マルハニチロのDXは本気度とスピードが違う。
データを使ってビジネスを拡大している企業を紹介する特集ですが、そもそもマルハニチロはどのようにデータ活用やDXを進めていったのでしょうか。まずは、その辺りの話から古田さんにお聞きしました。
「最初はペーパーレス化など、デジタル技術を活用した業務改善からスタート。さらに、新しい働き方改革と連携し、社員が主体的に考えながら業務を行えるように、デジタルシフトに向けて計画的に環境を整えてきました。ただ、手段の進化で終わらせないのが、当社の特徴かもしれません。世間でもDX推進は加速しているかと思いますが、当社はD(デジタル)よりもX(トランスフォーメション)。つまり変革することを常に大切に進めております。」

また、古田さんの話によると、マルハニチロではこれからの100年、さらにその先の未来において地球や人々の暮らしを健康で豊かなものにするためには「新たな食の可能性」への挑戦が必要だと考え、事業のDX や社員の意識改革にも本気で取り組んでいるとのこと。2024年には「“社員が主役”のカルチャー改革」という新たな旗印も掲げ、変革のスピードを上げているそうです。そして、カルチャー改革の一環として、2026年2月には本社を移転することまで決定したというから驚きです。
その移転先はJR山手線「高輪ゲートウェイ駅」に直結する”TAKANAWA GATEWAY CITY”。ここには、東京大学やスタートアップなど、世界を本気で変えようとするアカデミアや企業が集まってくる予定で、マルハニチロも多様なパートナーとの共創によって新たな食の可能性に挑むとのことでした。

TAKANAWA GATEWAY CITYの完成予想図。「新たなビジネス・文化が生まれ続ける街」というコンセプトのもと開発されました。※画像提供:JR東日本