この地を!
この地から!な企業
[株式会社ツルヤ]
地域の食を支えるために。
“三方よし”をあきらめない。
今回「この地を!この地から!」のテーマでご紹介するのは、ツルヤです。週末には東京をはじめとした関東からも多くの人が訪れる長野・群馬を拠点とするスーパーなスーパー。一見すると普通のスーパー。でもその実態は年間売上高1,540億円。長野県内の小売業ランキングで18年連続トップ
※を走ります。長年地元に愛される秘密とは?他の地域の人さえも惹きつける理由とは?販売責任者の岩崎さんにお話を伺いました。
※2025年6月期売上高1,540億円。東京商工リサーチ長野、松本支店発表の「県内小売業2025年売上ランキング」より。信濃毎日新聞デジタル参照
お話を聞いた人
- 取締役 販売部マネージャー
- 岩崎直之
東京都出身。幼少の頃長野県へ。大学卒業後、軽井沢店の鮮魚部門として7年間、副主任、主任を務め、青果部門を経て次長に。その後、店長を3年間経験し、鮮魚部門のバイヤーになる。県外初出店となる群馬県前橋南店及び、2号店のみどり店立ち上げにも尽力した後、現職に至る。
最高の魚を求めて、全国へ。地元の農家も大切に。
ツルヤは「何事もあきらめないスーパーです」と岩崎さん。「私たちは、“地域のお客様の豊かな食生活を支える”ため、商品の仕入れやオリジナル商品の企画、製造、お客様サービスと、スーパーとして可能な限りの最高レベルを追求しています」と話す。中でも一番のこだわりは商品の品質とのこと。とはいえ、高くて良いものをただ追求するのではなく、日常使いのスーパーとしての立ち位置は崩しません。
地域の日々の食を支える上で、「生鮮食品はいちばんの強み」と言います。20名ほどのバイヤーが、肉、魚、野菜をはじめとする8部門に分かれ日々買い付けと、生産者に会うために全国を飛び回ります。「私も2年ほど魚のバイヤーをしました。市場にはほぼ毎日通い、月に数回は旬の魚を求め全国の漁場にも足を運びます。秋にはブリを求めて九州へ、お正月用の魚介類を求めて北海道へといった具合です。現地に足を運んで自ら味を確かめなければ、自信を持って商品をお客様にご提供できませんからね」と岩崎さん。また、野菜や果物に関しては「これまで地元長野の契約農家さんが中心でしたが、店舗数の増加に伴い、近県をはじめ信頼できる全国の生産者にご協力いただいています。もちろん、これまでの農家さんも大切に。お客様、地域の生産者、そして従業員も含めた私たちツルヤの“三方よし”を目指します」
効率よりも品質を優先。社員教育にも時間をかける。
ツルヤは、その販売方法にもこだわりがあります。「お肉やお魚の加工は、毎朝各店舗で行います。一般的には効率を考えて専門のセンターで一括加工が主流ですが、食品は空気にふれると酸化し、劣化が始まります。やっぱり店舗でさばきたてのお魚、切りたてのお肉のほうがフレッシュですからね」と岩崎さん。
「社員教育も重要視しています。どんなに最高レベルの品でも、扱う人の技術が未熟ではその価値が落ちてしまいます。ツルヤでは商品の加工方法など、“あるべき型”が誰でもわかる動画マニュアルを活用し、先輩のフォローのもと、社員が成長できる仕組みを整えているのです。年1店舗の新店オープンは他店に比べると遅いように感じるかもしれませんが、それは従業員の成長に合わせているからなのです」
効率よりも品質を優先する。そのために無理をせず、じっくり社員の成長を見守る。「最高レベルの品を、お客様に届けたい」という思いがあらゆるところから伝わってきます。
プライベートブランドでは、フードロス問題の解決も。
さらに、地元では「ツルヤといえば、プライベートブランド(PB)!」と言われるほどに定評があり、現在その数は1,000種類以上にものぼるそうです。
「安心安全でおいしい、そして普段使いできることが大前提。その上で品質と価格のバランスが良く、できるだけ無添加なものを意識しています。たとえば、りんごバター(ジャム)の原料となるりんごは、もともと贈答用にもできる品質の優れたものを使用。台風などで傷がつき出荷できないと農家さんが困っていたりんごに着目したのが始まりです」
なるほど。「いいものは、高い」が当たり前の中「いいもの、そして普段使いできるもの」その追及の背景には食を守るということへのこだわりとその考えのもとでの生産者との確かな信頼関係があることが伺えます。
また、「ご評価をいただいているPB商品にサバ缶があるのですが、こちらも漁獲量が減る時期など、品質が担保できないなら製造を見送ります」と人気でも休売も辞さないという徹底ぶり。「ツルヤのPB商品は熱狂的なファンがいる」というのも納得です。岩崎さんにPBについてさらに尋ねると、「あくまで選択肢の一つとしてご提供しています」と返ってきました。普段の食卓を支えるべく、お客様が慣れ親しむナショナルブランド(NB)の品揃えを第一に考えるそうです。売り場のバランスは2:6:2。2がPB商品、6がNBそして残りの2が地元の商品という構成なんだとか。
スーパーマーケットは、食のワンダーランド。
「カスタマーサービスが大切」と力を入れるツルヤでは、他の小売店でよく見られるポイントカードがありません。一見逆のようにも感じますが、「ポイントカードって、要するに値引きなんですね。だったら、最初から販売価格に反映するほうが公平ですよね。曜日ごとにポイント還元率が違うのも不公平。毎日の食卓を支えることがモットーですから、いつでも気持ちよく買物していただきたいのです」と岩崎さん。いやあ、徹底しています。
広々とした店内づくりもお客様を考えてとのこと。「商品を目立たせるようによく通路の真ん中に設置する『島陳列』も、ツルヤでは絶対にやりません。移動の妨げになるからです。私たちにとっての売り場は、お客様にとっての買い場。スーパーマーケットは、ワクワクした空間であるべきです。ワンダーランドは言い過ぎでしょうか?(笑)高品質の商品、広々とした清潔感のある店内、温かみのある接客、全部含めて、お客様の豊かな食生活を支えるのです。そして、それを支えていただく生産者の方々と一緒に、これからも私たちは真摯に地域の食に向き合います」と、地域のスーパーとして地域への熱い思いでしめてくれました。「この地を!この地から!な企業」まさにこのテーマにぴったりな企業、ツルヤが長野にはありました。
マイナビ編集部の声
取材中に何度も登場する「地域のお客様の食を支える」という言葉が印象的でした。「お客様が喜んでくれれば、商品をたくさん仕入れることができる。その結果、生産者の方々にも貢献できる」と地域みんなが喜ぶサイクルを生み出している点に惹かれました。可能な方はぜひ一度店舗訪問してみてください。随所にすごさを感じるスーパーマーケットですよ。