グッドデザイン賞

障がいがある学生のための就活スケジュール

3. 自分らしい就職活動を
成功させるための+α

これまで就活の基礎についてお伝えしてきましたが、そのほかにも+αで考えておきたいポイントがいくつかあります。
障がい者枠に関する検討事項に加えて、近年の就活でキーワードとなっている「オンライン」と「インターンシップ&キャリア」について、障がいという観点を交えながら解説していきます。

一般枠と障がい者枠について検討しておこう

内部障がい、発達障がい、精神障がいなど、周囲から一見するだけでは分かりづらい障がいを抱えている学生の場合、就活でそのことをオープンにするか迷うこともあるでしょう。障がい者手帳を使って就活を進める場合は、いわゆる「障がい者雇用枠」をめざすことが可能になり、就職後も職場環境などへの配慮を求めやすくなります。一方で、志望する企業に必ずしもエントリーできないほか、業務内容が制限されたり、そのため給与や待遇などに差が生まれたりすることもあり得ます。

逆に、障がい者手帳を用いない(一般枠での就職をめざす)場合は、周囲の学生と変わらず自由度の高い就活を進めることになります。しかし、企業側の障がいに対する配慮が任意となるため、就職後に認識の違いのもととなる可能性はゼロではありません。どちらにもメリットとデメリットがあり、どちらの選択が適切かはケース・バイ・ケースというのが実情です。


先輩たちの活動状況

先輩たちは実際にどのような選択をしたのでしょうか。マイナビが実施した「大学生障がい者調査」で障がい者手帳を所持する(あるいは申請中の)2021~2024年卒学生200人に聞いたところ、「一般募集枠のみ」が32.5%、「障がい者募集枠のみ」が21.0%であることが分かりました。残る50%近くが「どちらも活動していた」と回答し、多くの学生が一般枠と障がい者枠を併用していたことが明らかになっています。

障がいのある学生の就職活動状況
障がいのある学生の活動状況
「マイナビ大学生障がい者調査」(2022年8月1日~8月4日、N=200人)

一般枠と障がい者枠、どちらの雇用条件や仕事内容が自分にマッチしているかは、業界や企業によっても異なってくるはずです。「まずは一般枠で就活を始めてみて、状況に応じて障がい者枠を検討する」「A社では障がい者枠だが、B社では一般枠でエントリーして面接時に障がいの詳細を伝える」というように、柔軟性を持って判断することも視野に入れると良いでしょう。

オンライン就活ならではのメリットと注意点

オンライン面接の様子

コロナ禍にあって、インターンシップ&キャリア、説明会、選考時の面接などの多くがWEB経由で実施されるようになりました。障がいを持つ学生にとって、オンライン就活が追い風となるケースも多いでしょう。
例えば、移動の負担が大きい上肢・下肢・体幹・運動障がい、内部障がいなどがある学生にとって、自宅に居ながらにして就活を進められることのメリットははかり知れません。精神障がいなどがあり、公共交通機関での移動が困難な学生も同様です。心身の負担を軽減しながら、より効率的に情報収集などを進められると前向きにとらえたいところです。

一方で、聴覚・言語障がい、視覚障がいなどがある場合は、オンライン化でコミュニケーションしづらくなったという学生もいるでしょう。事前にビデオ通話サービスなどを試してみて、自分にとって必要なサポートを明確化しておくことをお勧めします。例えば、「字幕付きにできるサービスを使ってほしい」「チャット機能を活用したい」「マスクを外して口をはっきり動かしてほしい」といったように依頼内容が具体的であれば、企業側も対応しやすくなるはずです。

なお、オンライン就活全般の注意点は、障がいの有無にかかわらず共通です。ぜひ押さえておきたい次のようなポイントをチェックしておきましょう。

オンライン就活のポイント

● 本番と同じ状況でリハーサルを
画像や音声が途切れるなど接続に関するトラブルがあると、集中力が削がれてしまいます。また、顔が暗く見えたり画角が悪かったりすると、第一印象を損ねる恐れも。時間や場所など、本番と同じ条件を整えたリハーサルが効果的です

● 「テンション3倍」を心がけよう
対面と比べるとオンラインでは感情が伝わりづらいため、普段よりテンションを数倍高めにするようなイメージで話してみましょう。加減が分からないときは、面接練習を撮影しておき、家族や友人にアドバイスをもらうと安心です

● 話を聞くときにも油断しないで
自分が話をしているときだけでなく、「聞く態度」もしっかり見られています。緊張のあまり余計な動きが多くなったり、次に何を話そうか考えてメモばかり見たりするのではなく、面接官や他の学生の話を傾聴する姿勢も大切にしましょう

インターンシップ&キャリアの効果を最大化するために

インターンシップ&キャリアに参加する様子

昨今の就活では、多くの学生がインターンシップ&キャリアに参加しています。自己分析や仕事研究を進める絶好の機会になるだけでなく、実際の業務を体験できるプログラムではスキルアップが望めることも。また、インターンシップ&キャリアでの経験を踏まえて面接で語ることができるため、就活本番の選考対策としての一面も持ちます。
さらに、同じ業界・企業をめざす同世代とつながり、その後の情報交換で支え合っていくというケースも少なくありません。ただし、漫然と参加するだけでは意味があるとはいえず、次のようなちょっとしたコツを知っておくことが必要です。

インターンシップ&キャリアを活用するコツ

● 質問内容はあらかじめ練っておく
公式サイトなどですぐ確認できるようなことは避け、当日に聞いてみたいことを事前にリストアップしておきましょう。的確な質問ができることは強い関心の表れともいえ、自己アピールにもつながります

● スムーズに自己紹介できる準備を
インターンシップ&キャリアでは、社員や参加学生に自己紹介する機会が多数。突然だと頭が真っ白になりがちなので、簡潔に話せるよう練習しておくと安心です。障がいについてどう伝えるかも考えておきましょう

● 積極性と協調性を意識して
インターンシップ&キャリアを有意義なものにするためにも、尻込みせず積極的に発言・行動することを心がけましょう。特にグループワークなどでは、独りよがりにならず周囲を観察・傾聴できる協調性も求められます

● 参加後の振り返りが違いを生む
インターンシップ&キャリアでどのような経験ができたか、そこから何を感じたかを、忘れないうちに記録しておきましょう。自己分析の材料になるほか、エントリーシート作成の際なども大いに役立つはずです

障がいがある学生にとって、インターンシップ&キャリアはいっそう重要だといえます。実際の職場に行ける場合は、自宅からの通勤ルートに加え、社内の階段やエレベーター、手すりなどの動線、トイレの位置や大きさといった職場環境をチェックできるチャンス。自身の障がいについて伝える機会にもなるので、会社としてどのように対応してくれるか確認しておきましょう。
プログラム内容によっては社員との座談会などが催され、障がいがありながら活躍する先輩と話ができる可能性もあります。就活本番が始まってからは企業側も慌ただしくなるため、比較的ゆっくりと見学や質問ができるインターンシップ&キャリアの時期を目いっぱい活用したいところです。

まとめ

  • 一般枠と障がい者枠の違いを知り、柔軟に検討しよう!
  • 下準備を怠らず、オンライン就活のメリットを享受しよう!
  • インターンシップ&キャリアで企業を深く知り、自己アピールにつなげよう!

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