教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

セカンドキャリアにつながったもの、
仕事や適性の見つけ方
サッカー界以外の人と交流を持つようにする

20歳くらいのころから、サッカーと同じくらいセカンドキャリアにも興味を持っていました。というのも、サッカーは一般的に選手として稼働できる期間が短く、選手生活が終わってからの人生の方が長いからです。
当時はサッカー選手のピークは30歳とされていました。一般の生活では、まだまだ働き盛りの年代ですが、サッカー界ではある程度キャリアの区切りも考え始める時期とされており、その時期を迎えたときに自分ならどうするのか非常に気になったのです。
そこでそのころから意識し始めたのが、サッカー関係者以外の人との交流を持つことでした。そうすることで自分の知らない世界に触れることができると思ったのです。
スマホのように便利なものがまだ世に出ていないころでしたが、ある人が「テレビに出ているものが、そのままリモコンで買える時代がもうじき来るよ」と言っていたのを覚えています。「へぇー、そんな時代が来るのか。世の中でそんな面白いことが起きるのか」ととても驚きました。
こんな経験がサッカー以外の世界を知りたいという自分の思いを強め、さらにこうした世の中の変化をサッカーと掛け合わせられたらいいなと考えるようになりました。
周囲の人に、なぜその業界や企業に就職したのかを聞いてみよう
両親や学部・部活のOB、アルバイト先の人など、すでに就職をして働いている人に、なぜその分野を目指したのか、興味を持った点は何だったのか、聞いてみよう。自分とは異なる視点から見た業界の面白さや、そもそも自分の中で認知すらできていなかった世界を知るきっかけになる。
サポーターとの会話の中にひらめきがあった
Jリーグも2023年に30周年を迎えましたが、その間、常に順風満帆だったわけではありません。試合の観客動員数が伸び悩んでいた時期に、あるサポーターの方とこんなやりとりがありました。私が「最近、観客動員が減っているのはなぜなのでしょうね」と聞くと、その方は「埼玉のスタジアムが遠いし、通うのにも応援するのにも体力がいるのですよ」とおっしゃいました。Jリーグ開幕当時は40歳で応援を始めて、それから時間も経って、現在は60歳となり、スタジアムに通うのにも体力がいるというのです。
その話を聞いて、ふと自分の両親のことを思い返しました。僕がJリーグに入りたてのころは車で静岡から毎試合応援に来てくれて、試合が終わるとご飯を一緒に食べて静岡に帰っていたのに、年々そういう機会が減っていったなぁと…。試合が終わると、帰りの渋滞も大変だと言って、そのまま帰ることが増えたけど、両親も体力的にきつくなっていたのだなと、実感しました。
サポーターと両親の姿を重ね、「人は健康でないと、好きなことでさえやり続けられないのだな」という気づきがあった瞬間でした。このころからヘルスケアに関することは今後ベンチマークになると考え始めました。
知っておきたい
就活情報
イベントに参加して業界の生の情報を仕入れる
興味がある、もしくは進みたい業界が出てきたら、その業界の研究を深めていこう。業界研究の目的は、その業界の歴史と現在、そして今後の展望を調べ、自分が携わる仕事や働くイメージを持つことにある。マイナビが開催する体育会系学生向けのイベントやWEBセミナーに参加すると、実際に働いている人から生の声を聞けて参考になること間違いなし!
業界研究にも役立つ
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サッカーとそれ以外のことを掛け合わせる
僕はサポーターとの会話をきっかけに、スタジアムに通う人にはいつまでも笑顔で来てもらいたいし、サポーターだけでなく、できるだけ多くの人がずっと元気でいられるように、何か自分も手助けしたいという気持ちを漠然と持つようになっていました。
ちょうどそのころ、「うんち」のアプリを開発しているという人に会う機会があり、「腸内細菌が面白い」という話を聞かせてもらっていたのですが…、そのときピンと来たのです。

それらがきっかけとなり、ヘルスケア業界、中でもとくに「腸活」が面白い、しかもアスリートの腸内環境を調べたら何か新しいものが生まれるのではないかと思いました。サッカー以外のことと、サッカーの掛け合わせができる! とひらめいた瞬間です。
自分の役割を見つける=適性
僕は2016年の1月に引退したのですが、引退後にセカンドキャリアとして現在の仕事を始めたのではなく、実は引退する前に起業をしていました。引退後は立場的にも社長になったのですが、腸活をする会社の社長として適性があったかどうか、と問われると疑問符がつくでしょう。僕の場合は研究者でもないし、ビジネスセンスがあるわけでもないので、むしろ適性はなかったに等しいと思います。ただ腸活を仕事にしたかったという思いだけがありました。

ですから、今でも会社の中ではいつも自分にできることは何か、どんな役割ができるかを考えています。サッカーでもそうですが、11人全員がシュートだけを狙っていればいいわけではありません。勝つためには点を取る人、パスやドリブルでゲームを組み立てる人、献身的に守る人など、それぞれの役割が大切です。
僕は自分がスポットライトを浴びなくてもいいから、チームのためになることを考えてプレーすることを信条としていました。そんな僕の気持ちを察してくれたのか、尊敬してやまない元サッカー日本代表監督のイビチャ・オシム氏が「誰よりもフィールドを駆け回る、水を運ぶ人」だと評してくれたのです。
就職活動でよく使われるキーワードで表現するなら、これが僕の「強み」であり、仕事における「役割」や「適性」だと思います。
自分の適性を知るための
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