最終更新日:2026/7/21

大阪ガスケミカル(株)

業種

  • 化学
  • 繊維
  • プラスチック

基本情報

本社
大阪府

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

社会人ドクターを取得。その研究をベースに未来の活性炭製品の開発に挑む

  • 理系学科系統 専攻の先輩

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用途や可能性が広がる「活性炭」は、魅力ある研究テーマです!

大学院時代に炭素素材系の研究に面白さを感じた石田さんは、入社後に「活性炭」の商品開発に携わり、新たな研究に取り組むために社会人ドクターを取得。これまでの苦労と喜び、今後の目標などについて伺いました。

石田 俊さん
活性炭事業部
グローバルR&Dイノベーションセンター
テクニカルイノベーションチーム
2017年入社
大阪大学大学院 工学研究科修了

*これまでの経歴*
2017年 活性炭事業部 研究開発部 商品開発チームに配属
2023年 長崎大学大学院 工学研究科(在職中に進学)
2025年 活性炭事業部 グローバルR&Dイノベーションセンター
テクニカルイノベーションチーム(GIC)に異動
2026年 同大学院にて社会人ドクターを取得

新たな製品開発に挑戦するため、社会人ドクター取得を目指す

入社後は、研究開発部の商品開発チームに配属され、数年間は空気清浄機などに使用される活性炭の開発を担当しましたが、その後、研究開発部よりもさらに先の未来を見据えた研究を行うグローバルR&Dイノベーションセンター(GIC)に異動。窒素発生装置などに組み込まれて使用される、分子ふるい炭素と呼ばれる活性炭の開発に取り組みました。

分子ふるい炭素は、空気中の酸素と窒素や、バイオガス中のメタンと二酸化炭素などを分けられる製品。そもそも活性炭とは、細孔(微細な孔)が無数にあいた炭で、さまざまな分子を吸着できることから、浄水場などでの水の浄化や空気清浄機などでの脱臭用途など幅広い分野で使用されています。分子ふるい炭素は一般的な活性炭に比べて細孔の大きさが極めて厳密に制御されており、分離対象分子の大きさの違いによって、それらを分離することができるのが特徴です。酸素と窒素はその差が0.02nmと非常にわずかですが、それを分けることができる点が当社の強みとなっています。
ある時、上司と「酸素と窒素を分離できるのであれば、水に溶けた金属イオンの分離も可能かもしれない」と話したことが、新たな研究の着想につながりました。金属イオンの大きさに合わせて分子ふるい炭素の細孔径を制御し、高い精度で分離する方法は従来に例が少なく、実現すればさまざまな分野への応用が期待できる技術です。しかし、その原理の解明は容易ではありません。そこで、以前からNEDOの国家プロジェクトでご一緒していた先生からのお誘いもあり、博士課程に進学、大学と共同で研究を進めることになりました。博士号を取得すれば、自身の研究者としての価値にもつながり、また、博士号を取得したからこそ得られる知見を社会に活かしたいと考え、挑戦することを決意しました。

当時、共同研究を行っていた長崎大学大学院工学研究科へ2023年4月に入学。これまで通り会社に出勤しながら、1日の半分は大学での研究活動、残りの時間を通常業務に充てていました。研究と仕事の両立は思った以上に苦労が多かったですね。今までと比較して業務量は1.5倍となり、未知のテーマに対して試行錯誤を繰り返す日々が続きました。

石田さんの仕事場に潜入!

試作品の実験・分析データをもとに評価。「大学院時代から実験装置や分析機器を改良することが好きで、社会人になってからも自分で機械を触ることが多いですね」

「金属イオンの分離」をテーマにした研究成果を学会で発表し、ポスター賞を受賞

大学での研究活動は、主に一人で取り組みました。これまで実績がなかったため、1年目はまさに手探り状態。活性炭材料の合成方法を検討しては試行を重ね、実験装置や分析機器についても、自ら改良をしていきました。特に苦労したのはデータの評価方法についてです。周りに知見のある人がおらず、データの解釈が適切かどうか判断できない状況でした。そのため、論文や参考文献を調べ、大学の先生と何度も議論を重ねる中で、自身の解釈の妥当性を探っていきました。

最初の2年間は思ったような成果が得られず、製品の開発業務も並行して進めていたため、試練の時期でした。それでもダラダラと続けるのではなく、3年間という決められた期間内に博士号を取得したいという強い思いで取り組みを続けました。その結果、3年目には金属イオンが思ったように分離するようになり、研究の面白さを実感できるようになりました。これらの実験・分析結果をもとに、理論に基づいた考察を行い、学術論文をジャーナルに投稿。レビュアーからの度重なる指摘に対応し、修正を重ねる過程は大きな負担を伴いましたが、最終的には無事アクセプトされました。

研究成果は、学術論文以外にもフランスで開催された国際会議Carbon2025や日本吸着学会研究発表会などで発表。現地では著名な研究者による最新の研究発表を聞く機会もあり、今後の研究活動に大きな影響を受けました。また、日本吸着学会ではポスター賞を受賞し、大きな励みになりました。

この3年間は困難も多くありましたが、自身のやりたいテーマであり、好きなことに挑戦できたからこそ、最後までやり遂げることができたと思います。加えて、これまで業務上で関わることのなかった電気化学という新しい分野の知識を得られたことは、自身の幅を広げるとともに財産になったと感じています。

石田さんの仕事場に潜入!

チーム内の上司や先輩、他部署のメンバーとも積極的に意見交換。「年次や役職、部署の枠を越えて、誰とでも気軽に会話ができる風通しのいい職場です」

これからはパートナー企業と連携し、世の中に製品を送り出すことが目標に!

現在、所属するGICは、5年・10年先を見据えた新しい製品を研究開発する部署。日々、メンバー同士で意見を共有しながら、その実現に向けて取り組んでいます。私は、「金属イオンを分離する活性炭を世に送り出す」というテーマで、さらに研究開発を進めています。例えば、海水にはリチウムやナトリウム、カリウムなどが溶け込んでいます。その中からリチウムのみを回収できれば、現在世界中で大きな需要のあるリチウムイオン電池(電気自動車やパソコン、スマートフォンなどに利用)の材料として活用でき、次世代の事業につながる可能性があります。

学生時代の研究は、新しい成果を生み出すこと自体に価値がありますが、企業においては、工場での量産体制や品質保証、市場で受け入れられるのかといった点も考慮する必要があります。当社では、研究所にこもって研究開発を行うだけではなく、モノづくりの現場である工場やその他さまざまな部署のメンバーと連携しながら、ともにモノづくりに携わり、お客さまに製品を届けるまで責任を持って取り組みます。業務の範囲は幅広く、原料調達やお客さまに製品を届ける物流に関する課題にも、他部署と連携しながら取り組んだ経験があります。多くのメンバーと連携して課題を乗り越え、無事に解決し、お客さまに満足いただけたときが嬉しい瞬間。業務の範囲が幅広いからこそ、大きなやりがいを感じることができます。

年次を問わずに、自ら提案や行動を行うメンバーには責任のある仕事を任せてもらえる点も当社の魅力です。部署や役職を越えてフラットに意見交換ができる環境があり、上司や先輩とディスカッションをしながら成長できる、多様な専門性を持つ技術者と協働できる環境が整っています。その中で、これからもSDGsの実現や社会に貢献できる製品開発に挑戦し続けていきたいと思います。

石田さんの仕事場に潜入!

「商品開発チーム時代には、空気清浄機などに使用される活性炭の開発を担当。活性炭の表面に薬品を添着させ、特定の物質を効率的に吸着する添着炭などを手がけました」

企業研究のポイント

自分が興味・関心を持てる分野を軸に企業研究を進めてみてください。私自身、大学院で炭素材料の研究に携わった経験から、その分野の可能性に魅力を感じ、研究開発の道を選びました。仕事では困難に直面することもありますが、興味の持てる分野であれば前向きに取り組み続けることができると感じています。

また、インターンシップなどに参加し、職場の雰囲気や社員の方の働き方を実際に確かめることも重要です。実際に足を運ぶことで、リアルな企業の特徴や、現場ならではの考え方に触れることができます。加えて、事業内容だけでなく、企業の安定性や立地、働く環境なども含めて、多面的に情報を集めることが大切だと思います。

大阪ガスケミカル(株)は、研究所が大阪市内にあるので通勤に便利で、福利厚生制度が整っており、ライフスタイルに合わせて柔軟に働けることも魅力です。また、さまざまな面でDaigasグループの大きさを感じることもあります。ぜひ、自分の将来の姿をイメージしながら多面的に企業研究を行ってみてください。

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とにかく仕事と研究が大好きな石田さんは、その熱意を活かして社会人ドクターを取得。これからも次世代を見据えながら新しい製品開発に果敢に挑戦していきたいと語る。

マイナビ編集部から

大阪ガスケミカルは、Daigasグループの成長を牽引する中核企業の一つ。「ファイン材料事業」「保存剤事業」「炭素材料事業」「活性炭事業」の、4つの事業を展開する総合化学メーカーである。1931年の設立以来、それぞれの分野で製品開発に取り組み、各分野で世界中の人々の暮らしに無くてはならない素材を提供し続けてきた。

中でも同社の活性炭は、“白鷺”ブランドとして100年近い歴史を持つ。活性炭と聞くと冷蔵庫の脱臭剤や家庭用浄水器カートリッジなどをイメージする人が多いと思うが、水や空気の浄化を中心に工業水処理、溶剤回収、空気清浄機、医療用、工業用脱臭など幅広い分野で活用されている。2014年には活性炭の製造・販売を手がけるJacobi Carbonsをグループに加え、世界に広がるグローバル活性炭メーカーとして世界100カ国以上に製品を供給している。

そして、このような実績に安住することなく、現在も新しいテーマへの挑戦が日々進められている。今回取材をした石田さんは、新しい研究テーマに挑むために社会人ドクターとして博士号の取得を目指し、現在はその成果をもとに次世代の製品開発に取り組んでいる。本人の意欲や情熱はもちろんだが、それを理解して支えてくれる上司や先輩、チャレンジを良しとする会社の風土が根底にあるからこそ実現できる。研究開発を進める上で、恵まれた環境が整っていると感じた。

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大阪中心地から約30分の好立地にある研究開発拠点。「通勤に便利でワークライフバランスを大切にできる」と社員のみなさんの高い満足度や定着率に繋がっている。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2027に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2028年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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