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データを使って
ビジネス拡大企業
お豆腐×最高気温?

[一般財団法人日本気象協会]

気象データとの関連性を見出し、
企業のビジネスを支え、伸ばしていく。

今回ご紹介する企業は、日本における気象会社のパイオニアでもある日本気象協会です。普段、みなさんが目にする天気予報や交通情報だけでなく、地域防災や電力の需給予測や環境アセスメントなど、社会の様々な場面で気象データを活用した支援を行っています。さらに、最近では製造業や小売業の企業と連携し、商品の需要予測などにも力を入れるなど、気象データの活用方法の幅がぐんと広がっています。そこで今回、そうした気象データの新たな活用方法に取り組む入社4年目の熊倉さんにお話を伺いました。

お話を聞いた人

気象デジタルサービス課 熊倉 舞
気象デジタルサービス課
熊倉 舞

2021年入社。大学時代はデータ分析などを専門的に学ぶ。就職活動を通して、気象データの可能性に魅力を感じ、日本気象協会への入社を決める。入社後は気象デジタルサービス課に所属し、食品や日用品、飲料など幅広い製造業のお客様を中心にデータ分析やコンサルティング支援に従事している。

INDEX

お豆腐の売れ行きと最高気温には相関性がある。

気象データを活用した需要予測は、2014年、食品ロスの削減を目指す国の実証実験を手伝う形でスタートしたそうです。そして、その成果がある程度確認できた2017年、日本気象協会でもプロジェクトを発足。事業化に向けた取り組みが開始しました。ちなみに、「気象データを活用した需要予測って何?」ということで、早速、熊倉さんに尋ねてみました。
「たとえば、お豆腐を食べるのっていつですか?夏の暑い日は食欲がなくて冷奴を食べる機会が増えますよね。そして、冬。すごく寒い日は熱々のお豆腐が入った鍋が食べたくなりませんか?つまり、季節によって、お豆腐の需要は結構変わるのです。さらに、メーカーや小売店の過去の売上データと気象データを連携して分析してみると、夏のお豆腐の売れ行きは最高気温に最も相関性が見出せました。こうした商品の需要と気象データの関連性を見出し、この先の予測を立てることを私たちは行なっているのです」
なるほど。たしかに、夏や冬にお豆腐を食べている気がします。でも、それはメーカーや小売店の人たちも長年の経験や勘でわかっているのでは?ということで再び、熊倉さんに尋ねると、「そうですね。お客さまも肌感覚としてはわかっていると思います。しかし、どのくらいの気温の変化で、どのくらい需要が変わるのか。そもそも、どのデータに着目すればいいのかといったことは、データを分析して初めて知るお客さまがほとんど。数字で示すことで納得感のある意思決定につながりますし、気象の変化をより自分ごととして捉える会社も増えています」と教えてくれました。
夏の寄せ豆腐の需要と気象データの関係を示す図。最高気温と相関関係があるのがわかる。

商品や立場によって、求める気象データは違う。

「ちなみに、気象データと一口に言っても、気温や湿度、降水量、風量、日照時間など、様々な項目があります。さらに、気温の中でも最高気温なのか、最低気温なのか、はたまた朝の気温なのか。どの項目との相関性が高いのか。たとえば、お豆腐の場合は最高気温でしたが、商品が変われば注目する気象データも自ずと変わってきます」
また、誰がどこで使うかによっても、どういった気象データに着目するかは変わると言います。
「お豆腐を売るスーパーのような小売店は商品を仕入れるタイミングや量も細かく調整しているため、数日や1週間といったすぐ先の緻密な気象予測が有効です。一方、お豆腐に限った話ではありませんが、メーカーは原料の仕入れや製造ラインの変更、予算の確保などもあり、需要の変化に対応するのにも時間がかかります。そのため、6ヶ月先くらいの気象予測が必要なのです」
熊倉さんの話では、翌年や翌々年の流行をつくりだすアパレル業界などは、半年よりも長い1年〜2年先の気象予測を用いることもあるそうです。さらに、「保険業界の場合、猛暑や豪雨などの異常気象が続くと熱中症や災害による死亡リスクが高まりますよね。お客さまが数十年単位で加入する保険商品は、そうしたこの先の気候変動などのリスクも考える必要があるため、100年単位の予測を求められることもあります」と熊倉さん。いやあ、気象データって奥が深い。
短期から中長期まで、様々な期間の気象予測が求められる。

データのプロであり、気象のプロという市場価値。

ちなみに、大学時代はデータ分析などを専門的に学んでいたという熊倉さん。「なぜ、就職する際にIT業界ではなく、日本気象協会を選んだのですか?」と尋ねると、「データを分析することより、データを使って価値を生み出すことに興味があったのです」と答えてくれました。続けて、「昔から、人々の行動を変容させる様々な要因に興味を持っていました。その中でも生活と切っても切り離せない“天気”という要素に魅力を感じ、データを使って価値を生み出すのは、この分野しかないと思ったのです」と就職活動時の気持ちを振り返ってくれました。
たしかに、世の中にデータ分析の専門家はたくさんいますが、そこに気象の専門家という強みも備えた「気象データのプロ」となると市場価値はさらに大きくなります。しかし、データと気象の二つの知識やスキルを同時に学んでいくのは大変ではないのでしょうか。その点も熊倉さんに尋ねると、「当社の社員は天気や空が大好きな方々が多く、入社時は気象に対して素人だった私も学びながら成長できる場所です。また、データ分析に関しても教え合う文化がありますし、外部の有償セミナーなども会社の支援で参加することができるのです」と無理なく成長していける環境の魅力を語ってくれました。

商品にとどまらず、社会の未来に貢献したい。

今後の目標については、「2つあって、1つ目は先ほども少し出てきた長期の気象予測データを活用した支援です。現在では技術開発により2年先まで予測が可能となりました。お客さまが気象という側面からも1年先、2年先の意思決定ができるポートしていきたいと考えています。もう1つは、今後も続いていくだろう気候変動に関する分析や支援に取り組んでいきたい。将来のリスクも含め、より長期的な気象を分析し、社会へ還元していく使命があると感じています」と熊倉さん。データ×気象のプロとして商品の需要予測の枠にとどまらず、社会の未来を見据える姿勢が素敵です。
最後に、就職活動中の学生へのメッセージももらいました。
「就職活動は、自分自身ととことん向き合い続ける時間。それだけに自分が何に取り組みたいのか、迷ってしまうことも多いかと思います。そういう時は、昔の自分が興味を持ったことなど、ふと思い出してみてください。自分の中にある小さなヒントと出会えるはずです。皆さん一人ひとりが“ここで働きたい!やってみたい!”と思える会社に出会えるよう応援しています」

マイナビ編集部の声

大学時代はデータ分析を専門的に学んでいた熊倉さんが、日本気象協会を選んだことが最初は不思議でした。しかし、お話を聞けば聞くほど、ここで扱える気象データの可能性にワクワクし、かつデータ×気象のプロとして成長している熊倉さんがかっこよく見えました。データ分析などに興味のある学生にはぜひ、選択肢の一つに入れてほしい会社です。

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