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マイナビ2026
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デジタルで
大変身の企業
DATA × CARSHARE

[パーク24グループ]

データ活用によって、交通手段も
もっと最適化の時代に。

今回、ご紹介するデジタルで大変身な企業は、「Times」という黄色い看板を掲げた時間貸駐車場でおなじみのパーク24。2003年に業界内でいち早く、全国の駐車場と情報センターをつなぎ駐車場をオンライン化するネットワークシステムを構築。現在はカーシェアリングの車両にも応用し、駐車場・カーシェア両サービスの効率的な管理を実現するデジタルフル活用の企業です。そんなパーク24グループのデータ分析部門のマネージャーである増田さんに、主にカーシェアリング事業におけるデータ活用の意義や目指している未来についてお聞きました。

お話を聞いた人

情報管理本部 データアナリティクス部 増田明之
情報管理本部 データアナリティクス部
増田明之

大学院在学中・大学院修了後も分析的アプローチから社会課題の研究をしていたところ、「よりリアルで課題解決に役立つデータ活用」にチャレンジしたいという思いから、ビジネスの世界へ。2020年にパーク24グループに入社し、現在はデータ分析部門グループマネージャーを務めつつ、サステナビリティ委員会のメンバーも務める。

INDEX

思い込みが最大の敵!データは真実を示す。

ビッグデータの時代と言われるけれど、そもそも「データ活用にはどんな意義があるのか」という初歩的なところから質問してみました。すると、「そうですね…たとえば、マイカーを持つ人はカーシェアを使うと思いますか?」と増田さんからまさかの逆質問。
どうだろう…マイカーがあるならカーシェアは必要はなさそう。そのまま伝えてみます。
「実はデータを分析すると、マイカーを持つ人の会員比率が意外と高いということがわかりました。そうとは知らず、クルマを所有していない人向けの入会キャンペーンばかり打っていたとしたら、利用する可能性がある人の一部にしかメッセージが届かないことになりますよね。そうなると、そのキャンペーンに費やした予算や工数は適切だったといえるでしょうか?」
データなし カーシェアを使う人は、マイカーを持っていないだろうから、持っていない人を対象に入会キャンペーンを打とう! データあり マイカーを持つ人の会員比率は意外と高い!入会キャンペーンの対象者にマイカーを持つ人も含める方が反応が出るのでは!
なんとわかりやすい…。こうした先入観や思い込みを持ったままプロジェクトを進めることを「認知バイアス」と呼ぶのだそうです。意思決定をするとき、判断を間違わないためには現実の実態を正しく把握することが重要です。それがデータ活用の意義の一つだと増田さんは教えてくれました。

よりピンポイントで刺さる施策へとつなげる。

カーシェアリングのような幅広い人たちに向けたビジネスの場合、いかにユーザーニーズを正しく把握できるかが、より効果的な施策を打てるかどうかの鍵を握っているとのこと。増田さんはもう一つのデータ活用例として、買い物で利用するユーザーが多いということに気づいた話をしてくれました。
「通常、カーシェアは休日の稼働率が高く、平日が低くなりがちです。だから、もし全体の稼働率を上げようと思ったら、平日の改善施策がより重要になります。そう考えたとき、平日の買い物の使い方に合う時間や距離の割引キャンペーンを打てば、利用促進にもつながりやすくなりますよね」
たしかに!カーシェア業界に限らず、正しいユーザーニーズを把握して施策を打つことができれば、ユーザー側も、企業側も、お互いWin-Winの関係でいられます。なるほど「タイムズカー」の会員数、ステーション数ともに現在国内No.1のシェアを誇り、会員数が右肩上がりで増え続けているのも納得です。
車両台数・駐車場件数・会員数推移

データ活用が実現するのは最適化が行き渡る未来。

さらに話は進み、データ活用によって、「こんなこともできる!」といった話題に。増田さんによると、「たとえば、桜の開花時期になると関東周辺のクルマが特定の場所に集まるというデータがあります。しかし、限られた時期だけのニーズなので、常時ステーションを設置するには採算的に難しい。そこで、そのエリアの担当者と連携して季節限定ステーションを駅近くに設置する構想を、社内で提案しました。こうした車両配備の提案ができるのも、データの裏付けがあるからなんです」。
全国一律、一年を通じていつでも同じサービスを提供するという交通インフラを発展させ、地域や季節に応じて最適化されたサービスを見据えていく。それは多様化社会において、誰もが暮らしやすい世の中を実現するための第一歩のようにも思えます。ここまで話を聞き、データ活用によって実現できる未来が、壮大なものなのではないかという気がしてきました。

どんなに正しくても、伝わらなければ意味がない。

しかし、「いかにデータ活用が効果的な施策につながるといっても、営業部門との連携がスムーズに図れなければ、価値は発揮しづらい」と増田さんは言います。「社内においても、データの価値をどう伝えていくかがとても重要です。だからこそ、データサイエンティストはコミュニケーション能力も磨かなければなりません。正しさばかり主張しても話は聞いてもらえない。人と人との信頼関係が大切なのです」
そうした思いから増田さんは今、部署を超えた教育・研修にも積極的に取り組んでいます。そこでは専門職としてのデータサイエンティスト育成ではなく、統計やデータ活用の考え方、ビジネスへの落とし込み方を身に付けることを目的とし、社内で共通言語を持つ「シチズンデータサイエンティスト」と呼ばれる層を育てることに注力しているのだそうです。
「ゆくゆくは私たちの部門に頼らずとも、簡単な答えなら営業部門でもデータから導き出せる人材を増やしたい。そうすれば、全国から活用できそうなデータももっと集まりやすくなりますし、私たちはより付加価値を生み出す仕事に専念できます。それぞれの地域に根ざして『変数を変えたらこんなインサイトが発見できた』と営業部門の社員から教えてもらい、それをまた私たちが業務に活かせる体制になれば、よりユーザーのニーズに応えた最適化ができるようになると思います」

マイナビ編集部の声

もう一つ興味深かったのは、データ分析の専門家である増田さんが「人が持っている“勘”も実は大切なんです。アブダクションって言葉がありますが、いい意味での勘って経験を積み上げたからこそできるもので、新しい仮説を生むのに必要だったりもする。データだけではだめ、勘だけでもだめなんです」と言っていたこと。データを活用するということの深さと面白みを垣間見た気がしました。

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