最終更新日:2025/7/28

早川ゴム(株)

業種

  • タイヤ・ゴム製品
  • 建材・エクステリア
  • 設備工事・設備設計
  • 医療用機器・医療関連
  • その他メーカー

基本情報

本社
広島県

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

創業100年超の“老舗ベンチャー”!? 「温故挑戦」の舞台の裏側に迫る。

  • 土木・建築系学部 専攻の先輩

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若手&ベテラン技術職たちにインタビュー!

2019年に創業100周年を迎えた『早川ゴム』。地元屈指の老舗企業でありながら、今なお新たな挑戦を続け、若い技術者が集まる同社の魅力とは何か。今春就任した本部長(取材当時)と若手技術者に話を聞いた。

<写真左から>
■技術本部 部長(取材当時) 一反田 康啓(2001年入社)
■技術本部 事業開発グループ 環境アメニティ技術チーム(取材当時) 藤井 拓門(2018年入社)
/愛知工業大学 工学部 建築学科
■技術本部 事業開発グループ 土木技術チーム(取材当時) 矢野 智也(2018年入社)
/福山大学 工学部 機械システム工学科

社内外の知恵と技術を総動員して、チーム一丸で挑戦&成長できる環境が気に入っています。

環境アメニティ技術チームでは住宅用・船舶用の制振材・防音材の開発をはじめ、お客さまからのご相談・お問い合わせ対応、お客さま先に赴いての性能試験・調査などを行っています。製品開発に数多くの試練があることは言うまでもありませんが、意外と大変なのは性能試験。特に私たちが相手にするのは目に見えない音や振動なので、それこそ目に見えないところに細かく配慮しなければ、正確かつ精密にその性能を評価することができません。上空を通り過ぎる飛行機やヘリコプターの音、周囲に張り巡らされた道路上の走行音、大型車の振動など。公害・騒音レベルでなければ普段あまり意識することはありませんが、私たちの日常には実にさまざまな音・振動が存在しています。そのことに配慮せず性能試験を行おうとすると想定外の音や振動がデータに影響し、本来の製品スペックを保証することができません。最近は測定機の性能も上がり、ひと昔前に比べるとずいぶん効率的にデータの採取ができるようになったとは聞きますが、それでも測定前にはしっかりと段取りを整えておくのが性能試験の鉄則。上空や通りの様子を確認し、いろんなことに神経を使いながら、正しく確実にデータ測定を行うことを心がけています。

業務上の苦労は小さくありませんが、それでも私がこの仕事を愛してやまないのは、ひとりで抱え込まず、社内外の人たちと協業・協力して取り組むことができるから。私は以前、別の会社で技術職を務めていましたが、当時はひとりで複数の案件を黙々とこなすことが多かったんです。一方当社は、何をするにもチームワークが基本。精神的な負担も少ないということもありますし、人との関わりを通じて知識やノウハウをどんどん膨らませることもできます。「こんなのあったら売れそうだよね」と新製品のアイデアを出し合うのも楽しく、いつか若手だけのチームで今まだこの世にない製品や技術をつくり出してみたいという夢も広がっています。
◇環境アメニティ技術チーム 藤井 拓門

『早川ゴム』の好きなところは?

子育てに対する理解の深さ。妻の出産時の特別有休や育休、時短勤務など、これほど充実した制度・環境が全ての社員に用意されているのは珍しいと思います。(藤井さん)

社会のここかしこで、自分の技術とアイデアが息づき続ける。その誇りが、最大のやりがい。

入社後しばらくは評価解析技術チームでゴムや塩ビ製品の解析・分析に従事。その後、現在のチームに配属され、4年余りの間に既存製品の改良や新製品開発に携わってきました。中でも印象に残っているのが「スパンシール誘発目地材」の改良設計。この製品は、コンクリートのひび割れを、狙った箇所にあえて発生させ、ひび割れから浸入してくる地下水等に対して止水効果を発揮させる製品で、従来は結束線で鉄筋に括りつけて施工していました。けれど結束線の扱いは施工者によってムラがあり、手間もかかります。そのため、誰でも簡単に手早く施工できるよう治具固定式への改良に取り組みはじめました。といっても、それは言うほど簡単ではありません。特に苦労したのは治具の形状・強度の選択。施工性を上げるためには扱いやすくなければなりませんが、小さすぎたり薄すぎたりすると固定力が足りなかったり、コンクリートの重みで歪んでしまったりする恐れもあります。実際、試作1作目では打設試験で大きく曲がり、一から設計し直すことに。強度テストや施工テストを繰り返し、ようやく完成したのは1年後。なかなか想定通りにいかず焦った時期もありましたが、今となっては積み重ねた苦労もよい思い出です。

とはいえ、私たちの仕事はそこで終わりではありません。安定的な生産のために必要な仕様書を揃えたり、自治体の承認や顧客提案向けの図面を作成したり。問合せがあれば現地での技術サポートも行います。営業担当とお客様の打ち合わせに同行することもしばしば。取引先の声が開発に生かされることも多いので、お客様と直接コミュニケーションをとれる機会を大事にしています。

この仕事の一番のやりがいは、自分の手がけた製品が世に出て、多くの人たちの日常を支える実感を得られること。多くの人の目に触れるものではありませんが、施工現場での「これ、いいね」という言葉は本当に嬉しいもの。これからもそんな風に誰かに求められ、喜ばれるものづくりに挑戦し続けたいと思っています。
◇土木技術チーム 矢野 智也

『早川ゴム』の好きなところは?

万全のワーク・ライフ・バランス。子育て支援だけでなく、休むべきときにしっかり休めるので、オンオフ切り替えながら公私ともに充実した毎日を送れています。(矢野さん)

新たな価値の創造は、想像を超える。だからこそ、失敗の中に光を見出す力を育てたい。

学生の中にはここで初めて『早川ゴム』の存在を知った、という方も多いでしょう。いえ、それどころか、当社製品を現場で施工する作業者の方であっても、社名にピンとこない人もいるくらいです。けれど業界の人なら商品名を聞けばまず間違いなく「ああ、あれね」となる。それが全国トップクラスのシェアを誇る「スパンシール」です。

「スパンシール」は、生コンクリートと一体化することにより地下水などが建築物に浸入するのを防ぐ止水製品。主に駅や駐車場、テレビ局などの地下施設に施工されています。国土が小さく地下を活用せざるを得ない日本においてはもはやなくてはならない資材ですが、実はこれは狙って生まれた製品ではありませんでした。きっかけは、ブチル再生ゴムの技術開発。研究途上で多くの試作を繰り返していたころ、大量の試作品を屋外に保管していました。そこにモルタルがこぼれてしまうという事態が起き、気づいたときにはモルタルと試作品が完全に一体化して、剥離できない状態になっていたのです。それに気づいたのが、当社の技術者。「この特性を生かして製品化できないか」と思い立ち、あらためて研究を重ねた末に、今や当社の代名詞と言えるほどまで成長した「スパンシール」を誕生させたのです。普通なら失敗で片づけられるような出来事やそこで覚えた違和感も、新たな可能性に繋げていく。とても当社らしいエピソードのひとつです。

私たちは、ただ製品の完成を目指しているわけではありません。成功へと近づいていく過程の失敗の積み重ねに、未来を変える重要なヒントが隠れている。そう考えるからこそ、若い技術者の育成においては特に、成功体験ではなく意欲と情熱をもってチャレンジする姿勢を重視しています。そもそも、新技術とはアイデアそのものですから、経験値に頼らないまっさらな発想力でなければ生み出せないものもあるでしょう。本部長を務める私の最大の使命は、そんな無限の可能性を秘めた若い芽を絶対に摘まず、のびのびと枝葉を広げさせること。現場の技術者たちにはとにかくトライ&エラーを繰り返し、何があってもめげない気持ちで挑戦し続けてほしいと思っています。
◇技術本部長 一反田 康啓

『早川ゴム』の好きなところは?

社員同士の距離がとても近いこと。技術の世界には、何気ない発想から芽吹くアイデアも多いので、研究開発職にとっても良い 環境が整っていると思います。(一反田さん)

企業研究のポイント

私が当社と出会ったきっかけは、CADオペレーターの募集広告。地元・福山では知られた会社でしたし、工学部出身なので「CADなら何とかなるかも」と挑戦してみることにしたんです。ところが、現在の上司とお話をする機会で「せっかく建築学科を出たんだから、技術職に挑戦しなさい」と言われました。驚きましたが、そのときの後押しがあったから技術職の道が拓かれたのだととても感謝しています。そんな私が思う企業研究のポイントは、自分の強みや長所が生かされる企業を見つけること。そして、そこをしっかりアピールすること。学歴・経歴からは分からない強みもあると思うので、積極的に自己PRすることが大切だと思います。(藤井さん)

私が当社に興味を持ったのは、ひと足早く入社していた知人に「地元(地方)の企業なのに福利厚生が充実していて、とにかく働きやすい」と聞いたから。もちろん事業内容や自分の知識が生かせるかどうかも確認はしましたが、一番重視したのは地元企業であることと環境の良さ。その後のイベントでの印象も知人の話と遜色なく、安心して飛び込むことができましたね。今は色々な方法で情報を探したり、調べたりすることができます。それでも、実際にそこで働く社員に会って話を聞くことができる機会には、積極的に参加したほうがいいと感じますね。(矢野さん)

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今春就任した一反田技術本部長と、2018年入社の若手技術者たち。年齢もキャリアも大きく離れてはいるが、「いったんさん」と気軽に呼ぶ姿に心の距離の近さがうかがえる。

マイナビ編集部から

『早川ゴム』の創業は1919(大正8)年。長い歴史を持つ広島県福山発祥の老舗メーカーだ。

そんな100年以上の歴史を紡いできた企業の取材で、一反田本部長をはじめとする社員の方たちの話ぶりや雰囲気に触れ、働きやすい会社なのだろうという印象を受けた。育児支援をはじめとする福利厚生・社内制度やライフ・ワーク・バランスが充実できるということはもちろん、若手もベテランもとにかくとても穏やかで、のびのびとした自由な気風に満ちていると感じた。この会社は100年を超える歴史を盤石な事業基盤として活用していることが実感できた。

今この世にない新たな価値は、一朝一夕に生まれるものではなく、トライ&エラーの繰り返しを必要とする。同社にはそんな挑戦を後押しする文化がある。未来への挑戦しようとする情熱を支えるのは、同社の歴史によって育まれた商材の力であり、事業基盤だろう。今の魅力的な商材をさらに改良したい、まだない商材を創造したいという意欲が持てる環境こそが『早川ゴム』という企業の力量そのものだ。

新たな価値を生み出したい、未来に貢献したいという想いを持つ人にとって、その想いを受けとめ、意欲的に働ける魅力的な企業となるだろう。

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建築物件ならその後約30年、土木なら50年以上もの長きにわたって自分の手がけた製品がこの世に残る。その壮大なやりがいを体験できる魅力的な仕事だ。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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