先輩たちの就活体験記
自分と向き合うのが就職活動
真剣に向き合うほど成功に近づける
2022年入社
パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
雨郡 利佳さん
- 心臓機能障がい(内部障がい)

- 説明会参加:約20社
- エントリー:約7社
- 面接:2社
- 10年後の自身のキャリア
- 学生時代に乗り越えた困難、その回避または解決方法
- コミュニケーションで最も必要なことは?
- 障がいの現状、必要な配慮・サポート
どのような就職活動をされましたか?
私が就職活動を意識し始めたのは大学3年生の秋でした。ただしそこに至るまで、自分の中で整理しなければならないことがいくつかありました。私は生まれつきの心臓機能障がいがあり、周りの友人たちと比べると体力が何割か少なく、いくつか行動制限もあります。しかし外からは見えない障がいのため、中高生の頃は私自身、自分の障がいを意識したことがほとんどありませんでした。自分の体と改めて向き合ったのは大学生になってから。将来について考える中で、初めて障がい者手帳を持つことにしました。
就職活動のスタートにあたっては、主治医の先生から「就職するなら障がいを理解してくれる企業が良いのではないか。長く仕事を続けることを考慮して、あなたのためになる働き方ができる企業に」とアドバイスをいただきました。3年生の秋に障がい者の採用をしている企業を探し、座談会にも参加しました。そこでその後に第一志望となるパナソニックを知り、翌年1月には同社のインターンシップにも参加しました。インターンシップの内容はいわゆるシャッター商店街の復興策を練るといった内容で、興味深く取り組めました。

私は障がいのある友人がいないので、障がい者採用の情報は自分で収集するしかありませんでした。それでも身近な友人の存在は大きかったです。それぞれが違う業界を志していたため、面接の練習相手になってくれた時も、全く別の視点から鋭い質問を投げかけてくれ、良いシミュレーションになりました。また、面接官の経験もある父親にも、対面型の面接の練習相手になってもらいましたが、それはすごく緊張しました。事前に本番のような状況を体感できたのも、良い経験になりました。
振り返ると、主治医の先生・父親・友人など、さまざまな立場の人にアドバイスをもらいながら進められた就職活動でした。
今の会社を選んだ理由を教えてください。
「大学生になってから、改めて自分の将来や体と向き合う」という自分の気持ちの変化が起きた中で、パナソニックはまさに私の将来と障がいの状態に、しっかりと向き合ってくれた点が、選んだ最大の決め手です。パナソニックの人事担当の方からは、障がいへの配慮についてはもちろんですが、入念に私の体の状態についてヒアリングされました。長く働く上で、最初にお互いの理解を深めておくことは必須だと考えていたので、障がいについてさまざまな質問をしてくれたことで安心感を得られました。
私は関西出身なのでパナソニックは身近な大企業でもありました。実家から通いやすく、オフィスもきれい、そして社内見学で訪れたときの職場の雰囲気も最高でした。何よりも障がいにとらわれずに、自分のやりたいことがここならできそうだと感じました。
人事担当の方も何でも気軽に話せる人で、私の学生時代の委員会活動などを高く評価してくれたこともうれしかったです。
今はどのようなお仕事をされていますか。
パナソニックは2022年春から分社化され、各事業会社がより一層の競争力の強化を目指しています。私は、毎日の生活や未来の社会を電気設備から変えていくというエレクトリックワークス社に入社し、ライティング事業部に配属されています。その中でも施設・防災営業企画課において、業務実績データの取得や長期保証の申請対応、サンプルの貸し出しやその運用等に関する社内からの問い合わせ対応などを行っています。
現在、テレワークで業務にあたることも多いですが、そのテレワークの日程調整について気軽に上司と相談ができますし、また通院のための相談についてもストレスを感じることはありません。サンプルの梱包作業など業務によっては出社が必要なときもありますが、それも無理のない範囲でと配慮していただいています。
将来は「いつか企画の仕事をやってみたい」という希望と、もう一つ別にやってみたいことができました。今、私はパナソニックという組織で周りの同僚に支えられて仕事ができています。しかし10年先には自分が支える側に立ちたいと考えており、例えばトレーニングや教育などの立場から、新しく入社してくる人を支えられたら、きっと大きなやりがいが実感できるだろうと思っています。
※取材内容は2022年10月時点の内容です

会社にはどのようなサポート体制がありますか。
一言でサポート体制といっても、実に多岐にわたる制度や、働き方の選択肢があるのがパナソニックです。まず私が心強く感じるサポートの一つが、産業医と人事・上司と私との間で、しっかりと面談の場を持てることです。私の場合は、主治医が障がいに関する細かな内容を手紙にまとめてくださり、その内容を産業医・人事・上司・私で共有できているということが大きな安心材料になっています。共有される事項としては、障がいのない人と比べた場合、どの程度の体力になるのか。それに基づいて残業や出張はどのような配慮が必要なのか。長時間立って行う作業や息切れがするような作業だと心臓にどのような負荷がかかってしまうのか、といったものになります。このような共有を限られた関係者で把握し合うことで、私が長く継続できる働き方を考えてもらえる職場環境です。
キャリアアップについても、パナソニックの場合は「障がいのある人だから」という捉え方は一切しておらず、努力をする全ての社員に平等にチャンスがあります。
ほかにも、車椅子を使用されている障がいのある社員が、建築資材部門で自動ドアが閉まるまでの時間について議論する場で、もう少し長くした方が良いとアドバイスしたことで、それが実際に採用されて改善に生かされるなど、障がいのある社員のアイデアが事業や製品に実現されたという例がいくつもあります。