最終更新日:2026/6/8

(株)ツジセル

業種

  • 商社(その他製品)

基本情報

本社
東京都、大阪府

取材情報

経営者の視点

キャラクタービジネスで世界に挑む。成長企業の戦略とは?

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事業転換で切り拓いた新たな未来

辻 宗一郎
代表取締役

国内外の多くの人気キャラクターの商品企画から、売り場づくりまでを一貫して担うツジセル。キャラクタービジネスには長く携わってきたものの、かつては事業の一つに過ぎなかったという。約4年前、辻宗一郎代表が就任してからは、キャラクタービジネスの専門家集団に舵を切り、この短期間で確かな成長を遂げてきた。業界内で存在感を高める同社の取り組みと競争優位性などについて、辻代表から話を聞いてみた。

キャラクター商品の企画から製造、販売までを一気通貫して行う

キャラクターや作品そのものが持つ権利は、一般的に「IP(知的財産)」と呼ばれています。私たちツジセルでは、映画・アニメ・漫画・イラストといった多様なクリエイティブ活動から生まれたIPを活用して、ぬいぐるみやおもちゃ、ステーショナリー、化粧品など多様なグッズを世に送り出しています。

キャラクターの権利元や、全国にネットワークを広げる小売店をはじめとするクライアントに対して、キャラクターグッズの企画から提案、商品化までを一気通貫して行えるのが当社の強み。キャラクターごとにアーリーアダプター層に向けた展開か、マス市場に広げる段階かを見極めながら、最適な売り方を設計することができます。そして単に商品を並べるのではなく、売り場づくりを通してキャラクターの魅力が伝わる“購入体験”そのものの設計を大事にしています。また、源流が問屋であるため自社外の商品も柔軟に組み合わせながら、キャラクターとお客様に最適な売り方や品ぞろえを実現することもできています。

今でこそIPに特化した事業を営んでいるツジセルですが、1953年に大阪で創業した当時は生活雑貨の問屋として事業を営んでいました。社名の“セル”はセルロイドから取っており、セルロイド製のテーブルクロスなどを得意分野としていました。そこから衣料や生活雑貨といった商材に領域を広げ、30年ほど前にはファンシーショップ向けの流通問屋としての地位を確立。全国約450店舗にわたるファンシーショップと取引するなど、目覚ましい発展を遂げました。

しかしながら、問屋業だけでは価格競争に巻き込まれてしまうケースが多く、より基盤を盤石にするためにも約20年前にはファンシーショップ向けのオリジナルグッズのOEM開発に着手。企画デザインは自社、製造は外部というファブレスメーカーとしての色合いが濃くなりました。

当時はキャラクターやIPに特化せず、さまざまなオリジナル商品を作っていましたが、ノンIPの商品は差別化が難しく、仮にヒットしてもすぐに模倣されてしまい、価値が落ちてしまうのが悩みの種でした。特に、便利な機能を持つだけの商品は、技術の進歩によって誰が作っても差がつきにくいコモディティ化の時代を迎えていました。その中で「私たちらしく社会に貢献できることは何か」を問い直した結果、導き出したのが当社が長年得意としてきた「キャラクターグッズ」の領域です。

ツジセルとは何か

問屋として創業したツジセルは独自商品開発にフィールドを広げ、キャラクタービジネスへと大きく舵を切った。市場の変化を読み、事業モデルを変えてきた点に強みがある。

事業転換後、わずか数年で売り上げが100億円を突破

2018年頃からキャラクタービジネスの専門家集団に事業形態を変えていこうと模索し続けていましたが、正式にキャラクタービジネスに特化したのは、私が経営トップに就任した約4年前のことでした。おかげさまで以前は年間50億円だった売り上げが、2026年の着地予想では130億円にまで拡大する見込みです。インバウンド需要の急加速、キャラクター市場全体の盛り上がりも後押しになりましたが、そうした時流に乗るためにもさまざまな角度から試行錯誤を繰り返していました。

実際、キャラクタービジネスへの転換を決めたものの、対外的にはファンシーショップの問屋とのイメージが強かったことから、まずはリブランディングからスタート。名刺やWebサイト、オフィスを変えていきました。さらには問屋という意識が強く残る社員の意識改革にも注力しました。長年大切にしてきた顧客第一主義を貫きつつも、ファンやクリエイターも含めてそのキャラクターに関わる人すべてに喜んでもらえるビジネスにするといった考え方の浸透に努めました。

そうした中で、会社としてのポジションを上げてくれたのは、小売店舗チェーンA社に向けて新キャラクターのプロモーションを提案し、A社で新キャラクター歴代1位の売り上げを記録した案件でした。そもそもライセンサー側にA社で販売したいとの強い要望があり、つながりのあったツジセルが商品企画を持ち込んだという背景があります。

当社は問屋でもありますから、該当キャラクターのグッズを既に販売しているメーカーにも声をかけ、大々的に売り場づくりをプロモーション。複数メーカーを巻き込みながら売り場全体を設計し、キャラクターの世界観を体現する場を構築したことが大きな成果につながりました。この成功をきっかけにキャラクタービジネスにおける当社の価値がますます高まり、過去最高売り上げに向かう大きなエネルギーとなったのだと思います。

ツジセルとは何か

営業たちは商品企画や提案、売り場づくりまで担う「企画営業」として活動している。顧客の声を起点に、新たな商品やプロジェクトを生み出し、未知なる価値を創造してきた。

世界に通じるツジセルを目指す

私は30代にして代表取締役となりましたが、父である現会長もまた祖父から30代で会社を引き継いでいます。流れが極めて速いビジネスだけに、市場を作る若いファンと世代が近く、その時代のカルチャーに慣れ親しんでいる人間の方が、経営判断しやすいという点は大きなメリットであり、キャラクタービジネスへの移行も思い切って進めることができました。もっとも過去70年にわたって積み重ねた信頼があってこそ、新分野に挑戦できているのは間違いありません。土台としての歴史を大切にしながら、現代にマッチする形でアップデートしてきたことも、今日の隆盛につながっています。

かつてキャラクターグッズは、一定の年齢が来ると“卒業”する世界だといわれていました。しかし、今はステージを積み上げた大人も、好きなキャラクターと人生をともにするのが当たり前の文化となり、市場が大きく広がっています。また、ファン層の拡大に供給側が追い付いていないことも多々あります。当社では新たな領域のチャレンジも積極的に行い、よりキャラクターの力で社会を幸せにできるように日々働いています。

将来的には、日本中のクリエイターや権利元、メーカー、流通会社と手を組んで、日本が誇る素晴らしいキャラクター文化を世界に届けていきたいと考えています。また、現在、販路としてはファンシーショップの枠を越えて拡大できていますが、カプセルトイやプライズの領域については開拓の余地があるので着実に実績を残していく所存です。

その中では、未来を担う若手たちには大いに期待しています。過去には、新卒で入社し30代で役員となり、40代でグループ会社の社長を務める社員もいるなど、年次を問わずに活躍できるチャンスは十分に存在しています。新人研修に関しては私自身も接点を持って、キャラクター業界のビジネスモデルを解説しながら、当社のビジョンを直接伝えていくつもりです。キャリアを重ねる上でのステップアップについて指導するため、私との1on1での面談も実施しています。濃密に社員と対話しながらツジセルの未来を開拓したいと思っています。

ツジセルとは何か

国内市場の縮小を見据え、インバウンド需要や海外展開を視野にキャラクタービジネスを強化。将来的にはライセンサー機能まで網羅し、この業界を牽引するビジョンも有する。

企業研究のポイント

定年までの現役時代、睡眠などを除いた活動時間の5割は仕事の時間です。この人生における大事な長い時間を「ただの労働」にするか、「自分を豊かにする時間」にするかで、その人の人生は全く違うものになります。社会に貢献できている感覚を持てる仕事であれば、やりがいをもって働き続けられるはずですから、企業研究の際は、自分がどういう形で世の中を支えていきたいのかという視点で企業を調べることをおすすめします。

中には「何がやりたいかわからない」という方もいるかもしれません。そういう方たちは、まだ人生の経験値を蓄えている真っ最中なのだと思います。だからこそ、意識的にいつもの行動範囲を一歩踏み出し、多くの物事に触れてみてください。例えば、読書が趣味だった人が山に登ってみたり、スポーツが好きな人がアートに触れてみたり。そんな「いつもとは違う選択」が、新たな自分との出会いを生みます。今は点に過ぎない経験も、いつか点がつながり、あなたの将来の可能性を大きく広げてくれるかもしれません。

その中でキャラクタービジネスに興味を持っていただけたら非常に嬉しいです。自分が関係したキャラクターグッズが店頭に並び、手に取って喜ぶ人の姿を目にしたり、SNS上で好意的な反応に触れたりできるのは、非常にやりがいの大きなこと。ぜひキャラクタービジネスを深く調べてください。

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東京の拠点の平均年齢は30歳前後と、若手中心の組織構成となっている。比較的若い段階から企画や判断に関わる機会があり、成長スピードの速い環境が整っている。

マイナビ編集部から

ツジセルではキャラクターグッズの企画から流通管理、プロモーション、売り場づくりまでを総合的に担うことで、人々の心を明るく元気にする商品を広く世の中に届け、社会に貢献を果たそうとしている。若くして経営トップに就任した辻代表が中心となって、IP・キャラクター領域にシフトしたのはこの4~5年のこと。短期間で目覚ましい実績を残しているだけに、今後のさらなる発展が大きく期待される。

2026年には大阪本社の近くに新たに大阪営業所を開設し、さらには東京の拠点もリニューアル予定。東京には今後、ショールームを設置して、同社の実績がイメージしやすい場にするという。クリエイティブな視点が必要なビジネスだけに、オフィス環境が整うことで、斬新なアイディアがいっそう生まれやすくなるだろう。

キャラクタービジネスというと、作品やキャラクターに関してマニアックに知らなくてはならないと思う人もいるかもしれない。しかし、社員たちは“好き”だという気持ちはもちろん持っているものの、全員がコアなファンほど深く精通しているわけではないという。キャラクターや作品の良きファンでありつつ、ビジネスとして成立させるために冷静かつ論理的な思考を持ってチャレンジを重ねていく。そんなタイプには同社は大きな活躍の場が広がっていると感じた。

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残業時間は月平均5時間程度。月~金曜日の5連続のリフレッシュ休暇が取得可能で、2回の土日と合わせて9連休を取って海外に出かける社員も少なくない。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2027に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2028年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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