最終更新日:2025/7/29

東京鉄鋼(株)【東証プライム上場】

  • 上場企業

業種

  • 鉄鋼
  • 金属製品
  • 建材・エクステリア
  • 環境・リサイクル

基本情報

本社
栃木県、東京都

取材情報

記事で読む社会科見学

超高層ビルや土木構造物に貢献。価値ある材料の提供を通し、都市を支える担い手に。

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鉄筋・継手製品で業界を革新。独自製品の特徴や仕事内容に迫る

<写真右から>
◎栗原 光司/開発部 新事業開発課/2015年入社/工学部機械工学科卒
◎伊丹 光平/営業部 技術営業二課/2015年入社/工学部建築都市環境学科卒

お客様ニーズを受けて新しい鉄筋・継手を開発している栗原さんと、お客様へトータルコスト削減の技術提案をしている伊丹さん。2人に、東京鉄鋼の製品が社会とどう関わり、どんな仕事の醍醐味があるかをインタビュー。

建築物だけでなくトンネルや橋梁にも貢献。大小の実験を繰り返し新製品につながる喜びは大きい(栗原さん)

建設現場では鉄筋をガスで加熱して接合する「ガス圧接」の方法が知られていますが、天候に左右されやすく、技術力ある作業者の高齢化や人手不足も深刻化しています。その問題点を解消するため、当社が開発したのがネジ節鉄筋「ネジテツコン」です。これは表面がネジ状の鉄筋で、継手(つぎて)を使うことで機械的に接合することができます。天候に左右されませんし、特殊技量も必要とせず、誰もが簡単に作業が進められるなどのメリットがあり、省力化や工期短縮といった部分で建設業界に革命をもたらしました。
今では当社の鉄筋・継手製品は建築・土木分野に幅広く使われ、欠かせないものとなっています。皆さんの身の周りでは、ランドマークや超高層ビル・マンション(特に柱や梁の部分)をはじめ、トンネル工事や橋梁の構造部材、LNG(液化天然ガス)の地下貯蓄タンク、鉄道高架橋に使用される耐震補強(RB工法)などに使われています。製品はコンクリートや土中で構造を支えるため表面的には見えませんが、省力化や工期短縮はもちろん、耐震化の面でも貢献。構造物を土台から支え、社会に安全・安心を与えているのです。
私は現在、当社の開発部新事業開発課に籍を置き、主に土木分野で使われる新しい製品開発や改良に打ち込んでいます。当社は大学との産学共同研究、ゼネコンとの共同研究も活発に行っています。技術提案の中で得られたお客様の声もフィードバックし、常に一歩先んじて新しいものを生み出す開発力が強みと感じています。
私の仕事は、製品の設計・試作・実験・データ解析など。実験を繰り返してデータを取得し、仕様を定め、第三者機関の評定・評価を受けることが製品開発の流れ。入社当初は上司や先輩の指示を仰ぎ実験をフォローする形でしたが、次第に裁量範囲は広がっています。
今、打ち込んでいるのは生産性・施工品質向上につながる「同列継手工法」(SRAC工法)の開発で、日々大小さまざまな実験を繰り返しています。実大サイズ10tの実験を計画し、実際に大きな壁を作って破壊して耐久性を調べたり、鉄筋単体あるいは継手だけの素材試験も行っています。これにより予想通りに満足いくデータが取れた時は嬉しいですし、開発したものが実際に土木構造物に使われた時には大きな達成感が得られます。

2人のプロフィール&製品を紹介

栗原さんは大学時代、新聞委員として地域と連携したイベントなどを取材し記事にした。今の趣味はテレビゲームやボードゲームで、みんなでワイワイ遊ぶことが好きだという。

ゼネコン設計者のニーズを読み、製品を提案。工期短縮の末、高層ビルができる充実感は大きい(伊丹さん)

開発部を起点に生み出された当社の製品群は、建築分野では全国の超高層ビルやマンションに採用されていますが、その原動力となっているのが私たち技術営業職です。営業部といっても技術営業的な動きを担っているのが当社の特徴で、私の部署では建築分野のゼネコンや設計事務所に対するコンサルティング・提案活動を日々行っています。
営業の流れとしては、飛び込みはほとんどなく、お客様の問い合わせや引き合いを受けてのルート営業が主。私は準大手ゼネコン様を担当。その設計担当者から建築計画や構造設計図を見せていただき、お客様が何を求めているのかをヒアリング。やはり工期短縮や省コスト化・省人化を図りたいという声が多く、それに対して当社の『ネジテツコン』などを提案。機械式継手であれば作業者の技量を問わないので、幅広い製品群から規模感や計画に適した製品をご提供できることをアピール。また製品の細かな仕様や問い合わせがあれば、栗原のいる開発部と連携を取ってお答えすることも。業界トップクラスの実績と品質を誇る当社ゆえに少し値段が高くなりますが、等級の高いものを使った方が強度を保てる上に少量ですむこともあってコスト抑制につながることもあります。その辺りを考えて、適切な鉄筋仕様プランを作成して提案します。どんな営業でも同じかと思いますが、お客様はできるだけ安く購入したい、当社としては適正価格でできるだけ利益を得たい意向があり、そのせめぎ合いが難しく、人間力や提案力が問われるところでもあります。
特に鉄筋先組工法と当社の製品の相性が良く、構造設計などの技術支援に留まらず、施工環境全体の改善をサポートできるところも当社の強み。工法やノウハウもフォローするため、現場に出向いてチェックし指導することも多いです。時に施工方法に不備があった時は、現場の監督や職人さんへの説明不足だったと反省し、改善することも。ただし、過密配筋の建物で施工不可能と思われていた現場が技術提案によって工期通りに施工可能になった時や、当社の製品を使って「人の省力化や工期短縮につながった、ありがとう」という言葉を頂いたりするとやりがいを感じます。高層ビルは鉄筋・継手で10万本超、売上も億を超えることもあり、超高層マンションなどに貢献できた時の達成感は大きいですよ。

2人のプロフィール&製品を紹介

伊丹さんは高校までは柔道部で活躍し、入社後はゴルフなども楽しむ。休日は海でキャンプしたりアウトドアも好き。栗原さんと一緒にインドアゲームを楽しむことも。

2人に質問。仕事に必要な資質&これからの目標は?

【栗原】当社の開発の仕事は、建築土木系の知識があった方がイメージしやすいですが、材料系や機械系の知識もまた生かせると思います。例えば鉄筋(棒鋼)の材料は鉄スクラップですし、継手は金属を鋳型に流し込んでつくる鋳物が素材です。実験では大型機械を使うこともあるので、私も学生時代に培った機械工学的な知識や、仮説を立てて実験、検証、実行という研究のPDCAサイクルも役立っています。また当社は資格取得のバックアップ体制があり、私は入社後にクレーンや玉掛けの資格を取得し、最近では機械式継手主任技能者資格も取得しました。
今後はいろいろな課題と向き合い、それを一つずつ解決しながら、将来的には「これは一から自分が創った」といえる製品をぜひ生み出したいですし、アイデアと創造力で付加価値の高い製品づくりの原動力になっていけたらいいですね。
【伊丹】私の課ではやはり建築系の知識、特に意匠系より構造系を専門にした人、構造設計に詳しいとお客様の言っていることもわかりやすくなります。特に構造設計図を読めると有利になりますし、CAD設計などをかじったことがある人もいいでしょう。とはいえ、入社後に覚えることが圧倒的に多く、私も入社5年目ですが、建築や構造設計に関しても不明点はまだたくさんあります。常に多くの建築物件に対応しながら、構造設計者とのコミュニケーションを深めてお客様に何を聞かれても答えられるようになりたいですね。将来は営業として成果を出し続け、もっと大手ゼネコン様の担当を任せてもらえるような存在が目標です。より良い提案や技術支援によって、「伊丹に頼みたい」と思われるような人間的にも技術的にも信頼感を持たれる営業になっていけたらと思います。

2人のプロフィール&製品を紹介

東京鉄鋼の「ネジテツコン」は専用の「継手(つぎて)」を使うことで、ガス圧接せず機械的に鉄筋同士を接合できる特徴を持つ。現場の省力化や効率化に大きく貢献している。

企業研究のポイント

【栗原】企業研究は、会社の扱っている「商品」や「サービス」を知ることが、すべてではありません。企業の「経営理念」や「社是」などを研究することも大事です。東京鉄鋼は「最良の製品」「最高の業績」「最善の職場」という社是のもと、製品やサービスの提供を通じて顧客満足はもちろん、社内で働く社員も満足する環境を作っています。私自身、説明会や面接で「まずは人ありきで、技術力はその上に積み上がる」といった良き社風を感じたことが大きかったです。それは、休日が取りやすく残業も少ない点や福利厚生施設の充実などにも表れています。この会社はどういう理念や考えを大切にしているかにも目を配って企業を調べると、より理解が深められるのではないでしょうか。
【伊丹】まず自分が関わりたい業界を決め、その業界にどんな職種があるのかを調べた方がいいと思います。建築業界というと、施工管理と設計の2職種を思い浮かべがちですが、当社のような建材メーカーも存在し、当社には私のような技術営業職や栗原のような開発職なども存在します。それぞれがどんな役割を果たしているのかを調べ、関わりたいと思った職種のある会社を調べ、不明点は説明会や面接で詳しく聞くといいでしょう。私自身、最初は意匠系を考えたのですが、思い通りに仕事できないことを知り、幅広い視点で業界・職種を捉え、その結果当社を見つけ材料から建築業界に貢献するという道を見つけました。

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部署の壁を越え情報交換する2人。鉄筋製品のブラッシュアップにより「省力化ソリューション」を業界に提供。「建築業界にも当社のような存在があることを知ってほしい」。

マイナビ編集部から

地震国・日本に超高層建築物が多い背景には、耐震性や耐久性に欠かせない「鉄筋コンクリート」の存在がある。そこに使われる「ネジテツコン」と呼ばれる独自の鉄筋・継手製品から工法支援までを提供し、広く建築・土木分野の省力化や工期短縮に貢献しているのが東京鉄鋼だ。今回上記に登場した2人は、開発部と技術部(営業)と部署は異なるものの人との対話が好きな点は共通。普段から情報交換や協力関係を取ることもあり、良き仲間意識も感じられた。同社は業界でトップクラスのシェアを維持し続けているが、どの部署も若手から役員クラスの間にも風通しが良い雰囲気がある。実際、役員クラスと若手が共に食事をするようなケースも多く、若手の意見に耳を傾けてくれるという。福利厚生も充実しており、年1回の厚生行事では社員それぞれに一定額が支給される。部署によって温泉旅行に出かけたり、高級レストランの食事を楽しんだりもできる。休みなどは箱根や熱海などの保養所施設を家族みんなで利用する社員も多いという。オンとオフのメリハリ良く、社員のやる気を高める社風があるのだ。近年、海外開発部によるグローバル戦略を果敢に進め、環境リサイクル事業も拡張している同社。“より良いものをより省コストで”という国内外の建設需要の高まりを受け、同社の存在価値はますます高まっていくだろう。

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東京本社の営業部フロア。役職など上下関係に捉われずコミュニケーションを取りやすい環境があり、若手ものびのびと活躍している。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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