栄養士・管理栄養士の仕事内容
献立作成
週単位・月単位でバランスよく栄養素を摂取できるような献立を作ります。食事は利用者さんにとって大きな喜びの一つ。単に栄養摂取基準をクリアしているだけではなく、季節感や行事を取り入れて「食事=楽しいもの」となるような工夫が腕の見せどころ。食材を予算内に発注することも必要です。
(専門的な)食事の調理・提供
国家資格である管理栄養士はより専門性が高くなります。疾患や食事療法(減塩食、糖質制限食、蛋白質制限食など)について理解を深め、対象者の状態に適した食事を提供します。また、特に介護施設では、利用者さん一人ひとりのニーズに合わせて食形態(ソフト食、刻み食など)を工夫します。
栄養ケアマネジメント
管理栄養士は、利用者さん個々の栄養状態や食事摂取状況などをアセスメントし、それを反映した栄養ケア計画を作成します。この計画に基づいてサービスの提供、相談対応、問題点の把握などを行うことを栄養ケアマネジメントと呼びます。推進するために介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)などとの連携が欠かせません。
食に関する研究開発
栄養士・管理栄養士には医療や介護の現場から離れて活躍する道もあり、例えば食に関する研究活動もその一つです。研究機関や企業に所属して、調査や実験をコツコツ繰り返した成果が論文発表や商品開発につながります。研究開発に携わるハードルは高いですが、広く世の中の人々の健康維持や健康増進に貢献できるでしょう。
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キャリアステップ
知識やスキルを磨き続けることで、栄養士領域での活躍の幅はさらに広がります。栄養士養成施設を卒業した栄養士は、1~3年の実務経験があれば管理栄養士国家試験を受験することができます(管理栄養士養成施設を卒業した場合は実務経験の要件免除)。活躍したいイメージに沿ってステップを昇っていきましょう!
(栄養士・管理栄養士のキャリアアップ一例)
1年目
特別養護老人ホームスタッフ
現場に慣れつつ、病態や薬剤の勉強を進める
- 入職してしばらくはOJT研修で先輩の指導を受ける
- 管理栄養士養成課程では、病態や薬剤に関する授業があまり多くなく、臨床実習の期間にも限りがあるため、入職後も意識的な勉強が必要だと気付く
- 一般的な栄養管理について、利用者さんやそのご家族に指導できるようになる
保有資格:管理栄養士
3年目
特別養護老人ホームスタッフ
担当する対象者の幅が広がり、知識やスキルの自信を深める
- 疾患の理解が進み、糖尿病などを抱えた利用者さんの栄養指導を担当する
- 新任の管理栄養士をサポートする
- 病院への転職を視野に入れ、認定管理栄養士の資格取得に向けて勉強
保有資格:管理栄養士 → 認定管理栄養士資格取得に向けて勉強中
5年目
病院スタッフ
NSTチームの一員として院内全体の栄養管理に携わる
- 慢性期病院に転職してNSTチームの一員となり、院内全体の栄養相談に対応
- 学会参加や研究発表に取り組む
- 外部の講習会に出席し、職場以外の専門職とケーススタディーを行う
保有資格:管理栄養士、認定管理栄養士
研修・資格取得支援体制
栄養士資格を生かして、さらにステップアップできる資格があります。興味をもった資格には、ぜひ挑戦してみてください。
(ある介護施設の一例)
認定栄養士/認定管理栄養士
日本栄養士会による資格制度で、さまざまな専門領域(臨床栄養、学校栄養、健康・スポーツ栄養、地域栄養、福祉栄養など)において、熟練した栄養に関する技術と知識を備え、実践に用いることができる栄養士/管理栄養士を育成するもの。実務経験に加え、自己研鑽や研修を経て認定審査に合格することが必要。
糖尿病療養指導士
日本糖尿病療養指導士認定機構によるCDEJ(日本糖尿病療養指導士)と、都道府県などが独自に認定するLCDE(地域糖尿病療養指導士)という2つの制度がある。日本人の約6人に1人が糖尿病または糖尿病予備軍であるといわれており、需要が高い資格の一つ。