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地球を守り、
救う企業
ものづくり現場の電気の無駄をなくす

[松定プレシジョン株式会社]

ものづくり現場の課題×環境課題。
どちらにも寄り添う商品を開発。

私たち一般消費者に向けて製品をつくるのではなく、「BtoBのものづくり」をなりわいとする会社は世の中にたくさんあります。その中には、地球環境にやさしい製品をつくる会社も。そこで今回ご紹介するのが、松定プレシジョンです。電気自動車(以下EV)を中心に、様々な電気製品の開発に欠かせない電源装置の大手メーカーである同社が、新たに生み出したエコな製品について、その開発責任者の松田さんにお話を聞きました。

お話を聞いた人

販売促進部 松田峻
販売促進部
松田峻

2013年新卒入社。長らく営業として経験を積んだ後、現在は販売促進部のリーダーとして商品企画に携わっている。商品開発における企業のニーズを汲み取り、エンジニアを含むプロジェクトチームのまとめ役を果たす。

INDEX

電気を捨てるために電気を使う…。開発現場が頭を抱える問題。

そもそも電源装置とは、電気で動くものをつくるための実験に使われる装置のこと。たとえば私たちの身の回りにある家電製品や住宅設備を開発するときにも、各メーカーの技術者たちは電源装置を使って安全性の実験を行っているといいます。
「電気で動く製品をつくる国内のメーカーは、ほぼすべて私たちのお客さまです。最近は海外の取引先も増えていて、先週もアメリカに行ってきました」
と語る松田さん。そんな彼が新たに開発した電源装置は、これまで顧客の開発現場が抱えていたある課題を解決する画期的な製品でした。
「回生型直流電源PBRシリーズ(以下PBR)という名称の電源装置は、開発現場の実験で余る電気の困り事に着目して開発しました。以前は、余る電気(たとえば、充電不足のバッテリーの実験を行うために、十分に充電されているバッテリーの電気を消費しなければいけないケースなどがある)は捨てるしかなく、そのためには電気を熱に変えて放出していたんです。すると、建屋内が暑くなる。暑くなるからエアコンを使う。というように、電気を捨てるためだけに、また余分な電気を使うというとても効率の悪いことをしていたんです。お客さまの手間とコストの問題はもちろん、地球環境にも負荷がかかるこの状態をなんとかしたいと思ったことが開発のきっかけです」

電気を再利用できるエコな新商品で、エコな乗り物づくりに貢献。

電気を捨てるのももったいないし、しかも捨てるためにまた余計な電気を使っていたと。うーん、たしかにこれは何とかしたい…。そこで開発したPBRは、その課題をどう解決するのでしょうか?
「電気を捨てずに再利用できるのがPBRの一番のポイントです。実験の際に余る電気を、電源装置から建屋の電線に戻すことができるので、建屋で使用する照明やパソコンなど、様々な用途に電気を再利用できます」
それはすごい! 電気を捨てずに済む上に、熱を冷ますための余分な電気も使わなくて済むわけですね。
「それから、コンパクトなこともお客さまに喜ばれているポイントです。従来品は人力では動かせない大きさでしたが、PBRはその10分の1ほどの大きさで、幅約48cm、高さ約13cm、奥行き約80cmです。人力で容易に運べる⼤きさです」
BEFORE 電源装置が大きく扱いづらいし、余った電気を放出するにはさらに電気が必要に・・・。 AFTER 電源装置がコンパクトに!余った電気を再利用できるし、無駄な電気が不要に!
回生型直流電源PBRシリーズ
優れた機能を備えた上にコンパクトだなんて、それはもう人気が出ないはずがない! 特に引き合いが強い販売先は、EVの開発に注力する自動車メーカーだそう。
「説明するまでもなく、EVはガソリンを使用しないので走行中にCO2を排出しない、地球環境にやさしい自動車。その開発に必要とされる電源装置を通じて、EVの普及に貢献できていることをうれしく感じます」
製品自体がエコなだけでなく、エコな製品の開発にも貢献しているんですね。

新商品開発の背景には、数えきれない試行錯誤があった。

ものづくりの現場をサステナブルに変えたPBRですが、完成までにはたくさんの壁を乗り越えてきたそうです。
「まずはマーケティング。PBRに限らず新商品を開発する際には、たくさんのお客さまに受け入れられる最大公約数を狙う必要があります。そこで、50件以上のお客さまのニーズをヒアリングしました。様々な要望の中から、その企業だけの特殊な要望と業界全体に共通する要望とを分けて、自分たちが取り組むべき課題を明確にしました。商品づくりの答えは必ず現場にあるんです」
何よりも現場を大切にする松田さん。顧客との間に築いた信頼関係があるからこそ、優れた新商品の開発が可能になると言います。ちなみに、松定プレシジョンでは代理店経由の販売を一切行っていないそう。そこからも顧客との関係を重視する姿勢が感じられます。
「製品の仕様決めと並行して開発も行いました。エンジニアが最も苦労したのは熱との戦い。電気を熱として放出しなくて済むよう先端技術を集結させて挑みましたが、サンプル機が熱で爆発するようなこともありました。数えきれない試行錯誤の末にようやく完成させることができました」

世の中のニーズに合わせて、常に新しい製品づくりを続ける。

こうして開発されたPBRは、大手自動車メーカーを中心に様々な業界の技術者たちのもとで活躍しています。最近ではPBRの人気に追随して、競合他社が後発品を販売する動きもあるといいます。松田さんは苦笑いしながらも、すでに次なる打ち手に取り組んでいるようです。
「今また新しい製品をつくっているので、ぜひ楽しみにしていてください。私たちのお客さまは常に世の中のニーズを捉えて最先端のものづくりを行っています。そこにはもちろんSDGsなどの社会的な動きも関わってくる。私たちもお客さまに伴走しながら、常に最先端を追いかけていきます」
最後に、今まさに将来のための試行錯誤をしている学生のみなさんに向けて、大切にしてほしいことを松田さんに聞いてみました。
「自分なりの判断基準を持つことですかね。私の場合は、企業規模に関係なく、その会社が知識集約型なのか労働集約型なのかを見ていました。企業規模は小さくても、知識集約型で独自の価値を発揮して儲かっている会社はけっこうありますよ。うちもその1社なんです。ちなみに当社は、時給換算したらかなりいい方だと思いますよ。定時になったら本当にみんなすぐ帰りますからね。夜はびっくりするくらい誰もいません(笑)」

マイナビ編集部の声

私たち一般の人がBtoB製品を目にする機会は少ないけれど、環境に配慮した素敵な商品開発をしている会社があることを知り、業界自体への興味も深まる取材でした。松田さんの現場にかけるパッションが印象的で、だからこそ素晴らしい新商品が生まれたのだなと実感しました。

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