最終更新日:2026/2/12

(株)ドンク【DONQ】

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 食品
  • 専門店(食品・日用品)
  • 外食・レストラン
  • 給食・デリカ・フードビジネス

基本情報

本社
兵庫県

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

未経験から、世界の舞台へ!一流のパン職人に聞く、成長の秘訣とは――?

PHOTO

地道な作業をコツコツやり続けることが、将来の飛躍につながる!

技術指導部 合田知弘さん(2004年入社/専門学校卒)

2004年入社。北海道4店舗、大阪2店舗の店舗勤務を経て、大阪、東京、北海道のエリア支援室にて技術指導・管理を担当。現在は技術指導部に所属。ディビジョンマネジャーとして、全国の店舗の生産管理や技術指導に携わっている。2024年1月、フランス・パリで開催されるベーカリー界のワールドカップ「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジュリー」に日本代表選手として出場し、世界第3位入賞。

“ゼロ”からのスタートでも安心して学べる環境。大切なのは地道な作業をコツコツやり続けること!

技術指導部の一員として生産管理や技術指導に携わっている私ですが、学生時代からパン職人の道を志していたわけではありません。ハードロックが好きだった私は卒業後、音響の専門学校に進学。コンサートなどの音響に関わる仕事を目指す傍らバンド活動や飲食店でのアルバイトに精を出していました。卒業後はCDショップを経て、地元・札幌のベーカリーチェーンに入社。この時初めて製パン業界に足を踏み入れることになったわけですが、“パン屋で働いているといえば、友達に面白がってもらえるんじゃないか”という、軽いノリで転職を決めたのが正直なところでした。ただ、小学生の頃からプラモデルに熱中するなど、ものづくりが大好きだった私には、この仕事が性に合っていたのでしょう。パンづくりに携わるうちに仕事がどんどん面白くなり「もっと深く学びたい!」という気持ちが沸々と湧いてきたんです。そこで、本格的にパンづくりを学びたいと考え、高い技術力を持つ当社への入社を希望しました。

ベーカリーチェーンでパンづくりを経験していたとはいえ、専門的な知識やノウハウはほとんどなかった私にとって、ドンクに入社してからの毎日は新たな学びや発見ばかり。文字通り“ゼロ”からのスタートでしたが、わからないことに直面するたびに店長や先輩に教えてもらったり、海外研修などに参加させてもらったりしながら、美味しいパンをつくるために必要な技術を一つ一つ身に付けていきました。

店舗勤務だった当時を振り返ってみて実感するのは、「基本の大切さ」「地道な作業をコツコツとやり続けることの大切さ」です。パンづくりというとカタチをつくる工程や、色を付ける工程など“花形”の部分に注目しがちですが、表面的な知識や技術を覚えるだけでは肝心の“味“に結びつきません。美味しいパンをつくるためには、生地の扱い、温度と時間を緻密に管理するといった、人目につかない工程をいかに正確かつ丁寧にやり切るか。実直にやり続けられるかどうかが極めて重要なんです。頭と身体をきちんと連動させられるようになるまでには「百回やってできないことは千回やる。それでもできなければ1万回やる」くらいの気概とストイックさも必要ですが、こうした努力を努力と思うことなく、仕事の面白さ、喜びを見出していく。これができる方はパン職人に向いていると思いますね。

匠は語る!

「ドンクのいちばんの特徴は、仕込みから焼成までを店舗で一貫して行う『スクラッチベーカリー』であること。だからこそ店舗で働く社員の技術力向上が極めて重要なんです」

技術指導の傍ら、世界大会で第3位を獲得。世界で戦って得たものとは?

技術指導部のディビジョンマネジャーを務める私のミッションは、全国の店舗で安定した品質の商品を提供できるよう、職人のレベルに応じた技術指導を行うことです。パンづくりは気温や湿度の影響を大きく受ける上に、小麦粉やパン酵母をはじめとするパンの原材料は自然由来のものばかり。原材料の品質を完璧にコントロールするのは至難の業で、多少のバラツキは避けられません。くわえて当社は「スクラッチベーカリー」として、生地の仕込みから成形、焼成に至る全ての工程を各店舗で一貫して行っていますが、美味しいパンをつくるために敢えて難しい配合、難しい作り方を実践するのがドンク流です。こうした背景もあって、職人一人ひとりが高度な技術力を身につけていなければ、パンが規定通りに膨らまなかったり、狙い通りの味が出なかったりと品質にブレが出てしまうんです。だからこそ、きめ細かな技術指導が必要なんです。指導にあたって大事にしているのは「理論的・数値的な要素」と「感覚的な要素」をしっかりと掛け合わせること。パンを実際につくってみせてコツをつかんでもらうだけではなく、作業の目的や意味、理屈を理解してもらうようにしています。

技術指導に取り組む一方で、2024年1月には、フランス・パリで4年に1度開催されるパン職人のワールドカップ「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジュリー2024」に、日本代表の一員として出場しました。外国人の味覚にあったパンをつくるべく、歴代受賞者の皆さんの力を借りながら試行錯誤を重ね、バゲットや古代小麦を使ったパン、国産小麦や伊予柑、抹茶を使った日本らしさを感じさせるパンを出展しました。普段とは異なる小麦粉や水、機械を使わなければならなかった点や、現地での練習期間が1日しかなかった点など、世界大会ならではの苦労もありましたが、日本代表チームは「パン部門」にて見事3位を受賞。「せっかくなら優勝したかった……」という気持ちも山々ですが、世界のパン職人と競い合うことで新たな知見を得ることができたのは嬉しかったですね。特に欧米のパン職人の革新性には大きな刺激を受けました。

匠は語る!

「SNSでバズっているような華やかな商品も、すべては基本からの派生形です。美味しいパンをつくるためには生地の扱いなど、基本を抑えることが絶対に必要なんです」

AIやロボットには実現できない「手づくりの美味しさ」を追求!パンづくりの面白さとは?

ドンクに入社して約20年。店舗での仕事から世界大会までさまざまな経験を積んできましたが、パンづくりのいちばんの面白さは、小麦粉という原材料が生地になり、いろんな味やかたちのパンに生まれ変わっていくところ。そして、その可能性には無限の広がりがあり、常に新しいものが生み出されているところにあると思っています。本当に奥の深い世界ですし、製パン技術には“天井”がないんです。「これができたら百点満点」ということは絶対にありませんし、一度覚えた技術についても5年後、10年後になって「あぁ、これはそういう意味だったのか」と気付かされることも少なくない。これはパンづくりの難しさであると同時に、魅力的なところでもあると思っています。

私自身もまだまだ勉強の連続ですが、今後はドンクならではの“手づくりの美味しさ“を守り続けていける技術者の育成により一層力を入れていきたいと思っています。先ほども触れたように、ドンクが美味しい商品を安定してつくることができるのは、店舗でパン作りに励んでいる職人たちの高度な技術があってこそ。AIやロボットなどITがどんなに発展しようとも、自然素材ならではの微妙な違いを汲み取って、“手づくりの美味しさ”を完全に再現するのは不可能だと私は思います。人間と機械には埋めることのできない壁があり、人の手を介した美味しさは、機械には決して真似できないと思うんです。だからこそ、一人でも多くの技術者を輩出し、さらなる会社の成長を後押ししていきたい。これが現時点での私の目標です。

一人前のパン職人になるまでには長い時間と経験が求められますが、当社には、若手社員の質問に対して「わからない」という店長や先輩は一人もいません。製菓・製パンに関する事前知識や経験を問わず、中長期的な目標の実現に向けて地道な努力を継続できる人材、言われたことを実直にやり切ることができる人材。そして、仕事の面白さ、楽しさを自分で見つけることのできる人材が成長し、活躍できる環境が整っている会社だと自負しています。

匠は語る!

「講習会で習ったことを試してみてもうまくいかない。頭ではわかっても、体がついていかないこともあります。そんなときも諦めず、できるまでやり続ける姿勢が大切です」

企業研究のポイント

企業研究では給与や休暇など勤務条件に注目しがちですが、まずは「自分は何をやりたいのか」「どんなことが好きなのか」、そして「どんな人間になりたいのか」を真剣に考えることが大切だと思います。将来の理想像をできるだけ明確に描いた上で、長く働き続けられる環境が整っているのかどうか。どのような教育プログラムが整備されていて、仕事を通していかなるスキルを身に付けられるのか。どのようなかたちで自らの人間性を高めていけるかどうかに着目しながら会社選びを進めていただきたいですね。

本文でもお話ししましたが、事前知識や経験の有無を気にする必要は全くないと思います。当社を例にとると、入社当初は製菓・製パン学校出身者や経験者との差を感じることもあるかもしれませんが「あらゆることを吸収してやろう」という気持ちを持って、地道な努力を積み重ねていくことができれば、比較的早い段階で追いつき、追い抜くことができるはずです。興味ある分野に思い切って飛び込んでもらいたいですね。

PHOTO
「世界大会に出場するためには、厳しい社内予選、国内予選を勝ち抜かなくてはなりません。世界を目指し始めてから今回の受賞に至るまでには10年以上かかりました」

マイナビ編集部から

北海道から沖縄まで全国各地でベーカリーブランド「ドンク」「ジョアン」「ミニワン」を展開している「(株)ドンク」。今回、技術指導部で活躍中の合田さんにお話を伺って感銘を受けたのは、専門的な知識もノウハウもほぼ“ゼロ”で入社した彼が、技術力に徹底的に磨きを掛けて第一線のパン職人へと成長し、世界大会で第3位を獲得するまでに飛躍を遂げていることだった。

こうしたことが可能なのは、海外講師による製パン講習会や海外研修、パン製造技能士などの資格取得サポート制度など、教育・研修のための仕組みの充実もさることながら、会社全体に「人を育てるカルチャー」が浸透していることが大きいといっていいだろう。例えば、筆者がどんなに抽象的な質問を投げ掛けても、合田さんはときおりユーモアを交えながら、実に明快な回答を返してくれた。おそらく、技術指導を行う場面でも、相手の理解レベルを細かに汲み取りながら、パンづくりの知識やノウハウを伝えているはずだ。こうしたコミュニケーションを取ることができる人材が揃っているからこそ、これまで築き上げてきた技術を継承し、約180店舗で美味しいパンを安定的に提供できるのだろう。筆者はここに、創業以来約100年以上にわたって成長と進化を続ける同社の強み、魅力を垣間見た。専門的な知識やノウハウ、経験の有無は問わない。パンづくりに興味を持つすべての方に企業研究をお勧めしたい会社である。

PHOTO
各店舗でオリジナル商品を開発・販売できるのもドンクならではの特徴。最新のトレンドを読み解きながら、基本を見つめ直し、アレンジを行う絶好の機会になっているという。

トップへ

  1. トップ
  2. (株)ドンク【DONQ】の取材情報