしっかり身につけられるようになっています。

木村さんの仕事風景

患者さん主体の医療を追求し続ける木村さん。未解決のニーズを起点に新たな製品を生み出し、多くの患者さんの困りごとにアプローチする環境をつくりたいと考えている。

企業研究のポイント

MRに限らず医療関連の業界をめざす方に着目して欲しいのは、その会社に浸透している価値観です。そこに共鳴できるなら、自分の想い描く働き方ができると考えます。かつて、中外製薬のMRが記した日報をテキストマイニングにかける機会があったのですが、「患者さん」というワードが最も大きく表示されていました。もしも、面談や説明会で製品についてばかり話していたなら、この結果にはならなかったでしょう。当社のMRがなにより患者さん一人ひとりの健康、幸せを第一に考えて行動してきたからだと思います。
さらに、MRというスペシャリティの高い職種を目指すなら、その会社で想い描くキャリア形成ができるかについてもチェックするべきだと思います。中外製薬では、2025年から幹部社員に導入されていたジョブ型人事制度が一般社員にも適用され始めました。これにより空席となっている全てのポジションが可視化され、各ポジションに必要な資格や経験、スキルが明確に定義されるようになりました。社員は自分が希望するポジションに手を挙げて挑戦できるようになり、想い描くキャリア形成が実現しやすくなっています。私自身もMRとしてのキャリアをしっかり積んだ後、幅広い業務にチャレンジしながら異なる視点から医療を見つめていきたいと考えています。

(木村 祐世さん)

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さらなるイノベーション創出を実現するのは「人財」であると考える同社。一人ひとりの能力と適性に応じた育成を目的に、タレントマネジメントの推進に力を注いできた。

マイナビ編集部から

ここでは中外製薬の強みにスポットをあててみたい。まず注目したいのは2002年に開始した、スイス・ロシュ社(150カ国以上でビジネス展開する世界有数の製薬企業)との戦略的アライアンスである。これにより、ロシュ・グループの画期的な医薬品を国内で独占販売できるようになると同時に、自社製品のグローバル展開がいっそう強化された。ちなみに、同社の売上収益は2002年ロシュ社との提携前と比較して約7倍に、営業収益も約21倍にまで増大している。
また創薬においては、国産初の抗体医薬品を創製したパイオニアとしてバイオ分野に強みを持つ点であろう。バイオ医薬品のひとつである「抗体医薬品」は、特定の細胞や分子にピンポイントで作用するため高い治療効果、副作用の軽減が期待できる。中外製薬は2005年、国産初の抗体医薬品を世に送り出すことに成功。その後、同社の創製品は9回にわたりFDA(米国食品医薬品局)が選出するBreakthrough Therapy(画期的治療薬)の指定を受けてきた。また、国内で研究開発を進めた自社創製品は今日、110カ国以上の国で承認を受けている(2025年2月末時点)。
一方、2023年より創薬研究の拠点として「中外ライフサイエンスパーク横浜」が稼働を開始。中外製薬の国内における創薬研究に関わる機能を集約することで、革新的な新薬を世界の患者さんにお届けする体制を整えている。

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中外製薬が目指すのは、革新的新薬の創出にこだわり「世界のヘルスケア産業のトップイノベーター」となること。その原動力は、言うまでもなく一人ひとりの社員である。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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