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グローバルニッチトップの
基本知識

高度な専門性や技術力を背景に、日本国内だけでなく、グローバル市場で高いシェアを獲得する企業に注目が集まっています。世界で活躍するグローバルニッチトップ企業について知っておきましょう。
独自の技術で世界を目指す。
グローバルニッチトップとは
グローバルニッチトップとは、専門性が高い特定の市場において、世界的に高いシェアを獲得している、もしくはサプライチェーン上で重要な役割を担っている企業を指します。
- グローバル:世界的な
- ニッチ:特定の、限られた市場
- トップ:最高の、上位の
日本企業はもともと、高度な技術力を活用しながら専門分野でトップシェアを獲得する「ニッチトップ戦略」で存在感を示してきました。飽和市場で大企業と直接競うのではなく、自社ならではの強みを生かした差別化戦略により、長期的な安定収益を目指してきたのです。
しかし、バブル崩壊後は「失われた30年」と呼ばれる経済停滞を経験し、日本は経済大国としての勢いを失いつつあるといわれています。デフレや高齢化の影響に加え、コスト削減を目的に多くの製造業が中国やインドなどの新興国に生産拠点を移行。その結果、国内の産業基盤が衰退し、地域経済の弱体化が進行しました。
こうした国内産業の空洞化に歯止めをかけ、国際的な競争力を再構築するために期待されているのがグローバルニッチトップ企業です。日本の雇用や経済成長を確保しながら、世界を牽引する技術革新に、注目が集まっています。
しかし、バブル崩壊後は「失われた30年」と呼ばれる経済停滞を経験し、日本は経済大国としての勢いを失いつつあるといわれています。デフレや高齢化の影響に加え、コスト削減を目的に多くの製造業が中国やインドなどの新興国に生産拠点を移行。その結果、国内の産業基盤が衰退し、地域経済の弱体化が進行しました。
こうした国内産業の空洞化に歯止めをかけ、国際的な競争力を再構築するために期待されているのがグローバルニッチトップ企業です。日本の雇用や経済成長を確保しながら、世界を牽引する技術革新に、注目が集まっています。
どれくらい知ってる?
日本が誇るグローバルニッチトップ企業
新型コロナウイルスの流行やウクライナ情勢、円安など、目まぐるしく変化する社会情勢の中、経済産業省は「2020年版グローバルニッチトップ企業100選」を選定しました。これは、対象企業の知名度向上や海外展開の支援だけでなく、新たにグローバルニッチトップを目指す企業への羅針盤を示すことも目的としています。
2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」選定ポイント

「2020年版 グローバルニッチトップ企業100選について」(経済産業省)2020年6月 より作成
選ばれたのは、機械の加工部品を製造する企業や半導体の基板、IoT機器をつくるメーカーなどさまざまです。縁の下の力持ちとして活躍している企業もたくさん含まれています。
実際に、世界的に評価されている、日本が誇るグローバルニッチトップ企業の事例を見ていきましょう。
実際に、世界的に評価されている、日本が誇るグローバルニッチトップ企業の事例を見ていきましょう。
- 事例(1) 医療分野で高い評価を受けるのは、分析装置の電磁弁を製造する250人余りの会社です。ニッチトップ戦略を成功させるカギは、多品種少量生産に対応した1万機種を超える製品ラインナップ。北米への輸出成功を皮切りにハーバード大学やNASAとの取引も始まり、グローバルシェアは32%を占めています。
- 事例(2) 現場作業者に機械の稼働状況や設備の異常を知らせる報知機器を製造している企業では、防滴防塵などの高い性能はもちろん、ネットワークとワイヤレスの組み合わせによる新しい技術で差別化に成功。国内シェア70%を占めるトップ企業に成長しました。海外販売比率は10%程度だったものの、10年をかけて30%まで拡大し、積極的に海外展開を進めています。
- 事例(3) あるメーカーが手がける気象や環境条件を人工的に再現できる環境試験機は、高い性能や安全性、メンテナンス性を備えながら、国際標準規格の環境試験法に適合することでグローバル市場への早期進出を実現しました。現在では世界46カ国でサービスを提供しており、世界で30%以上、国内で60%以上のシェアを獲得しています。
- 事例(4) 航空機に取り付けられるギャレー(厨房設備)やラバトリー(化粧室)などの内装品において、世界シェア50%を誇る企業。名だたる航空機メーカーに支持される理由は、高い品質と、エアラインごとに異なる要件に対応した細やかな設計。質感、機能にこだわりながら軽量で高い安全性を確保し、製品・サービスともに高い競争力を持っています。
グローバルニッチトップ企業の製品例

「2020年版 グローバルニッチトップ企業100選 選定企業一覧」(経済産業省)2020年6月 より作成
いずれもBtoB企業であり、私たちが日常生活で直接的に関わる機会は多くありませんが、独自の技術や製品で国際市場を牽引しているリーディングカンパニーなのです。
グローバルニッチトップ企業の今とこれから
2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」に選ばれた企業群は、平均で世界市場シェア43.4%、営業利益率12.7%、海外売上比率45.0%という優れたパフォーマンスを誇ります。
グローバルニッチトップ企業の平均世界市場シェア

「2020年版 グローバルニッチトップ企業100選について」(経済産業省)2020年6月 より作成
また、選定企業の将来予測によると、5~10年後の市場規模は平均2.21倍に拡大する見込み【「2020年版 グローバルニッチトップ企業100選について」(経済産業省)2020年6月】。これは、世界のサプライチェーンにおいてグローバルニッチトップ企業が必要不可欠な存在であることを証明しているといえるでしょう。
一方、経済産業省が実施したグローバルニッチトップ企業のフォローアップ調査【「グローバルニッチトップ企業の5年後の現状と課題」(経済産業省)2019年6月】によると、5年後の現状として海外売上高は増加しているものの、製品の世界シェアや販売国数は若干減少した結果となりました。減少の主な要因には、過去5年間での競合他社の台頭が挙げられます。グローバルニッチトップ企業が国際市場での競争力を維持し、引き続き成功を収めるためには、技術革新や製品改良を通じて持続的にイノベーションを図り、さらにグローバルな販売網を強化することが重要です。
独自の技術であり続けること。その技術の存在感をグローバル市場で高め続けること。それらによってグローバルニッチトップ企業は、これからも世界シェアの拡大を進めていくことでしょう。
一方、経済産業省が実施したグローバルニッチトップ企業のフォローアップ調査【「グローバルニッチトップ企業の5年後の現状と課題」(経済産業省)2019年6月】によると、5年後の現状として海外売上高は増加しているものの、製品の世界シェアや販売国数は若干減少した結果となりました。減少の主な要因には、過去5年間での競合他社の台頭が挙げられます。グローバルニッチトップ企業が国際市場での競争力を維持し、引き続き成功を収めるためには、技術革新や製品改良を通じて持続的にイノベーションを図り、さらにグローバルな販売網を強化することが重要です。
独自の技術であり続けること。その技術の存在感をグローバル市場で高め続けること。それらによってグローバルニッチトップ企業は、これからも世界シェアの拡大を進めていくことでしょう。
関係企業のつながりがひと目でわかる
グローバルニッチトップの「業界地図」はこちら就活準備コンテンツ
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