理系学生の進路選択のポイント
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理系学生の進路について
理系学生の進路について
理系学生の進路における決断は主に三つに大別できます。大学院に進学か学部就職か。就職を選択する場合は自由応募か学校推薦か。さらに専門を生かすか、専門外に就職するか。それぞれの決断点におけるポイントを踏まえ、公開のない選択をしましょう。
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Point1 学部卒で就職? それとも大学院進学?
Point1 学部卒で就職? それとも大学院進学?
就職の際、学部卒がよいか、大学院修了(修士/博士)がよいのかは、大学院進学率が高い理系だからこそ判断に迷うポイントです。ただし、これはどちらかが一方的に有利なものでも不利なものでもありません。それぞれ、キャリアの特質を客観的に見て、自分の将来を考えましょう。
CHOICE1 学部卒で就職する
CHOICE1 学部卒で就職する
理系の場合は大学院に進学することも決して珍しくありませんが、数からいえば学部卒で就職する人が多数です。大学院修士課程に進むより2年早く社会人になるという年齢要素は、キャリア決定においても意味があります。とくに日本では、製造業を中心に、社員の教育は会社で行うというスタイル企業が少なくありません。2歳若く、社会に出て実務経験の中で成長することは学部就職者が戦力として企業に貢献する上での優位性です。
企業が評価する理系の能力
理系出身者が就く職種の数からいえば、生産・技術系職が圧倒的に多数を占めます。理系学部卒者はこの理系職の本流ともいえる存在です。いち早く会社に慣れることで、求められる成果に貢献できるチャンスも増えることになります。企業は適正な収益を確保しつつ、モノやサービスを社会に提供することで経営されます。経営に欠かせない数値管理において、理系の計数能力は最も分かりやすい優位性を発揮します。実験や勉強でも、対象を選び、問題意識を持って取り組んできた観察~結果分析というプロセスは、企業活動におけるPDCAサイクルと同様の思考です。しっかり勉強した理系学生は、企業でも大いに活躍してくれるだろうという期待を集めます。
学部卒で就職するメリットとは
修士課程修了者よりも2年早く入社し、実務を経験できるのは大きなメリットです。たとえ博士課程まで進んだとしても、大学の研究と企業の実務は同じではありません。会社環境にいち早く慣れ、会社の求める生産性をに応えるための経験を積むことは成果を出す上でも、自分自身の成長にとっても有益です。
とくに専門分野外就職を選択する場合は、早く実務経験を積むことが1つの優位性といえます。
「院試に落ちたから就職する」という理由はNG
本当は大学院に進学したかったが、院試に落ちたので就職することを決めたという人もいることでしょう。しかしそれをそのまま志望動機などでストレートに述べるのは避けるべきです。「第1志望がだめだったから第2志望で我慢する」というのは真実かも知れませんが、相手企業に対しては失礼に当たります。理由はどうあれ、就職すると一度決めたからには「自分が従事することが、志望先企業の成長に役立つ」という根拠をしっかり説明できるように準備し、就職に臨むのが礼儀作法と心得ておきましょう。
大学院進学率の高い大学の場合でも、「早く社会で活躍したいから」という理由で学部就職する学生は相当数がいますので、企業側の受け入れ体制も整っているはずです。
学部卒でも研究開発職に就きたい!
研究開発職を希望する理系学生は少なくありませんが、いわゆる大手企業や有名企業では修士以上を採用するのが主流です。中堅・中小企業であれば学部卒生のチャンスも増えますので、過去に研究開発職に就いている学生の状況などを含め、しっかり企業研究をして臨みましょう。ベンチャー企業など一人何役もこなさなければならない職場など、将来の研究開発職への可能性があるかも知れません。
なお、企業の研究開発職とは、会社の求めるテーマや対象について、会社の目指す成果を求めていきます。興味を持って取り組んでいる大学の研究室の内容を、そのまま継続できるというものではなく、あくまで仕事で取り組む職務であることを忘れないでください。
CHOICE2 大学院に進学する
CHOICE2 大学院に進学する
大学院修了者は学部生よりも2年長く、より専門的な研究を行う分、高い能力が期待されます。一方2年間という限られた期間で単位を取得し、研究も進め、就職活動もするなどかなり忙しくなります。スケジューリングは学部生以上に綿密に組む必要があります。
研究職であれば、院卒は有利?
研究開発職は修士以上を条件にする企業が、大手を中心に大半を占めています。そのため、研究職に就くのであれば、大学院に進学するのは有利だといえるでしょう。しかしそれは研究職としての採用を保証するものではありません。全国の大学院生が企業研究者に応募してくる中での選考をくぐり抜けた人だけが研究職に就くことができます。
研究職以外の職務において、優秀であれば学部生でも採用されるため、とくに院卒者が優位とはいえません。しかし高度な研究テーマの設定やそれに取り組んできた院生の経験や特質は、高い専門スキルとしてもちろん評価されるでしょう。
初任給については学部卒と院卒で、数万円ほどの差が出る会社もありますが、現在の人事制度では、横並びの給与ではなく個人業績の評価連動部分を大きくする場合が多く、初任給の差が特別に有利不利の判断材料にはならないでしょう。入社後の出世も同様で、会社員は実績が最も重要ですから、入社後の成果を出すことが何よりも重要です。
専門分野と仕事のつながり
大学院に進んだ場合はより専門性の高い研究に取り組むため、その専門分野を生かした仕事を希望する人が多いといえます。ただ分野によっては業界と密接なものもあれば、そのまま仕事にするのは難しかったり、密接な業界があってもかなり限られた市場しかなかったりして、就職の機会が限られている場合もあります。
専門分野が業界と直結しない場合でも、大学院まで行って鍛えた知性と思考能力は有効な武器になります。専門の研究を通じて深い思考や課題の発見、そして、結果の分析を繰り返した経験は、どんな業界にも応用できる能力を鍛えてきたともいえるのです。しっかり研究に取り組むことは、就職においても職務遂行能力としてアピールでき、極めて有効です。
研究生活と就活のスケジューリング
忙しい修士課程では、スケジュール管理が絶対的に重要です。とくに経団連加盟企業を中心に、3月1日から広報活動を解禁する企業が多いので、その前までにどの企業へ応募するのかを決めておかなければなりません。出だしでつまづいてしまうと希望する企業(とくに人気企業)の応募がすぐに締め切られたり、先行する友人の結果に動揺したり、やりづらい環境を生む原因となります。
3月1日にスムーズに行動するためにも、研究の進捗状況や学内スケジュールなどはしっかり把握し、それまでにできる就職活動の準備を進める必要があります。中には3月1日よりさらに早く選考を始める企業もありますので、志望先企業が決まったら、その選考状況は必ず会社ごとに確認する必要があります。
博士後期課程へ進学した場合の就職
博士後期課程学生を採用する民間企業は増えています。ただし単に博士号を取得したから採用される訳ではありません。とくに自分の研究テーマや領域だけにこだわって、会社の方向性や業務を理解せず、収益性への貢献を考えないような人材は求められていません。
博士学生は、専門的研究で鍛えた知性に加え、海外での研究発表や共同調査・研究といったグローバルな活動経験もアピール材料になります。そして博士が活躍できる場は、修士同様研究開発部門だけに限らず、生産から営業・マーケティングまで幅広い可能性があります。しっかり企業研究と仕事研究をすれば、その可能性はさらに大きく広がります。研究で鍛えた能力と知性が、いかにして企業組織の発展に寄与できるかをきちんとアピールできるように準備をし、さらに専門分野の応用や転用などを柔軟にとらえ、選択肢を増やす努力が重要です。
Point2 自由応募で就職? 学校推薦をもらう?
Point2 自由応募で就職? 学校推薦をもらう?
学生自らが就職したい企業を探して受ける「自由応募」と、企業が各大学に設けた推薦枠を利用する「学校推薦」。どちらにも一長一短があり、単純に優劣を決められるものではありません。両者の特質を理解した上で上手に利用しましょう。
CHOICE1 自由応募で就職
CHOICE1 自由応募で就職
「幅広い選択肢から企業選びができる」「自分が行きたい企業に応募できる」など、自由応募でのメリットは多くありますが、自由応募である限り、それを活用できる学生も多いのが特徴です。つまりは、それだけ競争相手も多く、とくに人気企業への応募は高い倍率で厳しい選考となります。この他にも自由応募の注意点がいくつかありますので順に見ていきましょう。
自由応募のメリット
自由応募とは、自ら受けたい企業を探し、マイナビ2027や企業のサイトからエントリー、選考を受けて採用される方法です。自分で選ぶので選択肢は極めて広く、この広い選択肢こそ自由応募最大の特徴でありメリットといえます。複数企業にエントリーして同時並行で就活を進め、結果として複数内定を得られるのも自由応募だからです。
自由応募のデメリット
自由応募は誰もがエントリーできるため、人気のある企業にはエントリーが殺到し、競争率が高くなります。多くの応募者をふるいにかけ選考していくため、内定獲得までは長いステップがあることが多く、推薦に比べ選考時間がかかることが多いといえます。また、自由応募のはずが、内定直前に推薦状の提出を求める「後付け推薦」を申し出る企業もあります。
大学と就活のスケジュール管理
大学の行事や勉強、研究などのスケジュールと、応募したい企業の採用スケジュールの調整は非常に重要です。学業と選考スケジュールが重なったときはどちらかを選ばなければなりません。勉強関係、就職関係、それぞれのスケジュールはあらかじめ確認し、全体像を把握しておきましょう。大学のスケジュールなら大学キャリアセンターの情報が役に立ちます。企業の採用スケジュールは、必ず応募先の予定を確認しましょう。さらに普段からゼミや研究活動をおろそかにせず、指導教員とコミュニケーションを取り、就活への理解を得られるような関係作りが大切です。どうしても動かせない予定が重なる場合は、あきらめずに日程調整の相談をしてみましょう。
自由応募なのに推薦状が必要な「後付け推薦」
自由応募で選考が進んできたにもかかわらず、内定が出る最終段階にきて、学校からの推薦状を提出するよう求める企業があります。第1志望であれば問題ないですが、そこまでの強い志望度でない場合や、並行する選考の結果を持って決めたい場合などは悩みます。その志望先への志望度や状況によっても判断は分かれますので、1人で悩まずに大学キャリアセンターなど専門家に相談しましょう。後付けでも推薦状を出すということは入社を約束する形での拘束がかかり、その後に内定辞退をするとトラブルになる可能性もあります。
CHOICE2 学校推薦をもらう
CHOICE2 学校推薦をもらう
所属する学科や専門、学部や研究科に寄せられる学校推薦枠は、自由応募に比べて競争率も低く、勤めたい企業に応募するのであれば大きなメリットがあります。その一方で、推薦で選考を受ける以上は採用が決まったときに辞退ができないという拘束もかかります。理系就職の特徴ともいえる学校推薦の注意点を順に見ていきましょう。
学校推薦のメリット
学校推薦は、それまでの大学と企業との信頼関係などにより、大学側が推薦する学生であれば優先的に選考を行うというものです。ただし、これは推薦=内定(採用)を保障するものではありません。多くのケースは筆記試験やエントリーシート(ES)審査を飛ばしていきなり面接に進めたり、面接回数を減らしたりなど、自由応募に比べて優先的な選考となるものです。選考プロセスが省かれるため、上手く進めば極めて短い期間で内定にまで至ることができます。推薦を受けるには大学の選考を受け、推薦資格を得る必要がありますので、必ず手続きを確認してください。
推薦があれば内定は出る?
現状の推薦での選考は、選考プロセスの短縮などの優遇はありますが、最終的に面接などの審査に通らなければ内定はもらえません。「学校推薦で応募したのに落ちた」という例はどんな大学でも起こっています。学校推薦であることから油断して、志望動機も練らずに面接に臨んだり、いいかげんなESだったり、明らかに準備不足である場合、推薦といえども選考には通りません。推薦であれ自由応募であれ、受ける企業についてはしっかり調べ、志望理由や自己アピールをきちんと作らなければならないことに変わりありません。推薦だからと油断をせずに、緊張感を持って選考に望みましょう。
学校推薦のデメリット
学校推薦は採用に至りやすい反面、内定が出た場合に辞退ができません。推薦を出した企業は採用者数など採用計画に基づき選考を進めます。大学の推薦を信頼して推薦枠を設けた以上、内定を受諾した後での辞退は採用計画に影響します。推薦を受ける以上、内定が出れば必ず入社する第1志望先でなければなりません。万一推薦学生が内定辞退をした場合は、個人レベルの問題ではなく、大学と企業間の大きなトラブルになります。こうした理由から学校推薦を2社以上に同時にもらうことはできません。一度推薦で応募したものの、採用に至れなかった場合のみ別の推薦を受けられる決まりなどもありますので、よく大学に確認しましょう。
自由応募と推薦の併用の場合
自由応募と推薦を併用して就活を進める場合、両者の特質を理解して進めなければなりません。とくに推薦は内定辞退ができないため、推薦応募先よりも優先度の高い企業を自由応募先としてしまうことは、後々トラブルの原因となる恐れがあります。第1志望先を学校推薦、2番目以降を自由応募とする割り振りで志望先を整理しましょう。
学校推薦を受ける際は、必ず大学の正規窓口(キャリアセンターや就職担当教員)に相談し、推薦の条件などを確認して進めましょう。過去の推薦での採用状況なども分かるかも知れません。
Point3 専門を生かした就職? 専門外への就職?
Point3 専門を生かした就職? 専門外への就職?
専門分野の延長上の業界に就職するのは、理系ならではの進路選択です。しかし必ずしも専門分野が業界と直結するとは限りません。極めて限られた業界や職種にしかつながらない専門分野もあります。その一方で、専門に勉強した分野とは別の領域で知識を生かせるのも理系の特質です。
CHOICE1 専門を生かした就職
CHOICE1 専門を生かした就職
「専門分野の業界に進むのが当然」「企業は専門性を評価する」「専門と呼べるほど自信がない」…さまざまな考え方や思いがある中、就職先を選ぶ視点を検証してみましょう。
専門を生かした仕事を探す
専門分野の学習や研究の内容と直結し、卒業生が多数就職している企業は、採用において有利な場合があります。ただし有利であることは採用を保証するものではなく、あくまで選考は個人の資質と適性によって決まります。学校推薦であっても不採用になる人がいるように、過去の採用実績があっても油断することなく、しっかり志望動機や自己PRを準備して臨むことが大切です。これまで行ってきた勉強や研究の内容に加え、学校生活で身に付いたスキルやセールスポイントなどをアピールしましょう。
専門分野以外に進むのは不利?
専門と直結した業界に進んだとしても、実際の仕事において100%その専門分野を業務にできるとは限りません。ビジネスの環境は常に変化し、企業もそれに合わせて進歩しますから、全く畑違いの業務に配置されることも珍しくはないのです。
また、意図して専門外分野に進み、活躍する人もいます。そこでは専門知識だけでなく、論理思考や課題、改善の点を発見する地道な観察など、理想的な取り組みによって身に付けた応用力が、ビジネスの世界で役立ちます。その能力が専門外のビジネス分野でも応用できることをしっかりアピールしましょう。
就職に不利な専門?
自分の専門とする分野が業界に直結する人もいれば、「自分の専門分野がビジネスと結び付かないのでは?」と考えたり、「具体的に世の中に役立つ分野ではない・・・」と不安になったりする人もいます。しかし、大学の勉強と仕事は同じではありません。学生の立場で会社の業務やビジネスの多様性などを知るのには限界があり、「役に立たない」という判断を下すのは早計に過ぎます。
理系学生の多くは、知識や経験そのものだけでなく、知識を身に付ける過程や研究などの経験でぶつかった問題、それを克服した発想や学びを通じ、知性を磨いてきたのです。これこそさまざまなビジネスの課題解決においても役に立つ汎用的な能力といえます。
ライバルは同じ専門性を持つ学生と心得よう
専門分野が業界に結び付きやすいということは、他大学の同じ分野の学生も同じ条件だと考えられます。「○○が専門なので」という事実のみをアピールしても、それだけでは他大学の競争相手と差が付かず、採用の決め手にならない可能性があります。そのため、自分なりの視点や、研究や勉強で直面した困難、そして、それをどうやって克服したかという経験や気付きを伝えることが大切です。企業は実験で成功したかどうかなど過去の成果だけを確かめているのではなく、自社に入っても仕事上の課題をこなせるのか、難しい局面でどんな行動を取るのかといった個人の可能性を見ています。
CHOICE2 専門外への就職
社会には数多くの企業があります。仮に同じ業界であっても一つひとつの会社が取り扱う仕事は幅が広く、社員の職務も多種多様です。もはや、専門性の高い理系学生であっても自ら専門外分野を志望したり、入社後に専門外分野の仕事を担当したりすることは当たり前の時代です。そのため、専門外の就職はどの理系学生にも可能性のある選択といえます。
院卒で専門外に就職するのは不利?
理系では大学院進学率が文系に比べて高い傾向があります。ですから、理系学生の採用実績がある企業であれば専門の分野外でも、院生採用は十分あり得ます。また、企業によっては理系学生なら専門分野を問わず採用対象とする会社もあります。専門分野で学んだ知識以上に、大学院の研究を通じて養った高度な思考能力や課題解決能力といった点が評価されます。ただし、専門分野外の企業の選考を受ける場合は専門外の人に分かりやすく研究内容を説明できるよう、準備を工夫して臨みましょう。
理系にはさまざまな道が開かれている
理系ならではの論理的思考力や分析力を生かし、金融業界やコンサルティング業界、マーケティング業界に就職する人もいます。また、メーカーの営業職で、文系出身者にはない専門知識を武器に活躍している人もいます。理系学生は一般的に基礎学力を高く評価され、文系領域の職種でも大いに歓迎されます。ただ、どんな仕事であってもチームで働くことが要求されますから、コミュニケーション力などの面で、苦手意識がある人は改善する努力をしておきましょう。
研究や勉強と就活を両立するために
理系は研究や勉強に忙しく、就活に割く時間も限られる点で不利だという意見もありますが、理系職を志望するのであれば条件はみな同じです。会社説明会やセミナーなども、企業によっては土日や平日の遅い時間に行う場合もあります。参加がどうしても難しいときは、黙って辞退するのではなく、参加できない事情をきちんと会社に説明してはどうでしょう。理系学生の採用実績がある会社であれば、特別な対処をしてくれる場合もあります。マイナビ2027には「マイナビTV」というPC・スマホから視聴できるWEBセミナーも行っており、企業説明会から就活ノウハウまで、理系学生向けコンテンツが充実しています。ぜひ有効活用してください。
専門外分野応募でのアピール
専門外分野の企業に応募する場合、自分の勉学や研究内容だけでなく、それが応募した企業においてどう役立つのか、転用や応用はできるのか、それが難しければ個人の能力として企業貢献できるのかといった説明ができるように準備する必要があります。とくに応用や転用、基礎研究の実用への結び付きなどは、自ら可能性を狭めるような否定的な態度を取らず、できる限り大きな視点と長い時間軸でポジティブに説明すべきです。競争相手が文系学生となる応募先の場合、理系の勉強で培った汎用能力は分かりやすい差別化になります。授業を受け、報告をまとめ、実験準備や後始末、さらに卒論や修論のネタ探しも行うといった複数同時進行の進め方は、ビジネスの世界でマルチタスクと呼び、高く評価される能力です。能力評価の実証にも使えると考えてはどうでしょう。
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