最終更新日:2025/6/13

旭精工(株)

業種

  • 機械
  • 自動車・自動車部品
  • 機械設計
  • 医療用機器・医療関連
  • 精密機器

基本情報

本社
大阪府

取材情報

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ベアリングは“機械産業のコメ”。旭精工はなくてはならない技術を生み出しています

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成熟市場に新風を!ニーズに応える提案力、技術が強み

機械に不可欠なベアリング。その歴史は長く、成熟市場に見えますが、時代に応じてニーズは変わり、それをキャッチできるかが成長のカギ。旭精工は素早く変化を捉え、確立されていない技術に挑む研究開発型企業です。

産業機械に組み込まれ、機械をなめらかに動かすために使われるのが軸受(ベアリング)です。当社は1928年にボールベアリングの専門メーカーとして創業し、1951年には業界に先駆けて「ベアリングユニット」の国内生産を開始。そのパイオニアとして、現在も業界をリードする製品を市場に送り出しています。最前線で活躍する3人の先輩社員の仕事ぶりを、ぜひご覧ください。

■宗兼 圭司さん(写真右)
ユニット製造部 兼 商品開発
2007年入社

■加減 聖基さん(写真左)
軸受技術課
2014年入社

■辻林 伸之さん(写真中)
軸受技術課
2019年入社

時代の声に応える商品開発で、旭精工のアイデンティティを示したい

入社以来、軸受技術課で設計・開発に携わってきましたが、技術と製造の架け橋となるため、約7年前にユニット製造部に異動。ちょうどその頃、社内で「商品開発に注力しよう」という機運が高まり、技術をよく知る私を核とするプロジェクトチームが立ち上がりました。以来、私は製造部に身を置きながら“商品開発に特化する存在”として、他の社員とはちょっと異なる働き方をしています。

プロジェクトリーダーである私のミッションは、自社の強みをベースに会社がこれから目指すべき方向を見極めた商品開発を行うこと。技術課と開発課からローテーションで参加する若手たちを率い、意見交換しながら開発を進めています。現在、当社HPのトップページに掲載されている『高耐食ベアリング』も私たちが生みだした商品です。当社のベアリングユニットは各種工場のコンベアに採用されることが多いのですが、「サビにくい、衛生的なベアリングユニットがほしい」との声に応えたのがこの商品。従来からサビにくいステンレスを使ってきましたが、新たな材料、新たな熱処理技術を採用することで改善を図りました。市場に投じるまでに費やした期間は約3年。塩水噴霧や次亜塩素酸ナトリウム水溶液への浸漬など各種試験でも従来品との差が明確になり、“高耐食”が特長の新製品としてPR活動を進めています。すでに大手のビールメーカーや冷凍食品メーカーに導入されており、今後はサイズや形状の拡充展開を図りながら、食品関連会社以外の業界への拡販も目指しています。

顧客ニーズを吸い上げる情報収集の仕組づくりから始め、自ら開発の方向性を定め、試行錯誤しながらそれを形にする仕事は簡単ではありません。しかし、それを任され、やり遂げ、手掛けたモノが売れる喜びを味わえるのは開発ならではの醍醐味。自分たちのつくり上げた製品が自社のアイデンティティになることを、私はとても誇らしく思っています。今後は私同様のスタンスで開発に取り組む後進を育て、旭精工だからこそ生み出せる新たな商品を一緒につくっていけたらと考えています。(宗兼)

仕事をする上で大切にしているのは?

開発は未知に挑むのが仕事。蓄えた知識を超えて勝負するには自分で学ぶ・調べる・聞く・突き詰めることに加え、協力を仰げる人脈を築くことが大切だと思います。(宗兼)

提案から設計まですべてをこなす技術者として、まだまだ成長し続けたい

軸受技術課はベアリング設計に伴う原価計算から図面作成、選定、実験、お客様からの問い合わせ対応まで、技術にかかわることすべてに携わる部門です。食品工場や物流倉庫などで使われるコンベアや、町工場などで活躍するプレス機などにも当社のベアリングが搭載され、幅広い産業機械のなめらかな操作性に大いに貢献しています。なかでも当社が得意とする「ベアリングユニット」は容易に取付でき、過酷な環境にも耐えられるのが特長。最近手掛けた案件も、従来以上の耐熱仕様を求めるお客様のご要望に応えたものでした。

当社の標準品は推奨温度を常温~100℃に設定していますが、そのお客様からのご依頼は100℃以上の耐熱性能。当社ではこのニーズを具現化するため、技術者が直接お客様と向き合い、ご要望を引き出し、ご提案します。この時も営業とともにお客様先に出向き、ベアリング内部の構成部品や、内部すきまの変更など、標準品のカスタマイズにより、要望の耐熱温度を実現させることをご提案。どれを選択するかでコストも変わってきますので、お客様の意向を伺いながら最終的な方向性を絞り込んでいきました。当社は一品一様のものづくりが基本なので、毎回新たなご要望を受け、技術者自らその提案を行うのが当たり前。入社前はここまで提案に携わるとは思っていませんでしたが、今では“設計も提案もそつなくこなす技術者”へと成長することができました。

難しい案件が持ち込まれることが多いため苦労はありますが、自分の知識や経験を総動員してつくり上げたものが喜ばれ、お客様のお役に立てる達成感はひとしお。難しいご要望を形にするたび、やりがいを感じています。これからは自分が成長することはもちろん、部下や後輩への指導にも力を注ぎ、技術者として人として信頼される存在になりたいと思っています。
(加減)

仕事をする上で大切にしているのは?

難しい案件も絶対に断らず、どうやればできるかを考え、提案することを大切にしています。商談の際も丁寧な説明を心掛け、意思疎通を図ることも重視しています。(加減)

“一人前の技術者”になるために精進あるのみ!若手の視点を生かして活躍したい

私は幼い頃より、ものづくりに携わっていた父が、油まみれになって働く姿を見て育ちました。子ども心にその姿が誇らしく、かっこいいと憧れを抱くようになり、ものづくりを学ぶ工学部への進学を決めました。企業研究でも製造業を中心に活動を行い、自分も父のようにものづくりに携わりたいと当社を志望。ベアリングの存在は学生時代から知っていましたし、調べると旭精工はベアリングユニットのパイオニア。自宅のすぐそばにこんなすごい企業があったんだと驚いたのも、入社の後押しになりました。

入社後は社内のすべての部署を1年かけて回り、当社でのものづくりの流れを学んだ後、2年目から現在の軸受技術課に配属。OJTでCAD設計を教えてもらいながら、先輩のアシスタントとして少しずつ仕事を任されるようになりました。嬉しかったのは、予想より早く様々な挑戦をさせてもらえたこと。「やってみろ」と任せてもらい、できたものをチェックしてもらってミスがあればそれを直して再度チェック。こうして繰り返し教えてもらえるのでムリなく学ぶことができました。現在は「製品図面」を担当し、製品納入の際に必要な仕様や取り付け寸法、許容荷重などを記載した図面作成に携わっています。この図面は、営業担当者が製品説明する際に必要となる情報をすべて網羅することが鉄則なので、数をこなせばこなすほど営業のニーズを知ることができます。常に抜かりなく作成しているつもりですが、時には「これはどういうこと?」と質問されることもあります。きちんと答えられると手ごたえを感じますが、うまく説明できないと、まだまだだなと悔しくなります。

私は現在、「U-29(アンダー29)」という29歳以下の営業、技術が集まる新商品開発のプロジェクトにも参加しており、既存品に捉われない提案を行うとともに、製品化に伴うコストや販路など営業的な視点を学びながら新しいものづくりに取り組んでいます。若手にスポットを当てるチャンスをもらったので、それに応えるべく結果を残すのが目下の目標。上司や先輩から信頼される人材になるとともに、1日も早く一人前の技術者として胸を張れるようになりたいと思います。(辻林)

仕事をする上で大切にしているのは?

学生時代から「メモを取れ」と教えられてきましたが、私はイマイチ苦手で…。でも社会人になり、その必要性を痛感。現在はメモ魔と化し、なんでも記録しています。(辻林)

企業研究のポイント

【宗兼】HPはその会社の考え方が凝縮された情報源。特にトップページに何が掲載されているかで、会社の個性が明確になると思います。皆さんがどんな環境で働きたいかをよく考え、まずはHPから企業研究を始めみてはどうでしょう。当社は、やりたいことがある人材に対して積極的にチャンスを与えてくれる会社です。組織が大きいと仕事が細分化されますが、程よい規模の当社なら一から十まで携われる。そんな環境に魅力を感じてもらえたなら、ぜひ当社を企業研究の選択肢に加えていただきたいですね。

【加減】長く働くことを考えれば安定性と成長性は絶対に外せない。そう思って企業研究を行い、私は当社を選びました。軸になったのは“ものづくり”ですが、歴史ある会社=安定性、必要とされ続ける製品=将来性を考えた企業選びをして本当に良かった。やりたいことに携われる環境も重要ですが、志半ばで会社が無くなってしまっては意味がありません。企業研究の際には、意中の企業の経営基盤にもぜひ目を向けてみてください。

【辻林】企業研究では、とにかく行動することが大事。私はHPやポータルサイトでの情報収集はもちろん、大学のキャリアセンターもフルに活用していました。いくら成績優秀でも行動しなければ企業との出会いもないですし、企業から見つけてもらうこともできません。悔いのないように全力で行動すれば、必ず素晴らしい出会いが待っていると思います。

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旭精工の代表製品となる「ベアリング(軸受)ユニット」のほか、「クラッチ・ブレーキ」「直線運動機器」など多彩な製品であらゆる産業を支えています。

マイナビ編集部から

「ベアリング」と聞いてもピンとこない人もいるかもしれないが、ありとあらゆる機械の回転部分に使われているのがこの部品。“機械産業のコメ”と呼ばれ、産業機械業界では“食に欠かせない米のようになくてはならない存在”として知られている。旭精工はそんなベアリングのメーカーとして90年以上の歴史を誇る老舗企業だ。なかでも業界に先駆けて生み出した「ベアリングユニット」は同社を代表する製品となっており、ASAHIの名は国内外で広く認知されている。

長い歴史を誇る同社だが、その社風は先進的で、新たなチャレンジをいとわない。そのための人材教育にも力を注ぎ、技術・製造を問わず3D CADや工作機械の操作を学ぶ。こうして多能工の育成を目指すとともに、一人ひとりのキャリアパスを見据えた通信教育の受講も推奨し、各種資格取得も支援している。若手のうちからチャンスを与え、責任ある仕事を任せるのも教育の一環なのだ。

また、その一方で社員の働きやすさにも気を配り、オンオフのメリハリある環境も整備。年間休日120日以上、有給休暇 最大20日付与、残業ほぼナシという環境があるからこそ、プライベートの充実や産育休取得後の復帰、家庭と仕事の両立が実現できるのだと感じた。安定した環境で仕事に打ち込み、自分の時間も大切にできる。旭精工ならそんな社会人生活も夢ではないだろう。

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堺市にある本社・工場を核に、東京、名古屋、北九州など国内9拠点のほか、シカゴ(米国)、深セン(中国)にも事業所を展開。旭精工は世界に名を馳せるメーカーなのだ。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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