暮らしをもっと豊かに。そんな発想で事業を拡大! ヤマチユナイテッドの面白さは何といっても、展開している事業の幅広さ。現在の事業数は50にも及ぶと言います。なぜ、それほど多くの事業を展開しているのでしょうか? 山地社長に事業拡大のきっかけを聞いてみました。 「私が入社した頃は建材の卸事業がメインだったのですが、不況も相まって先行きが不透明な状態でした。そこで、新しい柱をつくれないかと考えた時に目をつけたのが、アメリカンハウスの輸入事業です。ただ、事業の立ち上げに奮闘する中、家を建てるところまででいいんだろうかと思って。その先の暮らしのためには、素敵なインテリアも欠かせないし、家族と行けるレストランもあるといい。歳を重ねたら、デイサービスも必要になるでしょう。そんな思いが、インテリア事業や飲食事業、ライフサポート事業へとつながっていきました」 なるほど、住んだ後の暮らしを考えた結果、どんどん事業の枝葉が伸びていったのですね! さらに、「さっぽろ雪まつり」や音楽フェスなどにも携わるイベント事業に加え、最近では、FMラジオ放送局をグループに迎えメディア事業にも進出したそうです。
社員一人ひとりに、早くから経営者マインドを。 とはいえ、どうやって一つの会社の中で多くの事業を次々にスタートさせているのでしょうか? すると、山地社長が頷きます。 「事業を展開していく上でこだわったのは、仕組みづくり。どんどん事業が立ち上がっても、うまくいかなかったら意味がありませんからね。どんな事業であっても、誰が経営者になっても同じように経営できる仕組みをつくることで、事業化スピードはぐんと加速しました」 また、もう一つ大切にしていることがあるそうです。 「社員全員が経営者マインドを持つことです。事業が増えるということは、その分リーダーも必要になるし、一人ひとりの裁量も大きくなる。いかに社員が事業の状況を理解し、自分ごととして仕事に取り組めるかが重要なんです」 そんな経営者マインドを育むために、入社した新入社員に対し、山地社長自ら、会計の基本や財務状況の見方など、経営に必要な知識をインプットする研修を実施しているのだとか。「1年目からここまで教えている企業はなかなかないと思いますね。すぐに使う知識ではないかもしれませんが、早い段階でインプットしておくことで、成長スピードは大きく変わるはずです」と手応えを感じているようです。
入社数年で新規事業を任されることも! こうした取り組みによって、社員が考えた新規事業も次々と誕生しているのだとか。 「社長から言われるよりも、自分が出したアイデアの方がやる気になるじゃないですか。しかも、社員が出してくる事業計画はどれも緻密に練られたものばかり。私はGOサインを出すだけなんです」と山地社長も誇らしげです。 実際、入社3〜5年目でリーダーを務めている人も多いそうで、4年目の富山さんは、同期の活躍をうれしそうに話します。 「私の同期は、入社2年目の時に当社初となるフィットネスジム事業のリーダーに抜擢されました。海外視察に行ったり、プログラムを考案したりして、現在2店舗を統括しています」 富山さんも、入社後に「人事の仕事をしてみたい!」と希望を出したところ、チャンスが巡ってきたと言います。自分で事業のアイデアを出したり、挑戦してみたい職種に手を挙げたりと、自らキャリアを切り拓いていけることも、ヤマチの大きな魅力です。
転職は不要!? ずっとヤマチで成長し続けられる。 そんなヤマチが2006年から掲げているのが、『THE 100 VISION』というビジョン。「100の新規事業創出と100人の経営者を育成する」という想いが込められています。着実に歩みを進め50事業にまで到達した今、山地社長に展望を聞いてみました。 「事業化のスピードは年々早まっていますが、ただ増やせばいいというわけではありません。新規事業を始めるときは、『僕らがやる価値があるのか?』というフィルターにかけるようにしています。せっかくやるなら、ユニークな事業にしたいですからね。そんな事業を通して、北海道の人たちの暮らしをもっと豊かにしたいし、北海道発の企業として全国にも発信していきたい。そのためにも、社員一人ひとりが力を発揮できる会社にしていきたいですね」 最後に、富山さんに学生へのメッセージをお願いすると、「やりたいことがわからない人にこそ、当社をお勧めしたいです。これだ!というものを見つけたら社内で起業することもできるし、興味がある仕事をやってみることもできる。なんでもできるから、転職する必要がないんです。もう一度学生に戻っても、迷わずこの会社を選びますね」と笑顔を見せます。全社員に経営者マインドを教え、チャンスを与えながら大きく育てていく。そんな社員の強さこそが、ヤマチが幅広い事業展開を成功させている理由なのだと感じました。